防衛大臣記者会見

日時
令和3年5月14日(金)09:40~10:11
場所
防衛省A棟11階第1省議室
備考
岸防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

コロナであります。前回の定例会見以降、65名の隊員が新たに感染していることが確認されました。これで合計、これまでに1,583名の感染が確認されたところです。65名のうち2名は海賊対処行動のためにジブチに派遣をされた隊員であります。現在、この2名の隊員及び新たに要健康監視隊員として指定された3名の隊員が、拠点内において隔離療養中でございます。再生可能エネルギー活用に向けた電気調達の見直し結果についてであります。昨年度に引き続き、全国各地の防衛省・自衛隊の施設において再生可能エネルギーにより発電された電気の調達を図ったところ、今年度は985の施設のうち526の施設、これは約53.4%において調達が可能となったことをお知らせいたします。これは、昨年度の151施設と比較して約3.5倍となります。これらの施設における再エネの電気の調達見込み量は、12.8億キロワットアワーのうち、約6.2億キロワットアワー、約48.7%となります。同じく昨年度の9,100万キロワットアワーと比較しますと、約6.8倍となっております。防衛省における再エネ電気の調達の取り組みは、導入を実施した施設数、導入見込量の規模等の観点で、政府の中で先進的な実績の1つであると認識をしています。引き続き、再エネ比率100%を目指して、全力で取り組んでまいります。

2 質疑応答

Q:ワクチンの大規模接種センターの関連です。運用の内容が固まったと思いますが、まだ自治体の接種の「二重予約」等ですね、予約に関する混乱が懸念されています。この対策を一つお伺いしたいのと、もう1点は会場運営を担う「日本旅行」や「東武トップツアーズ」との契約が一般競争入札ではなく、随意契約で行われたと思いますが、これが随意契約となった理由についてあらためて説明をお願いします。

A:まず接種の予約に関することですけれども、この大規模接種センターは、まずこのワクチンの接種については、市区町村が実施の主体であります。そのことが基本である中で、この市区町村におけるワクチン接種を強力に後押しすることが目的となってます。国が確保したワクチンが速やかに接種されることを目指すものでございます。他方、開設時までの準備時間が限られている中で、大規模接種センターの予約システムを極めて多数の市区町村の予約システムと連接して帳簿管理することが現実的ではないという状況、大規模接種センターの設置意義ということも考えますと、例えばインターネットやLINEによる予約の際には、画面表示によりですね、市区町村における予約と重複しないように、またセンターで予約した場合は、速やかに市区町村における予約を取り消すようにですね、していただきたいということ、大規模接種センターで予約する一方で、市区町村においても予約を行った場合は、速やかにセンターの予約を取り消していただきたいということ、こういったことを周知をすることによって、接種現場において極力混乱を生じないように取り組んでいきたいと考えております。それから随意契約についてですけれども、まず、大手町においてはですね、館内の清掃、会場設営、予約のシステム構築。大阪においては会場設営、予約のためのシステム構築等ですね。こういったことの事前準備のために必要な期間の他、ゴールデンウイーク中にこれらの諸準備を進めなければならないという特殊要因も考慮した結果、一般競争入札の手続きをとった場合には準備に要する期間が確保できないことから、新型コロナウイルスワクチン接種体制確保事業の実施に必要な契約の締結について、厚生労働省の事務連絡、令和2年の12月18日付のものです。これを踏まえて、緊急の必要により一般競争入札に付することができない場合として随意契約を行ったものであります。

Q:ありがとうございます。2点目、昨日の自民党の部会でですね、イージス・システム搭載艦について調査結果の報告がされました。この間、このイージス・システム搭載艦については多胴船の検討やですね、単艦運用の検討といった報道もありましたが、現在までこの運用に向けた最新の検討状況をお願いいたします。

A:イージス・システム搭載艦につきましては、昨年末の閣議決定以降ですね、陸幕等から海幕へのイージス・アショアに関する検討経緯等の業務の引継ぎが完了しております。現在、艦の建造の前提となる事項について海幕を中心に検討する等、引き続き、省全体で検討を進めておるところでございます。その上で、イージス・システム搭載艦については、運用構想の詳細、搭載機能、艦の設計等の検討を今、行っているところでございます。引き続き、米国政府や日米の民間事業者を交えて、鋭意検討を進めてまいりたいと思います。また、多胴船のことについても、部会において異論が出たことは承知をしております。こういったイージス・システム搭載艦についてはですね、運用構想について詳細等々について、引き続き、協議を検討を行っていることでございます。現時点で、双胴船や三胴船等といったものを採用する方向で検討が進んでいるということでは、事実ではございません。

Q:大規模接種センターについてなんですけれども、12日にですね、体制とか予約方法について決まってですね、公表されたところだと思います。週明けからですね、予約も始まると思うんですけれども、国民の期待も高まっている中でですね、大臣としてはどういったところに課題があって、そしてあの24日からですね、どういうふうにこう迅速に接種を進めていきたいか、今のところのお考え、お気持ちの方をお聞かせいただけますでしょうか。

A:この重要性ですね、防衛省として初めてのことであります。そういう意味で、特に立ち上がりについては混乱が生じないように、細心の注意を払っていかなければいけないと考えております。そういう意味で、規模として約、東京で言えば1万という数字が出ております。これ、能力としての規模でありますけれども、そうしたことに向けてですね、最初からそこに向けるということではなくて、スムーズに接種を行って事業を始めていくと。その上で、できるだけ多くの方に、できるだけ早いタイミングで接種を受けていただけるような体制を組むということが何より必要なんだろうなと思います。やはり一番重要なのは、接種の主体が市区町村であるということですね。その上で、我々はそれを強力に後押しするという立場でございます。そういう観点からも、市区町村との連携、他省庁との連携、こうしたものをしっかり密にとっていかねばならないというふうに思っております。

Q:予約についてなんですけれども、自治体との「二重予約」の課題であるとか、あとは予約に殺到してですね、混乱をきたしてしまうというところもあるんですけれども、正確な呼びかけというのが大切だと思うんですけれども、その辺り、大臣として、接種までまだ時間もあるのでどういうふうに呼びかけていきたいかというところは、どのようにお考えになっていますでしょうか。

A:その辺りですね、まず予約のシステムがダウンしないように、十分キャパを持った中で予約のシステムを動かしていくというのが必要だなと思います。そうした体制については、これまでも対策本部でもしっかり検討していただいているところであります。いずれにしても、地域の市区町村の予約とですね、それから予約あるいは接種、こうしたことと、それから大規模接種センターでの予約・接種、こうした部分で混乱が生じないようにしっかり連携をとってまいりたいと考えております。

Q:宮古島市への陸上自衛隊の配備を巡って、下地敏彦前宮古島市長が収賄の疑いで逮捕されました。自衛隊の配備が直接関わる案件となっていますが、大臣の受け止めをお願いします。

A:まず、報道については承知をしております。捜査に関することについては、防衛省からお答えすることは差し控えさせていただきたいと考えております。いずれにしても、警察からの要請があれば、捜査には協力していく考えであります。

Q:関連なんですけれども、今回、下地前市長の方から、千代田の買収について防衛省に対して働きかけがあったということが前提になっていますけれども、今回の土地の選考過程において、防衛省に対して働きかけ、口利きがあった事実があるのかお願いします。

A:まず、防衛省としては平成27年5月にですね、当時の防衛副大臣が宮古島を訪問いたしまして、その時点で「大福牧場」と「千代田カントリークラブ」の2カ所の双方を候補地として正式に要請をいたしました。当時の宮古島市とは、日頃から様々な意見交換を行っておりました。配備候補地については、地理的な条件、隊員の生活の利便性等を総合的に勘案して、防衛省として最適であると判断した当該2カ所を提示したという経緯がございます。またその後、平成28年6月、宮古島の市議会において、地下水源への影響に係る地元の懸念から、下地前市長からは、「大福牧場地域での自衛隊施設の建設は認めない」との御発言がありました。これを受けて防衛省として検討した結果、「大福牧場」における施設整備案を取り下げて、「千代田カントリークラブ」における駐屯地整備を進めることとして、31年3月の駐屯地開設に至ったということであります。このように、「千代田カントリークラブ」の取得が、防衛省としては宮古島への陸自部隊配備にとって必要な用地取得であったというふうに考えております。そういう経緯をとっているということでございます。

Q:今のお話なんですけども、平成27年の時に、両方、2カ所を提示したと、要請したとお話ありましたけども、報道ベースでいっても、これまで市側から、市長側から働きかけがあったということだとか、あるいは下地前市長本人も議会で、2カ所の提示される前に防衛省に対して働きかけをしていたという事実を認めてるんですけども、防衛省としてその事実を今の段階で認めるってのは難しいんでしょうか。

A:防衛省としてはですね、まず平成25年度、委託調査によってですね、南西諸島における部隊配備地の条件を満たす土地について資料収集等を行うとともに、防衛省職員による現地調査も行ってまいりました。当該の調査の結果においても、「千代田カントリークラブ」というものが候補として含まれております。防衛省として適地ではないと判断したにかかわらず、前市長の提案を受けて「千代田カントリークラブ」を候補地に含めた、というような事実はございません。

Q:働きかけについては、今の段階では難しいということなんでしょうか。

 A:働きかけによって我々が見直したとか、そういうことではございません。

Q:働きかけによって決めたというわけではない、ということですね。分かりました。もう一点なんですけども、今の話を踏まえてですけども、ただ今回の案件を受けて、市民の間では、市長が金のために配備を受け入れたんではないかとういう疑念の声も上がっているんですけども、あらためてですね、選定過程において再調査する必要性っていうのについては、どのように考えますでしょうか。

A:調査に関することについては、我々からお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います、再調査について。まず施設整備のニーズと地元の御懸念等の双方を勘案しながら駐屯地の整備を進めてまいったところであります。防衛省側の対応に問題があったとは考えておりません。したがって、防衛省内においてお尋ねのような再調査ということを行うという考えは、今は持っておりません。他方で、警察からの要請があれば捜査には適切に協力をしてまいりたいと考えております。

Q:中山副大臣のイスラエルに関するツイートについて伺います。副大臣は、12日の自身のツイートで「私たちの心はイスラエルとともにあります」と書き込んで、ツイートには賛否が寄せられています。政府の一員である副大臣が、こうしたツイートをしたことについて、それが適切であったかも含めて大臣の見解を教えてください。

A:中山副大臣のツイッターについてはですね、まずこれは、副大臣の議員個人としての見解を示したものであると考えております。防衛省としてのコメントは差し控えさせていただきたいと考えます。

Q:もう1問お願いします。大臣も閣僚として政府の一員であるわけですけれども、SNSでの意見、考えの発信についてですね、どういうふうにあるべきか、お考えを教えてください。

A:閣僚としての発信ということについて言えば、政府の立場、そういったものに配慮しながら適切に行っていかなければならないというふうに考えております。

Q:今回の副大臣のツイートは、その適切な範疇であったという理解でよろしいでしょうか。

A:個人の見解ということも含めて、我々として、防衛省としてコメントすることは差し控えさせていただきたいと考えます。

Q:スタンド・オフ防衛能力について伺います。5月11日、前回の定例会見で弊社からスタンド・オフの防衛能力について質問をいたしました際に、岸大臣から「基本的にスタンド・オフ・ミサイルというのは敵の圏外から攻撃をできる能力を有するものである。また、あくまでも自衛隊員の安全を図るために敵の射程外から発射するミサイルがスタンド・オフ・ミサイルだ」と御回答をいただきました。北朝鮮、中国がまだ日本列島全土にミサイルを届かせられない段階であれば、大臣のお使いになっているスタンド・オフという言葉も意味を持つと思うんですが、しかし、現在中国も北朝鮮も日本列島全域を射程距離に収めており、中国の場合、2020年度の防衛白書にも記してありますが、短距離弾道ミサイルが750発から1,500発、日本列島を含む第一列島線を射程に収めています。日本列島が射程距離内に収められているというのに、敵の射程外から発射するスタンド・オフ・ミサイルをどうやって日本国内に配備をするというのでしょうか。敵の射程外から発射するミサイルを配備するというならば、日本国内ではなく、第二列島線の東、太平洋の彼方に配備しなければならないということになります。失礼ながら、大臣も防衛省も、現実を国民に分からせないためにこのようなおかしな矛盾した言葉の使い方をなされているというように思われてなりません。この点御説明ください。よろしくお願いします。

A:まずですね、わが国の防衛政策、あるいは防衛力整備というものはですね、特定の国を対象としているものではございません。わが国の防衛にあたっては、敵の探知範囲・射程といった脅威圏外から、すなわち、敵に近づくことなく、敵の水上部隊や水陸部隊に対処する能力を持つことが不可欠であります。この点で、技術的進展等によりまして、各国の早期警戒管制能力、各種のミサイルの性能が著しく向上して、敵の脅威圏が拡大していることを踏まえれば、現在自衛隊が保有する地対艦ミサイルの射程では、これを運用する自衛隊の部隊は、敵の水上部隊やこれらを支援する敵の航空部隊等の脅威圏内において対処せざるを得ないという状況であります。このような認識の下で、隊員の安全を確保しつつ、わが国を防衛するため、スタンド・オフ・ミサイルとして、令和3年度に12式地対艦誘導弾能力向上型の開発を計上したところでございます。想定される様々な弾道ミサイル等もあると思いますし、それは、そういう意味でいえば、ICBM等も考えられます。どこにいても敵の圏内ということになるわけですけれども、そういったことではなくてですね、そればっかりが戦術ということはなくて、様々、今申しましたような敵の水上部隊、上陸部隊、こうしたものに対して、しっかり対処していくというところも必要であると、そういうふうに考えております。

Q:ありがとうございます。もう1点、自衛隊についてなんですけれども、自衛隊は現状、在日米軍と垂直統合をされているように見えます。ミサイル攻撃をするという判断を含め、有事の際、日米合同軍の指揮権は米軍が握るのでしょうか。それとも、自衛隊の指揮権は日本政府の下にあるのでしょうか。米国が駐留して実権を握っているという点で日本と似たような状況である韓国では、この指揮権についての議論が活発に行われています。日本では、指揮権についての説明は決定的に不足していると思われます。ミサイルは誰が発射命令を出すのか、御説明いただければと思います。よろしくお願いします。

A:まず、同盟関係にある米国とは、日頃から緊密に意見交換、情報交換をしているところであります。部隊の運用、そういったことに関してはですね、お答えすることは差し控えさせていただきたいと考えています。日米は共同で作戦をいたしますが、双方の指揮系統に従って運用がされるということでありますので、御理解をいただきたいと思います。

Q:大規模接種の関係で1点、移動支援の関係なんですが。昨日、菅総理が公明党の提言を受けて、会場までの移動、これの支援も検討するという考えを示されていますが、これも防衛省・自衛隊として何かしら検討されるのか、それとも自治体との連携の中でそれは行っていく話なのか、この会場までの移動について何かお考えがあればお聞かせください。

A:具体的に、そういう輸送手段とかですね、そういうことについて、これからしっかり検討してまいりたいというふうに思います。対策本部においてしっかり検討していきたいというふうに思います。

Q:先ほどの副大臣のツイートの関連でお伺いします。先ほど大臣、ツイートは議員個人としての見解とおっしゃられました。ただ、副大臣のツイート自体が、防衛省にいる時に発信をされていたりですね、あと、ツイートがイスラエルの関係者から反応があったりとか、それは、防衛省の副大臣としての立場にある者が発信しているから、そういう影響力があるのであって、不可分での関係にあると思うんですけれども、そこについて、大臣どのようにお考えですか。

A:ツイートのシステムとしてですね、どこから発信したかとか、そういうものが出る、出ない場合もあると思うんですが、そういうことはあると思います。ただ、どこから発信しているかというのは、副大臣の、何をされていたかということにも絡んできますから、どこにいたかとか、そういうことだけでは判断しない方がいいんではないかなと思います。その上で、副大臣としての立場というものがあるということは存じておりますが、ツイッター、それ以外のSNSもそうですが、基本的には個人の見解を述べるものであると、こういうふうに思います。その中で、副大臣なら副大臣のお考えを、様々彼の立場を考慮しながら発信をされたものだと、こういうふうに考えています。

Q:大臣ご自身も先日、与那国行った際に台湾を見て、それに台湾側からのリツイートがあったと。それは大臣の立場にあるからこそそういう影響力があると思います。今回の副大臣のツイートでいえば、外務省の立場とちょっと異なって、パレスチナ側の立場が書いていないような問題もあると思うんですけれども、そういった点は問題はないんでしょうか。

A:ツイッターの場合、限られた文字数というものもありますね。その中で、どういうことを発信していくかということはあると思うんですが、そこは副大臣のお考えだと思いますので、私からはコメントを控えさせていただきたいと思います。

Q:先ほどの大規模接種の輸送手段に係る質疑に関連してなんですけれども、「具体的にそういう手段について、しっかりこれから検討してまいりたい」とおっしゃいましたけれども、これはやるやらないの検討なのか、それとも、やることを前提として、その内容について自衛隊でやるべきか、あるいは民間に委託すべきかの検討をするということ、そのどちらでしょうか。

A:これは両方です。やるかやらないか、やる場合についてどうするか。これもしっかり検討していきたいと思います。

Q:やるやらないの検討から始めて、ということになるんですね。

A:特に大手町という場所ですね、これはなかなか、例えば大手町駅といっても大変広いですし、東京駅あたりからじゃあどうするのかということもあると思います。そうした中で、どういう形をとっていくべきか、これは受け入れ側のセンター側の運営体制、これとも絡んでくると思いますけれども、そうしたことを考慮した上で、やるべきかやらないべきか、やる場合はどうするか、こういったことを検討していきたいと考えます。

Q:シャングリラについてお伺いいたします。日米や日米韓に続いて、日中の防衛相会談を検討しているという一部報道もありますけれども、調整状況や、やることになった場合の意義、意気込みですとかをお伺いしたいと思います。それと、今回のシャングリラでは菅総理の基調講演も要請を受けております。安部総理以来となって7年ぶりとなりますけれども、大臣として期待するところをお願いいたします。

A:シャングリラについては、様々な報道がなされていることは承知をしております。菅総理は、本年6月上旬のこのシャングリラ会合に基調講演者としての招待を受けている。出席については、国内の新型コロナの状況等も踏まえつつ、政府内で検討中というふうに承知をしております。私も招待を受けておりますけれども、出席については現在検討中であります。検討中でありますから、その場でそういったことを行うかということについても、まだ決まっているということはございません。

以上