防衛大臣臨時記者会見

日時
令和3年3月16日(火)14:35~14:40
場所
防衛省A棟1階エントランス
備考
日米防衛相会談後の岸防衛大臣臨時会見

1 発表事項

 先ほど、オースティン国防長官と対面では初めてとなります日米の防衛相会談を実施いたしました。12時50分から14時20分までの約90分間であります。会談においては、まず地域情勢において、中国を中心に議論を行いました。私から、国際法との整合性に問題のある規定を含む海警法により、東シナ海や南シナ海において緊張を高めることになることは断じて受け入れられない旨を述べまして、長官と深刻な懸念で一致をいたしました。また、台湾海峡の平和と安定の重要性についても一致をしたところであります。その他、北朝鮮情勢や、「自由で開かれたインド太平洋」の維持・強化のための地域の内外のパートナーとの協力の重要性についても議論をいたしました。次に、日米防衛協力に関し、私から、わが国の防衛を強化し、日米同盟をさらに強固なものとするため、引き続き「多次元統合防衛力」の構築を進めていく考えを示し、宇宙・サイバーを含む全ての領域で協力を深めていくことで一致をいたしました。また、日米同盟の抑止力・対処力を高めるためには、より高度な訓練等を通じて、自衛隊と米軍の双方が即応性を強化していくことが重要であるということで一致をしたところであります。米軍再編と在日米軍については、普天間飛行場の辺野古移設や馬毛島の施設整備を含む米軍再編計画の着実な進展のため、今後とも日米で緊密に協力していくことで確認をいたしました。インド太平洋地域の安全保障環境が厳しさを増す中で、オースティン長官が最初の外遊で日本を訪問し、本日、防衛相会談が実施されたことは、米国の地域に対するコミットメントと日米同盟の堅固さを内外に示す力強いメッセージとなったと考えています。今後、長官とともに、日米同盟の強化、特に抑止力・対処力の強化に向けて、取り組んでまいりたいと考えております。

2 質疑応答

Q:オースティン長官とは、1月の電話会談と今回の対面での会談、2回面会されていますが、日米関係の強化・連携についてはどういった手応えを感じていらっしゃいますでしょうか。また、どういった点で一致していますでしょうか。

A:オースティン長官とは1月の電話会談を踏まえて、中国や北朝鮮、宇宙・サイバー、米軍再編といった日米同盟の諸課題について、突っ込んだやりとりを行うことができたと思います。特に中国については、既存の国際秩序と整合性が無い行動が同盟や国際社会に対して課題となっている中で、防衛当局としてとるべき対応について、協議していくことで一致したほか、国際法等との整合性の観点から問題のある海警法に関する深刻な懸念で一致したところです。私からは、日本の領土をあらゆる手段で守るという決意を表明いたしました。米国による日本の防衛に対するコミットメントは揺るぎのないものであることを確認することができました。その上で日米同盟の抑止力・対処力の一層の強化に取り組むことで一致したところです。抑止力・対処力のためには、自衛隊と米軍が訓練の実施を通じて高い能力を獲得することが重要と考えます。昨日も東シナ海では航空自衛隊と米空軍が共同訓練を実施いたしました。また、自衛隊と米軍は、これまで尖閣諸島周辺を含む南西方面において共同訓練を多数実施してきています。このような取り組みを今後も着実に積み重ねて、日米がともに行動している姿を示していきたい、このように考えています。本日の会談では、米国の地域に対するコミットメントと日米同盟の堅固さを内外に示す力強いメッセージとなったと考えています。今後とも、オースティン長官との間で、信頼関係を更に高めていきたいと、こういうふうに考えています。

以上