防衛大臣記者会見

日時
令和3年4月9日(金)08:40~08:50
場所
国会議事堂本館内閣議室前
備考
岸防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

 コロナウイルスの件です。前回の定例会見以降、37名の隊員が新たに感染いたしました。合計で1,237名となります。この新規感染37名のうち、17名がジブチの活動拠点で勤務する隊員であります。したがって、ジブチの活動拠点で勤務する隊員の新型コロナウイルスの感染者は、今月2日、3日に確認された4名を含めて合計で21名と、こういうこととなります。このような状況を踏まえまして、7日、また昨日の8日、あらためて隊員に対して大臣通達の徹底を図るよう私から指示を出したところです。2020年度のスクランブルのことについてです。航空自衛隊の緊急発進回数は、2020年度、合計で725回でありました。このうち、中国機に対する発進の回数が458回、ロシア機に対しては258回でした。昨年12月には、中国及びロシア機の爆撃機による、日本海から東シナ海、更には太平洋にかけての長距離にわたる共同飛行が確認をされました。こうした中国軍及びロシア軍の活発な活動は継続しているところでございます。防衛省・自衛隊として、わが国の領土・領海・領空を断固として守り抜くためにですね、引き続き国際法、自衛隊法に従って、対領空侵犯措置に万全を期してまいりたいと考えております。

2 質疑応答

Q:ジブチでの感染についてお伺いします。昨日、およそ130名でスポーツ交流の参加及び懇親会への参加が確認されたということですけれども、あらためてこれが大臣通達に抵触しないのか、また、大臣通達に抵触する場合、今後、海外で活動する隊員の方々に対して、何か指針を出されるお考えはありますでしょうか。

A:まずですね、本件につきましては、ジブチの拠点で起こっているということですね、ジブチはご存知のとおり、非常に厳しい任務環境にあります。その中で隊員の疲弊といったものに対して、適切に対処していく必要があります。戦力回復の必要もあると思います。そういった意味で、今回のスポーツ交流についてはですね、司令官の下で組織として行われたと承知をしております。これは戦力としての回復を意図したものであるということで、その意味においては、通達におけるものとは異なる、通達に反しているということではないと思うのですけれども、ただ、イベントの開催のやり方等々についてですね、感染拡大防止という観点から、適切な処置が行われていたかどうか、そういったことについてですね、更に調査、確認をする必要があると考えています。

Q:現時点で何か新たな指針だったり、そういったものを出されている、若しくは出すご予定というのはいかがでしょうか。

A:昨日ですね、私からジブチでの新型コロナウイルス感染発生について、感染経路の事実解明の調査を徹底すること、それから国内を含めて、引き続き、感染防止対策を一層徹底していくこと、この2点を指示を出したところであります。

Q:航空自衛隊那覇基地の泡消火剤の漏出事故の関連なんですけれども、那覇基地のPFOSを含まれていないという説明を撤回しました。大臣も会見でPFOSは含まれていないという報告を基に答弁されていたと思いますけれども、今回、訂正されたのは問題じゃないかと思うんですけれども、あらためて受け止めをお願いします。

A:まず、今回の流出事故を受けて、住民の皆様に大変なご心配・ご迷惑をお掛けしたことについて、大変申し訳なく思っております。引き続き、そういった住民の方のご不安に対して、丁寧にお応えをして、こうしたご不安とかご心配の払拭に努めてまいりたいというふうに考えております。今回は、地元では、ホームページの掲載、それから、沖縄県、那覇市への報告、基地周辺自治会や漁協にも個別に説明をするなどして広く周知をしているところでございます。報道機関からの問い合わせにも真摯に対応をしているというところであります。 

Q:関連なんですけれども、今回の漏出の要因としてですね、配管内に残っていたものが漏れたという可能性があるということなんですけれども、今、防衛省の方で全国の防衛施設でPFOSを含まない消火剤の転換を進めていると思いますが、そういった施設についても残っている可能性があるということが、今回提起させていると思いますが、そこについて確認する必要性について、いかがお考えますでしょうか。

A:既に交換作業を終えているところもございます。そういったところについては、PFOSを含まない泡消化剤への交換作業後に発泡試験を実施するために、仮に配管内にPFOSが残留していたとしても、試験で流した薬剤と混入、混合されて流れることになって、あらためて配管を洗浄する必要はないと、このように考えていますが、いずれにしましても、今後よく検討してまいりたいと考えております。また、放出した泡消火剤につきましては、産業廃棄物として適切に処理をしております。今後、交換作業を実施する泡消火剤施設については、万が一の消火配管の破損に備えて、PFOSを含まない泡消火剤に交換する際には、この配管を洗浄するなどの対策をしっかり行ってまいりたいと考えております。

Q:先ほど、地元の説明について言及ありましたけれども、今回、那覇基地が報告を受けてから1週間程度、公表まで時間がかかっているようなんですけれども、訂正するならば早い段階でやるべきだったんじゃないかと思うんですが、この点について大臣はいかがお考えになりますでしょうか。

A:調査結果の公表に当たってはですね、住民の方に不安を巻き起こさないために、単にPFOSが含まれているか否かだけではなくて、どういった経緯でこのPFOSが含有したのか等々の原因を精査した上で行う必要があると、こういうふうに考えております。分析結果を受領した際に、一部の検体の採取時に、他の検体の採取時に使用した器具を使いまわししたというような報告もありました。その影響についても精査をする必要がありました。そうしたことで、防衛省として3月31日に業者から結果を受領した後に、こうした調査や分析、そうしたことを実施をして、地元の自治体にも事前にお知らせした上で、4月7日に公表した、こういうことでございます。

Q:ジブチの件で1点だけ。戦力回復の意図で行われたということは理解した上で、結果として感染が広がってしまったということを受けて、何かしら今後処分とか検討する必要はあると思われますか。いかがでしょうか。

A:感染の経路等々ですね、また感染防止策がきちんと取られていたかどうか、こうしたことについて現在調査中です。まず、そうしたことをしっかり調べてからです。

以上