防衛大臣記者会見

日時
令和3年2月9日(火)08:46~08:53
場所
国会議事堂本館内閣議室前
備考
岸防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

 コロナ関係ですけれども、前回の定例会見以降、15名の隊員の感染が確認されました。合計で1,021名ということになります。

2 質疑応答

Q:潜水艦の「そうりゅう」の事故から一夜明けましたが、今朝までの間に新たに分かった情報等がありましたら教えて下さい。

A:2月8日10時58分頃、足摺岬沖の海上において訓練中の海上自衛隊の潜水艦「そうりゅう」が水面に潜望鏡を上げた際に民間商船と衝突する事故が起きました。「そうりゅう」の乗員3名が負傷しましたが、いずれも軽傷です。「そうりゅう」に艦橋部分の歪み、アンテナマスト及び潜舵の損傷が生じたほか、現在は復旧しておりますが、使用可能な通信手段が一時携帯電話のみとなりました。「そうりゅう」は、自力航行により昨日23時20分頃に高知港に入港し、現在、高知港に停泊しています。民間商船の被害については、本事故後、当該船舶が現場海域から立ち去ったため詳細は不明ですが、海上保安庁が当該船舶に連絡したところ、「衝突した振動はなし、船体ダメージはないと思われる」との回答があったと承知しております。本事故の発生を受けて、昨日、海上幕僚監部に事故調査委員会が設置されたところであります。現在、同委員会が事故の原因の調査を行っております。本事故により国民の皆様に多大なご心配をおかけしました。大変申し訳なく思っております。事故の原因等については、現在、海上保安庁が調査中ですので、防衛省・自衛隊としても、海上保安庁の調査に全面的に協力してまいります。また、調査に支障のない範囲で、事故の原因の究明、再発防止に取り組んでまいります。

Q:今、事故原因については保安庁が捜査をするということでしたけれども、一部では浮上する際の確認ミスではないかという指摘もありますけれども、これまでの聞き取り等でそういったお話は出ていますでしょうか。

A:特に、直接的に確認をしておりませんが、浮上する際には安全確認の手順を踏んだ上で、安全を確認した上で浮上するという手続きになっております。そうしたことがなされたかどうかも含めて、海上保安庁あるいは調査委員会の方で事故原因が究明されるものと考えております。

Q:北朝鮮なんですが、北西部東倉里の発射場で除雪作業を進めている衛星写真が38ノースから発表されました。昨年3月以降ですね、北朝鮮の挑発行為は途絶えていますけれども、防衛省として警戒監視、万が一の迎撃準備、どのように進めていくお考えでしょうか。

A:北朝鮮は、わが国を射程に収めるような弾頭ミサイルを数百発保有しておりまして、近年、前例のない頻度で発射を通じて関連技術や運用の能力向上を図っております。こうした北の核ミサイルを含む動向については、わが国の安全に対する重大かつ差し迫った脅威であると認識をしております。防衛省・自衛隊としては、このような動向も踏まえて、弾道ミサイルの発射を含めたあらゆる事態に対応できるように平素から米国とも連携をしつつ、各種兆候の把握を含め、常に情報収集・警戒監視等に万全を期しております。いかなる事態においても国民の生命・財産を守るという観点から所要の態勢をとっているところです。

Q:事故原因調査中ということなんですけれども、今できる再発防止策のようなものは、確か連絡手段が途絶えてしまったと、色々あるんですけれども、何か今ある再発防止策等はどうような検討になっていますでしょうか。

A:もう一度、浮上の際の安全手順を再確認すること等、しっかり安全の確認を再度徹底をするということだと思います。

Q:浦添市長選挙で、那覇港湾施設の浦添移設を容認する立場の松本哲治が当選しましたが、受け止めをお願いします。あと、関連なんですけれども松本氏は軍港の受入れについて、国・県・那覇市の姿勢が変わらない中で、苦渋の決断だというふうに主張されています。投票者の3分の2は、移設反対に掲げた候補に投票するなど、移設に対する抵抗感も表れているかなと感じますが、防衛省として今後どのような姿勢で軍港施設に取り組むか、改めてお願いします。

A:地方自治体の選挙について、防衛省としてコメントすることは差し控えさせていただきます。その上で、松本市長はこれまでも、浦添市のまちづくりなど、様々な施策で実績を上げてこられていると、このように承知をしております。また、米軍基地に関する課題に対しても積極的に取り組まれておられていたと、こういうふうに認識をしております。いずれにしても、防衛省として、港湾施設の返還に向けて、引き続き、全力で取り組んでまいりたいと、こういうふうに考えます。

Q:領空侵犯について伺います。先日の自民党の国防部会で、対領空侵犯について、社会に対してもっと防衛省発信すべきだと意見が出されましたが、防衛省として、今後どのように対応されますでしょうか。

A:防衛省・自衛隊の活動は、国民の皆さんの理解があって初めて成り立つものだと、こういうふうに思っています。このため、防衛省・自衛隊として、平素から政策や部隊運用に関して広報活動を積極的に行うこととしています。緊急発進については、領空侵犯事案また特異飛行事案が発生した際に明らかにするほかに、わが国を取り巻く軍事情勢を国の内外に周知するために、まず四半期ごとにその回数の集計を公表しております。緊急発信回数が過去5年間、いずれも800回以上という年が続いています。このため、こうしたスクランブルの状況について、昨年から積極的なツイッターでの情報発信、月ごとの統計データの公表を実施しておるところです。国民の皆様に自衛隊の任務をよりご理解いただけるよう、努めてまいりたいというふうに思います。

以上