防衛大臣記者会見

日時
令和2年10月23日(金)11:30~11:48
場所
防衛省A棟11階第1省議室
備考
岸防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

 新型コロナウイルス関連です。前回の会見以降、1名の隊員が新たに新型コロナウイルスに感染していることが確認されました。本日までに合計192名の隊員が新型コロナウイルスに感染したことが確認されております。今後も、防衛省・自衛隊として、医療機関や保健所等の関係機関と連携して、感染拡大の防止に向けた方策を適宜適切に講じてまいりたいと思います。

2 質疑応答

Q:昨日まで、就任後初めて沖縄を訪問されましたが、現地でどのような印象を抱いたのか、そして、今後基地問題にどのように取り組まれていこうと思ったのか、お聞かせください。

A:就任してから、沖縄にはできるだけ早いタイミングで伺いたいと思っていたところ、先日伺うことができました。自分自身の目でそれぞれの現場を確かめて、また、それぞれの地域の皆様、或いは、自治体の首長さんとお会いして、直接現地の意見をお聞きしたことは、大変有意義だったと思っております。私からも、沖縄の基地負担の軽減、普天間飛行場の辺野古移設に関する考え方等も御説明することができた、有意義な意見交換ができたと思っております。それぞれの場所での所感を申し上げますと、まず普天間飛行場、これは宜野湾の市役所屋上から視察いたしました。天気が相当悪かったので、視界も少し悪かったのですが、普天間飛行場の固定化は絶対避けなければいけないということを、改めて強く感じた次第です。キャンプ・シュワブは、工事の実状、埋立地域の②-1の所も、既に陸地化されている状況を確かめてまいりました。工事が着実に進展しているということを実感した次第です。嘉手納においては、沖縄防衛局から視察をいたしました。まず、関係自治体の皆様ともお会いして、嘉手納飛行場を巡る諸問題についても、お話を伺った次第です。私からも地元の負担軽減のために、引き続き全力で取り組んでいく旨をお話させていただきました。クラーディ四軍調整官ともお会いしました。米軍と自衛隊との協力が深まっているという状況ですが、そういった状況について意見交換を行うとともに、今後、事故・事件の防止、安全な運用の確保を含めて、沖縄の負担軽減の更なる軽減について、引き続き協力を求めてまいりたいと思います。今回の訪問を踏まえて、普天間飛行場の一日も早い全面返還の実現、沖縄の基地負担の軽減に引き続き、全力を尽くし、一つ一つ着実に結果を出していきたいと考えております。2日前、一昨日のことですが、那覇に所在する陸・海・空自衛隊の部隊も視察をしてまいりました。南西防衛の最前線、今、非常に安全保障環境が厳しくなっているところだと思いますが、そこにおいて警戒監視活動等の任務に当たっている各部隊の実状把握、また、隊員の皆様を激励するということができまして、大変意義深い視察であったと。こうした機会を今後ともできるだけ講じていって、隊員の皆様の声にも耳を傾けていきたいと考えております。

Q:沖縄訪問について伺います。沖縄訪問前の会見や昨日の会見で、玉城知事とは意見交換を通じて相互理解を深めることができればと述べられましたが、一方で辺野古移設を巡っては、県側と並行線という状態だと思います。そうした中、相互理解を深めることはできるとお考えでしょうか。

A:玉城知事とはこれまでも何回か、別の機会でお会いすることがありましが、今回こういう形で沖縄を訪問して、玉城知事とお会いすることができた。そして、色々な意見交換ができたということは有意義だったと思います。それぞれ難しい課題でありますから、意見の食い違いというものは当然あったとは思います。ただ、それだからと言って、意思疎通をしていかなければいけないと思いますから、そういう意味で時間を掛けて我々の考えをお伝えして、また、できる限りの御理解を得られるような努力を今後とも続けていきたいというふうに思います。

Q:今の質問に関連してなのですけれども、努力を続けていきたいということなのですけれども、具体的な努力の受け皿になる、例えば今も枠組みがあって、普天間の負担軽減推進会議ですか、これについては早期の開催を沖縄県側は求めているわけですけれども、大臣としてそれへの受け止めというか、早期開催すべきだという認識では一致しているのか、教えてください。

A:沖縄との間ではそういう対話の枠組みが既にございます。そうした場を活用しながら、前向きな議論をしていければというふうに思っています。

Q:早期の開催についてはいかがでしょうか。

A:早期というのがどれぐらいかというものもありますし、相手との調整ということもありますから、そうしたことも含めて建設的な意見交換ができればというふうに思っております。

Q:関連します。沖縄出張で、大臣、先ほども言及ありましたけれども、キャンプ・シュワブも視察されました。大浦湾海域、今後工事が始まる大浦湾の海域では、今後地盤改良を伴う難工事も予想されていますが、実際に現場を視察されて改めて、工事を進める是非についてどのようにお感じになったか教えてください。

A:先ほども申しましたけれども、南側につきましてはまず②-1の部分の埋め立てが進んでいます。工事が着実に進捗しているという実感を受けたところです。北側につきまして、地盤改良が必要だということでありますけれども、合理的な設計・施工を追求した上で変更承認申請書を沖縄県に提出しているところであります。これは羽田、あるいは関空で使用実績のあります一般的な、そして、施工実績が豊富な工法で地盤改良を行うということでございます。そうしたこと等を提示して、有識者の技術検討会にお示しをし、そして内容を確認していただいているところでございます。大規模な工事であることは間違いありませんけれども、防衛省としては、普天間飛行場の1日も早い全面返還に結び付けるべく、辺野古の移設に向けた工事を着実に進めてまいりたいと思います。

Q:防衛費の関係でお伺いします。先日、アメリカのエスパー長官がですね、安全保障のただ乗りは許されないというふうに言って、同盟国日本も含めてですね、最低でもGDP2%以上を防衛費として増額するようにという期待感を示しています。今後日米間で駐留経費の話なんかも入ってくるかと思います。この発言についてどのように受け止めていらっしゃるかをお願いします。

A:エスパー長官の発言については承知をしているところでございますけれども、米国と同盟国との役割分担について一般的な発言をされたというふうに承知をしております。この件については、コメントを差し控えさせていただきたいと思いますけど、わが国を取り巻く安全保障環境は非常に厳しいものがあります。その中で主体的・自主的な努力によってわが国自身の防衛力をしっかり強化をしていくことが重要であると思いますし、そのために必要な予算を着実に確保していきたいと思います。

Q:三菱重工が小型ジェット旅客機の事業化を凍結する方向で最終調整していると報道がありました。三菱重工が次期戦闘機でも応募していると思いますけれども、今後の次期戦闘機の開発に与える影響についてどのように御覧になっているかお願いします。

A:三菱重工の件の報道については承知をしているところでございますが、民間の航空機に関することでありますので我々としてお答えする立場にないと思います。次期戦闘機の開発については、現在、三菱重工との契約に向けて必要な手続きを進めているところであります。三菱重工に対してもですね、この開発の意志に影響がないというふうに確認をしております。加えて、防衛省としてこれまでに実証研究を通じまして、戦闘機関連技術の蓄積・高度化を図ってきております。次期戦闘機の開発に必要な技術を国内に蓄積してきているこういう状況でありますので、航空優勢を将来にわたっても確保していくために、引き続いてFXの開発を着実に進めていきたいと思います。

Q:9月の末に交渉がありましたプロジェクト管理の関係でお尋ねします。今回の管理状況の中でも先だって配備計画が停止になりましたイージス・アショアについてなんですが、重点管理の対象品目の中に依然として入っております。対象装備品目から外すには大臣の指示が必要だというふうに認識しているのですけれども、今回外されなかったのは、やはりイージス・アショアというのが最終的に選択肢として残っているからなんでしょうか。確認させてください。

A:これまで20品目のプロジェクト管理重点対象装備品を選定しております。イージス・アショアを除く19品目についてはですね、ライフサイクルコストの現状を公表しているところでございますけれども、イージス・アショアについては、平成30年4月、配備地決定前でありました。そうしたことから、ライフサイクルコストを選定することが難しいということでございましたけれども、非常に有用な大規模なプロジェクトでありますし、プロジェクトの対象として選定したところでございます。それ自体が変わってきておりますけれども、まずは代替案の議論を踏まえて、先に、どのようになっていくのかということを踏まえまして検討をしていきたい、こういうふうに思っております。外すということではなくて。

Q:代替案を含めて、プロジェクト管理に引き続き載せていくといことで理解してよろしいですか。

A:そうです。

Q:さっきのFXの質問に関連してなんですけれども、開発の意思に変更がないと確認しているとあるんですが、これは現時点で、今日とか昨日、確認されたということでよろしいですか。

A:今日ということではないですけれども。

Q:この報道があってから。

A:この度の段階で、三菱重工とも確認をしたと。すみません、今朝です。

Q:馬毛島へのFCLP移転計画なんですけれども、今日、県知事と地元の首長が意見交換会、県が意見を聴取するという形なんですが、やっています。基地の運営に地元の理解というのは不可欠かと思うのですが、どのように取り組んでいくか、改めて聞かせてください。

A:馬毛島についてでございますが、まず、自衛隊の施設整備について、住民説明会に先立って中種子島町議会、南種子町議会、そして西之表市の区長会から説明の要請がありまして、昨日、説明を実施したところでございます。いずれも、本省の課長級の人間が参りまして、副大臣が8月7日に西之表市で説明会をやりましたけれども、その時の内容と同様のことを説明をしております。すなわち、施設整備の必要性、配備される部隊のイメージ等を説明してきた、こういうことであります。馬毛島における設備ですね、自衛隊の施設の整備に当たっては、地元の御理解を得ていくということ、御協力を頂くということが大変重要であると、このように認識をしております。一つ一つ丁寧な説明を積み重ねながら、御理解をいただいて参りたいと、こういうふうに思っています。中身については、先方の主催であったこともありますので、私の方からは差し控えさせていただきたいと思います。

以上