防衛大臣記者会見

日時
令和3年9月14日(火)11:24~11:33
場所
防衛省A棟11階第1省議室
備考
岸防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

 新型コロナウイルスですが、前回の会見以降、60名の隊員が新たに感染が確認されました。これまでの合計で4,720名となります。 また、自衛隊員のワクチン接種状況につきましては、9月10日までに、約20万1千人、全体の77%ですが、これに対して第1回目の接種が行われました。そして、12万3千人、47%に対し2回目の接種が行われたところであります。

2 質疑応答

Q:北朝鮮が新型巡航ミサイルとみられるミサイルを発射しました。射程が1,500キロ飛んだと報道されていますが、それについての分析と大臣の受け止めをお願いします。

A:昨日、北朝鮮メディアが、国防科学院が11日及び12日に、新たに開発した新型長距離巡航ミサイルの「試験発射」を成功裏に行ったと発表したということは承知をしているところであります。北朝鮮の軍事動向については、防衛省として、平素から重大な関心を持って情報収集・分析に努めておりますが、事柄の性質上、個々の具体的な情報の内容については、お答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。その上で、北朝鮮の発表によりますと、今回のミサイルは射程が1,500キロに及ぶと承知をしております。もしこれが事実であれば、地域の平和と安全を脅かすものであって、わが国としては懸念を有しているところであります。なお、わが国のEEZや領域への飛来は確認されていません。いずれにいたしましても、防衛省として、北朝鮮の軍事動向について、引き続き、米国や韓国等と緊密に連携しながら、必要な情報の収集・分析、また警戒監視を行ってまいります。

Q:今の北朝鮮のミサイルについてなんですけれども、まだ情報収集・分析中ということなんですが、今回射程がですね、1,500キロということでこれまでのですね、指摘されている巡航ミサイルの射程よりですね、長い形になると思うんですけれども。今回その発射の意図ですね、そこはどういうふうに今お考えなっていますでしょうか。

A:北朝鮮の意図について、私たちが予断をもってコメントすることは、これは差し控えさせて頂きたいと思います。いずれにいたしましても、北朝鮮はミサイルの発射技術を向上させていますので、しっかり情報分析、情報収集等と警戒監視を含めて行ってまいりたいと思います。

Q:関連しまして、もう1点お伺いしたいんですけれども。北朝鮮の軍事動向についてはですね、重大かつ差し迫った脅威だということで、白書等々に書いてあると思うんですけれども、今回は長距離の巡航ミサイルというのがですね発射に成功したという、これが事実であれば、この脅威という認識についてですね、やはり単に脅威が増しているというふうに考えるのか、まだ脅威というのが増しているという段階ではないのか、こういった評価についてはどのようにお考えでしょうか。

A:今回のミサイル発射と言われるものはですね、成功したかどうかも含めて、この事柄の性質上ですね、個別の具体的な情報の内容については、また、我々の評価については、お答えすることを差し控えさせていただきたいと思います。

Q:防衛大綱と中期防についてお伺いいたします。菅総理はですね月刊誌のインタビューで、国家安保戦略の見直しと共にですね、防衛大綱、中期防の早期の見直しに着手すべきとの考えを示されました。今後の見直しのスケジュール感について大臣どのようにお考えでしょうか。

A:まず、わが国の最初の国家安全保障戦略は今から7年半前に作られております。その間、東アジアの安全保障環境や技術動向等は大きく変化をしたと。こうした環境変化に対して、経済安全保障面の対応の強化や、サイバー分野の対応、そして「自由で開かれたインド太平洋」の構想の推進など、また新たな動きがありました。このようなことを踏まえて、菅総理は、現行の国家安全保障戦略、防衛大綱、それから中期防について、時代の要請を反映するように、見直しのための作業に着手すべきではないかとこのように述べられたと考えております。防衛省としては、わが国の将来の安全保障のあり方について引き続きしっかり検討してまいりたいと思いますが、見直しについては、現時点で何も決まっておりませんので、予断することは差し控えさせていただきたいと思います。

Q:菅総理のお言葉の中でですね、早期の着手と、早期ということが入っていたんですが、その辺りについて、防衛省として早期に対応するというお考えはいかがでしょうか。

A:菅総理のお言葉そのものだと思います。しっかり対応してまいりたいと思います。

Q:先日にですね、知床岬沖の上空をロシアの民航機と見られる飛行機が侵犯したという公表がありました。公表後の分析等あれば教えていただきたいのですが、大臣の受け止めをお願いできますでしょうか。

A:9月12日、9時37分頃及び9時58分頃、ロシア機の1機が、知床岬のわが国の領海上空において領空侵犯していることが確認されました。これに対して、通告及び警告を実施するとともに、航空自衛隊の戦闘機を緊急発進させ対応させました。今回の領空侵犯は、極めて遺憾であって、ロシア政府に対して外交ルートで厳重に抗議するとともに、再発防止を強く求めたところであります。

Q:関連してもう1問お願いします。ロシア機の領空侵犯、それから、中国の潜水艦が接続水域での潜没航行が公表されています。日本周辺の軍事状況が何か慌ただしく動いているような認識もあるかと思うんですけれども、こういった動き何か要因ですとか、大臣お考えありましたら教えていただけますでしょうか。

A:今ご指摘のありました、ロシア機の領空侵犯、また、週末にかけての潜没潜水艦の事案等々発生をいたしております。わが国の周辺の安全保障環境非常に厳しさ、複雑さを増していると考えております。そうしたことに対して、しっかり防衛省・自衛隊としても警戒監視を怠ることなく、対応してまいりたいと考えております。

以上