防衛大臣記者会見

日時
令和2年11月27日(金)09:11~09:20
場所
国会議事堂本館内閣議室前
備考
岸防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

 冒頭2件あります。新型コロナウイルス関連でありますが、前回の会見以降、19名の隊員が新たに新型コロナウイルスに感染していることが確認をされました。これで、本日までに312名の自衛隊員が新型コロナウイルスに感染したことが確認をされております。2点目です。日加防衛相電話会談についてです。水曜日25日、先方からの提案によりまして、カナダのハルジット・シン・サージャン国防大臣と電話会談を実施をいたしました。今般の会談では、北朝鮮や東シナ海・南シナ海を含む地域情勢について意見交換を実施し、引き続き緊密に連携していくことで再確認するとともに、地域において最近生じている事象も踏まえ、両国間で意思疎通を維持し、力を背景とした一方的な現状変更の試み、また、緊張を高めるいかなる行為にも強く反対することに加え、法の支配に基づく自由で開かれた海洋秩序が重要であるというメッセージを明確に発信していくことで一致をしました。私からはですね、新型コロナウイルス感染症をめぐる現状を踏まえて、コロナ対策分野における日加防衛当局間の協力を進めていきたい旨述べました。今般の会談では、日加双方とも、今後とも、防衛当局間のコミュニケーションを継続し、「自由で開かれたインド太平洋」の維持・強化に、防衛協力・交流を引き続き活発に進めていくことで一致をして、防衛省・自衛隊として、今般の会談を踏まえて、カナダとの防衛協力・交流を引き続き発展させてまいりたいと考えております。

2 質疑応答

Q:中国の王毅外相が来日しまして、菅総理とも会談をしました。菅総理、尖閣諸島の問題について前向きな対応を求めるなどをしましたが、一連の会談をどのように大臣として評価なされているかお聞かせください。

A:この会談、25日の菅総理と王毅国務委員・外交部長との会談でありますけれども、日中両国の安定した関係というものはですね、両国のみならず地域や国際社会にとっても最も重要であるということ、そして尖閣諸島周辺海域等の東シナ海をはじめとする海洋の安全保障問題については、わが国が強い懸念を持っているということを伝え、中国側に緊張を高める行動をとらないよう強く求めたと承知をしております。中国については、この軍事動向がわが国を含む地域・国際社会の安全保障上の強い懸念であり、今後とも強い関心を持って注視をしていく必要があると考えております。その上で中国との関係というのは、こうした懸念が存在しているということの現状を踏まえて、意思疎通を図っていくということが何より重要であり、今後、今般のようなハイレベルによる会合というものがですね、会談を含む対話を通じて、懸案を一つ一つ解決していくことが重要であると考えております。

Q:新型コロナの関係ですけれども、先日政府の分科会で、尾身会長が、今後感染拡大した場合、患者の搬送に自衛隊を活用すること等にも触れていました。この件について大臣の受け止めと、防衛省として検討していることがありましたらお聞かせください。

A:防衛省・自衛隊としても、これまでも新型コロナウイルスの感染拡大防止のための様々な支援を行ってきたところでございます。市中感染の対応として自治体職員や民間事業者に対する教育、感染防止の教育支援や、感染者の輸送支援、看護官・准看護師の病院への派遣等を実施してきているところでございます。さらに、中央病院をはじめとする防衛省・自衛隊の医療機関における患者の受け入れ、離島からの急患輸送、こういった医療支援、感染防止に効果的に寄与し得る教育支援等についても、自治体からの要請があればしっかり対応していきたい、備えているところでございます。今後も、各地、自治体等とも連携をしっかりとって、ニーズを踏まえて、これまでの活動の経験を生かして、この感染拡大防止に協力をしていきたいというふうに考えております。

Q:鹿児島県の馬毛島の問題なのですが、防衛省が申請した海上ボーリング調査。これを県知事が、今日許可を表明するという方針がありました。一方で、島の買収に防衛省が地権者と合意してから、明後日29日でちょうど1年になります。改めて基地整備への意義、それから、海上ボーリング調査、アセスメントの開始時期等を教えてください。

A:以前からも申し上げていますけれども、この馬毛島における自衛隊の施設の確保というものは、わが国の安全保障、防衛上、大変有意義な、重要な施設であると、こういうふうに考えております。また、FCLPについても、恒常的な場所を確保していくということも、また安定的な運用のためにも必要なことであると、こういうふうに考えています。地元の皆様との対応ですね、先般、市長ともお話させていただきましたが、地元の皆様の御理解を深めていただくためにも、こうした海上ボーリング調査等がどうしても必要になるというお話をさせていただきました。ボーリング調査に関しては、本日、県としての認可という報道については接しているところですが、これも具体的な港湾施設の配備計画を検討するためにも、必要なことだと考えております。調査について、報道については承知しておりますが、そのこと自体についてはコメントを差し控えさせていただきます。

Q:日中外相会談の中で、防衛当局間のホットラインの開設が話題になったと思いますが、具体的な開通の時期とか、目途とかはあるのでしょうか。

A:王毅外相から、そういう事に対して前向きなお話があったということは、受け止めておるところでございます。累次の機会にこのホットラインについては、日中の防衛相会談を含めて、昨年12月に行われましてこの会談を含めて、累次の機会に早期開設に向けての調整を加速していくということで一致していたところでございます。日中間においては、技術的詳細について調整を行っているところと考えております。そうした中で、今回、王毅外相から前向きな御発言があったと、こういうふうに理解しております。今後の進め方については、予断をもってお話することは差し控えたいと思います。ただ、いずれにいたしましても、防衛当局間でこのホットラインの早期開設に向けて、調整を加速していきたいと考えております。

Q:王毅外相は年内というふうに明言されたのですが、その辺りについてはどうでしょうか。

A:相手との関係がありますけれども、早期に努力してまいりたいと思います。

以上