防衛副大臣臨時記者会見

日時
令和3年9月28日(火)11:22~11:31
場所
防衛省A棟1階エントランス
備考
北朝鮮弾道ミサイル(可能性)発射事案後の中山防衛副大臣臨時会見

1 発表事項

 北朝鮮は、本日28日午前6時38分頃、北朝鮮の内陸部から、1発の弾道ミサイルの可能性があるものを東方向に発射をいたしました。詳細につきましては現在分析中です。なお、現時点におきまして、わが国の航空機や船舶への被害報告等の情報は確認をされていません。北朝鮮は、令和元年5月以降これまで30発を超える頻繁な発射を繰り返しており、その目的がミサイル技術の向上にあることは明らかであります。昨今の北朝鮮による弾道ミサイル等の度重なる発射は、わが国を含む国際社会全体にとっての深刻な課題であります。総理におかれましては、本件について直ちに御報告を行い、情報収集・分析に全力を挙げ、国民に対して、迅速・的確な情報提供を行うこと、航空機、船舶等の安全確認を徹底すること、不測の事態に備え、万全の態勢をとること、の3点について指示がありました。これを受けまして、岸防衛大臣から「引き続き、情報収集・警戒監視に万全を期せ」との指示がありました。その後、私の下で、関係幹部会議を開催するなど、対応に万全を期しているところです。防衛省としましては、引き続き関連情報の収集と分析に努めるとともに、これまで以上に警戒監視に万全を期してまいります。米国、韓国を始めとして、関係国と緊密に連携しながら、国民の生命、そして平和な暮らしを守り抜く断固たる決意でございます。さらに、防衛大綱・中期防の下であらゆる空からの脅威に対処し、わが国全土を防護する能力、総合ミサイル防空能力の強化を進めてまいります。

2 質疑応答

Q:2点ほどお伺いさせてください。情報分析中だということなんですけれども、飛距離とか、弾種とか基本的な情報については、分かっていること教えていただきたいということと、あと発射から5時間ほどたっていると思うんですけども、これまでであればEEZの外か内か含めて、ある程度の第2報というかですかね、詳しい内容も出てきたと思うんですけども、現段階でも第1報以降、詳しい内容出てきてない現状について理由を教えていただけますでしょうか

A:今回発射されました弾道ミサイルの可能性があるものの、弾種については、弾道ミサイルであるか否かも含めまして、所要の情報を基に総合的・専門的な分析を行う必要があり、現時点で確たることを申し上げることは差し控えさせていただきたい、かように考えてございます。また、今般発射されたものの速度、それから飛翔距離、高度、変則軌道の可能性など、こういった情報についても現時点においてこれ以上の詳細は分析中ということであります。また、落下地点のことも追記をしますと、その点についても現在分析中であるということでありまして、今、情報収集・分析、これを集中して行っているところであります。

Q:関連しまして、やはり5時間ほど経っているので、先回と併せて変則軌道であるとかいろんな情報が出てきたと思うんですけれども、これが出てくるのが遅いと思うんですけれども、理由は何か御説明いただけますでしょうか。

A:情報収集というのはですね、非常に専門的な角度から、今申し上げたとおり行われなければならないというふうに思います。また、各方面との連携作業これも必要であります。そういった意味からしっかりとですね、充実した内容を適宜、国民の皆様方にお知らせすべきときが来たら、きちっとお知らせするということには、なんら変わりはありませんので、それまでの一程度の時間、分析を要しているということで御理解をいただきたいと思います。また、同時に我々のですね、手のうちを明かすようなこともできません。その点は御理解をいただきたいと、かように思っております。

Q:今の関連してなんですけれど、前回のミサイル発射の際には出せた情報が出せていない、それは今回のミサイルが前回よりも、より捕捉が難しいものだったということもあるんでしょうか。

A:その点に関しても、現時点で情報分析中ということでありますので、手の内を明かしてしまうようなことにもなりかねませんので、現時点では、お答えを差し控えさせていただきたい。このように考えます。

Q:前回、もともとEEZ外だったと発表していたものが、内側に変わってしまった。そういったことも考えて今回より正確に情報分析をしているとかありますか。

A:前回の発射というのは前回の発射であって、今回の発射というものとの分析、そういったものでは特に、連続性をもって見ることも大事ですけど、今回は今回という形で、情報収集・分析を行っておりますので、前回の御指摘と今回のものというのは切り分けて考えていただければありがたいと存じます。

Q:岸防衛大臣がですね、体調不良で今回、今日公務取りやめということですけれども、北朝鮮の今回の弾道ミサイルと見られるものの発射のタイミングについては、大臣が不在という中では問題なかったのでしょうか。

A:岸防衛大臣におかれましては、昨晩27日発熱があったために、現在、病院にて検査及び治療を受けておられます。「尿路感染症」との判断を受けられたということでありまして、そういった意味で大事をとって療養していらっしゃる中で、体調が御回復され次第、公務に復帰をされる予定であります。大臣にはですね、随時連絡をとれる状況にもあります。また、今回の北朝鮮によるミサイルの件も含めまして、必要な指示などは、大臣から発出をされています。私自身も直接連絡を取らせていただいておりますので、何か問題があるといった御指摘はそれに当たらないというふうに考えます。

Q:ミサイルの関連情報の発表の仕方なんですけれども、やはりこう安全情報としてもですね、EEZの外なら外で、しっかりお伝えしないといけないと思うんですけども、ずっと分析中であるとですね、なかなか安全・安心情報としてもお伝えできないところもあるんですけども、そのあたりはいかがですか。

A:今、御指摘のあったように、メディア含めてですね、こうやってアナウンスしていただけるということは、非常に政府としてもありがたいということであるとは思います。他方で、これらの分析結果の公表のあり方につきましては、所要の分析が終わった段階で、国民の皆様への情報の提供の必要性を十分に踏まえつつ、わが国の情報能力の保全、それから北朝鮮への有意な情報の提供となる可能性の排除といった点も含めて総合的に勘案して、適切に判断をしていかなければならないというふうに考えておりますので、その点に関しても御理解いただければありがたいというふうに思います。

Q:ちなみに今回の情報のアップデートはですね、いつ頃になりますでしょうか。午後であるとか明日であるとか、できるだけ早く発表いただきたいんですけど。

A:御指摘のとおりだと思います。私どもの方も、可及的速やかに、なおかつしっかりと冷静沈着にですね、情報収集、分析を行って、然るべき時期が来たら、適宜情報発信に努めていきたい、かように考えています。

Q:岸大臣の休養中だったんですけれど、中山副大臣がNSC等は代理出席されると考えてよかったのでしょうか。

A:その点は、各方面と調整が必要かと思いますけれども、基本的には内閣官房の方に聞いていただけたらありがたいというふうに思います。

以上