防衛大臣記者会見

日時
令和3年3月5日(金)09:29~09:40
場所
防衛省A棟11階第1省議室
備考
岸防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

 新型コロナウイルスですけれども、前回の定例会見以降、2名の隊員が新たに感染をいたしました。これで、本日までに合計で1,076名の隊員が新型コロナウイルスに感染したことが確認をされております。もう1件、明日ですが、私は防衛医科大学校医学科・看護学科の卒業式に参列をいたします。今後の防衛省・自衛隊の衛生の根幹を担う卒業生に直接訓示をし、卒業生の士気の高揚を図ることとしています。今回の卒業式は、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、部外の来賓、保護者をお招きしない形式での開催を予定しています。私をはじめ、卒業生・教職員は、感染防止策を徹底した上で参列いたします。他方、保護者の皆さんに向けて、卒業生の晴れの舞台であります卒業式をリアルタイムで視聴頂けるように、インターネットで配信を行う予定にしております。

2 質疑応答

Q:アメリカのオースティン国防長官とブリンケン国務長官が今月15日に訪日し、「2+2」を行うことを検討しているとの報道があります。事実関係をお伺いできますでしょうか。

A:報道については承知をしておりますが、両長官の訪日については今、まだ何も決まっておりません。いずれにしても、防衛省としては引き続き日米同盟の強化、そして「自由で開かれたインド太平洋」の維持・強化等について、米国と緊密に連携していく考えであります。

Q:昨日、日米両政府の外務・防衛当局の審議官級の協議が実施されたということで、その中で、中国の海警法への深い懸念を共有したということと聞いております。大臣、かねてより海警法の懸念というのを国際社会に訴えていくという必要があるというふうにお話しされていましたけれども、こうした懸念が共有されていくことについて、どのようにお考えでしょうか。

A:昨日実施をいたしました日米防衛・外務当局間の審議官級の協議において、地域の安全保障環境、地域情勢、2国間の防衛協力等について意見交換を行いました。特に、東シナ海、南シナ海問題については、力による一方的な現状変更の試みに対しまして、あらためて強く反対するとともに、中国海警法についても意見交換を行って、深刻な懸念を共有したところであります。「自由で開かれたインド太平洋」を維持・強化し、日米同盟の抑止力・対処力を高め、日米同盟を一層強化していくために引き続き緊密に連携していくことで一致したところであります。協議は、日米同盟が強固で、引き続き強靭であることを示す機会になるものと考えております。これ以上の細部については、相手国との関係もありますので、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。

Q:懸念の共有ということについては、伝わってきているというような実感はありますでしょうか。

A:これまでも累次にわたって様々なレベルで、日米間では意思疎通を行っているところでございます。今回、先ほど言いましたような意見交換を通じて深刻な懸念を共有することを確認しているということでございます。

Q:一部報道で、米軍が2月に尖閣周辺の海域で物資補給に関する訓練を計画し、日本政府に事前通告していたという報道がありますけれども、事実関係と受け止めをお願いします。

A:そのような報道があることは承知しておりますが、まず米軍は安保条約の目的達成のために必要な訓練を行ってきているところでございます。米軍の運用に関わることですので、お答えを差し控えさせていただきたいと思いますが、累次の機会で、米国は日米安保5条は尖閣諸島にも適用されるということを繰り返し確認してきているところであります。政府としては、尖閣を巡る情勢について引き続き米国とも連携の上、毅然、冷静に対処してまいりたいと思います。

Q:報道については、否定はしないということで、差し控えるということですか。

A:報道は承知しておりますけれども、差し控えさせていただきたいと思います。

Q:航空自衛隊那覇基地で発生した泡消火剤の漏出事故について伺います。那覇の空自は、当初泡消火剤について毒性又は損傷性はほとんどないというふうに広報していましたが、消火剤の安全データシートで危険だというふうに記されていました。空自那覇基地はその後、説明が足りなかったことがあるかもしれないというふうに話していますが、一連の経緯について大臣の受け止めをお願いします。

A:今回流出しました泡消火剤について、現在規制に係る化学物質の含有はございません。今回の泡消火剤のメーカーが発行した安全データシートについて、製造メーカーに確認をいたしました。その性質は、泡消火剤の原液についてのものであります。今回のように水で希釈されて、更に泡として膨らんでいる、相当程度薄まった状態にそのまま当てはまるものではないとこういうふうに伺っています。今回の事案で流出したものは、水で3%まで希釈をしております。皮膚についたら直ちに洗い流す等の対応を取れば、一般論として直ちに人体に影響を及ぼすものではないと聞いておるところでございます。いずれにしても、本事案に対しまして、基地周辺の住民の方々に不安を与えてしまった。そのことは事実でありますので、誠に申し訳なく思っております。今後このようなことが発生しないように再発防止に努めてまいりたいと考えます。

Q:先ほどの尖閣周辺での米軍の訓練ですが、詳細は言えないかと思いますが、訓練する旨の事前通告があったかどうかについては、いかがでしょうか。

A:先ほどの繰り返しになりますけれども、報道について承知をしているところであります。米軍の運用に関わることについての詳細なお答えについては差し控えさせていただきたいと思います。

Q:詳しい質問ですが、天候で中止になったということなんですが、これについて再度やるとか、そういう通告というのはないのでしょうか。

A:いずれにしても、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。米軍は様々な機会に日米安保の達成のために様々な訓練を行ってきていると、こういうふうに承知をしていますが、運用の詳細については、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。

Q:今の関連ですが、報道では米軍の単独訓練というふうに書かれていましたけれども、尖閣周辺で日本と米軍が共同で訓練を行うと、このようなお考えは大臣にはないでしょうか。

A:様々な議論が党内でも、そういった議論も行われていると承知をしていますが、いずれにいたしましても米軍の運用に関わることは、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。

Q:関連しますが、一般論で構わないのですが、米軍の練度の向上の重要性について、大臣の見解をお願いします。

A:非常にわが国を取り巻く安全保障環境は厳しさを増している状況であります。自衛隊もそうですけれども、日本に駐留している米軍の自らの練度をしっかり高めていくことは、わが国の安全を維持するためにも重要であると、こういうふうに考えております。

以上