防衛大臣臨時記者会見

日時
令和3年9月15日(水)16:26~16:33
場所
防衛省A棟1階エントランス
備考
北朝鮮による弾道ミサイル発射事案後の岸防衛大臣臨時会見

1 発表事項

 現時点までに得られた諸情報を総合的に勘案すると、北朝鮮は本日12時32分及び37分頃、北朝鮮内陸部から、少なくとも2発の弾道ミサイルを東方向に発射した模様であります。弾道ミサイルの飛翔距離等については、変則的な飛翔の可能性も含め、現在分析中です。初期の情報に基づけば、わが国の排他的経済水域外に落下したものと推定される旨発表いたしましたが、これはあくまでも暫定的な評価であって、いずれにせよ、変則的な飛翔の可能性も含め、現在引き続き分析中であります。また、防衛省から政府内及び関係機関に対して速やかに情報共有を行いました。現在までのところで、航空機や船舶からの被害報告等の情報は確認されていません。今回の発射は、関連する国連安保理決議に違反するものであり、極めて遺憾であります。また、わが国と地域の平和と安全を脅かすものであり、強く非難をいたします。北朝鮮は令和元年5月以降、これまで30発を超える頻繁な発射を繰り返しています。その目的がミサイル技術の向上にあることは明らかであります。昨今の北朝鮮による弾道ミサイル等の度重なる発射は、わが国を含む国際社会全体にとって深刻な課題であります。総理には、本件について直ちに報告を行い、「情報収集・分析に全力を挙げ、国民に対して迅速・的確な情報提供を行うこと」、「航空機・船舶等の安全確認を徹底すること」、「不測の事態に備えて万全の態勢をとること」、この3点について指示がありました。これを受けて、私からは「引き続き情報収集・警戒監視に万全を期せ」との指示を出しました。その後、関係幹部会議を開催するなど、対応に万全を期しているところであります。防衛省としては、引き続き関連情報の収集と分析に努めるとともに、これまで以上に警戒監視に万全を期してまいります。米国や韓国等を始めとして、関係国と緊密に連携しながら、国民の生命、そして平和な暮らしを断固守り抜く決意であります。更に、防衛大綱・中期防の下であらゆる空からの脅威に対処し、わが国全土を防護する能力、総合ミサイル防空能力の強化を進めてまいります。

2 質疑応答

Q:ミサイルの性能と脅威について伺います。韓国メディアは韓国軍の話として、飛翔距離800キロ、高度60キロと報じていますが、これについて受け止めと脅威について教えて下さい。

A:今回発射された弾道ミサイルの詳細については、総合的、専門的に分析を行う必要がありますので、現時点で確たることを申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。

Q:冒頭のお話ですと、変則飛行した可能性も含めてということで、もしかしたらEEZ内や領海内に入った可能性もまだあるということでしょうか。

A:そういうことも含めて、現在分析を進めているところであります。

Q:中国に対するですね、抑止力を高めるという中で、北朝鮮のミサイル発射っていう事案もありまして、多方面での対応が求められると思いますけれども、その点について懸念なり、今後の対処の方針なり、コメントをお願いします。

A:わが国をしっかり守っていくと最後にも述べましたけれども、総合ミサイル防空体制をしっかり整えていくことは必要だと思います。

Q:これまで様々発射があった場合にですね、距離とかを正確に発表している部分があったと思うんですけれども、今回はあくまで暫定的な評価というふうになっているのは、これまでの事案と、どういうふうに違ってこういうふうな発表の仕方になっているのでしょうか。

A:先ほども申し上げましたけれども、変則的な軌道も含めて、現在詳細分析中であります。相応の時間がかかるかもしれませんが、しっかり分析を進めてまいりたいと考えます。

Q:弾道ミサイルということは間違えないということでしょうか。また、弾道ミサイルの場合は短距離というような評価でしょうか。

A:弾道ミサイルの発射ということでありますけれども、それ以上については分析中ですので、詳細は差し控えさせていただきたいと思います。

Q:新型かどうかっていうのは、どういう分析をされていますでしょうか。

A:新型というのは、どういう。

Q:これまでにない。

A:そういうことも含めて、分析を今進めているところであります。

Q:昨日、日米韓協議が行われる中で、本日こういう発射がありました。それについての受け止めというのはいかがでしょうか。

A:いずれにいたしましても、北朝鮮のこのような行為はですね、国連安保理決議違反でもありますし、断固非難をしたいと思います。

Q:昨日の日米韓協議に加えてですね、今日ソウルでは中韓の外相会談も行われております。国際社会が北朝鮮に対して注目を集めている中でですね、このような発射を、先日のミサイルも含めて繰り返すということをどのように捉えておられますでしょうか。

A:このミサイル発射について、北朝鮮の意図がどこにあるのかということは、こちらから予断を持ってコメントすることは差し控えさせていただききたいと思います。

Q:巡航ミサイルの発射実験があったというような報道もありましたけれども、それとの関連性、どのように分析されてますか。

A:関連性等々につきましても、北朝鮮の意図等につきましても、これは私の方からコメントすることは差し控えさせていただきたいと思いますし、それから中身についても引き続き分析を進めてまいりたいと思います。

Q:ミサイル発射の兆候などについては、何かこう捉えられていたものというのはあったのでしょうか。

A:これは、わが方の情報分析能力を明かすことにもなりますので、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。

以上