防衛大臣記者会見

日時
令和3年6月29日(火)11:03~11:16
場所
防衛省A棟11階第1省議室
備考
岸防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

 新型コロナです。前回の定例会見以降、13名の隊員が新たに感染が確認されました。合計で累計1,970名となります。先週金曜日(25日)、私からの提案で、カンボジアのティア・バニュ副首相兼国防大臣とテレビ会談を実施をいたしました。今月16日のADMMプラスに続いての会談となります。今回は、特に二国間の防衛協力・交流について意見交換を行い、PKO分野における人材育成協力など二国間の防衛協力・交流を更に進めていくことで一致をいたしました。今般の日カンボジア防衛相会談をもってミャンマーを除くASEAN各国、9カ国と会談を終えました。新型コロナウイルス感染症拡大以降、諸外国との直接の往来が困難な状況が続いてますが、他方、このような状況だからこそ、各国との間で意思疎通を継続していくことは大変重要だと考えます。昨年来、対面での交流に大きな制約がある中、私としても、電話やテレビ会談という手段も活用して防衛相会談を積極的に行い、最近では中国海警法を含む情勢認識や二国間・多国間の防衛協力・交流や、感染症対策に関する知見の共有等について幅広く意見交換を行い、各国との関係の強化に努めてきました。ASEAN諸国との会談もその一環であり、今後とも「自由で開かれたインド太平洋」の維持・強化に向けて、防衛協力・交流を進めてまいるよう考えています。以上です。

2 質疑応答

Q:職域接種についてお伺いします。先週の定例会見で防衛省・自衛隊での職域接種について、早ければ本日29日から実施されると御説明がありましたが、最新の実施方針はどのようになっておりますでしょうか。よろしくお願いいたします。

A:防衛省・自衛隊の隊員に対する職域接種については、本日より陸上自衛隊5施設、海上自衛隊の3施設の計8施設にてワクチン接種を開始いたします。その他の基地・駐屯地についても、ワクチン接種が早期に開始できるよう準備を進めるとともに、関係省庁との調整も進めているところであります。引き続き任務に支障の生じることのないように、速やかに隊員へのワクチン接種を実施すべく調整を進めてまいりたいと考えています。

Q:昨日ですね、航空自衛隊の新田原基地のですね、騒音を巡る裁判で、国やこれまでの騒音被害に関してですね、賠償を命じる判決が出されました。これについての大臣の受け止めをお願いします。また、一方でですね、夜間の飛行の禁止などの訴えは退けられていますけれども、それと併せて大臣の受け止めを教えていただけますでしょうか。

A:新田原基地の騒音訴訟について、6月28日に宮崎地方裁判所は原告らの請求を一部認め、国に対して損害賠償を命じたところであります。今回の判決において、自衛隊機の夜間・早朝等の運航差し止め請求及び将来分の損害賠償請求に係る訴えは裁判所からは退けられました。他方、過去分の損害賠償請求について、遅延損害金を除く元本約1億2,026万円の支払いが命ぜられた点については、裁判所の理解が得られなかったものと受け止めています。防衛省としては、判決内容を踏まえ、今後の対応について慎重に検討し、関係機関と十分調整の上、適切に対処してまいります。

Q:昨晩、中山副大臣がハドソン研究所の講演で台湾をめぐる情勢について米側に対して「目を覚まし」て、民主主義国家として台湾を守る必要があるというふうな発言をしました。これについて大臣どのように捉えていらっしゃいますでしょうか。

A:ハドソン研究所の講演における副大臣の発言については、台湾がわが国にとって自由、民主主義、基本的人権、法の支配といった基本的な価値観を共有し、緊密な経済関係と人的往来を有する極めて重要なパートナーであり、大切な友人であること、台湾をめぐる情勢の安定は、南西地域を含むわが国の安全保障にとって重要であり、近年中国が軍事力の強化を急速に進める中、中台の軍事バランスは全体として中国側に有利な方向に変化し、その差は年々拡大する傾向にある、防衛省としても引き続き台湾をめぐる関係動向を注視する必要がある、といった趣旨を述べたものと承知をしておるところであります。

Q:「オリエント・シールド」についてお伺いします。本日、矢臼別演習場の方で報道公開がされていますが、今回の「オリエント・シールド」、中部方面隊が担任ということで、道内の演習場が道外部隊によって使用が拡大したのではないかという懸念が起きています。北海道の方から確かに演習場の利活用を求める声もあった上でこういう措置になっていると理解しますが、一方で防衛省の方として、懸念する住民の方への理解を求めるのも大事だと思います。大臣として、今後の方針ですとかお考えがあれば教えてください。

A:今回、陸自と米陸軍が現在、日米共同訓練である「オリエント・シールド21」を実施をしておりまして、矢臼別演習場では、日米での初の取組として、米陸軍の高機動ロケット砲システム(HIMARS)と陸自の多連装ロケットシステム(MLRS)による共同射撃訓練を昨日から実施をしております。今般の共同射撃訓練は、陸上自衛隊からは地元・北海道の上富良野駐屯地に所在する第1特科団第4特科群が参加しているほか、訓練内容について、矢臼別演習場の周辺自治体に御説明をした上で実施をしているところであります。わが国を取り巻く安全保障環境が大変厳しさを増す中で、北海道の広大な訓練環境は自衛隊の即応性を維持するために大変重要であります。現在の中期防においても、「北海道を始めとする国内の演習場等の整備・活用を拡大し、効果的な訓練・演習を行う」と明記されてます。いずれにいたしましても、訓練の実施に当たって地元の御理解・御協力が不可欠であります。防衛省・自衛隊としては、引き続き、北海道の訓練場を活用しつつ自衛隊の練度の向上・維持を図るとともに、訓練の実施について地元の自治体や皆様に丁寧な御説明をしてまいりたいと考えます。

Q:先ほど出た自衛隊員への職域接種についてお伺いいたします。自民党からはですね、災害とか台風のシーズンも始まる前の8月ぐらいには、全隊員への接種を終わる方が望ましいという声も出ておりますけれども、先ほどの御紹介だと施設で開始ということで、大規模接種センターへの人を出していることも考えるとなかなか人振りも難しいじゃないかと思うんですけれども、いつ頃までに終わらせられそうかとか今後の見通しについてはどういった感じでしょうか。

A:与党の方からそういった職域接種を早期に進めるようにというお話が出ていることについては受け止めてまいらなければならないと思います。今、8施設で始めているというところでございますけれども、その他の基地や駐屯地についてもワクチン接種を早期に始められるように準備を進めております。これはワクチンの供給の方との関係もございますので、そちらとの関係も調整しながら、また他省庁との調整を進めているというところであります。速やかに隊員へのワクチン接種を実施できるように調整を進めてまいりたいと考えます。

Q:今の段階では、なかなかいつ頃までに終わらせるかというのは、見通しというのは難しい。

A:今この段階でスケジュール、見通しをお示しすることはちょっと難しいと思いますけれども、できるだけ早急に対応してまいりたいと思います。

Q:佐賀空港へのオスプレイ配備計画に関してですけれども、明日から地元で地権者説明会が始まるんですが、この地権者説明会の計画における意味と、この説明会でどういったことを期待されるか大臣のお考えをお聞かせください。

A:佐賀においてですね、地元の住民、漁協の方を中心に実施する説明会ということでございます。これまでも申し入れをしている中で時期的にも難しかったとこともありますけれども、しっかり地元の皆様に状況というものを御説明をして御理解をいただくように努めてまいりたいと考えております。その中でですね、地元から様々な御意見も出てくるかというふうに思いますけれども、そうしたことについても真摯に受け止めて対応できるところは対応してまいりたいと考えます。

Q:職域接種の関係で1点だけお願いします。本日、8施設で何人ぐらいの方を対象に打つのかということ、それから医務室で対応してそれぞれどういう方が接種に携わるのかというところを。

A:すみません、そういうことについては事務方で対応いたしますので。

以上