防衛大臣記者会見

日時
令和3年7月16日(金)11:23~11:41
場所
防衛省A棟11階第1省議室
備考
岸防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

 2点。コロナウイルスですけど、前回の定例会見以降、24名の隊員の新規感染が確認されました。合計で2,073名となります。東京オリンピック・パラリンピック支援団の編成完結式についてです。18日(日)、陸上自衛隊朝霞駐屯地において、「東京2020オリンピック・パラリンピック支援団」の編成完結式を行います。防衛省・自衛隊としても、大会の成功に寄与するよう最大限の協力を行ってまいります。

2 質疑応答

Q:今週閣議報告された防衛白書について、中国・韓国・ロシアから反発の声が上がりました。一方で台湾からの感謝という言葉も使われておりました。こうした各国の反応について、大臣の御所感をお願いします。

A:諸外国からの発言の一つ一つについてコメントすることは差し控えたいと思います。その上で、防衛白書において、例年、わが国の防衛政策の紹介に加えて、特に中国の軍事動向を含めたわが国を取り巻く安全保障環境について、客観的な記述・分析を掲載しています。防衛省・自衛隊としては、中国との間で安全保障・防衛分野の各種交流や協力、対話を行うと同時に、中国がインド太平洋地域の平和と安定のために責任ある建設的な役割を果たし、国際的な行動規範を遵守するように、また、国防政策や軍事力に係る透明性を向上するように促してまいりたいと考えているところであります。また、諸外国も様々な反応がございますけれども、先ほど申しましたように一つ一つにコメントすることは差し控えさせていただきたいと思います。

Q:イギリスのですね、空母打撃群で100人以上のですね、コロナ感染が確認されたという報道がありますけれども、この空母打撃群が日本に寄港する予定ですが、今後のスケジュールの影響などは今のところありますでしょうか。

A:空母打撃群における新型コロナの感染については、昨日、ウォレス国防大臣が声明を発表しています。その中では、英空母打撃群のうち4隻で陽性者が確認されましたが、そもそも英空母打撃群の要員は全員ワクチン接種を完了しており、今回陽性が確認された者も全員が軽症であるということです。陽性者は各艦艇内において定期的に検査を受け、かつ、適切な手順の下で隔離されているということです。英空母打撃群は、今後数週間は他の部隊等との接触を避けて行動をし、少なくとも2週間は洋上での隔離期間を経た上で次の寄港地に向かうとのことなどが表明されています。これに加え、英側からは今回の新型コロナウイルスへの感染により英空母打撃群の航行や他国との共同訓練に特段の支障は生じていない旨の説明を受けているところです。いずれにいたしましたも、今後の日本への寄港や共同訓練の態様については、艦内での感染状況を確認した上で適切に判断をしてまいります。

Q:昨日ですね、九州F-35Bの新田原配備についてなのですが、昨日九州防衛局長らがですね、地元新富町や県などを訪れて説明し、地元からは騒音や安全面の対策を示すように求めたとあります。これについて、大臣の受け止めをお願いします。

A:F-35Bの1個目の飛行隊の配備先について、戦闘機部隊を現在配備している既存の航空自衛隊の基地を中心に検討を進めてきた結果、防衛省としては、新田原基地が最適であると判断し、昨日、新富町をはじめとした新田原基地の周辺自治体に対して配備についての説明を行ったところです。新田原基地へのF-35Bの配備は、令和6年度から段階的に行う予定であって、令和6年度に6機、令和7年度に2機を配備する予定であります。

Q:御地元の山口3区について伺います。昨日、林芳正参議院議員が山口3区から立候補することを正式に表明しました。一方で、山口3区は現職の河村元官房長官がおりますけれども、基本、ぶら下がりで議席を死守すると旨の発言がありました。県連会長としての受け止めと、今後どういった点の調整を図っていくかお考えをあれば教えてください。

A:防衛大臣としてはコメントすることはないですけれども、山口県連会長としてあえて申し上げれば、林先生の地元での意思表明、また、県連の所属の県会議員皆さんの推薦ということについては承知をしております。県連としてどのように判断をしていくか、更に地域支部等々のご意見もいろいろあるかというふうに思います。そして、党の公認権自体はですね、党本部にあるというふうに認識をしておるところです。そうした状況を踏まえて、県連として、県連会長として慎重に判断をしていかなければならないと考えております。

Q:党の方はですね、やはり県連の意向をまず聞きたいというふうに思っているようですけれども、いつ頃までに県連としての考えをまとめるか、その辺のお考えはあるのでしょうか。

A:今後、様々な意見調整をしていく必要があると考えております。

Q:関連してなんですけれども、保守分裂選挙になってしまい、好ましくないという声も党内にはあります。県連会長として何かアクションを起こされることはあるのでしょうか。一本化を追求するだとか。

A:山口3区という土地柄ですね、ここは非常に自民党がこれまでも強い盤石の体制を築いてきたところありますし、その中で、今の河村先生、また参議院の地方区としての林先生、それぞれ力強い活動をされてきた方と認識をしております。その中で、自民党として分裂を招かねないようにできる限りの調整はしてまいりたいと考えます。

Q:先ほどのF-35Bの質問について追加させていただきます。地元から先ほどいったように、騒音や安全面の対策を施すように示すように求めたということがあります。今後の対応をどういうふうにお考えでしょうか。

A:地元の皆さんの理解、御協力を得ていくということは、大変重要であるというふうに考えております。現時点でですね、F-35Bの配備については、時期等々については自治体に説明したとおりであって、現時点において、いつまでにどのようなとの明確な時期等についてお答えすることは困難でありますけれども、いずれにいたしましても、しっかり説明を尽くしてまいりたいと、このように考えます。

Q:オリンピックの支援団についてお尋ねします。8,500人の隊員を派遣するということですけれども、ワクチン接種状況というのは大臣のもとに報告が上がっているのでしょうか。また、必要なPCR検査や何人ぐらいがワクチンを接種するべきだといった大臣のお考えをお聞かせください。

A:現状については、後程確認して申し上げたいというふうに思います。

Q:それに関連してなんですけれども、現状もし分かれば、自衛隊全体に対するワクチン接種状況と、それに対する大臣の御認識があればお願いします。

A:防衛省・自衛隊における新型コロナウイルスのワクチン接種状況、対象者は全体で25万人になります。このうち先週の金曜日までの段階で5万人に対する接種、第1回目の接種ですね。そして、2万人に対して、第2回目までの接種が行われたところでございます。引き続き、任務に支障が出ることのないように、速やかに隊員へのワクチン接種を実施していくべく調整を進めてまいりたいと思います。

Q:諸外国では軍への優先接種みたいなのがあると思うのですが、今のペースについては、どのようにお考えでしょうか。

A:ワクチンの供給状況等ですね、こういうものをしっかり踏まえていく必要があります。今ですね、ちなみに、29日からこの職域接種を開始をしておりますけれども、7月15日時点で陸上自衛隊23か所、海上自衛隊が5か所の28か所の駐屯地等で実施をしています。その他の駐屯地・基地についても、ワクチン接種が早期に開始できるよう、準備を進めるとともに、関係省庁との調整を進めているところでございます。任務に支障が出ないように速やかに隊員への接種を実施すべく調整中であります。

Q:F-35の関連でお伺いします。今回の宮崎の配備について、理由の一つとして、馬毛島との近接が上げられています。既に説明されていますけれども、馬毛島等でのF-35での訓練等も今後計画されてます。FCLPについては、デモフライト等である程度、騒音というのは理解は進んだかと思うんですけれども、自衛隊機の訓練についての騒音について、今後デモフライト等実施予定とかあるのか教えてください。

A:馬毛島に整備します施設における自衛隊の訓練については、現在、実施時期や期間、規模、内容などを検討しているところであります。現在のところ、F-35Bの模擬的な艦艇の発着訓練も実施することになると見込んでおりますが、今後、所要を踏まえて、検討してゆく必要があると考えています。その上で、想定される訓練に伴う航空機の騒音については、環境アセスメントにおける予測、評価を通じて把握し、また適切な対策を行うこととしております。防衛省として騒音の影響を最小限にとどめるように、今適切に措置をしていきたいと考えています。

Q:先ほどの山口3区の対応について戻りたいんですが、林参議院議員がですね、衆院選に出馬された場合、空席になる見通しとなるですね、参議院山口選挙区の対応ということに関しても同時に決定されるというお考えなんでしょうか。

A:まだその時点になっておりませんし、時期タイミングの問題等もございます。今後も検討していくことになると思います。

Q:もう1点関連なんですが、林議員がですね、今回の衆議院へのくら替えへの理由としてですね、総理総裁を目指す上には衆議院であることを御説明されていますが、大臣御自身も参議院からの衆議院へのくら替えというのを御経験されていますが、今回の林議員の説明について、どのように受け止めておられますでしょうか。

A:そのことについて、私の立場からコメントすることは差し控えさせていただきたいと思います。

Q:沖縄県の渡名喜島周辺海域で、米海兵隊が鉄製コンテナを落とす事案が発生しました。地元では飛行停止を求める声も上がっていますけれども、防衛省が把握している事実関係と大臣の受け止めをお願いします。

A:米側からは7月13日の1230頃、第1海兵航空団所属の米海兵隊ヘリ(CH-53E)が、コンテナを吊り下げて、出砂島射爆撃場からトリイ通信施設に輸送していたところ、入砂島の北東で海上にコンテナを落下したということであります。コンテナは、工具、戦闘糧食、約2.5ガロンの燃料を含むスチール製の輸送用のコンテナです。第1海兵航空団は全ての飛行に係る事案を深刻に捉えており、当該事案の発生原因を特定するため、徹底した調査を行うとの説明を受けておるところです。また、本件を受けて、速やかに関係自治体にもお知らせをするとともに防衛省から直ちに米側に対し遺憾の意を伝え、原因究明及び再発防止策の徹底等について申し入れをいたしました。今後、新たな情報が得られ次第、地元自治体の関係者に速やかにお知らせをいたします。なお、現時点において、人身等の被害があったとの報告は受けておりません。防衛省として、米軍の運用に際して安全の確保が大前提と考えております。引き続き米側に対して、航空機の安全管理に万全を期すよう求めてまいります。

Q:すみません。関連なんですけれども、今の段階で飛行停止を求めるお考えはないという理解でよろしいでしょうか。

A:米軍の飛行停止については、事案の個別の態様を踏まえて、それぞれの事案に即した判断の上、米側に対して求めることとしているところですけれども、本事案については、米側から吊り下げ訓練及び運用に関する全ての機材の再点検を行った上で、飛行を継続しているという旨の説明を受けたところであります。飛行停止を求めてはいません。

以上