防衛大臣記者会見

日時
令和3年2月12日(金)09:36~09:53
場所
防衛省A棟11階第1省議室
備考
岸防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

 新型コロナウイルスでございますが、前回の定例会見以降、11名の隊員が新たに感染していることが確認されました。これで合計1,032名ということになります。

2 質疑応答

Q:潜水艦「そうりゅう」の事故について伺います。新たに分かったこととか、これまでの海幕の事故調査委員会の調査状況等、最新の状況をお願いします。

A:「そうりゅう」と民間商船との衝突事故につきましては、現在、海上保安庁が捜査を行っているところでございます。事故原因に係る事実関係のお答えは差し控えさせていただきたいと思いますが、今後、事故調査委員会が事故原因の究明を行っているわけですけれども、早急に調査結果が取りまとめて公表するという考えでございます。まずは、自衛隊としては海上保安庁の捜査に全面的に協力していくという立場であります。

Q:早急に取りまとめるということなのですが、この目途などは立っているのでしょうか。

A:今の時点でその結果が出る時期を明確にお示しすることは困難だと思いますが、まず捜査に全面協力をすると、それと引き続き事故調については、捜査に支障のない範囲で事故原因の究明や再発防止策に取り組んでまいりたいと思います。その上で、できるだけ早く調査結果を取りまとめ、公表したいと考えております。

Q:韓国の有力紙の東亜日報が11日付で、これはネットでも確認できるのですが、日本の領土である竹島、向こうでは独島と言っておりますが、日本の自衛隊が独島を侵攻する作戦シナリオとそれを守るための韓国軍の対応力等を文書にまとめて去年の12月に韓国の国会に報告していたということが確認されたとの紙面が韓国の東亜日報で報じられております。この事実関係を確認されているかということとか、何らかの対応を取られるおつもりがあるのかお聞かせ下さい。

A:ご指摘の報道については承知をしております。この報道の内容が事実だとすればですね、竹島が歴史的史実に照らしても、かつ、国際法上も明らかにわが国固有の領土であることに考えて、全く受け入れられるものではございません。竹島を巡って韓国側が、日本側が軍事的脅威を高めようとしているといった認識を有しているものであれば、全くの事実無根であります。極めて遺憾なことであります。防衛省においてはこの件について、報道があった昨11日、直ちに在京の韓国武官に対しまして、事実関係の説明を強く求めるとともに、わが国の立場をあらためて伝えて強く抗議をいたしました。北朝鮮の核ミサイルを巡る状況を含めて、わが国や地域を取り巻く安全保障環境は非常に厳しさと不確実性を増す中で、日韓、あるいは日米韓の連携が重要である。その中でこの連携を損なうようなことのないように韓国側の適切な対応を強く求めてまいりたいと思います。

Q:これは武官を防衛省に呼び出して抗議されたということでしょうか。

A:電話連絡をもって伝えたということです。

Q:先方の反応というのは明らかにされる範囲ではどういうものがあったのでしょうか。

A:これは、先方からは従来の立場に基づくとともに、その場では事実関係を否定したということですが、申し越しの点について本国に直ちに報告をするという旨の発言があったと承知しております。

Q:今の質問に関連して、日韓の防衛大臣会談が1年以上開かれていませんけれども、韓国側と意思疎通する重要性については、大臣はどのようにお考えでしょうか。

A:韓国側との様々なやり取りが今後どうするかということについてはですね、まず、先ほど申しました日韓、日米韓の連携ということについては、大変重要であるというふうに考えておりますが、一方で日韓間においては様々な問題があるということでございます。その中で、大臣会合等も含めて、様々な交流については、こうした点も含めて、個別の案件ごとに適時適切に対応していきたいというふうに考えております。

Q:潜水艦「そうりゅう」の事故に関してなんですが、事故周辺はメジカやカツオの漁場になっておりまして、地元漁師からは、今回の事故に漁船が巻き込まれていてもおかしくなかったという声とともに、潜水艦訓練について、事前の情報提供を求める声が上がっています。高知県からは、極めて遺憾であることや、事故原因の徹底究明を求める文書が10日に防衛省に提出されております。この文書の受け止めと事前の情報提供は可能かどうか、もし不可能であればその理由も併せてお願いします。

A:今回の事故について、地元の皆様に御不安、御心配をおかけしたことについて、これは申し訳なく思っております。その上で、今回の事故の原因の究明、これは事故調査委員会としっかり進めてまいります。その上で、事故の再発防止、安全対策の徹底ということは、これは現場に徹底してまいりたいと、こういうふうに考えております。それから、情報のことですが、自衛隊の活動はさまざまなものがございますけれども、公表できるものについては地元の皆様にしっかり公表させてまいりたいというふうに考えております。

Q:今回の件も今後検討していくということになるのでしょうか。潜水艦訓練について今後。

A:個別具体的な件の対応については、コメントを差し控えさせていただきたいと思いますが、さまざまな活動が自衛隊の中では行われているところでございます。その中で、公表できるものにつきましては、しっかり公表させていただきたいというふうに思っております。

Q:米軍機の低空飛行問題の関連ですが、沖縄県北部の国頭村にある辺戸岬周辺で10日に、低空飛行が確認されています。同じく金武町周辺でも5日に、低空飛行が行われているということですが、防衛省が把握している事実関係と受け止めをお願いします。

A:米軍機の飛行訓練に関して地元から不安の声が上がっているということは承知をしているところです。米軍機の飛行訓練は、パイロットの技能の向上を図るうえで不可欠なものでございます。日米安保の目標達成のためにも重要なものでございますけれども、一方で、訓練にして公共の安全に妥当な配慮を払って活動することが当然前提であります。これまでも防衛省からも米軍に対しまして、航空機の運用に際しまして日米合意を順守するとともに、周辺住民に与える影響を最小限にとどめるように申入れを行ってきているところでございます。今後とも、防衛省は米側と連携を図りながら、安全面に最大限の配慮を求めて、地元の皆様に与える影響が最小限になるように適切に対応してまいりたいというふうに思います。

Q:米側に引き続き対応を求めていくということなんですけれども、昨年末以降、沖縄県内で低空飛行の目撃情報が相次いでいまして、県議会も含めて従来より、より強い対応を求めるような声が上がっていますけども、そういったお考えは現時点でお持ちでしょうか。

A:特に米軍機による低空飛行の問題についてですね、これは1999年の日米合同委員会において、ICAOや日本の航空法により規定されている最低安全高度と同様の米軍飛行高度規則を適用している旨の日米間で合意をしているところでございます。米軍が当該の合意を順守して訓練を行っていることは、4日の飛行に関してもこういうことが米軍からの説明であったということを認識をしているところでございます。一方でですね、繰り返しになりますけれども、訓練に関しては、わが国の公共の安全に妥当な配慮・考慮を払われるようにということは当然の前提であります。防衛省として、引き続き米側に対してですね、安全面に配慮、地元の皆様に与える影響が最小限になるように日米で連携して対応してまいりたいというふうに思います。

Q:東京オリンピック・パラリンピック、森会長に関して伺います。各社報道で、森会長辞任の意向を固められて、後任に川淵さんを指名すると、本日午後の会合で辞任を表明するという報道がありますけれども、内閣の一員として森会長辞任の受け止め、並びに川淵さんの印象と期待することを伺えればと思います。

A:そのような報道があることは承知をしておりますが、今お話しであったようにですね、オリンピック組織委員会が今日の3時から理事懇談会が開催されるということであったと承知をしております。森会長の辞任につきましては、まだ正式に、そういう意味では決まったものではないと了解をしております。後任人事についても、その後の話しというふうに承知をしておりますので、今の段階では何も決まっていないというふうに認識をしております。その段階で、私からコメントすることは差し控えさせていただきたいと思います。

Q:潜水艦事故「そうりゅう」の件で伺います。「そうりゅう」ですね、事故当時、乗組員が操舵技術など確認する訓練中で事故発生時も「そうりゅう」に複数の指導役の隊員が乗船していたと、一部報道がありますが、それに関する事実関係を教えてください。

A:この衝突事故については、現在、事故について海上保安庁が調査を行っております。事故原因に係る事実関係については、そういう意味でお答えを差し控えさせていただきたいと思います。

Q:ミャンマーの関係で、まずお尋ねします。各国、非常に批判を今国軍に対して強めているわけですけれども、防衛省・自衛隊もミャンマー国軍に対して能力構築支援事業を現在も日本語環境支援を行っていると思いますが、今後どのように対処されていくお考えなのか、まずお聞かせください。

A:ミャンマーに関してはですね、情勢に関しては、外交当局が情報収集・  分析を行っているところでございます。ご指摘の能力構築支援事業、これを含む様々な防衛協力・防衛交流についてはですね、情勢の推移を見つつ、見極めつつ、適切に判断をしてまいりたいというふうに思います。

Q:この能力構築支援事業ですけれども、現在、日本語教育ということで、現地に委託先の方が派遣されているかと思いますが、状況次第によっては、危険性も高まる可能性があるのかなと思いますが、当面は続行されるということでしょうか。

A:現地の治安状況等ですね、そういった状況をまずしっかり情報収集して分析をしていくということが、まず第一に必要なことだと思います。その上で、今後事業について、継続していくかどうかを含めて、適切に対応していくということだと思います。

Q:もう1点、話題変わりまして、潜水艦事故なんですけれども、前回、「あさしお」の事故があった時には、事故発生から、だいたい2週間後ぐらいに中間報告が出ているんですけれども、先ほど大臣、できるだけ早急にという話があったんですが、だいたいこの辺りのスケジュール感を持ってらっしゃるんでしょうか。

A:このスケジュール感についても、今、予断を持ってお答えすることは困難でございます。まずは捜査に全面的に協力をする。その上で、事故調については、捜査の邪魔にならない程度に、進めていきながら、できるだけ早く事故原因の究明をしていくということに尽きると思います。

Q:この調査委員会の方ですけれども、外部の有識者の方を入れられるというお考えはございますか。

A:調査委員会の在り方についてはですね、これまでも形ができているというふうに了解をしていますので、その同じような形で進めることになると思います。

以上