防衛大臣臨時記者会見

日時
令和3年3月25日(木)09:44~09:52
場所
防衛省A棟1階エントランス
備考
北朝鮮による弾道ミサイル発射事案後の岸防衛大臣臨時会見

1 発表事項

 本日、北朝鮮は本日7時4分頃及び7時23分頃、北朝鮮の東岸から合計2発の弾道ミサイルを東方向に発射した模様です。従来から北朝鮮が保有しているスカッドの軌道よりも低い高度、すなわち100km未満をいずれも約450km飛翔したものと推定されます。なお、落下したのはわが国の排他的経済水域の外と推定をされております。また、防衛省から政府内及び関係機関に対して、速やかに情報共有を行いました。現在までのところ、航空機や船舶からの被害状況、被害報告等の情報は確認されておりません。総理には、本件について直ちに報告を行い、情報収集・分析に全力を挙げ、国民に対して迅速、的確な情報提供を行うこと、航空機、船舶等の安全確認を徹底すること、不測の事態に備え万全の態勢をとることの3点について指示がありました。これを受けて私から、引き続き、情報収集、警戒監視に万全を期せとの指示を出しました。その後、関係幹部会議を開催する等、対応に万全を期しておるところです。北朝鮮による弾道ミサイルの発射は、国連安保理決議違反でありまして、極めて遺憾です。こうした行為は、わが国と地域の平和と安全を脅かすもので、これまでの弾道ミサイル等の度重なる発射も含め、わが国を含む国際社会全体にとっての深刻な課題です。また、弾道ミサイルの発射は、航空機や船舶の安全確保の観点からも極めて問題のある危険な行為であります。政府として直ちに北京の大使館ルートを通じ、北朝鮮に対して厳重に抗議を行い、強く非難しました。また、本日8時2分頃から、国家安全保障会議、四大臣会合が開催されました。引き続き、米国、韓国をはじめ、国際社会と緊密に連携しながら、必要な情報の収集・分析及び警戒監視に全力を挙げ、国民の安全・安心の確保に万全を期してまいります。

2 質疑応答

Q:今回の発射の意図については、現在どのように分析されていますでしょうか。

A:北朝鮮の意図について、断定的にお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。

Q:今後の見立てについてはいかがでしょうか。

A:これもですね、断定的にコメントすることは差し控えさせていただきたいと思います。

Q:当初の発表だと、弾道ミサイルの可能性ということだったと思うのですけれども、これは弾道ミサイルだということで確定したということかということと、これは短距離弾道ミサイルという理解でよろしいでしょうか。

A:先ほども申しましたけれども、今回の発射された2発の弾道ミサイルはですね、これは従来北朝鮮が保有しているスカッドの軌道よりも低い高度をいずれも約450km飛翔したと推定をされているものであります。現在、更なる情報収集・分析を行っているところです。

Q:細かいですが、それぞれのミサイルの高度と距離を教えていただけますか。

A:現在、我々が発表しているものは、いずれも約450km飛翔したものと、こういうふうに推定しているところでありまして、更に分析を重ねておるところです。

Q:これは新型の弾道ミサイルではないということで、従来型ということでしょうか。

A:先ほども申しましたけれども、今情報収集を引き続き行っております。

Q:発射場所については、朝鮮半島の東側という発表がありましたが、海なのか陸なのか、その辺りいかがでしょうか。

A:東岸ということです。

Q:それは、東の岸の海上ということではなくて、陸上という理解でよろしいでしょうか。

A:東岸です。

Q:発射の方法については、何か把握されていますでしょうか。

A:そういったことも含めて、情報収集・分析を重ねておるところです。

Q:韓国軍は、北朝鮮の発射場所について、北朝鮮の咸鏡南道というふうに発表されているのですが、防衛省としての分析はいかがでしょうか。

A:他国からの分析の状況について、我々からコメントすることは差し控えさせていただきたいというふうに思います。

Q:それから、ロフテッド軌道みたいなものではないという理解でよろしいでしょうか。

A:低い軌道、低い高度ということから、ロフテッドという扱いではないと判断しております。

Q:米国がバイデン政権に代わって、対北朝鮮政策がまだ定まっていない状況の中での発射ということなんですけれども、この時期の発射についてはどのように御覧になっていますか。

A:北朝鮮側のこの発射の意図については、先ほどからも申しましたけれども、断定的にお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。いずれにいたしましても、バイデン政権に代わった後ですけれども、日米間では緊密に情報、連絡を取ってまいりたいと考えております。

Q:今回、ミサイル発射から1時間後にNSCを開く等、政府で対応したと思いますが、今回の政府の対応についてどのように総括されているか、お願いします。

A:ミサイル発射の確認が取れてから、速やかに私のところにも連絡が入り、総理からの指示も出されました。私からも防衛省内で大臣指示を出したところです。その上で、NSCが8時2分から開かれましたけれども、迅速かつ的確な行動ではなかったかというふうに思います。

Q:来週に、日米韓の安保責任者の会談がワシントンで予定されており、4月には菅総理の訪米もあります。今後の日米韓、日米の連携について、今回の発射を受けてどのように強めていくお考えでしょうか。

A:いずれにいたしましても、政府としては、米国、韓国をはじめ国際社会と緊密に連携を取りながら、必要な情報の収集・分析及び警戒監視に全力を挙げてまいりたいと。そして、国民の安全・安心の確保に万全を期してまいりたいと考えております。

Q:変則軌道かどうかについてはまだ分析中ですか。

A:先ほども申しましたけれども、ロフテッドでないことは高度から確認をできておりますけれども、情報をさらに収集・分析を重ねてまいりたいと考えております。

以上