防衛大臣記者会見

日時
令和3年5月25日(火)18:12~18:58
場所
防衛省A棟11階第1省議室
備考
岸防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

 今日はちょっと午前中バタバタしてしまして、会見の時間が遅くなりましたことを。何点かございます。冒頭、まずコロナウイルスですけれども、前回の会見以降、70名の隊員が新たなにコロナウイルスに感染していることが確認されました。累計は1,810名になります。大規模接種センターの運営開始について。昨日、東京都と大阪府に自衛隊大規模接種センターが開設をされました。東京都23区以内及び大阪市内に居住されている65歳以上の方々へのワクチン接種が開始をされました。初日においては、大きな混乱はなく、東京センターにおいては4,876回、大阪センターにおいては2,472回の接種を実施をしております。アナフィラキシーショックの発生や、救急搬送された方は、両センター共にいらっしゃいませんでした。本日は、これまでのところ、大きな混乱等は報告されておりません。円滑なワクチン接種が実施をされております。なお、東京センターにおいて副反応が見られた方1名を念のため虎ノ門病院に救急搬送いたしました。本人の意識があり、点滴処置を行っているところであります。さらに、東京及び大阪の両センターにおける残余ワクチンについて、東京センターにおいては、センターに勤務する自衛官4名、役務職員7名、陸上幕僚監部の24名、大阪センターにおいては、役務職員3名に接種を実施しております。これから3か月間、これまで様々な任務で培ってきた経験を活かし、現場でワクチン接種業務に当たる自衛官、そして、民間看護師や役務職員が一体となり、新型コロナウイルス感染症に立ち向かい、一人でも多くの方にワクチンを接種できるように、全力を挙げてまいります。それと、日タイ防衛相会談、テレビ会談です。本日17時から約1時間にわたりまして、私とプラユット・タイ王国首相兼国防大臣とのテレビ会談が行われました。私とプラユット大臣は、今後とも防衛当局間の緊密なコミュニケーションを継続するとともに、両国間の相互利益がある分野において防衛協力・交流を引き続き協力に推進していくことで一致をしたところであります。詳細につきましては、後ほど、お知らせをいたします。

2 質疑応答

Q:まず1問目ですけれども、大規模接種に関連してですね、一部報道では予約は勝手に消えてしまうようなケースもあるという報道もありますが、大臣が把握されている現状の課題、また対応策についてどうお考えか教えてください。

A:まず、今日のところはですね、両会場とも大きなトラブルの報告はございません。新型コロナウイルス感染症の対策は、国家の危機管理上、重大な課題であって、防衛省・自衛隊は、国民の命と平和な暮らしを守り抜くため、引き続き、大規模接種センターを利用される国民の方々に対して、安全かつ効率的に接種を実施できる環境を整備し、より多くの方にワクチンが届けられるよう取り組んでまいりたいと考えています。そして、予約システムにおけるトラブル等についてですけれども、マイページを確認したところ、予約が消失しているといった事象が報告されているとの記者からの指摘がありました。防衛省から日本旅行に問い合わせたところ、専用のお問い合わせ窓口に同様の事象に関する相談が1件寄せられ、その際、予約システム上での操作記録を確認いたしましたが、申し出のあった予約の完了記録が残っていないことを確認しております。いずれにせよ、防衛省としては、日本旅行を通じ当該事象について調査を継続してまいります。なお、本件に限らず、予約についてお困りの際は、遠慮なく専用のお問い合わせ窓口まで連絡をいただければと、真摯に対応してまいりたいと考えます。

Q:もう1問、モデルナについて伺います。厚労省が、健康状況調査のために、自衛隊員に約1万人でしょうか、接種する方針を示しました。自衛隊員への接種計画の検討状況を教えてください。

A:新型コロナウイルスの接種について、全国民を対象に実施をされる予定であるため、先行接種者の健康調査を迅速に進めることにより、個人が接種の判断を行うための参考情報とすることを含めて、軽度な副反応の頻度等、情報を国内の医療従事者や一般の市民に広く提供することは重要であると、このように考えております。一方で、先行接種者の健康調査においては、接種を受けた者における接種後一定期間の副反応の発生状況等の健康状態の捕捉を行う必要があります。例えば、ファイザー社製のコロナワクチンの先行接種者健康調査においては、国立病院機構の医療従事者等、新型コロナワクチンの接種に係る優先順位が高く、かつ、健康状態を捕捉しやすいものを対象に実施されたと承知をしております。一方、今般のモデルナ社製ワクチンの先行接種者健康調査においては、既に医療従事者等のワクチン接種は相当程度進み、医療従事者等をモデルナ社製のワクチンの先行的な接種対象にすることは困難であると。かつ、自衛隊には病院等の医療機関が設置をされており、接種後の隊員の健康状態の捕捉が比較的容易であること、こうしたことを考慮して、厚労省から自衛隊員の一部を先行接種者健康調査の対象とすることの提案があったところでありまして、かつ、自衛隊員は、新型コロナウイルス感染症に係る災害派遣に従事し、かつまた、集団で活動する機会が多い等、早期にワクチンを接種するメリットが比較的大きいと考えられることを踏まえ、協力することといたしました。5月24日より、自衛隊病院等の9施設、国立病院機構に属する17施設、地域医療機能推進機構に属する6施設において、接種の準備が整った医療機関から、約1万人程度の隊員を対象として順次接種をすることとしております。

Q:大臣は、先週の日経新聞のインタビューで、台湾の状況はしっかり我々の問題として見ていくと。日米間でしっかり協議を重ねていかなければならない、というふうにおっしゃったという報道がございまして、これを拝見すると、台湾有事の際に日本も軍事的役割を果たすことを考えられていらっしゃるのだと思ったんですけど、現在はどのようなことを検討なさっているか、もしくは検討をされるおつもりかということと、あとアメリカとの役割分担の一部を調整、見直しして、日本も「矛」の役割を少し担われることとかを考えていらっしゃるのかどうか、お伺いしたいんですけれども。

A:台湾海峡の平和と安定は大変重要であるという認識のもとですね、一方で、わが国の立場としては、台湾海峡をめぐる当事者間の対話によって平和的に解決されることを期待するという立場でございます。そして、台湾有事という仮定の御質問にはお答えすることは差し控えさせていただきたいと思いますが、現在、台湾と中国との軍事バランスというものを考えますと、中国側にかなり傾斜をして、その差というものが毎年広がりつつあると。こういった状況を鑑みつつですね、この台湾の状況については今後も注視してまいりたいと、このように考えております。

Q:我々の問題として、というふうにおっしゃったというふうにあったんですけれども、今までは、あんまり日本は「台湾は関係ない」ということが、政府としてスタンスであったと思うんですけれども、今回はもっと踏み込まれて、日本の問題としてというふうにおっしゃっていらっしゃるので、何か、あと、日米間でしっかり協議ということもおっしゃっているんで、そのへんのところ、ちょっと今までと違うのかなと思ったんですけれども。

A:基本的なスタンスはもちろん変わらないわけですけれども、先日も与那国まで行ってまいりました。そこからの距離感というものを考えるとですね、台湾というものが地理的に非常に近いところに存在するという状況、そうした中で、今、台湾を取り巻く安全保障の環境というものについては、これまで以上に関心を持って注視をしていかなければならない。その中で、米国との意思疎通というのも図っていかなければならないと考えた上での発言であります。

Q:大規模接種センターの関連でお伺いしたいんですけれども。大阪会場について、大阪会場は国際会議場として使われている場所で、今回の3ヵ月の期間の間もですね、もともとコンサートですとかイベントですとかが予定されていたケースもあるそうです。そういった業者さんに対しては、業者もキャンセルせざるを得ないという状況なようなんですけれども、その間のですね、キャンセルに伴う補償等ですね、政府としての検討状況というのはいかがでしょうか。

A:この国際会議場、大阪のですね、大阪府立国際会議場につきましては、大阪センターの開設期間中に、複数のコンサート等のイベントが予約されているものと聞いています。これらのイベントの予約者への対応につきましては、現在、大阪府立国際会議場と、それから大阪府庁との間で協議中ということを承知をしておるところでございます。

Q:会議場と府庁と、これはごめんなさい、政府が協議しているという、そういうことなんでしょうか。

A:いや、政府ではなくて、大阪の会議場自体と、それから大阪府が協議をしていると了解しています。

Q:政府としては、何か関わりというのは、そこにしていこうというのはあるんでしょうか。

A:まずは、イベントを予約したのは国際会議場でありますし、これが府立の施設ですから、大阪府との関係において、直での協議が行われているものと承知をしております。

Q:そうしますと、政府としての関わりとしては、協議が終わって必要があれば関わるという、そういう理解でよろしいでしょうか。

A:まずは、そこでどういうお話が行われるかですね。

Q:冒頭、大規模接種関係なんですけれども、冒頭、大臣がおっしゃった残余ワクチンの、自衛官と、あと役務職員と陸上幕僚監部の方に接種されたということですけれども、これはいずれもセンターで勤務というか従事されている方という理解でよろしいでしょうか。それとも、それ以外の方もいらっしゃるということでしょうか。

A:陸上幕僚監部の24名の中にはですね、直接センターで勤務をされていない方も含まれております。いずれにしても、在余ワクチンを無駄にしないということ、そういった観点からですね、優先順位の中で必要な方に接種をしたいということであります。

Q:センターに勤務していなくて、市ヶ谷に勤務している中から優先順位をつけて、残るともったいないから、急遽呼んで接種させたと、そういう理解でよろしいですか。

A:はい。

Q:優先順位ってのは、何か災害派遣に備えたそういった理由みたいなものはあるんですか。

A:これは、大規模接種センターとですね、今は引き続き、あっちで動いているわけではないんですけれども、大規模接種センターの業務に関わる可能性もある方ということであります。

Q:1つ前の話題に戻ってしまうんですけれども、府立の国際会議場のところで、コンサートの予約がキャンセルされた方についての協議はすると、協議は大阪府と会場の方で行っていることでしたけれども、政府がそのキャンセル分の補てんをすることもあり得るという考えでしょうか。

A:これはまず当事者間で、今申しました国際会議場と大阪府の間でどのような協議がなされるかということだと思います。

Q:関連して、吉村知事はこの問題に関して昨日、当然国の設置会場になりますから、大阪府として何か具体的にイベント補償がどうなるというところまでは関与していないと発言しているようですけれども、今政府として大阪府の方から、そういった補償を求めるような話とか、そういった事実はないということなんでしょうか。

A:具体的に何も聞いておりません。

Q:今後、そういった要請があった場合は対応を考えるということでしょうか。

A:まだ今後ですね、どういう話になるかわかりませんので、コメントすることは差し控えます。

Q:大規模接種センターのですね、予約状況についてお伺いいたします。大阪会場の第2弾の予約に関しては30分程度で全枠が埋まるという状況でしたが、東京会場に関しては今日の17時現在で7万件のうち、3万7千件という出だしになっています。大阪で非常に堅調な反面、東京がスローペースになっているこの要因をどのように大臣見ておられますでしょうか。

A:これはなんとも申し上げられませんが、ニーズに応えてですね、予約を取っているということでございます。いずれにしても東京においてもキャパ1万人、1日ですね。それに対して徐々に増えつつあるという中ですね、様子を見ながら自身の予約の進捗具合を今見ているという状況にございます。結果的に至って順調にですね、混乱もなく進んでいるかなと、こういうふうに思っております。

Q:関連なんですが、来週からはですね、東京に関しては神奈川、千葉、埼玉と首都圏全体に対象が拡大されます。関東神奈川中心にですね、中々予約がとれないなどの問題も起っておりますが、首都圏のニーズに対して、どのように応えていきたいと考えでしょうか。

A:今ですね、大規模接種センターについては、エリアを広げているところであります。まず東京23区外も含めて東京全域ということで、今週予約を取っていくと思いますが、その後、1都3県に広げてまいります。そういった中で大手町という土地柄ですね、わざわざここまで出てきていただいている方がどれくらいおられるか。元気なお年寄りの方であればですね、問題なく来られると。そういった方々の受け入れについても、万全を期していきたいと考えます。

Q:先ほどの委員会でですね、東京オリンピックへの医官・看護官の派遣調整中というようなご答弁あったと思うんですけれども、この大規模接種センターを立ち上げる上でですね、かなり全国から集めてですね、厳しい状況であると思うんですけれども、五輪の対応についてどのように両立していくかということについて、あらためてお考えを聞かせていただけますでしょうか。

A:委員会でもお答えをしましたけれども、今の時点でまだオリンピックへの派遣について何も決まったものではございません。そのうえで、要請について調整をするという段階であります。また、その後大規模接種センターとオリンピックの支援については両立をする、すなわち大規模接種センターから医官・看護官を抜いてそちらに回すということではなくて、それはそれで人数は確保したまま両方の支援を行っていくということについてはですね、今調整中ということであります。

Q:今の体制を維持しながら、またあらためて五輪への協力をしていくということだと思うんですけれども、なかなか厳しい状況にあるのかなと思うんですけれども、それは可能なんでしょうか。

A:当初からオリンピックが行われるということは計画の中にもちろん入っていたものです。どのような協力をするかというのはもちろん具体的には決まっていなかったわけですけれども、その中で今回の大規模接種センターを作っていく、1万人というキャパを確保していく中で、何人の人数が必要になるか、確保できるか。このことを優先して考えてきたわけですが、いずれにいたしましても、人数というのは、いじることなくオリンピックへの協力ということについては、切り離して考えなければいけないと、こういうふうに考えます。

Q:イージス・システム搭載艦についてあらためてなんですけれども、2隻の総コストが少なくとも9,000億円近くということで、試算文書でまとめていたということを取材で把握しているんですけれども、実際そういうことがあったという理解でいいのかという点と、その導入費の試算は公表しているかと思うんですけれども、その維持費の試算についてはこれまで公表していなかったというところで、先週からの委員会でも維持費を変動する性格のものだとか、設置するためだとか、そういう答弁もあったかと思うんですけれども、導入費も維持費もいずれもあくまで目安のものというふうな理解だと思うんですけれども。例えば数千、数百億円以上とかですね、3千数百億円以上とか、現時点での大体の規模感みたいなものを示すことは可能なんじゃないかなというふうにも思われるんですが、そのあたりいかがでしょうか。

A:このイージス・システム搭載艦の維持費、ライフサイクルコスト、こうしたことについては、艦の運用とか、それから装備品、こうした詳細がまだ決まっていない段階で、詳細までをお知らせすることは適切でない、こういうふうに考えております。導入費については昨年の11月に中間報告で規模感については示したところでございますが、いずれにいたしましても詳細についてはこの艦の運用とかそうした詳細が決まってきた段階でお示しできるものと考えております。

Q:その関連で、その代替艦というのは、ミサイル防衛に従事できる期間を年126日ということが内部で試算されていて、その365日カバーできるというような、陸上イージスに比べるとですね、導入効果が3分の1になるんじゃないかという指摘もある中で、陸上イージスは省コストというのが契約の時に約4,500億円というふうにされているんですけれども、コストが今回2倍以上かかることになるということなので、陸上イージス、ブースターに係る改修で2,000億円かかるということで、断念しているかと思うんですけれども、それでもなお、代替艦というのは割に合わないんじゃないかというような気もするんですけれども、このまま計画を進めてですね、多額の税金を投入するということについて国民の理解を得られるのかという点についてはいかがでしょうか。その陸上イージスを再検討する可能性とか、その辺も含めていかがでしょうか。

A:従来のイージス・アショアを断念した経緯というのは、もちろん様々いろいろあるわけですけれども、その中でもちろんコストだけではなくてですね、様々な状況があったんだというふうに理解をしております。単純に費用だけで比較することはできないと思いますが、より良い、より効率的な、効果的なイージスシステムを構築するために、今検討しているところでございます。詳細について、今の段階では決まってはおりません。運用の詳細についてですね。ですから、これから運用等々、装備品も含めて煮詰めていくことが必要であるというふうに思っています。

Q:先週の委員会では、必要な検討を進めて適切にお示していきたいというふうな御答弁されていますけれども、今後の公表をいつ頃を目途に公表されるお考えかという規模感を含めてなんですけれども、その点いかがでしょうか。

A:いつ頃ということを今この時点で申し上げることはできないと思いますけれども、適切な時期にお示しをできると考えております。

Q:先ほどの外務・防衛委員会の大臣の御発言についてお伺いしたい点がございます。ツイッターについてですね、大臣は、議員個人としてのものだとした上で、私が防衛大臣としてその発言をしているということが受け手の方に認識されていることを認識した上で、発言されているというふうにおっしゃられました。これはですね、つまり、防衛大臣としてツイッターで発言していることと、大臣が御説明されたこととの差異というのはどのようなことがあるとお考えですか。

A:ツイッターという仕組み自体がですね、そもそも個人の発言、「tweet」という英語からも分かるとおりですね、これは個人の発言であるというふうに考えます。いわゆる公式のチャンネルではなくて、個人名で出してる場合がそういうことだというふうに思います。ただ一方で、私が防衛大臣を今務めているということは、たぶん私のツイッターを見る方はかなりの方がそういう認識であろうというふうに思っているところですので、発言はあくまで個人の考えでありますけれども、その中身については、大臣としての発言というふうに見られる可能性がある。そういうことを意識した上で、中身については配信していかなければいけないなという考えです。

Q:重ねて申し訳ありません。大臣としての発言というふうに受け取られるという認識に上で発信すること、非常に大事だと思うんですけれど、仮にですね、発言内容に何か問題があった場合というのは公職としての責任を有するというふうにお考えでしょうか。

A:問題がないように発言を、ツイートをするようにしています。

Q:仮にあった場合は、どのようにお考えですか。

A:適切に処理をしていくことしか申し上げられません。

Q:最後に1点だけ。その上でですね、これまで大臣は中山副大臣のツイッターについてですね、個人の考えとして発信されたものだということを繰り返して見解については述べられていませんが、そういった対応は今のお考えを前提にすると正しいものでしょうか。

A:あくまでも中山副大臣の個人の考えを披露したものであるということだと思います。それぞれツイッターについては、発信をされる方の考えというのがあると思いますが、基本的にはそういうふうに思います。

Q:大規模接種の関連ですが、防衛省の予約システムを構築するに当たってですね、事前に総務省とは調整はされたのでしょうか。

A:予約システムの構築にあたっては、総務省とは事前の調整は行っておりません。予約システムにより予約者個人を特定するためには、市区町村が管理します接種券番号を含む個人情報をあらかじめ防衛省が把握をし、入力される予約情報と照合する必要があります。このようなシステムを短期間で実現するのは国民の皆様に迅速なワクチン接種を受けていただけるようにするかという観点から困難であって、そして何より接種対象となる全国民の個人情報を防衛省が把握することは適切ではないと考え、採用はしないことといたしました。そういうことで、総務省としては調整しておりません。

Q:もう1件、今回4月27日に総理の大規模接種の指示がございまして、5月24日の接種開始まで1ヵ月弱でしたが、予約システムを構築する準備期間としては十分だったとお考えでしょうか。

A:十分だったかと言われると、相当短期間だと思います。その中で、いずれにしても仕上げていかなければいけない、そういう制約がございました。いずれにいたしましても、5月23日に稼働させる前提の下で、この予約システムを作ってきたというのが現状だと思います。その中で、先ほども言いました、このシステムの問題、完璧なものを作っていくよりも一人でも多くの方を、この接種を進めていく、そのためにはどういうシステムが必要か、こういう観点から今回のシステムの構築を進めていったというふうに考えであります。

Q:大規模接種の昨日の実績についてお聞きしたいんですけれども、昨日、東京と大阪の実数を発表いただきましたけれども、その中には、そことは別に予約をしたけれども当日来なかった、キャンセルをされた方がいるというふうに伺っております。このキャンセルの人数、当日、来なかった方の人数というのは防衛省としては想定された範囲内に収まっているという理解でしょうか。また、キャンセルの理由というのが、もし分かる人がいるのであれば、把握している内容はどのような情報でしょうか。

A:今ちょっと数字まとまっていなんで、事務的にのちほど回答します。

Q:それともう一点なんですけれども、システムのこの接種が始まる前に指摘されました、いわゆる虚偽の予約が可能になってしまう件なんですけれども、実際昨日も予約なしでお見えなる方もいらっしゃったと聞いています。あらためて防衛省としてですね、まだ予約なしに来る、来てしまう人に対してですね、大臣からは注意喚起どのように行われていますか。

A:基本的にはですね、もちろん予約をとって、いらしていただくことが大事であります。予約を取ることによってですね、接種券の番号等々をインプットしていただく、そのことが大変重要であるというふうに考えています。その上で、予約の当日にですね、接種センターで、その接種券とそれから身元確認の特定できる免許証等々が必要であると、そういうことを申し上げたわけであります。そうしたことが、安全上からも必要であると考えています。ただ一方で、予約を取っていない方、あるいは予約を取ったはずなのに見つからないとか、そういう方というのも、現実にはおられるかも知れませんが、もちろん、基本的にはちゃんと予約を取ってきていただくというのが大前提でありますが、個別の状況については現地で相談をしていただくということにしております。

Q:毎日新聞社と朝日新聞出版に対する抗議文について伺います。我々報道機関の重要な役割として、権力、あるいは特に公権力に対する監視機能というのがあると言われていますが、それについて大臣の御所見を伺わしてください。

A:マスコミの役割というものも、それはいろいろあるというふうには思いますけれども、このような中で、朝日新聞出版のアエラドットの記者と、毎日新聞の記者の不正な手段によって予約を実行したということにつきましては、多くの関係者の努力を無駄にするものであると同時に、ワクチン接種を希望する65歳以上の方の接種機会を奪い、ワクチンそのものが無駄になりかねない悪質な行為であると考えております。このような行為は、極めて遺憾でありまして、防衛省として厳重に抗議する必要があると考え、18日に、官房長から朝日新聞出版及び毎日新聞社に対しまして、防衛省としての見解を文書にして明確に回答したものであります。いずれにいたしましても、防衛省として、自衛隊大規模接種センターを利用される方々に御不便をかけることのないよう、十分に準備をしてまいりたいと考えております。

Q:私の聞きたいことは、報道機関の重要な役割として、権力の監視、あるいは公権力の監視という重要な役割があるということについて、大臣はどう考えるか、その質問です。

A:それは、不正なアクセスをするということが許されるというものではないと考えます。

Q:いや、そういう質問じゃありません。公権力の監視が報道機関にとって重要な役割かどうかということについて、大臣の考え方を聞かせてください。

A:そのことについて、今答える立場にはございません。

Q:もう1問お願いします。報道の自由とか、取材の自由を守るために、為政者は報道機関に対して謙抑的であるべきだという考え方がありますが、それについて大臣の御所見を伺いたいです。

A:言論の自由、報道の自由、こうしたものが守られるべきであるということは、一般的にはもちろん了解をしておるところでございます。今回の件に絡めてということであれば、そもそも不正の予約を行うということが果たしていいことかどうか、ということだというふうに思っています。

Q:報道の自由、あるいは取材の自由に対して、為政者は報道機関に対して謙抑的であるべきだという考え方について、大臣はどう考えるかという質問です。

A:一般論として、それに今、お答えするような立場にはございません。

Q:ARC(アーク)21、並びにクアッドについて伺います。この5月11日から17日まで、自衛隊は日米豪仏共同訓練、ARC21を行いました。今後、フランスの他、ドイツ、英国、オランダ各国も軍艦派遣を表明しており、日米豪印の中国包囲網、クアッドに英仏独オランダが加わった形です。岸大臣は5月11日の記者会見で、このARC21について、特定の国を念頭に置いたものではないとお答えになりました。しかし、日米首脳会談の共同声明でも、中国の脅威を名指しで指摘し、自衛隊の強化まで約束しているのですから、そのような弁明はかえって不自然に聞こえます。中国を念頭に演習を行ったことは明らかであり、その前提に立って御質問いたします。端的に伺いますけれども、中国包囲網クアッドとは、いったい何を行うものなのでしょうか。何を目的として、欧州諸国の軍隊まで集結し合同演習を行うのでしょうか。海上自衛隊の幹部学校のホームページでは、海幹校戦略研究という論文が多数あげられております。その中には米国防大学のトーマス・ハネスト博士や米海軍大学トシ・ヨシハラ教授らが提唱するオフショア・コントロール戦略の話が度々出てきます。ハネスト博士とヨシハラ教授は2014年には海上自衛隊幹部学校に来校されてもいます。そのオフショア・コントロール論ではチョーク・ポイントと呼ばれるマラッカ海峡、そして中東のペルシャ湾から中国に至る石油ルートを遮断する戦略が語られています。インド太平洋を一体とした中国包囲網を形成するという構想を最初に主導をされたのは、安倍晋三総理ですが、現在のクアッドの目的と戦略はこのオフショア・コントロール論と重なり中国への石油を遮断する海上封鎖網を形成することになるのでしょうか。そのためインド洋においても海外領土をもつフランスが熱心に参加し、インド洋のシーレーンを制圧するということになるのでしょうか。よろしくお願いします。

A:私も繰り返し申し上げているわけですけれども、このARC21等々お話ございました。こういったものは、中国を念頭に置いたもの、あるいは中国包囲網ということは考えておりません。あくまでもわが国の防衛に資する、こうした共同訓練ですね、自衛隊の練度を向上させるため、また、国際関係、国際協力こうしたことを深めていくために行っているということであります。クアッドについてもですね、地域の平和と安定のために4カ国の間で様々な意見が密に交換される、こういう状況であります。ですから、どこの国、具体的な国を念頭において行われているものではないというふうに解釈をして欲しいと思います。

Q:鹿児島県の馬毛島について最後お伺いしたいと思います。本日2回目のデモ飛行が行われまして、騒音について住民の方が知る機会となったわけですけれども、このデモフライトを経て起きた住民の皆様の変化ですね、例えば、予想していたより大きかったとか、逆に想像したよりも小さかったというような様々な意見があるかと思うんですけれども、そういった住民の皆さんの考えの変化というものを防衛省としてどのように把握されていくのかという点を教えてください。例えば、ヒアリングを行うとかアンケートを行うといった手段について、何かお考えのことがありましたら教えてください。

A:まず、今月16日日曜日に一回目のデモフライトを実施をいたしました。平日のデモフライトは悪天候により実施できなかったことを踏まえ、本日、二度目のデモフライトを実施中であります。デモフライトの内容については、昼間は6機、夕方は2機の空自のF-15がFCLPの予定経路を飛行するというもので、16日と大きな違いはございません。このデモフライトは、施設整備後の戦闘機の飛行状況や音の状況を体感していただけるという大きな意義があったと考えています。防衛省としては、この施設整備に当たりまして、地元皆様の御理解や御協力を得ることは大変重要と考えております。今後とも、作業の進捗に応じて、一つ一つの説明を積み重ねて、地元の理解が広がり、多くの協力が得られるように最大限の努力をしてまいりたいと思います。

Q:住民の方の考えの変化というのを捉える機会というか、それを防衛省としては何かお考えなのか、今後お考えになっていくのかっていう点を教えてください。

A:まずは住民の方の声をいただく、それをしっかり分析をするということが必要になろうというふうに思います。

Q:例えば、そういったことであれば住民の皆さんが防衛省の方にそういった声を届けていけば、そういった分析をされていくというお考えなのでしょうか。

A:まず、今回のデモフライトはですね、どのように受け止められたか、そういった率直な御意見をいただければというふうに思います。その上で、この馬毛島におけるですね、FCLPも含めて馬毛島の基地建設というものに対して御理解をいただけるようにこれからも努めていきたいと考えています。

以上