防衛大臣記者会見

日時
令和3年3月19日(金)08:32~08:45
場所
国会議事堂本館内閣議室前
備考
岸防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

 新型コロナの関係ですが、前回の定例会見以降、15名の隊員が感染確認されています。これまでの合計が1,113名ということになります。日ウクライナ防衛相会談について、3月17日17時35分から120分間、訪日していたウクライナのタラン国防大臣と防衛相テレビ会談を行いました。当初、この防衛省にお迎えして会談を行う予定でしたけれども、随行者の1人に新型コロナウイルスの感染症陽性反応が出たことから、ウクライナ側と調整をして、オンラインでの会談実施となりました。今回の会談では、自由、民主主義、法の支配といった基本的価値を共有するパートナーでありますウクライナと、地域情勢や防衛協力・交流などについて幅広く議論をさせていただくことができました。とりわけ、今回は、まず、地域情勢について、東シナ海・南シナ海での「力による一方的な現状変更の試み」に強く反対すること、また、中国の海警法に対する深刻な懸念について認識を一致することができました。北朝鮮によるCVIDの実現の重要性についても一致することができました。さらに、両国の防衛協力・交流の重要性を確認し、2018年に署名された「防衛協力・交流覚書」に基づいて、幅広い分野で協力を推進していくことでも一致することができました。防衛省・自衛隊としては、今般の会談の成果を踏まえて、引き続き、両国の防衛協力・交流を強化してまいりたいと思います。陸上自衛隊高科学校、また防衛大学校の卒業式でございますが、今週末に2つの卒業式がございますが、私が出席予定にしております。明日は、陸上自衛隊高等工科学校の卒業式、日曜日には、防大の卒業式にそれぞれ出席を予定しております。2つの卒業式において、高等工科学校の卒業生約300名、防大の卒業生約500名に対しまして、今後、自衛官として、より一層職務に精励してもらうべく、私から訓示を行います。防衛大学校については、総理からも訓示をしていただきます。卒業式においては、新型コロナウイルス感染防止対策を万全に実施をしてまいります。昨年度に引き続いて、御家族等にはご参列いただかない形となりますけれども、当日の卒業式の模様についてはインターネットでの配信を予定しております。護衛艦「はぐろ」の引渡式・自衛艦旗授与式です。本日、ジャパンマリンユナイテッドの横浜事業所磯子工場において行われます28年度護衛艦「はぐろ」の引渡式・自衛艦旗授与式に、防衛省代表として私が出席予定でございます。この護衛艦「はぐろ」の就役をもちまして、イージス艦の8隻の体制が確立いたします。「はぐろ」は、弾道ミサイル対処能力を含む高い防空能力をもっていますが、こうしたことを十分に活かして、わが国の防衛に貢献してくれるものと確信しています。以上です。

2 質疑応答

Q:北朝鮮に関してです。北朝鮮で新たな挑発行為に向けた動きや、また、ICBMの発射の可能性があるとの報道、また分析がありますが、防衛省としてはどのようにご覧になっていますか。

A:個々の具体的な情報については、わが国の情報収集・分析能力を明らかにする恐れがありますので、お答えは差し控えさせていただきたいと思いますけれども、いずれにいたしましても、防衛省・自衛隊としては、弾道ミサイルの発射も含めて、あらゆる事態に対応できるように平素から米軍とも連携をしつつ、各種の兆候の把握に努めて、常に情報収集・警戒監視等に万全に期しております。いかなる状況においても国民の生命・財産を守るという観点から、所要の態勢をとってまいりたいというふうに思います。

Q:先のオースティン氏とのバイ会談のところで、コロナ訓練の実施で一致したとのことですが、一部報道では尖閣の奪取を想定しているというような報道もありますけれども、どのような訓練を想定していて、また、そういった共同訓練の重要性については、どのようなお考えになっているか教えてください。

A:日米間で色々平素からやりとりを行っておるところですが、その上で、日米共同訓練については、オースティン長官との会談において、日米同盟の抑止力・対処力を高めるために、より高度な訓練を通じて、米軍と自衛隊の双方の即応性の強化をしていくことが重要であるということで一致をしているところでございます。また、そういう訓練を実施することで、日米が共にあるという姿を示していくということにおいても大変重要な意味があるというふうに思っております。具体的な運用については、お話を控えさせていただきたいと思いますけれども、今後、実効性のある、この訓練をしっかり行っていきたいと思います。

Q:無料通信アプリLINEについてお伺います。アプリが中国にある関連
会社にシステム開発を委託するなどし、中国人技術者が日本のサーバーにある利用者の個人情報にアクセスできる状態にあったということが一部報道でありました。大臣、LINEを業務上使っていらっしゃいますでしょうか。その場合、どのように使っていらっしゃいましたか。また、今回の事態をどう受け止めていらっしゃるか、この点について伺えればと思います。 

A:まず、個人的にはLINEは業務用には全く使っていないです。パーソナルな、例えば家族とあるいは友人との連絡等に用いることはございましたけれども、そういうような使い方をしております。LINEの使用状況について、網羅的な調査を実施をしております。現時点で把握している限りでは、職員の募集・採用に関する情報やイベントのお知らせ、こういった情報の発信に利用しているということであります。また、自殺事故防止のための、防衛省・自衛隊の職員の対象に「防衛省悩み相談窓口」として、LINEを活用して個人的な相談事を受け付けていることもあります。防衛省・自衛隊では、職員が私有のパソコン、スマートフォン等で業務上の不開示情報を取り扱うことを禁止しております。LINEを含むソーシャルメディアネットワークにおいても取り扱ってはならないという旨を実施し、徹底しているところであります。いずれにいたしましても、情報の取扱いには万全を期してまいりたいというふうに思います。

Q:大臣、プライベートで使っていらっしゃるということでしたけれども、プライベートでの利用も、今回の事案を機に利用をやめられたり、使われ方を考え直す意向はありますか。

A:私自身としては、こういうこともありましたので他のアプリを考えております。LINEはあまり使わないようにしております。

Q:先ほどの関連質問ですが、訓練なんですけれども、尖閣周辺で行うかどうかというのが、多分焦点だと思うんですけれども、先の記者会見で大臣、「尖閣諸島周辺を含む南西方面で多数実施している、引き続き今後も実施していきたい」という主旨の発言をされました。大臣としては、尖閣周辺で訓練を行うことの重要性についてはどのようにお考えでしょうか。

A:今、お話であったとおり、尖閣周辺を含む南西方面というお話をさせていただきました。訓練には色々な意味があると思います。米軍と自衛隊自身の練度向上ということも当然ながらありますし、どのようにやっているかということのプレゼンスといいますか、そういう見せ方と、そういう意味もあります。国内的な発信の意味も挙げております。それぞれ考えながらやっていかなければいけないと思っております。その中で、南西方面での訓練というのは、それなりにしっかりとした意味があるのかなと思っております。詳しくはお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。

Q:「尖閣を含む」とあえて入れられた狙いというのは、やはり尖閣諸島も排除しないんだというメッセージだと受け取ればいいでしょうか。

A:そのとおり受け取っていただければいいかと思います。

Q:今月末に、沖縄市と宜野湾市で開催される式典に招待されているようなんですけれども、現時点で出席予定はございますでしょうか。

A:3月28日の件だと思います。宜野湾市が、市道宜野湾11号の道路の開通式を予定しております。また、沖縄市が、沖縄アリーナの落成式典を予定しています。それについて私宛ての招待状が届いております。出席については、現在日程を調整中で、まだ決定をしていることではございません。それぞれ、道路については、普天間飛行場の一部の土地の返還の跡地に整備されたものということで、宜野湾市をはじめとする自治体と緊密に連携をして、防衛省としてこの土地の返還に向けて取り組んでまいりました。それから、アリーナの事業についても早期の実現を目指すべく、防衛省として継続して補助を行ってきたところです。そういった意味もあることから、招待状に対して、現在調整をしているということであります。

以上