防衛大臣記者会見

日時
令和3年1月8日(金)13:30~13:52
場所
防衛省A棟11階第1省議室
備考
岸防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

 緊急事態宣言を踏まえた防衛省・自衛隊の活動に関する方針についてです。昨日、御存じのとおり、緊急事態宣言が発令されました。政府の基本的対処方針を踏まえ、本日、防衛省・自衛隊においても、教育訓練、勤務態勢、出張、外出、行事などについて定めた新しい大臣通達を発出いたしました。防衛省・自衛隊としては、防衛省・自衛隊の各種活動や職員や隊員個人の行動について、国民の命と安全を脅かすような事態を発生させることのないよう、より慎重に対応が求められる状況になっています。他方で、そうした中にあっても、国民の命と安全を守る使命を全うするために、部隊等の即応性を確保することにも留意しなければなりません。今後も、防衛省・自衛隊としては、いかなる事態においても、国民の生命・身体・安全を守り抜くために、医療機関や保健所等の関係機関とも連携し、新型コロナウイルス感染拡大防止に万全を期したうえで、求められる役割を十分果たしてまいりたいと思います。前回の会見、これは12月25日でしたけれども、それ以降、昨日までに、151名の隊員が、新たに感染が確認をされました。これで、累計は603名となります。秋田の大雪対応の災害派遣です。陸上自衛隊第21普通科連隊は、秋田県知事からの災害派遣要請を受けて、今月6日以降、秋田県横手市、湯沢市及び羽後町において、約190名の隊員により、高齢者宅や木造校舎などの除排雪作業を実施しております。現在のところ、秋田県以外の都道府県から大雪への対応に係る災害派遣要請は受けておりません。今後、災害が発生した場合は、全国各地域で担任する部隊により人命救助等に迅速かつ適切に対応してまいります。

2 質疑応答

Q:緊急事態宣言に絡んでですね、国民の命と安全を守るための対応が求められる状況であると。具体的にどういう状況を想定されているのか教えて下さい。

A:今般の緊急事態宣言を踏まえればですね、将来の新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向けた重大な、重要な局面であると認識をしております。そういうことから、今月4日に私から各幕長に対して大臣指示を発出し、医療支援や宿泊療養者に対する緊急支援、また感染防止に係る教育支援、その他自衛隊の能力を活かした必要な措置を講ずるよう指示をしているところです。現時点で自衛隊への災害派遣要請というのはございませんが、今後、自治体から具体的な要請があれば速やかに部隊を派遣できるように万全を期していきたいと思っております。いずれにしても自衛隊は、国民にとって最後の砦、そういうことで求められる役割を十分に果たしてまいりたいと思います。

Q:緊急事態宣言が発出されまして、対処方針、大臣通達を出されたということなんですけれども、自衛隊の訓練のあり方とかですね、あと7割出勤を減らすように求められているところだと思うんですけれども、そういったところへの対応はどのように取っていかれるのかもう少し教えていただけますでしょうか。

A:自衛隊の活動に関する方針でございますが、教育訓練については、1都3県に所在する部隊又は当該部隊等に所属する隊員が1都3県以外で集合し行うものや、1都3県以外に所在する部隊が1都3県で集合する場合については原則として中止又は延期すると、こういうことです。1都3県以外の道府県が県境をまたいでの移動自粛を要請している場合には、感染防止策を確実に講じて教育訓練を実施することなどについて、各機関が関係する自治体等にあらかじめ丁寧に説明をする、それから予備自衛官等の訓練のうち、1都3県に所在する予備自衛官等が集合して行うもの、1都3県以外に所在する予備自衛官が1都3県で集合して行うものについては、中止又は延期すること、こういうことにしております。勤務態勢については、テレワークを含む在宅勤務、時差出勤、交代制勤務の実施等の感染拡大防止のための取組みをこれまで以上に推進して行うということです。特に、1都3県内に所在する各機関等においては、テレワーク端末の稼働を徹底して、各日において各機関等の職員を7割、出勤回避させることを目指すとともに、20時以降の勤務を抑制することとしております。出張については、1都3県とそれ以外の地域を往来する出張を原則として中止又は延期とすることとしております。外出については、1都3県に所在する機関等の職員は、不要不急の外出、特に20時以降の不要不急の外出については自粛を徹底するとともに、1都3県以外への不要不急の外出を厳に慎むこと、会食については、1都3県における20時以降の参加について厳に慎む、こういうことにしております。また、行事については、1都3県で実施する場合、規模を1000人以下とし、行事等における飲食を回避するための方策を徹底するということであります。今後も、防衛省・自衛隊としていかなる事態においても国民の生命・身体・安全を守り抜くための感染防止に万全を期した上で、求められる役割を十分に果たしてまいりたい、こういうふうに考えております。

Q:関連しまして1点だけ、防衛省は危機管理官庁だと思うのですが、7割出勤回避というのはなかなか難しいところもあると思うのですけれども、そのあたりの感染防止対策と危機管理というこの両面、どのように両立を図っていくのか、もう少しコメントをよろしいでしょうか。

A:7割というのは、いずれにしても政府全体で目指していくべき方向である、こういうふうに考えております。ただ、おっしゃるとおり自衛隊の場合、災害派遣要請が来るケースもありますし、そうして緊急事態に対応していかなければいけないところもあります。そういうところを最終的に総合勘案しながら、できるだけ7割を目指してまいりたいというふうに思います。

Q:関連で、河野大臣がテレワークで会見をやったりしているのですけれども、岸防衛大臣自身はテレワークをするお考えというのはあるのでしょうか。

A:状況にもよると思います。河野大臣の役所の全体の中で、大臣がそれは判断をされたのだと思いますけれども、防衛省は防衛省で状況に応じて対応していきたいと思います。例えば記者会見、今対面で行っていますが、会見室から省議室に移して感染防止に万全を期す態勢を作ってやっています。逆に言うと、記者会のメンバーの皆さんにとって、対面でやるのと、テレワークで画面でやるのと、それはどういうふうに考えるかということもあるのだと思います。例えば今日の場合、私も元々登庁しておりましたし、そういう意味で、対面でやることについて、特に問題があるとは考えておりません。今後、状況によって、あるいは記者会の皆様と相談しながら判断していきたいと思います。

Q:東京都の感染者が増えている中、自衛隊中央病院、これについて医療崩壊の危険性を大臣はどのように受け止めているのかということと、重症者の数はどれくらい今扱っていらっしゃるのでしょうか。

A:中央病院については、元々、10床の感染症の専用病床を用意していますが、東京都の福祉保健局からの要請で、昨年末29日に、当面の間61床を確保するということで、対応しているところです。昨日17時現在で、中央病院の患者の受け入れ状況については、重症患者2人及び中等症等患者36人の38名であります。これで、これまで630人を超える新型コロナウイルスの感染者、患者の受け入れを行っているところです。引き続き、地域医療にとっても大変重要な病院だと思います。貢献してまいりたいと思います。そういう意味では、非常に厳しい状況になっていることは、確かだということです。しっかり対応してまいりたいと思います。

Q:海幕のコロナ感染の件なんですが、12月25日の会見では大臣は、海幕長が出勤した後に指導するとおっしゃっていましが、指導されたのかということが1点と、12月25日、海幕長や副長が参加した12人の会食には言及されていますが、実際感染した副官ら6人の会食には触れておりませんでしたが、そちらの会食に触れられなかった理由を教えて下さい。

A:海幕長について、先日お話しましたとおり、今年、年が明けてから海幕長に指導をさせていただきました。会食自体はしっかりコロナ感染防止策を取られた上でやっていたということで、規律違反というようなことはないわけですけれども、その上で海幕のトップとナンバーツーが、同じ会食の場にいたということについて、こういう危機管理官庁の対応としては、しっかり、もっと考えるべきところがあったと、そのことを指導しました。それから、6人の会食、これは確かに高官室での6人の会食というものが同日に行われて、結果的にその中から3名の陽性者が出たということでございます。ただ、色々調べておりますと、海幕の会食と6名の会食というのは交わるところが全くなかった、こういうことでございます。因果関係とかそういうものも全く証明されているものはないと理解しております。

Q:沖縄県の座間味村や渡嘉敷村で、今年6日に米軍機による低空飛行が目撃されていました。座間味村では昨年12月28日、29日にも同様の飛行が確認されています。防衛省の把握している事実関係を教えてください。

A:昨年の12月28日、29日及び本年の1月6日における慶良間諸島周辺における米軍機の飛行について、MC130J複数機による飛行訓練が行われたこと、訓練は日米間の関係合意や規則に基づき行われたことについて、米側から説明を受けているところでございます。今回の飛行が目撃された慶良間諸島周辺は、米軍の訓練区域には含まれていませんが、米軍による飛行訓練は、パイロットの技能の維持・向上を図るうえで必要不可欠な要素であり、日米安保条約の目的達成のための重要な訓練だというふうに認識をしております。いずれにいたしましても、米軍がわが国において訓練を行う場合は、わが国の公共の安全に妥当な考慮を払って活動されるべきであります。今回の飛行を受け、防衛省から米側に対し、航空機の運用にあたっては、日米合意を順守するとともに、周辺住民に対する影響を最小限にとどめるように申し入れを行っているというところでございます。

Q:関連ですけれども、今御説明があったように、米軍側は規制に則って実施したというようなお話をされていますけれども、一方で地元の座間味村長なんかは、県に対して米軍に働きかけを求めるようにというような要望を行っていて、県側も低空飛行の停止などを要請することを検討しているということです。住民からの不安の声というのがだいぶ上がっているようなのですけれども、防衛省として対応を強化するというような必要性についてはどのように考えますでしょうか。

A:今回の飛行についてその状況を受けまして、防衛省から米軍に対して、航空機の運用にあたっては日米合意を順守するとともに、周辺住民に与える影響を最小限にとどめるようにということで申し入れを行っているところでございます。

Q:北朝鮮情勢についてお伺いします。現在党大会が開かれている状況で、対外的な発信というのはあまりなさそうなのですが、今月下旬には最高人民会議も開かれるような予定になっております。バイデン政権の交代もあると思いますが、大臣としてこの動向を今どのように見て受け止めておられるか、お考えをお聞かせください。

A:今月5日から、5年ぶりとなる朝鮮労働党大会が開催をされております。その中で金正恩委員長が、防衛力をより高い水準へと強化すること等について言及があったと承知をしております。党大会自体は引き続き開催中ということで報じられており、そういう意味で引き続き北朝鮮の動向に注視をしてまいりたいというふうに考えております。

Q:中東海域での情報収集活動に関して伺います。1年目の活動成果を大臣としてどのように考えられているかということと、派遣自体は調査研究を根拠名目にしておりますが、将来的に特措法が必要だとお考えになるか、この2点お伺いできればと思います。

A:これまでの1年を振り返ってみましても、しっかり自衛隊としての必要な調査活動を行っていくことができた、こういうふうに思います。また、日本の船舶関係者からも、自衛隊の活動について評価をしていただいております。しかしながら状況としては、これまでと変わっていない、こういうような状況を踏まえて、引き続きこの活動を続けていくと、こういうことであります。

Q:特措法の必要性についてはどのようにお考えですか。

A:まだ特措法の必要性について議論があるわけではないと思います。引き続きしっかり任務をこなしていくということが必要だと考えております。

Q:冒頭の御発言の話に戻るのですけれども、自衛隊のコロナに関する医療支援とか、教育支援とか、生活支援とか、何点かおっしゃっていただきましたが、もうちょっと具体的にどういうことを想定して準備をしているのかと、前回の緊急事態宣言の時の教訓とか、経験というのをどのように生かして、自衛隊の有意義な派遣につなげていくのかというところをもうちょっと教えていただけますでしょうか。

A:今回、先ほど申しました医療支援、それから宿泊利用者に対する緊急支援、感染防止に係る教育支援、そういった能力を生かした支援ということなのですけれども、これはこれまでも自衛隊として行ってきたところだと思います。医療支援については、今おります医官・看護官含めて、まず第一に自衛隊独自の病院での地域医療への貢献、支えていくということは、しっかりやっていかなければいけない。そのうえで、今後都道府県等から要請があった場合に、どれだけのものが出せるか、まずそういったものをしっかり検討した上で、迅速に対処できるようにしていきたい、こういうことです。緊急支援と申しましたのは、例えば「ダイヤモンド・プリンセス号」の時にございましたけれども、いろんな形の要請者に対する支援がございました。その他教育支援というのは具体的な自治体の職員とか、そういった関係者に対して自衛隊の持っている感染防止策のノウハウについてしっかり伝授をしていくということだと思います。その他、色々自衛隊の能力を生かせる分野があれば、しっかりやっていきたいというふうに思っております。

以上

※下線部:修正事項(中等症→中等症等)