防衛大臣記者会見

日時
令和3年7月20日(火)11:09~11:21
場所
防衛省A棟11階第1省議室
備考
岸防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

 コロナについてです。前回の定例会見以降、33名の隊員が新たに感染していることが確認されました。合計で累計2,106名となります。本日、イギリスのウォレス国防大臣を防衛省にお迎えして、対面での「日英防衛相会談」を実施します。ウォレス大臣とは、私の着任以降、本年1月及び3月に電話会談を行いました。また、2月には3年振りとなる日英外務防衛閣僚会合、いわゆる「2+2」を実施をし、グローバルな戦略的パートナーである日英両国が、FOIPの実現に向けて更に協力を進展させていくことを確認しました。また、こうした会談の際に、日英防衛協力を更に推進する観点から、ウォレス国防大臣からの訪日希望を受け日程調整をしていたところ、今般実現に至ったものでございます。本日の防衛相会談では、昨今の情勢を踏まえ、最新の地域情勢に加えて、英空母打撃群の日本寄港及び共同訓練を含む両国の防衛協力について幅広く議論を行う予定にしております。以上です。

2 質疑応答

Q:ウォレス国防相との会談についてです。今大臣御説明いただきましたが、今日の会談ですね、日本側としてどのような成果を目指したいのか、大臣としてのお考えありましたら教えていただきますでしょうか。

A:日英は、自由、民主主義、法の支配といった基本的価値を共有するグローバルな戦略的パートナーであります。これまでも「自由で開かれたインド太平洋」の維持・強化に向けた防衛協力に取り組んできているところです。特に、本年3月、イギリスは「インド太平洋への傾斜」という画期的な政策を打ち出し、本年4月には、この政策を体現するものとして、空母「クイーン・エリザベス」を旗艦とする空母打撃群を日本に寄港させることを発表致しました。防衛省としては、この機運を活かして、昨今の情勢を踏まえ、基本的価値を共有する両国が、東シナ海・南シナ海等の最新の情勢に加え、英空母打撃群の日本寄港及び共同訓練を含む両国の防衛協力について幅広く議論を行うことは、大いに戦略的意義を持つものと考えています。私としては、ウォレス大臣と突っ込んだ議論を行い、地域情勢について認識を深め、両国の防衛交流を更に発展していきたいと考えております。

Q:大規模接種センターについてです。一部報道等で9月末までの延長というふうに報じられております。現状の議論と検討状況教えていただきたいのと、仮に9月末までとすればですね、今モデルナの供給が遅れているというふうに言われて、職域接種の受付停止されています。そういった中で自衛隊が大規模接種センターを続ける意義について教えていただきますでしょうか。

A:自衛隊の大規模接種センターは、総理の指示に基づいて5月24日から3カ月間、東京都と大阪府に設置し、運営することとなっております。現在、政府の方針の下、今月末を念頭に65歳以上の高齢者の方々に2回のワクチン接種を終えることができるよう全力を挙げて取り組んでいるとともに、既に接種券を送付された18歳以上の方々にもワクチン接種を実施をしております。8月23日以降のセンターの運営については様々な御意見があることから、防衛省としても来月以降の運営について検討を行っておりますが、具体的に申し上げる段階にはございません。いずれにしましても、防衛省・自衛隊としては、一人でも多くの方々にワクチンを接種することができるように、全力で取り組んでまいりたいと考えております。

Q:今日のですね、日英防衛相会談についてなんですけれども、空母打撃群の寄港やですね、共同訓練のお話をされるということだったんですが、それ以外にもですね様々なテーマがあると思うんですけれども、例えばですね次期戦闘機の開発であったりとか装備品の協力についてどのような意見交換をされるかについて教えていただきますでしょうか。

A:日英の防衛相会談については、これまで2回VTCで行い、そして「2+2」も加えますと、今回ウォレス大臣とは4回目の会談ということになります。直接対面でお会いするのは初めてでありますけれども、貴重な機会ですから、様々忌憚のない意見交換をさせていただきたいと思います。内容については、これからのことでもありますし、英国との関係もありますので、詳細は差し控えさせていただきますけれども、日英の防衛協力が「新たな段階」として更に深めていくことが出来るように、有効な意見交換にしていきたいと考えております。

Q:昨日、日米とEU、NATO等が、サイバー攻撃を非難する発言を一斉にしたと思います。中国のサイバー攻撃に関する大臣の認識をまず教えていただきたいのと、オリンピックが近づいて、大規模イベントを狙ったサイバー攻撃等が懸念されている状況だと思いますが、防衛省としてどう対応されていくかお願いいたします。

A:7月19日に、英国及び米国等は、中国政府を背景に持つAPT40といわれるサイバー攻撃グループに関して声明文を発表するとともに、米国はAPT40の構成員4名を起訴したと承知をしております。防衛省としても、サイバー空間の安全を脅かすAPT40等の動向を強い懸念をもって注視してきており、サイバー空間におけるルールに基づく国際秩序を堅持するとの決意を強く支持いたします。19日に、その旨、外務報道官談話を発出したと承知をしております。自由、公正かつ安全なサイバー空間という民主主義の基盤を揺るがしかねない悪意あるサイバー活動は看過できません。防衛省としても、これを国家安全保障の観点からも強く懸念すべきものであると考えており、断固非難するとともに、厳しく取り組んでいく考えです。今後も、G7諸国を始めとする国際社会と緊密に連携して、自由、公正かつ安全なサイバー空間の発展のため取り組んでまいりたいと考えております。オリンピックに関してのことでありますけれども、近年の情報通信技術の発展によりまして、オリンピックを含む様々な活動は情報通信ネットワークに大きく依存しております。同様に、防衛省・自衛隊においても、情報通信ネットワークは活動の基盤であり、これに対する攻撃は、自衛隊の活動に重大な支障を生じさせます。このような中、装備品等を含むサイバー防衛能力の強化を図るため、サイバー攻撃を未然に防止するためのシステム・ネットワークの常続的監視能力の強化や、サイバー防衛隊等の体制拡充、サイバー人材の確保・育成などに取り組んできています。サイバー攻撃の脅威は日々高度化・巧妙化していることから、防衛省・自衛隊としても、サイバー防衛能力の不断の強化を図っていく必要があると考えており、サイバー領域における能力の確保・強化を着実に進めていく所存であります。

Q:冒頭あった大規模接種センターの関係で、大臣先ほど「様々な御意見があるということで、検討を行っている。」とおっしゃられたんですけれども、問題意識として、要は2回目までの接種を、要は1回目だけ受けてセンターを閉じちゃうというような状況であってはいけない、2回目までは何とか終わらせなきゃいけないというような問題意識を持って検討されているという理解をしてよろしいでしょうか。

A:自衛隊の大規模接種センターにおいては、モデルナ製のワクチンを接種をしております。今月末で最初の2回の接種が完了し、それから次のラウンドに入っていくわけですけど、その段階で8月23日までの終了ということになりますと、2回の接種をどのようにやっていくか。こうしたことも頭に置きながら出口というものを考えていかなければならないんだと思います。そうしたところを様々、御意見をいただきながら、今後ですね、決めていかなければならないことだと考えております。

以上