防衛大臣記者会見

日時
令和3年4月23日(金)09:38~10:05
場所
防衛省A棟11階第1省議室
備考
岸防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

まず、新型コロナウイルスの件です。前回の定例会見から、26名の隊員が新たに感染を確認しました。合計で1,344名になります。また、ジブチの活動拠点で勤務する隊員の新型コロナウイルスの感染事例ですが、陽性が確認をされました21名及び要健康観察隊員(※)として指定されました33名、これについては、昨日22日ですね、全員の隔離期間が終了し職務に復帰したところです。感染の経緯等については、様々な要因が考えられますが、スポーツ交流とそれに引き続き飲食を伴う表彰式及び親睦会に参加した隊員については、ジブチ市内で無届の飲食を行った隊員を中心に感染が拡大した可能性が高いと考えられます。また、スポーツ交流、表彰式、懇親会に参加していない陽性者については、無症状の病原体保有者から共有場所の利用を通じて、感染した可能性が考えられます。いずれにいたしましても、防衛省・自衛隊として、更なる感染拡大を防止し、安全確保に万全を期した上で任務を遂行してまいりたいと考えております。日米仏の共同訓練について。陸上自衛隊は、5月11日から17日までの間、相浦駐屯地や霧島演習場において、フランス陸軍、米海兵隊との実動訓練を実施をいたします。本訓練は、フランスの練習艦隊「ジャンヌ・ダルク」が佐世保港に寄港する機会を捉え、同艦隊に乗り組んでいる陸上部隊との間で水陸両用作戦の訓練を実施するものです。また、本訓練のほか、海軍種間での共同訓練についても現在調整中であります。フランスは、インド太平洋地域に常続的な軍事プレゼンスを有する欧州唯一の国であります。わが国と「自由で開かれたインド太平洋」のビジョンを共有する同志国でもあります。今般の練習艦隊「ジャンヌ・ダルク」の訪日を心から歓迎するとともに、陸上及び海上での一連の共同訓練を通じて、自衛隊、米軍、フランス軍の連携を強化するとともに、島嶼防衛に係る自衛隊の戦術技量を更に向上させたいと考えております。詳細については、この後事務方から説明をさせます。AI・データ分析官の募集についてであります。防衛省・自衛隊では、昨今、急速に進展する軍事技術へのAIの導入による将来の脅威に備え、様々な分野にAIを適用すべくですね、研究開発を進め、技術基盤の強化を図っているところであります。このような取り組みの一環として、令和3年度からAIの学習やデータ分析による高度な知識・スキル及び豊富な経験・実績を有する民間のAI人材を「AI・データ分析官」として採用し、AIの活用における実務面の指導・助言などを行っていただくことを考えております。この「AI・データ分析官」の募集を、本日4月23日から5月14日まで行います。知見を活かして国の安全保障分野に貢献する意欲を持っている方の応募をお待ちしております。業務内容や待遇などの詳細は、防衛省のホームページに掲載いたします。気候サミットです。本日、オースティン米国防長官からの招待を受けて、米国政府主催の気候サミットの気候安全保障セッションにオンライン形式で参加をいたしました。 私からは、気候変動を安全保障課題としてとらえる際に、考え方や気候変動をわが国の安全保障環境に及ぼしうる影響、また、防衛省において「気候変動タスクフォース」を立ち上げる考えであることなど、気候変動に対する防衛省・自衛隊の取り組みを世界に発信をいたしました。今後、米国をはじめとする各国との連携を図りつつ、防衛省・自衛隊としても、本タスクフォースにおいて気候変動に対する取り組みを加速してまいる考えであります。F-2戦闘機の接触及び部品落下について。昨日22日、15時7分頃、空自築城基地所属のF-2戦闘機2機が、山口県の上空において、垂直尾翼の上部と機体の機首レドーム下部の接触を起こしました。うち1機の垂直尾翼上部の衝突防止灯及び放電索が落下をいたしました。また、両機は築城基地に着陸しており、現時点において、民間の被害等は確認されておりません。このような事案が発生したことは大変遺憾であって、このような事案が発生しないよう、再発防止に努めてまいります。以上です。

2 質疑応答

Q:まずですね、今日、政府の方で東京都を含めた4都道府県にですね、緊急事態宣言を出すことが決定される見通しです。あらためて防衛省としてのですね、これを受けた対応と、ワクチン接種などをはじめとした支援活動について、どのようにお考えかお聞かせください。

A:新型コロナウイルスのワクチン接種については、埼玉県からの依頼を受けて、防衛医大病院において所沢市内の医療機関に勤務する一部の医療従事者に対するワクチン接種に協力することで県と調整を進めております。ワクチン接種への自衛隊の活用については、現時点ではこれ以上決まっていないところです。他方、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に対応するために、本年1月に、私から各幕僚長等に対して大臣指示を発出をいたしまして、医療支援、宿泊療養者に対する緊急支援、感染防止に係る教育支援など、所要の対応を行うことができるように、必要な検討及び準備を指示しております。これまでも市中感染への対応として、民間病院への看護官の派遣や感染者の輸送支援等を実施してきております。今後、一日も早く高齢者の方々をはじめとする多くの方々に対して円滑に接種を進めていかなければならないことから、防衛省として自衛隊の能力やこれまでの新型コロナウイルスの対策に係る活動で得られた知見や経験を活かし、どのような支援が可能か、引き続きしっかり検討してまいります。

Q:もう1問だけ。若干関連しますが、週末に調整中だと言われていましたインドとのですね「2+2」、開催が見送られたということなんですが、国内外に依然としてコロナ禍が続く中でですね、対面の外交が難しいという状況で、今後その各国との防衛協力についてはどのように工夫して進めていかれるお考えかお聞かせください。

A:インドとの「2+2」については、前回、2019年11月にデリーで開催をし、次回については、東京で開催することで一致しているところです。早期に2回目の会合ができるように、引き続きインドと調整をしているところでございます。新型コロナウイルス感染症拡大以降、諸外国との直接の往来が困難な時期が続いていますが、このような状況の中であるからこそ、各国との間で意思疎通を継続していくことは大変重要であると考えております。昨年来、対面で交流があまりできないなか、大きな制約があるなかですね、私としても、電話やテレビ会談を通じて、防衛相会談を積極的に行いました。最近では中国海警法について、あるいはそれを含む情勢認識や二国間の、また多国間の防衛協力・交流についてもですね、また、感染症対策に係る知見の共有等についても幅広く意見交換を行って、各国との関係の強化に努めてまいりました。今後とも、テレビ・電話会談といった手段も引き続き積極的に活用するとともに、相手国内の状況も検討した上で、人的往来を伴う案件については必要な感染症対策を取った上でですね、基本的価値を共有する諸外国との間での連携を取りながら、「自由で開かれたインド太平洋」の維持・強化に向けて、各国との防衛協力・交流を継続してまいりたいと考えます。

Q:大臣、冒頭ありましたですね、気候変動サミットでの分科会のスピーチについてなんですけれども、気候変動が安全保障に与える影響というのが非常に大きくなってきていると思います。防衛省・自衛隊としてこの気候変動に取り組む意義とですね、それから「気候変動タスクフォース」を立ち上げるということなんですけれども、これはどういったことをですね、今後されていくのか、あわせて教えていただけますでしょうか。

A:私としてはですね、安全保障と気候変動問題に関しては、決して切り離して考えることは出来ないものと考えています。これまでも、省内の各部局において、気候変動問題に関する議論や検討を重ねているところであります。今後は、このタスクフォースという枠組みで、今後の気候変動への防衛省・自衛隊としての対応等を取りまとめて、検討を深化させていきたいと考えております。具体的には、来月の中旬を目途に、第1回のタスクフォースを開催できるように、現在、準備を進めています。いずれにしろ、今般の気候サミットを受けた今後の気候変動への防衛省としての取り組みのあり方について、このタスクフォースにおいて有意義な検討を進めてまいりたいと考えております。

Q:関連しまして、タスクフォースなんですけれども、まだ具体的にですね、どのようなことをされていきたいかというのは、まだ今のところ、その具体的な取り組みというのはありますでしょうか

A:気候変動、大変大きな課題であると考えます。これからまた検討を進めてまいりますが、安全保障との関係においてどのような課題があるか等々についてですね、広く意見等を行うことになるのではないかなと思います。

Q:関連した質問ですが、タスクフォースのトップというのはどういうポジションの方が就かれるのかということと、5月に立ち上げて、どれくらいの目途でですね、防衛省としての方針を固めるスケジュール感を持っておられるか、お願いいたします。

A:現在、まだ組織については検討中のところが多いので、今後決めてまいりたいと思います。

Q:話題変わりましてですね、冒頭、大臣御説明されたジブチでのコロナ感染の関連なんですが、部隊外からの感染経路につきまして、無届の食事が原因という御説明だったですが、当初の可能性として御説明のあったですね、いわゆる、出入り業者との接触に関しては、いわゆる医学的・科学的に感染経路ではないという調査結果が出たという理解でよろしいでしょうか。

A:まだ、一部調整中というところもあります。これまでの状況を確認したところでの、先ほど申し上げたことになります。これから更に、状況をですね、確認してまいりたいと考えております。

Q:尖閣と台湾関連について伺いします。一部報道でですね、2月に尖閣近海でですね、米軍が物資の補給訓練を行ったという報道がありますが、事実関係を教えてください。

 A:米軍はですね、米軍の運用に関わることでございます。そういう意味でのお答えを私から差し控えさせていただきたいと思います。わが国の防衛を進める上で、この在日米軍の対応というものは、非常に重要だというふうに考えております。共同訓練を含めてですね、しっかりした対応をしていかなければいけないというふうに思っております。

Q:台湾関連でもう1点お伺いします。台湾を巡る情勢、緊張感が高まりつつあると思います。台湾有事をですね、想定した日米の共同訓練、大臣個人としてこの必要性や重要性をお考えがあれば教えてください。

A:日米間での共同訓練については、日米間でも平素より様々やりとりをしている、協議をしているところでございますが、訓練の内容のひとつひとつについては、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。いずれにいたしましても、この南西方面におけるわが国の防衛は、しっかり強めていかなければいけないと、こういうふうに思っております。

Q:冒頭ありましたF-2のまず事故についてお伺いします。2018年、それから2019年、そして今回と事故がF-2に関して頻発しているふうに思うのですが、大臣はこの状況にどうようにお考えでしょうか。

 A:今お話がありましたとおりですね、F-2の事故が過去においても起こったということであります。いずれにいたしましても、このF-2で、運用において、再発防止に関する教育を徹底した上でやってまいりたいと、事故防止に努めてまいりたいというふうに考えております。

Q:何かこれまでの再発防止で、ちょっと抜け落ちて、再発防止ですね、事故が起こるたびに取られていると思いますが、何か抜け落ちしてる視点というのがあるんでしょうか。あると思われるのですか。その辺りいかがですか。

A:基本的にはですね、基本的な手順をもう一度再確認をすると、基本に戻るというところだというふうに思っております。

Q:もう1点話題変わりまして、ジブチの関係なんですけれども、今回、ジブチ軍の協力を得て全体の感染状況を調査されたわけですけれども、一部では省内で抗原キットに加えて、PCRの検査機器についても導入、検討されていると伺っているのですが、このあたり大臣どのようにお考えでしょうか。必要性についてという意味です。

A:自衛隊の基地等のPCR検査の導入について、新型コロナウイルス感染症の疑いのある隊員に対して迅速に検査を行ってですね、結果に基づいて適切な対応をするということは自衛隊の機能を維持する上でも、大変重要であるというふうに考えてます。一方で、その検査機器を運用するにあたってはですね、機器本体の他に、それを操作する人員とか器材の保守体制の確保とか、また検査に必要な消耗品の補給、こういったことが必要になります。例えば、検査用の器材については、現在、民間企業各社において様々な器材が開発をされ、省人化や検査期間の短縮が進められていると承知をしております。防衛省・自衛隊としても、これらの状況を勘案しつつ、ジブチの拠点を含めて、必要に応じて自衛隊の基地等にPCR検査の装置を導入することなどですね、自衛隊の機能を維持していく方策について検討をしてまいりたいと考えます。

Q:そうしますと、すぐにですね、導入というわけではなくて、もう少し様子を見てからと捉えたらよろしいですか。

A:いろいろと先ほど申しましたように、機械だけではなくてそういう体制をしっかり組んでいかなければいけないので、そういうことを検討の上、まずはそういうことを検討してまいりたいと思います。

Q:気候変動の件でお伺いいたします。北京オリンピックの頃から中国がいわゆる気象兵器ですね、雨を降らせないようにするとか、逆に特定地域に雨を散々降らせて農産物をできなくするとか、いろんな気象兵器をかなり今の時点では水準が上がっているというふうに聞いております。このタスクフォース、これから立ち上げるタスクフォースですけれども、どこの国というのは別として、そういった海外の気象兵器の開発とか、あるいはそれを使われた場合に日本としてどうやって防衛というのが対処していったらいいのかとか、そういった例えば研究みたいなことも含まれるんでしょうか。

A:今、気候変動、比較的新しい大きな課題だと思いますけれども、その中で様々な安全保障上の課題というものも出てくると思います。そうしたことを総合的にこのタスクフォースでも考えて議論していかなければいけないのではないかなと。そういったトピックも含めて、これから検討を進めてまいりたいと思います。

Q:AIのやつなんですが、AI・データ分析官、先日、似たような意味でサイバー関係でも民間から経験者募集という話があったかと思います。今、現時点で実際問題、応募っていうのは来ているのでしょうか。

A:AIについて。

Q:AIじゃなくて、サイバーの方ですね。

A:サイバー人材の。

Q:ええ。2,000万円ぐらいまで、出すことも検討とかっていう話が以前あったかと思いますが。

A:今これ、まだ募集が続いているところでございます。後ほど、まだまとめておりませんので、また詳細が分かりましたら事務方からも報告があると思います。

Q:馬毛島でのですね、F-15のデモ飛行についてですけれども、日米共同声明でも、馬毛島への訓練移転について記載が入ったと思いますが、あらためてこの訓練移転の意義、それから、デモ飛行によってどういうことを期待されるか、コメントをお願いします。

A: 馬毛島におけます、この自衛隊施設の整備につきましては、これまでも住民説明会を含む累次の機会に、地元の皆様から様々な御質問や御意見をいただいておるところでございます。特に音の状況については、具体的に知りたいといった要望も寄せられていましたところからですね、今般、この馬毛島周辺でのデモフライトを実施をすることになったということです。これらの取り組みについては、馬毛島における自衛隊施設において行われる、自衛隊機やあるいは、米軍機の飛行経路、音の状況等について、地元の皆様に御理解を深めていただくために大きな意義があるものと考えております。防衛省としては、この施設整備に当たって、地元の御理解・御協力を得ていくことが、なにより重要だと考えておりますが、今後とも、作業の進捗に応じて、一つ一つの説明を積み重ねて、ご理解を深めて、より多くの協力を得られるように最大限努めてまいりたいと思います。

Q:別件でもう1点お願いします。インドネシアの海軍の潜水艦がですね、捜索している状況だと思いますけれども、韓国の国防省が支援を表明しているようですが、自衛隊としてどのようにご対応されるか。

A:支援については、もちろん承知をしているところでございまして、防衛省・自衛隊として、どのような支援ができるか、様々な有効な支援ができるかですね、検討しているところございます。

Q:先ほどの馬毛島の関係で、もう1点お伺いしたいんですけれども、住民の理解を得るために、様々に、不安の解消の機会というふうにご説明されております。航空自衛隊においても実効性を高めるために、様々な工夫がなされるというふうに聞いておりますが、その点、実効性について大臣どのようにお考えなのか、その実際の音をどこまで再現できるかって言う点について、どのようにお考えなのか、お考えをお聞かせください。

A:まずですね、今回のデモフライトについては、馬毛島において滑走路その他の航空施設がないかぎりですね、施設整備後の運用とまったく同じ飛行というのはできないわけですが、そのことを前提にしまして、また、自衛隊や米軍それぞれがわが国の防衛等の任務があるということも考慮のうえですね、防衛省としてできる限りの対応をとった結果であるというふうに思っております。馬毛島において、現時点で施設整備は行われていないわけですから、例えばタッチ・アンド・ゴーについてはですね、その後も実施するということは、安全上の観点からしても難しいという状況はあります。また機体についてもですね空母艦載機。これはFA-18ですけども、それと同じ機体を持っているわけではございませんので、ただ、この時期にですねちょうど、通常このタッチ・アンド・ゴーが行われる時期にもなってまいります。そうした同じ時期に行うということ等々、また時間においても現在、できるだけその実態があうような形でのデモフライト行ういうことであります。

以上

※下線部:修正事項(要健康観察隊員→要健康監視隊員)