防衛大臣記者会見

日時
令和3年4月20日(火)08:37~08:45
場所
国会議事堂本館内閣議室前
備考
岸防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

 新型コロナですけれども、前回定例会見以降、31名の隊員が新規に感染しました。合計で1,318名となります。日ニュージーランド防衛相テレビ会談についてです。昨日、ニュージーランドのペエニ・ヘナレ国防大臣とテレビ会談を実施をいたしました。今般の会談では、地域情勢について意見交換を実施し、引き続き緊密に連携していくことを再確認をしました。その中で、私から、中国海警法に対する深刻な懸念を表明するとともに、法の支配に基づく自由で開かれた海洋秩序が重要とのメッセージを明確に発信していくことでヘナレ大臣と一致しました。さらに、北朝鮮についても意見交換を行い、CVIDの実現に向けて引き続き連携していく意思を再確認いたしました。太平洋島嶼国に関する協力を含む二国間の防衛協力・交流についても意見交換を行い、今後とも、防衛当局間のコミュニケーションを継続し、自由で開かれたインド太平洋の原則の維持・促進に向け、防衛協力・交流を引き続き活発に進めていくことで一致をしたところです。防衛省・自衛隊としては、今般の会談を踏まえ、ニュージーランドとの協力・交流を引き続き発展させてまいりたいと考えております。

2 質疑応答

Q:先日行われた日米首脳会談で、文書の中で、自らの防衛力を強化するというような表現が入りましたけれども、新領域含めてですね、日米同盟の役割分担の重みも高まっていくと思うんですが、どのようにこの防衛力強化を進めていかれるお考えでしょうか。

A:日米首脳会談の共同声明において、「日本は同盟及び地域の安全保障を一層強化するために自らの防衛力を強化することを決意した」、このように言及をされたところです。防衛省・自衛隊としては、現大綱に基づいて、宇宙・サイバー・電磁波を含む全ての領域で能力を有機的に融合した「多次元統合防衛力」の構築を引き続き推進することで、自らを守る体制を抜本的に強化をし、その果たし得る役割の拡大を図り、もって日米同盟の抑止力・対処力の一層の強化をしていく考えであります。

Q:辺野古移設に関して伺います。防衛省が設計変更を提出してから明日で1年となります。その間、沖縄県は調査を先延ばししているわけですけども、何らかの対応をとるお考えはありますでしょうか。

A:沖縄県において行われています審査の手続きについて、防衛省としてコメントすることは差し控えたいと思います。その上で、変更承認申請書については、沖縄防衛局において技術検討会、環境監視等委員会の有識者の助言等を得つつですね、十分な検討を行ってきたものでございます。沖縄県において、適切にご対応いただければと考えております。

Q:先日の日米首脳会談においてですね、台湾に関して台湾海峡の平和と安定の重要性が明記されました。あらためて大臣の声明に盛り込まれた後の受け止めとですね、それから台湾有事という話も専門家等からいろいろ出ていますけれども、そういった中で存立危機事態等の想定ですとか、今後防衛省・自衛隊が取り得る対応、意気込みというのを教えて下さい。

A:先般の会談においてですね、「台湾海峡の平和と安定の重要性」について一致したと承知しております。従来から累次申し上げておりますとおり、台湾をめぐる問題については、わが国としては当事者間の直接の対話により平和的に解決されることを期待するとの立場であります。この共同声明にあります「両岸問題の平和的解決を促す」についてもですね、このようなわが国の立場を踏まえたものと承知しております。いずれにしましても、この台湾をめぐる情勢の安定というものは、南西地域を含むわが国の安全保障にとってはもとより、国際社会の安定にとっても重要であるとこのように考えており、引き続きその動向については注視をしてまいりたいとこういうことだというふうに思っております。今ご質問の台湾海峡の有事についてですけれども、仮定の質問になりますので、そこはお答えを差し控えたいというふうに思っております。いずれにしても、中台をめぐる問題については、中国が軍事力の強化を急速に進める中で、軍事バランスというものが中国側に傾いている、その差というものも年々大きくなっている。こういう状況を踏まえて、引き続き関連動向に注視をしてまいりたいと考えています。

Q:先日、与那国に引き続いて奄美を視察されたかと思うんですけれども、あらためて今回の視察の目的、それと奄美の南西防衛における意義、それから今回の視察の感想をお聞かせください。

A:中国軍が南西方面において活動を活発化させる中で、部隊の実情の把握、士気高く任務に務めている隊員達を激励することができたということは、大変意義があったものと、こういうふうに思います。南西の防衛体制の強化は重要な取り組みであります。奄美大島に所在する部隊としては、陸自部隊の空白状況を解消し、島嶼部への攻撃に対する抑止力・対処力を高めるために平成31年3月に陸自の奄美駐屯地、瀬戸内分屯地を開設しました。警備部隊、地対空誘導弾、そして、地対艦誘導弾それぞれの部隊等を配置をいたしました。海自の奄美基地分遣隊は艦艇及び航空機に対する後方支援の任務に当たっています。空自の奄美大島分屯基地に所在する奄美通信隊は、南西地域における警戒監視任務に不可欠な無線中継所の運用及び保守を担当しております。こうした中で、地元の隊員がしっかり汗を流していることに非常に敬意を表したいと思いますし、しっかり支えていきたいと考えています。

以上