防衛大臣臨時記者会見

日時
令和3年3月28日(日)17:13~17:24
場所
防衛省A棟1階エントランス
備考
日インドネシア防衛相会談後の岸防衛大臣臨時会見

1 発表事項

 本日、午後3時30分から約1時間にわたりまして、インドネシア プラボウォ国防大臣との間で防衛相会談を行いました。会談においては、地域情勢及び防衛協力・交流を中心に意見交換を行いました。地域情勢については、私から、先月施行されました海警法によって、関係国の正当な権益が損なわれては、あってはならないということを述べ、力による一方的な現状変更の試みや緊張を高めるいかなる行為にも強く反対していくとのメッセージを、共に国際社会に向けて発信していくことで一致をしたところです。防衛協力・交流については、自由で開かれた海洋秩序の重要性に鑑みまして、インドネシアへの寄港及び南シナ海における共同訓練の実施で一致をしたところです。また、「自由で開かれたインド太平洋」の維持・強化に向けた具体的な防衛協力等について協議をするため、インドネシア国軍司令官の早期訪問や、防衛当局間の協議の早期開催のほか、防衛装備・技術協力の具体化に向けた協議を進めることによって、更なる関係強化を図っていくことで一致をしました。また、明後日30日に実施予定の第2回日インドネシア外務・防衛閣僚会合、いわゆる「2+2」ですね、更なる協議を進めていくことで一致をしたところです。

2 質疑応答

Q:今般の大臣との会見、対面では久しぶりの会見ではありますけれども、大臣の所感はいかがでしょうか。

A:インドネシアとの会談で、対面で行われたのは1年3ヵ月ぶりというふうに承知をしております。本日のプラボウォ大臣との会談は、昨今の東シナ海や南シナ海での地域情勢、二国間の防衛協力・交流を中心に突っ込んだやりとりを行うことができました。特に、地域情勢の中では、私から、先月施行されました中国海警法について、深刻な懸念を表明したところでございます。また、防衛協力・交流については、両大臣が二国間及び地域の平和と安定のために、国軍の司令官の訪日、防衛当局間の協議の開催、自衛隊の艦艇の寄港や共同訓練等への参加、こういった両国の安全保障・防衛分野における共に協力の一層の進展を図るべく、連携を密にしていくことを確認いたしました。防衛省・自衛隊としては、自由や民主主義、法の支配といった基本的価値を共有する戦略的パートナーであるインドネシアとの更なる防衛協力・交流を進めてまいりたいと考えております。

Q:「自由で開かれたインド太平洋」の維持・強化に向けては、関係国との緊密な連携強化、さらに必要になってくると思いますが、今後の会談のスケジュールとか、あるいは会談に向けての意欲についてはいかがでしょうか。

A:まさにこの、「自由で開かれたインド太平洋」、FOIPですね、これは地域全体、ひいては世界の平和と繁栄を確保していく上で大変重要な考え方だというふうに考えます。現時点で具体的な予定というのは固まっているわけではありませんけれども、こうした考え方を共有できる国々との間で、このFOIPの維持・強化に向けた取組を戦略的に推進していくという考えであります。今後とも、相手国内の状況等々、十分に検討した上で、電話やテレビ会談、あるいは対面できる場合はそういうことも含めて、積極的な意見交換を進めてまいりたいと思います。

Q:ミャンマー情勢について、会談の中ではどのようなやりとりがあったのでしょうか。

A:ミャンマーについては、様々な地域情勢もお話しましたけれども、ミャンマーにつきましてはですね、私の方から民主化プロセスが損なわれるような事態については、大変重大な懸念を有しているということをお伝えしました。民主的な政治体制の早期回復に向けて、両国で緊密に連携をとっていこうと、こういうことで一致をしたところでございます。

Q:市民へのミャンマー軍等による攻撃で多数の死傷者がまた出ております。統幕長ら12ヵ国の軍や自衛隊のトップが非難のメッセージを出しておりますが、現状を大臣はどのように受け止めておられますでしょうか。

A:これまでミャンマーにおける民主化プロセスを強く支持しておりました、わが国はですね。そういう立場のわが国としてですね、現下のミャンマー情勢、非常に厳しいものがあると思いますし、関係各国の防衛当局が共同して適切なメッセージを発出する、そういうことは重要であると、こういうふうに考えました。その上で、統幕長が本声明に参加をしたところです。政府としては、ミャンマー国軍に対して、民間人に対する暴力的な対応の即時停止、拘束された関係者の解放、そして民主的な政治体制を早期に回復するよう強く求めているところであります。引き続き、情勢、状況について注視し、関係省庁と連携をとって情報収集に万全を期してまいりたいと考えております。

Q:北朝鮮のミサイルについてなんですけれども、大臣、冒頭でも北朝鮮のミサイルについては言及があったと思うのですが、会談の中では、何かインドネシア側と一致したことはありますでしょうか。

A:北朝鮮のミサイルについては、射程に関わらず、国連安保理決議違反であってですね、一連のミサイル発射はわが国として断じて看過できない、こうしたことについて私から述べました。現下の厳しい安全保障環境においては、世界の平和と繁栄を支える自由で開かれた海洋秩序が揺らぐことのないように、戦略的パートナーであるインドネシアと引き続き緊密に連携をとってまいりたい、こういうふうに思います。

Q:向こう側も同じように、北朝鮮情勢については厳しい認識の上で、ミサイルの廃棄などに一致したという理解でよろしいでしょうか。

A:今の、この安全保障の環境、非常に厳しいものがある、その中で連携を取っていくことにおいてですね、インドネシアと一致したということです。

Q:海警法に関して、もう少しその、先方大臣から具体的にどういう認識の表明があったのかということと、先方大臣冒頭発言の中で、今後数か月以内というのか、来月というのか、そういう言い方だったと思いますけれど、自衛隊との共同訓練、インドネシアでという話もされてましたけれども、共同訓練の具体的な日程を、もしお話しできましたらお願いできますでしょうか。

A:まず、会談の中でですね、様々なやり取りをすることができました。海警法については、先ほども申しましたけれども、私から懸念について申し上げたところでございます。自由で開かれたこの海洋秩序の維持についてですね、インドネシアとの間でしっかり連携を取っていくということ、これについて一致をしているところでございます。共同訓練、そうした様々な防衛交流についても、この会談の中で様々なやり取りを行ったところでございます。共同訓練等についてはですね、先方とは、例えば国軍の司令官の訪日や、防衛当局間との協議、あるいは自衛艦の寄港、こういったことと共にですね、共同訓練への参加ということも含めて、安全保障・協力の一層の進展を図るべく、連携を密にしていくことを確認したということでございます。

以上