防衛大臣臨時記者会見

日時
令和3年9月15日(水)21:08~21:14
場所
防衛省A棟1階エントランス
備考
北朝鮮による弾道ミサイル発射事案に係る岸防衛大臣臨時会見

1 発表事項

 現時点までに得られた諸情報を総合的に勘案いたしますと、北朝鮮は、本日12時32分及び37分頃、北朝鮮内陸部から、2発の弾道ミサイルを東方向に発射いたしました。発射された弾道ミサイルは、従来から北朝鮮が保有しているスカッドの軌道よりも低い高度、最高高度で約50km程度を、変則軌道で約750km程度飛翔し、日本海上に落下したものと推定されます。落下したのは、わが国の排他的経済水域内と推定されます。防衛省としては、引き続き関連情報の収集と分析に努めるとともに、これまで以上に警戒監視に万全を期してまいりたいと考えます。米国、韓国を始めとして、関係国と緊密に連携しながら、国民の命、そして平和な暮らしを断固として守り抜いていく決意であります。さらに、防衛大綱・中期防の下であらゆる空からの脅威に対処し、わが国全土を防護する能力、総合ミサイル防空能力の強化を進めてまいります。今回の発射については、関連する国連安保理決議に違反するものであり、極めて遺憾であります。また、わが国と地域の平和と安定を脅かすものであり、強く非難をいたしたいと考えます。以上です。

2 質疑応答

Q:確認で2点お願いいたします。このEEZ内に落下したと推定されるのは2発ともということでいいのかということとですね、もう1点、当初の発表ですと、EEZ内に落下しないと推定されるという発表だったかと思いますが、これは今回、「中」だというふうに変わったのには、どういった事情があったと、見極めが難しい位置だったとかですね、どのような事情があるのか、この2点についてお聞かせください。

A:まず、発射を探知した直後の情報に基づきますと、排他的経済水域外に落下したものと推定されたために、その旨発表したところでありますが、その後、分析を進める中で変則軌道で飛翔したことが判明し、わが国の排他的経済水域内に落下したものと推定されるところであります。その他更に分析中であります。

Q:排他的経済水域内でいうのは、具体的には新潟県沖、どのあたりなんでしょうか。

A:引き続き、これは分析中でありますけれども、現時点においては落下したのは能登半島沖の舳倉島(へぐらじま)の北約300km程度のわが国のEEZ内と推定されております。

Q:2発ともという意味で理解してよろしいですか。

A:はい。

Q:併せて、短距離型のミサイルだということになるのでしょうか。先ほどの大臣ご説明ですと。

A:弾道ミサイルの弾種については、今、引き続き分析中でありますので、確たることを申し上げるのは差し控えさせていただきたいと思います。

Q:特徴としては、A型に似ているように思うんですが。

A:そういったことも含めて、今鋭意分析中であります。

Q:今回、EEZ内と分かったのはいつ頃なんでしょうか。

A:先ほども言いましたけれども、EEZ外と推定されましたけれども、その後、分析を通じてですね、変則軌道の飛翔したということから、EEZ内に落ちたということであります。時間については、現在申し上げるのは差し控えさせていただきたいと思います。

Q:EEZ外と思っていたのが内側だったということについては、北朝鮮のミサイルの能力が想定を超えていたということなんでしょうか。

A:変則軌道で飛翔したことが判明をしたということです。

Q:想定を超えたというわけではないですか。

A:分析を進める中で、そういったことが判明したということです。

Q:落下地点がですね、分かるまで時間がかかってしまったというところについて、ミサイルの捕捉能力についてはどのようにお考えでしょうか。

A:しっかりと我々として態勢を整える中で、分析を進める中で、詳細について今お話しをしたとおりであります。

Q:昨日の日米韓のですね、会談の後にこういうふうに発射があったわけですけれども、日米韓としてのメッセージがですね、北朝鮮に無視されている形になっているというところの状況については大臣どのようにお考えですか。

A:北朝鮮がどのように考えているか、そういったことについて私から申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。

Q:先ほどミサイル防衛向上させていきたいというところですけれど、具体的に今回の事象を受けてこういったことが必要だとか、お考えありましたらお願いできますか。

A:いずれにいたしましても、北朝鮮が様々なミサイル発射能力を進める中で、我々としてもしっかりとしたミサイル防衛を進めてまいりたいと考えます。

Q:3年ぶりとなるEEZ内への落下ですね、その発射について大臣どのように受け止めておられますか。

A:いずれにいたしましても、この発射というのは国連安保理決議に違反するものであります。我々としては、極めて遺憾であって、地域と平和の安定を脅かすものであって、強く非難をいたしたいところです。

Q:先日の巡航ミサイルとですね、今回の日本EEZ内への発射を受けてですね、日本を想定したものではないかというような指摘も、今日の自民党の部会等でもあがっておりますが、この点に関していかがでしょうか。

A:これは北朝鮮の意図がどのようにあるのかということについては、私から申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。

以上