防衛大臣臨時記者会見

日時
令和3年8月23日(月)12:56~13:07
場所
防衛省A棟1階エントランス
備考
在アフガニスタン・イスラム共和国に在留する邦人等の輸送に関する岸防衛大臣臨時会見

1 発表事項

 国家安全保障会議における議論を受けて、先ほど関係幹部会議を開催いたしまして、私から自衛隊法第84条の4に基づき、アフガニスタンからの在外邦人等の輸送について命令を発出いたしました。この命令を受けて、早ければ本日夕刻には輸送機1機が第1陣として出発する予定です。最終的には、C-130輸送機2機、C-2輸送機1機を基準として、輸送任務に当たることといたします。現地では民間機の運航は停止され、各国は自らの軍用機で自国民や現地職員の方々を退避させています。人道的な観点から自衛隊がこうした方々の安全確保のため、退避させることは極めて重要な責務であると考えています。アフガニスタンに残る在留邦人の方々や、大使館及びJICAの現地職員の方等を、迅速かつ安全に退避させるために、現地の情勢を注視しながら対応に万全を期してまいります。

2 質疑応答

Q:17日に日本大使館の職員が退避を行いましたけども、今回の決定がこのタイミングになった理由をおしらせください。

A:現地の情勢が大変急速に流動化する中で、政府としては現地に残留する邦人、現地職員等と連絡を取りながら、その安全確保や必要な出国支援のため、あらゆる手段を検討し、全力で取り組んでまいりました。こうした中で、米国をはじめとする関係国との調整の結果、現地に自衛隊機を派遣する目途がたったことから、派遣を決定したものであります。現地の情勢は流動的でありまして、予断は許されないものの米国等との関係国と連携しながら、自衛隊機をできるだけ早く到着させ、邦人、現地職員等の安全な退避の実現に向けて協力を加速させる考えであります。

Q:現地情勢、非常に混迷しているものと思うのですけど、安全な輸送に向けてどのように取り組んでいかれるのかということ、どれぐらいの規模を受け入れるということ、受け入れ態勢がどうのように整えられているのかこの点教えていただけますか。

A:現地の情勢、非常に流動的であります。急速に変化している中ですから、情報収集ということが大変重要になってくると思います。まず、情報収集のための部隊を先遣隊として周辺国に送りまして、そこを基盤としてまずしっかりとした態勢を作っていかなければならないと思います。カブールの空港で、しっかりした態勢を組んだ上で、受け入れ態勢を作っていきたいというふうに考えております。カブールで、1つは空港において邦人及び現地職員の受入れを行い、安全を確保した上でピストン輸送を行ってまいります。

Q:先ほどの幹事社からの質問の中で、米国・関係国との調整の結果というふうにお答えになられましたけども、これはつまり日本人、邦人、それから日本に関係する現地職員の方を、他国軍の飛行機で運ぶことが不可能になったから自衛隊の派遣が必要になったということでしょうか。

A: 現地邦人を退避させる状況においては、まず大変急速に状況が変化していた、自衛隊機を派遣することを検討しておりましたけれども、それよりも時間的な問題、緊急性の問題等で他国の軍用機で輸送した方が良いだろうという判断をまず行ったわけであります。一方で、わが国の組織で働く現地の従業員、こうした方々もある意味ファミリーであります。同僚の仲間をしっかり安全を確保していきたい、こういうところでは当初から考えておりましたけれども、その状況がしっかり確立できるという目途が立ったものですから、今回の派遣ということになったわけです。

Q:つまり、自衛隊機の輸送ができる環境の目途が立ったから、今回派遣をすることになったということで。あともう1件、84条の3ではなく、今回84条の4を適用する理由というのは。

A:邦人の保護ではなくて邦人の輸送という観点ですね。まずカブール空港、ここにおいて、米軍によって安全がしっかり確保されているという状況、その中で我々の任務というものが邦人を中心とする輸送に専ら専念をするというところで、84条の4を基準としております。

Q:居住地ですとか、今、退避されている場所から空港までの安全というのは、自衛隊では確保しなくてもいいということになりますか。

A:カブール空港まで。これは各自で確保していただくしか仕方ないところであります。

Q:84条について。外国人の輸送については、84条の4を適用したということでよろしいでしょうか。

A:84条の4は、邦人の輸送について書いてあります。その邦人の輸送の中で、保護している外国人についても余席を利用して輸送するということについては問題のないところであります。

Q:先ほどの、カブール空港までは自力で来てもらうことになるということですけど、84条の4は確か車両での輸送という項目もあったかなと思うんですけれども、今回のオペレーションはあくまでも、自衛隊機をカブール空港に派遣して、自衛隊はそこ以外の活動はしないという理解でよろしいんでしょうか。

A:自衛隊としては、この法律に基づいて、カブール空港からの輸送を行うということです。

Q:対象者なんですけれども、現地職員の方に家族とかもいらっしゃると思うんですが、先ほどから「など」というふうに付けていらっしゃいますけれども、線引きというか、どのあたりまで運ぶというのを想定していらっしゃるんでしょうか。

A:これは外務省にお聞きをいただければいいと思います。

Q:輸送機3機を合わせると大体300席くらいかなと思うんですけれども、ピストン輸送もするということで、全体として何人くらいというのはありますか。

A:これも、今外務省で詰めているところであります。

Q:ピストン輸送する先はどちらを想定していらっしゃるんでしょうか。

A:周辺の拠点の場所というところでございます。オペレーションの内部になりますので、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。

Q:今日の夕方、1機出発するということですけれども、残りについてはいつ頃という目途みたいなものはあるんでしょうか。

A:今日の夕方までにできれば1機、それから明日、残りの2機を出発させたいと考えております。

Q:派遣期間については、今念頭にある日数はありますか。

A:米軍の撤収時期までに任務を完了させたいと考えているところであります。今のところ、定まった期日というのは設けておりません。

Q:夕方はC-130ですか。最初の1機は。

A:最初の1機は、今のところC-2で、今日中に派遣をするという予定にしております。

Q:今回、武器の携行はあるんでしょうか。

A:武器の携行はございます。自己保存の武器ということですね、安全を確保されている上ですから、そういう形になります。

Q:それは、武器の携行は根拠法令は何になるんでしょうか。

A:94条の6であります。

以上