防衛大臣記者会見

日時
令和2年12月18日(金)11:15~11:31
場所
防衛省A棟11階第1省議室
備考
岸防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

 まず、新たなミサイル防衛システムの整備等についてですが、本日の閣議において、「新たなミサイル防衛システムの整備等及びスタンド・オフ防衛能力の強化について」が決定されました。本件は、新たなミサイル防衛システムとしてイージス・システム搭載艦2隻の整備を決定するとともに、抑止力の強化について引き続き検討し、また、スタンド・オフ防衛能力の強化のため、新たなスタンド・オフ・ミサイルの開発を行うこととするものであります。防衛省として、今般の閣議決定に基づき、国民の命と平和な暮らしを守り抜くため、引き続き着実に防衛力の強化を図ってまいります。次は次期戦闘機であります。次期戦闘機の開発については、国際協力の方向性を年末までに取りまとめ、公表することとしていましたが、今般、米国のロッキード・マーチン社をインテグレーション支援の候補企業として選定するとともに、日米間の相互運用性の確保のための事業を来年度から開始するなど、米国から必要な支援と協力を受けながら、わが国の主導の開発を行うことといたしました。また、エンジンや搭載電子機器などの各システムについては、開発経費や技術リスクの低減のため、米国及び英国と引き続き協議を行い、協力の可能性を追求していくことといたしました。今後、この方向性を踏まえつつ、F-2戦闘機の退役・減勢が始まる令和17年頃までに量産初号機を配備できるよう、次期戦闘機の開発を着実に進めてまいります。普天間飛行場の一部土地の返還であります。現在、宜野湾市が整備を進めている市道宜野湾11号線については、普天間飛行場の佐真下ゲート付近で道幅が狭く急角度に曲がっているため、全線開通後に渋滞が発生することが予想されていました。このため、宜野湾市から、普天間飛行場の一部の土地を通る道路形状の変更を行うため、今回返還される区域を返還してほしい旨の要請を頂いておりました。ちょうどこの三角形の部分になります。このカーブがきついということで要請がきたところであります。これを受けて、2018年12月、道路形状の変更の工事を実施するためにこの区域を共同使用すること及び一定の工事の完了を条件にこの区域を新たに返還することについて、日米間で合意をしました。その後、条件工事が完了したことから、所要の手続きが実施されることを前提に、遅くとも2021年1月21日までに返還することを日米間で合意していました。今般、日米間で返還に向けた所要の手続きが完了したことから、本年12月20日に返還が実現するものであります。防衛省としては、今後とも目に見える形で、一つ一つ着実に結果を出すことによって、沖縄の負担軽減に全力を尽くしてまいりたいと思います。大雪関係です。一昨日からの大雪の影響で、関越自動車道において多数の車両が立ち往生しています。これを受けて、昨日、新潟県知事から陸上自衛隊第30普通科連隊長、これは新発田ですけれども、ここに対して災害派遣要請がありました。現在、陸自第30普通科連隊及び第2普通科連隊、これは高田でありますが、隊員計約110名が水、食料、燃料、毛布の配布や立ち往生している車両のドライバーの安否確認を実施しているところであります。防衛省・自衛隊は、引き続き、自治体や関係省庁と緊密に連携し、適切に対応してまいります。コロナウイルスの関係ですが、前回の会見以降、12名の隊員が新たに新型コロナウイルスに感染していることが確認されました。これで、本日までの合計414名ということになります。日独防衛相フォーラムについてであります。15日、防衛研究所とコンラート・アデナウアー財団が共催で「日独防衛相フォーラム」がオンラインで実施されました。今般のフォーラムでは、私とクランプ=カレンバウアー独国防大臣が基調講演を行いました。この中で、カレンバウアー大臣から、本年9月にドイツ政府が発表した「インド太平洋ガイドライン」に関し、ドイツのインド太平洋地域へのコミットメントなどについて説明があるとともに、来年にもドイツ連邦軍の艦艇をインド太平洋地域に派遣する方向で検討している旨の発言がありました。こうしたドイツ側の方針は、わが国の提唱する「自由で開かれたインド太平洋」と軌を一にするものとして大いに歓迎し、高く評価をしております。「自由で開かれたインド太平洋」維持・強化のため、日独間の防衛協力・交流を引き続き強力に推進してまいりたいと思います。

2 質疑応答

Q:新たなミサイル阻止の方針、それからイージス・システム搭載艦2隻の整備、これを閣議決定の意味合い、受け止めを大臣からお願いします。

A:これ振り返ってみますと、本年6月にイージス・アショアの配備プロセスの停止して以降ですね、私が大臣に就任し、そして移動式の洋上プラットフォームに搭載する方向で検討を進めるという方針について確認をしたところでありました。そのもとで、中間報告、また米側や米側から得た情報を踏まえて、イージス・アショアの構成品を洋上プラットフォームに搭載することに関する技術的実現性、また、導入コスト、規模感等々を確認することができました。そういった検討を着実に重ね、本日、「あるべき方策」として、イージス・システムの搭載艦2隻を整備すること。同艦は海上自衛隊が保持すること。また同艦に付加する機能、設計上の工夫等を含む詳細について、引き続き検討を実施し、必要な措置を講ずること、こういうことでございますが、我々として今般の閣議決定を基にですね、イージス・システム搭載艦に係る運用構想の詳細、搭載機能、艦の設計、要員確保等について、引き続き米政府、また日米の民間事業者を交えて、鋭意検討を進めてまいりたいと思います。

Q:スタンド・オフ・ミサイルについてなんですが、島しょ部へ進行する艦艇が想定されていると。沖縄県尖閣諸島含む南西諸島の海域では、自衛隊機が使える飛行場が少なくてですね、防空態勢の空白になっている指摘もあります。南西諸島地域を巡る安全保障環境についての現状の認識と、そしてこの安保環境を踏まえたスタンド・オフの意義を詳しくお聞かせください。現状認識と、このスタンド・オフの意義。

A:南西諸島の現状ですけれども、まず、安全保障環境は非常に南西諸島について、非常に厳しい。中国による艦艇の活動等ですね、非常に活発化をしているというところでございます。それに対してわが国としてしっかり適切な対応をしていかなければいけないということでありますが、そういった緊迫した状況において、隊員の安全を図りながら相手を攻撃することができるスタンド・オフ・ミサイル、これを持っていくということが必要、この南西地域の島嶼防衛のために必要な装備であると、こういうふうに考えているところから、進めてきたところであります。

Q:もう一点なのですけれども、ミサイル防衛文書に関連して、敵基地攻撃については明記を見送る一方ですね、スタンド・オフ・ミサイルの開発が盛り込まれました。敵基地への政治判断を明確にしないまま転用可能なミサイル開発を進めていると、議論を回避しているのではないかという批判もありますが、この批判に対してはどのように受け止められますか。

A:スタンド・オフ・ミサイルと、いわゆるミサイル阻止の方策、これは区別して考える必要があると思います。ミサイル阻止につきましては、引き続き政府内でしっかり検討を続けてまいるということでございます。

Q:関連して、現行の北朝鮮のミサイル開発状況と、それに対して今回のミサイル防衛のイージス搭載艦2隻の整備について、これの評価・意義について教えてください。

A:北朝鮮の状況はですね、彼らは非常に技術を積み重ねてきて、これまでにない、見られないようなミサイルを開発している。先般の記念日の時かな、新たなICBM等々、あと、こうしたロフテッド・ミサイル等々ですね、実際に実験を繰り返してきていて、そういう意味で北朝鮮によるミサイルのわが国に対する脅威というものは高まっている。そういう中で、わが国はしっかりしたミサイル防衛体制をとっていかなければいけないという中で、このイージス・アショア自体は配備の停止をしたわけですけれども、その代替案をしっかり検討を重ねてきた、それが一つ前に、2隻のイージス・システム搭載艦を配備するということで、今回決定をしたわけです。今後状況をしっかり見ながら、どういった装備を載せていくか、運用をどうしていくか、こうしたことについて、しっかり検討をしていくということであります。

Q:2点質問があります。まず一つは、先ほど記者会向けにリリースが配られたのですけれども、「これリリースですか」と配った事務方の人に聞いたらですね、「いや、関係ありません」と言って、僕らもらえなかったのですよ。なんでこう、同じ記者会に参加しているのに、こういう人種差別的な差別を、事務方の方はされるのでしょうか。

A:ちょっと事情がよくわからないので、もう少し事務方と話し合っていただきたいと思います。

Q:本題の方なんですけれども、3次補正予算なんですけれども、3,867億円で資料もホームページにも出ているんですけれども、これを見るとですね、ほとんどがミサイルであったり、輸送機であったり、潜水艦であったり、ほぼほぼ、いわゆる補正予算の趣旨とは違うもので、お買い物予算になっているかと思うんですよね、大臣によっては釈迦に説法でしょうけれども、元々補正予算というのは、その年の予算で手当てできない急なこと、例えばコロナの発生であるとか、あとは自然災害であるとかで費用を払ったものに関しては手当てをするというように法令を読むとそういうふうに書いてあるんですけれども、なんでこう第2次安倍政権以来、お買い物をですね、永遠にやってらっしゃるんでしょうか。これって、防衛予算を不透明化していることになるんじゃないでしょうか。

A:今おっしゃっていた3次補正という意味ではなくて、補正全体という意味ですか。

Q:補正で1次2次はコロナに関する手当てですから、当然ながら理解できるんですけれども、3次補正に関して言うと、ほとんど地対空ミサイルとかですね、哨戒機であるとか、潜水艦であるとか、あとはC-2輸送機であるとか、そういった物を買おうとしているわけですよ。これ本来、本予算で買うべき物ではないですか。

A:今、補正予算につきましてはですね、防災・減災・国土強靭化といった国民の安全・安心の確保に係る経緯を措置するということであります。厳しさを増す安全保障環境での対応に必要不可欠であるというものでも考えているところでございます。いずれにいたしましても、防衛の安全のために必要な措置を必要な時期に行うこととしておるところでございます。

下線部:修正事項(2021年1月21日までに→2021年1月29日までに)

以上