防衛大臣記者会見

日時
令和3年6月25日(金)10:05~10:39
場所
防衛省A棟11階第1省議室
備考
岸防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

 前回の会見以降、6名の隊員が新たに新型コロナウイルスに感染していることが確認されました。累計は1,957名となります。本日の閣議において、7月1日付の防衛省の事務官等の幹部人事4件について、内閣の承認がなされました。日独防衛相テレビ会談についてでありますが、22日、私は、ドイツのクランプ=カレンバウアー国防大臣との間で、テレビ会談を実施をいたしました。4月13日に初開催されました日独「2+2」も含めて、クランプ=カレンバウアー大臣とは4度目の会談になります。今般の会談では、インド太平洋における地域情勢について、東シナ海・南シナ海における力を背景とした一方的な現状変更の試みや、緊張を高めるいかなる行為にも強く反対するとの意思を表明し、法の支配に基づく自由で開かれた海洋秩序が重要であるという認識で一致をしたところです。この文脈で、私は、クランプ=カレンバウアー大臣と共に中国海警法に対する懸念を表明しました。また、北朝鮮については、CVIDの実現に向けて、引き続き連携していく意思を確認いたしました。さらに、インド太平洋地域への派遣が決定したドイツ海軍フリゲートについて、共同訓練の実施に向けて調整していくことで一致をしたほか、北朝鮮籍船舶による「瀬取り」を含む違法な海上活動に対する警戒監視活動への参加実現に向けて協力していくことで一致をいたしました。防衛省・自衛隊としては、今般の会談の成果も踏まえ、基本的価値を共有するドイツとの防衛協力・交流をより活発に進めていくとともに、ドイツをはじめとする欧州諸国やEUによるインド太平洋地域へのコミットメントが、一層強固かつ不可逆的なものになるように引き続き働きかけ、地域の平和と安定に積極的に貢献してまいります。日ラオス防衛相テレビ会談について。今週水曜日23日に私からの提案で、ラオスのチャンサモーン副首相兼国防大臣とテレビ会談を実施をいたしました。今月16日のADMMプラスの会合に続いての会談でありました。今般は、特に二国間の防衛協力・交流等について意見交換を行いました。私とチャンサモーン副首相は、18日に開催をいたしましたオンライン・セミナーで、両国共通の課題である感染症対策や災害対応における知見を共有できたことを歓迎いたしました。今後も、地域の平和と安定の確保に向けて、ラオス防衛当局と緊密なコミュニケーションを継続してまいります。多国間共同訓練「タリスマン・セイバー21」についてであります。陸上自衛隊は、本日から8月初旬にかけて、豪州で行われます多国間共同訓練「タリスマン・セイバー21」に参加をし、水陸両用作戦の訓練を実施をいたします。「タリスマン・セイバー」は、従来、豪州で実施をいたします日米二国間の共同訓練として実施してまいりました。今回の訓練は、初めて豪州・英国の参加も得て、日米豪英の4カ国の陸上部隊による着上陸訓練を行うこととしています。また、現在、本訓練の一環として、日米豪のほかカナダ・韓国を加えた5カ国の艦艇による海上作戦訓練の実施も調整中であり、海上自衛隊も艦艇を派遣する予定であります。わが国を取り巻く安全保障環境が厳しさを増す中で、訓練を通じた自衛隊の即応性の向上や、同盟国・同志国との連携強化は大変重要であります。防衛省・自衛隊としては、本訓練を通じ、自衛隊の島嶼防衛能力の一層の向上を図るとともに、「自由で開かれたインド太平洋」のビジョンを共有する国々との結束を深めていきたいと考えております。本日の閣議において、一般会計予備費の一部の使用が決定されました。防衛省において、56億円を使用することとしています。防衛省では、4月27日の総理指示によって、自衛隊病院が果たすべき本来の任務の一つとして、自衛隊病院等による大規模接種センターを運営しているところです。こうした経費は、本年度予算の自衛隊病院の運営等に係る既定経費の中で対応してまいりましたところ、自衛隊の病院や医務室で7月以降に元来予定されていた医薬品の調達や、施設の維持管理等の通常の事業の執行に支障が生じることから、今般予備費を使用することとしたものであります。具体的な内容としては、大規模接種センターの運営に関する委託業務などにより生じた、医療費の不足を補うための経費として42億円、大規模接種センターの会場の借上げなどにより生じた、庁費の不足を補うための経費として14億円などとなっております。

2 質疑応答

Q:大規模接種センターについてお伺いいたします。昨日の対策本部でですね、予約なしでの接種について意思決定されました。行列を作る来場者のマナーがですね、近隣に迷惑をかける事態になったことを中止の要因になったと御説明でしたが、今回の中止についての受け止め、そして、この後3日間、周知期間を設けるということですが、駆け込みでの来場を懸念されますが、国民にどのような行動を求めたいかお考えをお聞かせください。

A:これまで事前に予約を行わずに大規模接種センターにいらっしゃった方にも大規模接種センターの接種能力の範囲内でワクチンの接種を実施をしてまいりました。最近、深夜から順番待ちの行列が形成されているといることが常態化しているというところであります。大規模接種センターでは時間外に並ばれた方々の安全を確保することができず、また、センター周辺にも大変な迷惑をお掛けすることから、予約枠を拡大する28日以降は、予約のない方へのワクチン接種は一切行わないこととしました。このため、必ず予約をした上で、センターにお越しいただくよう重ねてお願い申し上げたいところであります。

Q:もう1問お伺いします。饗庭野演習場でのですね、射撃訓練中の敷地外への着弾事案についてお伺いいたします。国道に非常に近い場所での着弾である危険性が高いものと指摘されております。過去にも同様にですね、饗庭野では砲弾などが飛び出した事案が、2000年以降複数回発生されております。今回の事案についての受け止めとですね、再発防止が機能していたのかどうか、どのようにお考えでしょうか。よろしくお願いします。

A:今回は6月23日の10時42分頃、饗庭野演習場において、陸上自衛隊第14旅団第50普通科連隊が120mm迫撃砲の実弾射撃訓練を実施をしている際に、砲弾1発が演習場外の山林内に着弾するという事案が発生しました。国民の生命・財産を守る自衛隊がこのような事案を発生させたことは大変申し訳なく思っております。本事案の発生後、私から饗庭野演習場が所在しております高島市の福井市長にお詫びを申し上げました。饗庭野演習場では、今回の事案を含め、過去に繰り返し同様の事案を発生をいたしております。私としても大変深刻に受け止めており、このような事故が二度と起こらないように、しっかりと本事案の原因究明を行うとともに、過去の教訓も踏まえて安全管理の要領を点検するなど、徹底した再発防止を行ってまいります。

Q:大規模センターのですね、予約なしで行列ができてしまっていた事案なんですけれども、聞いてますと若い世代なんかが多いというふうに聞いているんですが、やはりこういったことがですね、28日からダメだということでも行列ができてしまう危険もあると思うんですけれども、そういった呼びかけ、重要だと思うんですが、大臣としてはどのように呼びかけをされていくお考えでしょうか。

A:これまでは予約なしでいらしてしまった方に対してはですね、枠内の可能な限り対応するようにしてまいりましたけれども、2回目の接種が始まってくるその中でキャンセルもあまり出にくくなるだろうと、そういう中で、夜中から行列をなされるということについて、やはり様々な支障も出ておりますので、本来の原則に立ち返って、予約をしてから来ていただく、予約のない方には接種できない、ということを徹底してまいりたいと思います。28日からということで、多少の猶予期間を設けまして、そういう意味でも混乱をできるだけ避ける形で、今後予約がなしでは受けられないということを様々な場で呼びかけ、徹底をしていきたいと考えております。

Q:予約なしで来てしまった場合は、医療従事者の方にも負担があると思うんですけれども、その医療従事者の方への負担という観点からも問題だと思うんですが、そのあたりはどのようにお考えでしょうか。

A:これまで、東京1万人、大阪5千人という形で、ほぼキャパいっぱいに回してきました。その中で、粛々と、整斉と業務が行われておりますけれども、実際に現場ではですね、大変大きな負担がかかっていたのも、これは事実であります。そうした中で、深夜から行列を作られている、そうしたことで当日予約なしで受けることを期待されている方が多いということは、現場の方々にも大きな負担に、それだけでもなってきている、そういう状況は実際にあると思います。そうしたことで、今度2回目の接種になるにしたがって、追加で、東京であれば300人の枠を追加したという状況もございますので、まずは予約なしで来られる、接種を期待される方に対してはですね、一切接種できないということを徹底してまいりたいと思います。

Q:大規模接種センターに予約をしていない人が訪れる問題に関してなんですけれども、具体的にどのような点がセンターの運営に支障を及ぼすのか、あるいは周辺に迷惑がかかっているのかということを教えてください。

A:実際にですね、元々は65歳以上の方々でスタートした時点では、それでも予約なしでいらしてしまった方には、キャパの範囲内で対応しようということでございましたけれども、実際それが、地方自治体の接種券の配布状況が進むにしたがって、並ばれる方が多くなってきた。最近では非常に早くから並ばれて、それが長い列をなしていると。そのことが、周辺のビル等にも実際に影響が出てきてしまっているというふうに伺っています。当然、我々としても並ばれた方々については安全を確保しなければいけないというような状況もございます、近隣の施設に対しての侵入という事案もあったというふうに聞いてます。実際に、接種券の確認など、予定外の人々ということで、接種券の確認等々ですね、余計な業務が発生してしまうということがあると思います。そうした形で実際には負担がかかってくると、当初予定していなかった負担なので、まずは原則に戻っていただこうということであります。

Q:ロシアについてお伺いできればと思います。一昨日になりますが、ロシア軍の東部管区の方から北方領土を含む周辺地域で大規模な軍事演習を行うとの発表がありました。陸自の方で米陸軍とオリエント・シールドを実施をしていますが、それとの関連も指摘してする声もあります。大臣としての受け止め、それから、大臣として把握されている情報がありましたら教えていただけますでしょうか。

A:ロシア国防省が23日、北方領土の択捉島・国後島両島を含む地域において、軍事演習を開始したという発表がございました。ロシア側の意図も含めまして、個々の具体的な情報の内容については、我々の情報収集活動の内容等を推察させる可能性もありますので、コメントを差し控していただきますが、本件については、23日、外交ルートを通じて、北方四島におけるロシアのこうした軍事演習というものは、これらの諸島におけるわが国の立場と相容れないと、受け入れることはできないと、抗議をしたと承知しております。北方領土関しては、ロシアは、昨年12月に択捉島・国後島への地対空ミサイル・システムである「S-300V4」の実戦配備を発表し、また、本年2月には、択捉・国後で対着上陸演習を実施するなど、昨今ですね、その活動をより活発化させているところです。防衛省としては、北方領土を含めた極東地域におけるロシア軍の動向について、注視をしてまいりたいと思います。

Q:今週のEPCのオンラインの方でも大臣ロシアについて言及をされておられまして、日露で当面性を高めていきたいとような形でおっしゃられていました。今後ロシアに対してですね、どのような形で向き合っていくのか、大臣、また具体的にこういうこと自体、具体的な対策等がありましたら大臣のお考えを伺いさせていただけますでしょうか。

A:ロシアについて申し上げますと、ロシアはインド太平洋地域において安全保障上ですね、重要なプレーヤーであります。かつ、重要な隣国の一つでもありますロシアとの間では、不測の事態や不必要な摩擦を生じないように防衛交流を通じた信頼関係の構築というものに努めていきたいと考えています。

Q:ヨーロッパに関連してお伺いします。大臣最近、欧州議会でのスピーチやですね、EPCによるインタビューなど積極的に取り組んでおられる印象があります。主要国を念頭におけば日本は日米に加えてですね、ヨーロッパとの協力が重要になってくるわけですけれども、あらためて欧州に向けて精力的に発信を行う意義や狙い、大臣の個人的な思い等があれば教えてください。

A:欧州諸国、あるいはEUがですね、インド太平洋地域に関心を示していただいていることは歓迎したいというふうに考えています。欧州で近年、英仏独蘭といった主要国に加えまして、EUもインド太平洋地域に関する政策文書が発表するなどですね、インド太平洋地域への関与を強化しているところだと思います。こうした中で私は本年4月に初となります日独の「2+2」、先週17日の防衛大臣として初となります欧州議会でのスピーチ、そして22日には日独防衛相会談、そして23日にはEPCからのインタビューを受けました。こういった様々な機会を通じて「力による一方的な現状変更の試み」を含むインド太平洋地域の安全保障環境の現実や、日本が直面している課題は欧州が直面している課題と同様であること、こうした課題に対応するために民主主義や法の支配といった普遍的価値を共有する日本と欧州が連携していくことが重要であるということなど積極的に訴えかけてまいったところであります。防衛省・自衛隊としては、わが国にとって望ましい安全保障環境の創出を図り、「FOIP」の維持・強化を力強く進めていく上で、普遍的価値を共有する欧州との連携強化は必要不可欠であると考えております。欧州のこの地域に対するコミットメントが一層強固かつ不可逆的なものになるように、積極的・主体的な働きかけを続けて、地域の平和と安定に貢献してまいりたいと思います。

Q:地域の安全保障環境を見たときにですね、日本は中国を念頭に置くのは当然かと思うんですけれどもヨーロッパは歴史的にもむしろロシアを重視しているんじゃないかと思います。日本とヨーロッパで向いている視線は若干ずれているのかなとも思うんですが、ヨーロッパとの連携強化に向けてこの点ずれをどう埋めていくか、大臣お考えを教えてください。

A:わが国の防衛政策は特定の国を念頭においてものではございませんけれども、いずれにしても昨今わが国の周辺で起こっているような状況はですね、ヨーロッパで起こっていることと根っこは同じなんだということをヨーロッパの方々にも理解していただいて、その上で我々は地域の平和と安定がですね、国際社会自体の大きな課題であるという共通の問題意識を調整してまいりたいと、こういうふうに考えて進めているところであります。

Q:冒頭、韓国それからカナダも加えた5カ国での訓練が現在予定されていると伺いました。韓国も入った形での共同訓練というのは久しぶりではないかと思うんですけれども、日韓の防衛交流・共同訓練もっと盛んであってもいいのではないかと思うんですが、大臣どのようにお考えでしょうか。

A:今度行われます共同訓練において、韓国・カナダも加えた5カ国の艦艇による海上作戦訓練これが行われるわけであります。これは現在調整中ということでありますけれども。わが国の安全保障環境が厳しさを増す中で、日米に加えて、豪州や英国、カナダや韓国といった地域の内外の国々の参加も得てですねこういう共同訓練を行うということは、戦技技量の向上を図るという観点からしても大変重要なことであろうと、こういうふうに考えております。

Q:韓国との共同訓練自体があまり数が近年数えるほどしかないと思うんですけれども。その辺りもう少し活発にしていく必要についてはどのようにお考えですか。

A:この日韓関係ですね、大変重要であるいうふうには考えております。その中で地域の平和と安定を図る上で、今回のような共同訓練の場をしっかり自衛隊の技量の向上につなげていきたいというふうに思います。

Q:大規模接種センターの関連で1点お尋ねします。たぶん28日以降は、予約がない方は一切受け付けないという広報、お知らせされているかと思いますけれども、現状のことを考えると、お知らせがあったとしてもやはり並んでしまう方、いらっしゃるかと思うんですけれども、こういった方には丁寧に説明してお帰りいただくということにつきるかと思うんですが、それでも待っているような人が仮にいたとしたらどうされるんですか。

A:本来、接種券がなければ、また予約がなければですね、接種ができないというのが原則でございました。その中で、これまでキャンセルが出たり、ドタキャン等ですね、そうしたケースにおいて枠内において可能なところで接種対応をしてきたというのが実情であります。しかしながら、大前提とするような形で行列ができているというのは、少し本来のところからするとですね、違うんじゃないかというふうに思います。そして、先ほどからも申しましたけれども、そのことが現場のですね、相当な負担になっているという状況もございます。実際に2回目の接種が始まりますと、かなりの部分がそこに取られてしまいますが、それでも予約枠を若干プラスしてキャパの範囲内でありますけれども、何とか予約枠を設置した。そちらで是非対応していただきたいと、こういう考えであります。そういった状況の中で原則に立ち返りまして、予約のない方には接種を受けていただけないと、あらためて予約を取った上で来場していただきたいということを丁寧に御説明をしていきたいというふうに思います。

Q:韓国の話に関連してですね、韓国と18年に海軍の駆逐艦が海自の哨戒機に火器管制レーダーを照射した事件がありまして、この問題を巡っては韓国側との認識は未だにズレたままだと思いますけれども、韓国との対話を通じて、この問題を解決していくお考えが大臣おありになるかどうかお願いします。

A:まずは、韓国側にですね、しっかり対応していただく必要があるというふうに思います。北朝鮮の核ミサイルの状況ですね、こうしたものを含めて、わが国の、また地域の安全保障環境というものは引き続き厳しさ、不確実性を増している。そうした状況にあって、日韓や日米韓といった連携というものが重要であるということに変わりはありません。韓国側とは引き続き意思疎通を図ってまいりたいと考えます。一方で、個別の案件の実施の適否や、時期等については、防衛省としては適切に判断をしてまいりたいというふうに考えております。

Q:内局の組織改編について伺いたいんですけれども、地方協力局の方の改編の検討というのを進めていたと思うんですけれども、これの調整状況とですね、万が一実施されるといった場合の意図について御説明をお願いします。

A:近年、防衛省において新たな自衛隊施設の整備等に伴って、関係する地元の皆様の理解と協力を得るための取組について、質・量ともにこれまで以上のものが求められていると考えております。また、厳しさを増す安全保障環境の中で、在日米軍のプレゼンスと即応性を維持し、日米同盟の抑止力を十分に機能させることが重要であります。地域社会との調和を図りつつ、在日米軍の諸活動を円滑に実施するためにも取組を一層強化していかなければなりません。さらに、PFOS等を巡る問題について、環境問題への対応の重要性が著しく高まっています。防衛省全体としての機能強化が不可欠であります。これらの課題への取組の一環として、地方協力局の業務・体制の効率化・合理化を徹底して行いまして、大臣官房審議官の新設、「地元」との協力を担当する課の再編成、「在日米軍」との協力を担当する課の集約、「環境」に関する本省の内部部局の課の一本化等の改編を経まして、本日、関連する政令が閣議決定とされたものであります。防衛省としては、こうした業務・体制の見直し等を含めて、地域社会との協力に係る施策について不断に検討を行い、現在、そして将来の課題にしっかり適切に対応できるようにしてまいりたいと考えます。

Q:饗庭野の関連で、実弾射撃の中止について大臣の見解をお伺いしたいのですが。昨日吉田陸幕長の会見でですね、実弾射撃の中止を饗庭野演習場だけに限る理由について、吉田陸幕長は、装備や弾薬に問題がないからというふうにお答えになっていました。他方で、事故原因の一例としまして、前回平成30年の誤射の際には、射角の誤りを確認するのが不十分だったというふうなこともおっしゃっておられました。仮にですね、人的な問題、その確認が不十分だったりといったお話でしたら、それこそ全国の自衛隊全体に関わる問題だと思うんですけれども、今回の対応として実弾射撃の中止を饗庭野に限ることは正しいと大臣はお考えでしょうか。

A:まず、この事案の発生を受けまして、饗庭野演習場の所在する高島市の福井市長にもですね、お詫びを申し上げたところでございます。今回、事案の詳細については、現在も調査中でございますけれども、迫撃砲弾の装薬の量を間違ったということにより、目的地点より遠くへ飛んでしまったという可能性が高いということを報告を受けているところでございます。現時点においても、他の演習場での実弾射撃訓練を見合わせる予定はございませんけれども、陸上自衛隊においては、実弾射撃訓練を実施するに当たってはですね、それに先立って、再度安全教育の徹底を、また基本動作の確認を確実に行うということを徹底してまいりたいと思います。このことを現場には厳しく指示をしてまいります。

以上