防衛大臣記者会見

日時
令和3年1月29日(金)11:05~11:18
場所
国会議事堂本館内閣議室前
備考
岸防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

 新型コロナウイルス関連ですけれども、前回の会見以降、96名の隊員が新たに感染をしていることが確認され、本日までに合計が925名ということになります。来週の水曜日、2月3日(水)ですけれども、第4回の日英外務・防衛閣僚会合、いわゆる「2+2」をテレビ会議形式で実施する予定であります。この会合には、防衛省からは私、外務省からは茂木外務大臣が出席をします。イギリスのウォレス国防大臣及びラーブ外務・英連邦・開発大臣兼首席大臣と「FOIP」の維持・強化に向けた協力を含め、日英間の安全保障・防衛協力や地域情勢等について幅広く議論する予定でございます。ウォレス大臣とは、私も今月14日の防衛相テレビ会談に続いて、このような早いタイミングで「2+2」が実施できること、長い歴史と伝統であります日英関係が一層緊密になっていることを示すことができるかな、私としても大変嬉しく思いますし、同時に本会合を通じて、新たな防衛協力の強化を目指してまいりたいと思います。詳細は爾後、事務方より説明をいたします。

2 質疑応答

Q:冒頭発表がありました、日英の「2+2」なんですけれども、先日の電話会談ではですね、空母打撃群の派遣の方針などがイギリスの方から伝達があったと思うんですけれども、そのことについては、どういったお話をされたいかということと、対外的には、日英「2+2」でどのようなメッセージを発信していきたいか教えていただけますでしょうか。

A:これから行われる会談の中身ですので、今の段階で予断を持ってお話しすることはあれなんですけれども、いずれにいたしましても、日英間の防衛協力を更に進めていくという観点がございます。前回、ウォレス大臣の方からですね、空母打撃群の案件ということもございました。そのことによる日英間の協力、それから、FOIPの更なる進展と、こういう観点において、幅広い議論を行っていきたいというふうに考えています。

Q:もう1問お願いします。中国の海警法が成立しまして、先日、自民党の部会でそれが議論されたんですけれども、その中ではですね、グレーゾーン事態への対処する新たな法律が、法整備が必要なのではないかというような意見も出されていました。そういった意見について、防衛省としては、どのように受け止めて、検討されていくんでしょうか。

A:先般、海警法を含めてですね、改正をされる、こうような中国海警局を巡る動向については、まず、引き続いて我々も高い関心をもって注視してまいりたいと思います。尖閣諸島周辺における、この海警船の侵入事案に対して、今でも警察としての海保が全般、全面に出て対応しているという状況であります。いずれにいたしましても、防衛省・自衛隊においても、警戒監視・情報収集に万全を期してまいりたいと思います。党内で様々な議論が出ていることは承知をしております。あらゆる事態に適切に対応していくためにも、自民党のそうした意見も伺いつつですね、関係省庁と連携の上、引き続き万全の体制をつくっていきたい、こういうふうに考えております。

Q:最後の質問に関連してなんですけれども、党内の意見も伺いつつ関係省庁と引き続き連携して対応していきたいというお話でしたが、党の法整備という観点では、大臣、その必要性というところはいかがお考えでしょうか。

A:これまでも様々な、海警船を含む中国の公船の動きに対して我々も必要な措置を取ってきたところでございます。そうした中で、今後ですね、海警の動きというものについては、関心を持って注視していきたい、こういうことであります。党内では様々、法改正の、法律の話も出てきているということは承知をしております。そうしたものについて現行の法体系の中でどのように考えるか、こうしたことを我々はこれから実情と併せて考えていかなければいけないのかなというふうに思っています。

Q:昨日、中国防衛省の報道官が会見で、台湾に関して、「台湾独立は戦争を意味する」というふうな発言をして、アメリカ側を牽制したような形ですけれども、この発言に関する大臣の受け止めを教えて下さい。

A:台湾を巡る情勢、中台間の情勢はですね、いずれにいたしましても我々としては当事者間の平和的な形での、当事者間の議論を通じて平和的に解決されるべきと、こういう立場であります。ただ、中台間の状況というのは、平和と安定というのは、わが国にとっても地域情勢として非常に強い関心を持っております。

Q:ひとつ前の質問の中で、現行の法体系の中で考えるとおっしゃったということは、法改正等、法制度の見直し等は必要ではないというお考えでしょうか。

A:そういうことも含めて、今後の党内の議論もございます。そういうこともこれから伺ってまいらねばいけないんだろうなというふうに考えています。

Q:自衛隊員のコロナウイルス感染の関連なのですけれども、昨日、宮崎県で行われた訓練に参加していた那覇駐屯地所属の隊員5人が新型コロナウイルス感染確認されまして、宮崎県の方がクラスターに認定しました。その受け止めを伺いたいのと、関連なんですが、昨日から沖縄県金武町のブルー・ビーチ訓練場等で日米合同演習が始まっています。沖縄県はコロナの感染状況踏まえて、訓練実施に懸念を示していましたけれども、訓練進めるという考えにお変わりはないのでしょうか。

A:訓練のことですけれども、陸上自衛隊として、まず今月の28日から2月6日までの間、米海兵隊及び米海軍との間で、沖縄県また周辺海域において水陸両用作戦に係る共同訓練を行うということであります。沖縄県から、本訓練の実施を控えるか、仮に実施をするとしても、万全な感染症対策を講じるとの要請が来ているところでございます。本訓練については、水陸両用作戦に係る戦術技量や日米共同作戦の能力の向上を図るために、今、大変必要なものというふうに考えているところでございます。訓練の実施にあたっては、私からも感染防止に対する万全の対策を講じる、手指の消毒、或いは、マスクの着用、3密を避ける、こうした恒常的に実施している対策を徹底していくこと。それから、発着艦訓練を実施する際も、ヘリコプターの搭乗員と米艦艇の乗員との接触が生じないようにすること、訓練期間中における食事、宿泊、こうした訓練以外の活動において、現地部隊との接触を可能な限り制限していくこと。こうした措置を講じていくこと、こういった例がありますけれども、こうした対策をしっかり万全な措置を取っていくことによって、できるだけの感染拡大の防止措置を取って、訓練を実施していくということでございます。現下のコロナ禍においても、わが国の防衛を全うするために、部隊の練度向上、即応性の維持、こういったことを目的とする訓練を実施するということは本当に必要であると、こういうふうに考えているところでございます。沖縄県の皆様を始めとする関係自治体への皆様への御理解をいただきたいと、こういうふうに考えております。

Q:辺野古について伺います。一部報道で、辺野古の新基地建設を巡って、沖縄防衛局が沖縄県に提出した設計変更申請で、新基地の耐震性を設計する際に、品質のチェックを経ていない地震データを使用していたことが判明したと、一部報道でありました。これについての事実関係を教えてください。

A:普天間の代替施設の設計に用いる地震動の設定について、独立行政法人防災科学技術研究所において、公開された地震の観測データというものが使用されていると、こういうふうに承知しております。このデータについては、設計の検討業務を行う業者がですね、技術的専門的観点からノイズの少ないこと等の検証を行って、使用して問題のないデータであることを十分に確認した上で地震動の設定に反映させていると、こういうふうに承知しております。御指摘のデータについてですね、今般の報道を受けて、念のため、防災科学技術研究所に確認をいたしました。当該データの品質に問題がないということの回答を得ております。このように普天間の代替施設の設計に用いた地震動について適切なデータを使用して設計が行われているということでございます。問題があったとは考えていないというふうに思います。

以上