防衛大臣記者会見

日時
令和3年6月4日(金)08:44~08:55
場所
国会議事堂本館内閣議室前
備考
岸防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

 新型コロナウイルス関係ですけど、前回の定例会見以降、32名の隊員が新たに感染していることが確認をされました。累計で1,904名ということになります。日フィリピン・日ベトナムの防衛相テレビ会談についてであります。私からの提案によりまして、フィリピンのロレンザーナ国防大臣と、これが今週の水曜日2日です。また昨日は、ベトナムのザン国防大臣と、それぞれVTCを実施いたしました。フィリピンのロレンザーナ国防大臣とは、昨年10月に続いての2度目のテレビ会談となります。今回の会談では、最近の東シナ海・南シナ海を含む地域情勢について意見交換を実施し、中国海警法に対する深刻な懸念についての認識で一致をしたところです。ベトナムのザン国防大臣は、本年4月に就任をされました。私からそのお祝いを申し上げたところです。その上で、地域情勢、そして二国間・多国間の防衛協力・交流などについて意見交換を行いました。本年4月には、日・ベトナムが共同議長を務めますADMMプラスのPKO専門家会合が初めて開催されるなど、二国間の防衛協力が多国間防衛協力枠組みにおける実践的な協力に貢献しているということを確認をいたしました。フィリピン、ベトナムの防衛当局との間でも、今後も、緊密なコミュニケーションを継続するとともに、FOIPの維持・強化に向けて、防衛協力・交流を引き続き強化してまいります。日豪「2+2」についてであります。6月9日、9回目となる日豪の「2+2」をテレビ会議方式で実施をいたします。今般「2+2」には、防衛省からは私、外務省からは茂木外務大臣が出席をし、オーストラリアのピーター・ダットン国防大臣、マリズ・ペイン外務大臣との間で、東シナ海、南シナ海を含む地域情勢、そして日豪間の安全保障・防衛協力について幅広く議論をする予定です。ダットン大臣とは、先月19日に電話会談をいたしましたけれども、これに続きましてこのような早いタイミングで「2+2」を行うことができますのは、日豪関係がこれまでになく緊密になってきている証であるというふうに思います。私としては、わが国にとっての「特別な戦略的パートナー」である豪州との安全保障・防衛協力を「新たな次元」に引き上げ、日豪がFOIPの維持・強化に向けて、より積極的に貢献できるように、率直な議論を行いたいと思います。

2 質疑応答

Q:今日4日で、中国海警船の尖閣諸島周辺の接続水域への航行がですね、112日連続となり過去最長となります。こうした現状への受け止めをお願いします。

A:昨日、過去の日数と並ぶ111日、そして今日、また112日とこういうことになるということは承知をしております。中国は、東シナ海において力を背景とした一方的な現状変更の試みを継続しています。海軍艦艇の恒常的な活動の下で、わが国の抗議にもかかわらず中国海警局の船舶が尖閣諸島周辺のわが国領海への侵入を繰り返しているところです。このような現状変更の試みは、断じて容認できません。中国海警局に所属する船舶の領海侵入に対しては、一義的には海保が対処しています。防衛省・自衛隊においては、海上自衛隊の哨戒機によって尖閣諸島周辺を含むわが国周辺海域を航行する船舶の状況を毎日監視をするとともに、必要に応じて護衛艦等を柔軟に運用して警戒監視・情報収集活動を実施をしています。これにより得られた情報は、海上保安庁に適時適切に提供しておるところです。平素からその能力を活かして関係機関と緊密に連携をしてまいります。防衛省・自衛隊としては、わが国の領土・領海・領空を断固として守りぬくため、引き続き、海上保安庁などの関係省庁と連携をし、警戒監視・情報収集に万全を期してまいります。

Q:大規模接種センターについてお伺いします。東京会場では昨日時点でもおよそ3,500件が来週分に関しては残っている状態ですけれども、今後例えば対象地域を拡大するなど、接種センターの能力を今後も最大限活用していくためにどういった方策をお考えでしょうか。

A:まず、この大規模接種センターの予約枠を最大限有効活用するため、ワクチンの接種を開始した24日以降、30日までの間に、実際に予約をいただいた方、接種いただいた方の人数等を総合的に分析をいたしまて、6月1日から予約方法の一部改善、そして6月2日からは予約枠の拡大という2点を実施をしたところであります。自衛隊の持つワクチン接種能力を最大限国民の皆様に速やかに提供させていただいて、1人でも多くの方にワクチンを接種するため、予約枠の数値は、今後の実態を勘案しまして、逐次見直しをしてまいりたいと思います。

Q:予約枠を精一杯使うために、どういった形で、接種できる対象を増やすとか、そういったことはお考えでしょうか。

A:まずは、これまでの数字の分析を行って、その上で自衛隊の接種センターの能力、これを最大限活かせるような形を考えてまいりたいと思います。様々検討してまいりたいと思います。

Q:ワクチンに関してなんですけれども、一昨日、自民党の国防部会がですね、菅総理宛てに提言を持っていかれた際に、総理から自衛隊員のワクチン接種を広げていくことを検討しているとの発言があったそうです。自民党ではですね、自衛隊員への優先接種を求める決議をまとめていますけれども、政府・防衛省として検討状況はいかがでしょうか。

A:自衛隊の接種状況につきましては、医療関係者約14,000人に接種を行っているほか、モデルナ社製ワクチンの接種早期健康調査を活用することによって、自衛隊員の約1万人に対して接種をすることとしております。自衛隊における新型コロナウイルスワクチンの接種については、今後、関係省庁と協議しながら具体的な計画を検討してまいります。

Q:米軍普天間飛行場所属の米軍ヘリが沖縄県の津堅島に、2日夜に不時着して丸一日以上経過しましたが、現時点の受け止めと、島から撤去というか、離陸というのか、その見通しがどの程度立っているのか教えてください。

A:本件につきましては、米側からは、6月2日23時頃、米海兵隊普天間基地所属の米軍ヘリコプター「UH-1」1機が、飛行中に警告ランプが点灯したために、沖縄県のうるま市津堅島の畑に予防着陸した、との説明を受けています。3日の午後に米軍のメンテナンス要員が現地入りをしまして、離陸に向けた準備をしていると承知をしております。以後の対応については、現在確認中であります。なお、現時点で、住民やヘリの乗員にけが等の人的被害は生じておらず、建物等への被害の情報も無いということで承知をしております。その上で、こうした事案の発生というものは、地域の皆様に不安を与えるもので、防衛省としては、米側に対し、徹底的な整備・点検の実施及び安全管理の徹底について申し入れをしたところであります。

Q:日豪「2+2」なんですけれども、円滑化協定の合意に向けてであるとかですね、武器等防護の対象に加える件が、今、進行中だったと思うんですけれども、この2件についてはですね、どういった議論を「2+2」でされたいか、お考えを聞かせていただけますでしょうか。

A:円滑化協定についてはですね、現在も大枠合意をした以降ですね、引き続き交渉中でございます。そういう意味で、予断をもってお答えをすることは差し控えをさせていただきたいと思います。それから、武器等防護についても、必要な調整を開始するということを発表しているところでありますが、引き続き防衛当局間で調整中ということでございます。現時点では以上のお答えとなります。

Q:大規模接種センターは、来週月曜日からの予約はどういう対象でやるのか、それから予約枠は今週と変わらない規模やるのかっていうところをあらためて確認させてください。

A:今日ですね、これからの防衛省内での対策本部等々もありますので、そういった中で状況の検討、そして対策等について話し合いが行われると思います。

以上