防衛大臣記者会見

日時
令和3年5月21日(金)08:40~08:50
場所
国会議事堂本館内閣議室前
備考
岸防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

 新型コロナですけれども、65名の隊員が新たに感染していることが確認されました。合計で1,740名になります。UNMISSへの司令部要員の派遣期間の延長、海賊対処行動に係る多国籍部隊への司令部要員の派遣についてです。南スーダンの国際平和協力業務実施計画の変更です。本日、国家安全保障会議の九大臣会合及び閣議において、南スーダン国際平和協力業務実施計画の変更が決定しました。国際連合南スーダン共和国ミッション、いわゆるUNMISSへの司令部要員としての自衛官の派遣期間が来年5月31日まで1年間延長されました。防衛省・自衛隊としては、自衛官の派遣を通じ、南スーダン国際平和協力業務への貢献を継続し、引き続き「積極的平和主義」を実践してまいります。それから、海賊対処行動の方です。国家安全保障会議の九大臣会合及び閣議において、海賊対処行動に係る多国籍部隊への司令部要員の派遣が承認されました。自衛隊の参加している多国籍の海賊対処部隊であるCTF151及びその上級部隊である連合海上部隊CMFは、6月10日に組織改編を実施する予定です。これまで、自衛隊は、CTF151に司令官や司令部要員を派遣するとともに、CMFにも情報収集等のための連絡要員を派遣してきました。引き続き国際社会と連携して海賊対処行動に取り組むため、CMF及びCTF151から改編される第151連合任務群CTG151と言いますが、こちらに司令部要員を派遣します。防衛省・自衛隊として、引き続き、海賊行動の防止に万全を期してまいります。私から副大臣に対する厳重注意についてです。昨日、参議院の外交防衛委員会における立憲民主党の委員の質疑に、中山副大臣が間に合わなかった件について、私から中山副大臣に対して強く注意をしました。国会は、国権の最高機関であります。質疑に遅れるようなことはあってはならず、私からの厳重注意の後に、加藤官房長官からも中山副大臣に対して注意がなされたところであります。今後は、同様のことが発生しないよう、中山副大臣はもちろんですけれども、防衛省全体として、国会日程の管理について万全を期し、一層気を引き締めて、国会対応に臨んでまいります。日豪防衛大臣電話会談について。私は、オーストラリアのピーター・ダットン国防大臣との間で、電話会談を実施をいたしました。先月、国防大臣に着任されたダットン大臣との間で早速会談が実現できましたことは、日豪防衛協力関係の重要性を示す証であります。大変嬉しく思っております。今般の会談では、東シナ海・南シナ海を含む地域情勢について意見交換を実施し、力を背景とした一方的な現状変更の試み、また、緊張を高めるいかなる行為に対しても強く反対することなどで一致をし、この文脈で、私とダットン大臣は、中国海警法に対する懸念を表明しました。北朝鮮情勢についても意見交換をし、北朝鮮による、全ての大量破壊兵器及びあらゆる射程の弾道ミサイルのCVIDの実現に向けて「瀬取り」対応を含めて引き続き連携をしていくことを再確認をしたところです。さらに、感染症分野での協力についても議論を行いました。偽情報等に関する意見交換や第三国に対するものを含む取り組みについて協力を継続していくことで一致をしたところです。防衛省・自衛隊として「FOIP」の維持・強化に向けて、わが国と「特別な戦略的パートナーシップ」を構築しているオーストラリアとの防衛協力を一層進めてまいりたいと考えます。それから、昨日、私からの提案により、ブルネイのハルビ第二国防大臣とテレビ会談を実施をいたしました。今般の会談では、地域情勢について意見交換を実施をいたしました。私から、中国海警法に対する深刻な懸念について表明するとともに、力を背景とした一方的な現状変更の試み、また、緊張を高めるいかなる行為にも反対していくとのメッセージを共に国際社会に向けて発信していく必要性を述べたところです。また、二国間及び多国間の防衛協力・交流についても意見交換を行い、私からは、本年のASEAN議長国としてのブルネイのリーダーシップを高く評価するとともに、来月開催されますADMMプラスに向けて緊密に連携したい旨を申し上げ、二国間・多国間の防衛協力・交流を一層深化させていくことで一致をしたところです。日・ブルネイ防衛当局間では、今後も、緊密なコミュニケーションをとって、防衛協力・交流に力を入れてまいります。それから富士の総火演について。明日5月22日、大西防衛大臣政務官とともに、陸上自衛隊富士総合火力演習の教育演習を実施・視察をいたします。今年度の富士総合火力演習は、昨年度に続き、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、例年約2万人の観客を集めて実施する公開演習は中止といたします。教育演習の視察により、隊員の日頃からの練成訓練の成果をしっかり確認してまいりたいと考えています。以上です。

2 質疑応答

Q:モデルナとアストラゼネカのワクチン承認される見通しです。どのようなワクチン使うか含めて、大規模接種センターの準備状況を教えて下さい。

A:ワクチンについては、本日ですね、承認の方向ということを承知しております。大規模接種センターでのワクチン接種につきましては、新型コロナウイルスワクチンが国内で新たに薬事承認された場合には、これを用いることができるように関係省庁ともしっかり連携してまいりたいと考えます。

Q:もう一点、イージス・アショアの代替艦についてですね、一部報道で総経費がですね9,000億円にのぼるというような報道がありますけれども、事実関係どのようになっているのでしょうか。

A:これまでですね、イージスシステム搭載艦の詳細を決めていくに当たっては、経費はもちろん重要なんですけれども、搭載機能や艦の設計、要員の確保等、様々な観点から検討することが必要であります。このため、経費がわが国の防衛にとってしっかり貢献できるようなものになるように、総合的に検討していかなければならないと考えております。経費について、数字が一部報道で出ているところではありますけれども、現時点では詳細な数値を示すことは困難であると、このように考えております。

Q:大規模接種センターの関係で、正しい接種券番号入力してもですね、予約ができないというケースが東京都板橋区等で相次いでいます。事実関係把握されているかどうか、原因分析や対策、あと来週から接種が実際に始まりますが、混乱が拡大しないかどうかその辺の見通しをお願いしますか。

A:17日に板橋区役所から厚労省を通じて、本件に関する連絡を受けて、その日のうちに業者に確認をしたところでございますが、予約の受付にあたり、利用の方々に混乱が生じているという報告はありませんでした。板橋区の市町村コードで数千件の予約が入っているということも確認しておるところです。いずれにしましてもシステムの仕様上、問題があるのか引き続き確認をいたしたいと思います。

Q:予約できないというケースは聞かれていないということですか。

A:はい。むしろ予約が入っていることが確認されたということです。

以上