防衛大臣臨時記者会見

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日時
令和2年9月16日(木)25:15~25:45
場所
防衛省A棟11階第1省議室
備考
岸防衛大臣就任会見

Q:御就任おめでとうございます。先ほど官邸での会見で、ミサイル防衛について「年度末までに方向性を示す」と述べられましたが、「年末」という認識でお間違いないでしょうか。

A:失礼しました。間違いであります。「今年末」の間違いです。

1 発表事項

 防衛大臣を拝命いたしました、岸信夫でございます。どうぞよろしくお願いします。今日は本当に遅くまでお待ちをいただきまして、ありがとうございます。国家の存立と国民の生存を守るという、崇高かつ国家の根幹に関わる任務を担うことになりまして、大変光栄に感じるとともに、自らの職責の重さを痛感しているところでございます。今般、就任にあたりまして、菅内閣総理大臣より、以下の7項目の指示を頂いております。1つ目は、国家安全保障会議の下、国家安全保障政策を一層戦略的かつ体系的なものとして実施していくこと。また、抑止力強化のため、ミサイル阻止に関する新たな方針について、今年末までにあるべき方策を示し、速やかに実行に移すこと。2つ目は、防衛大綱・中期防に基づき、宇宙・サイバー・電磁波等の領域で優位性を確保し、すべての領域を横断的に連携させた、真に実効的な防衛力を構築すること。3つ目に、日米ガイドラインの下、自衛隊の役割を強化し、抑止力を高めること。また、北朝鮮の脅威を抑止するため、米国と協力し、防衛態勢と能力の向上を図るために取るべき具体的な行動を進めること。さらに、北朝鮮による瀬取りの監視等、国連安保理決議の完全な履行のための取組みを推進すること。4つ目に、インド太平洋地域における自衛隊の積極的な活動を通じ、地域の安定化に寄与していくこと。また、日米同盟の絆を強化するとともに、二国間・多国間の防衛協力・交流を進めること。5つ目に、普天間飛行場移設を含め、抑止力の維持を図るとともに、沖縄をはじめとする地元の負担軽減を実現すること。6つ目に、領土、領海、領空の警戒警備について、情報収集を行うとともに、わが国の法令に基づき適切に対処すること。最後に、平和安全法制に基づく自衛隊の任務の着実な遂行に万全を期すこと。また、相次ぐ自然災害への対処のため、取組みを一層充実させること。加えて、平和安全法制に関する事務を担当し、国民に対して、丁寧かつ分かりやすい説明を尽くすよう、併せて御指示いただいているところでございます。以上に挙げたような総理の御指示に基づいて、防衛大臣として、約25万人の自衛隊員とともに、国民の皆様の負託に応えるため、わが国と世界の平和と安定のために全力を尽くす所存でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

2 質疑応答

Q:大臣は、福田政権、麻生政権で防衛政務官をお務めになられていたと思うのですけれども、10年前と違って、安全保障環境はだいぶ変わっていると思うのですけれども、防衛省・自衛隊をどう先導していくお考えでしょうか。

A:今お話しのとおり、前回、今から12年前になりますけれども、福田内閣、そして麻生内閣で約1年1ヵ月、政務官を拝命いたしております。当時ももちろんいろいろ言われておりましたけれども、安全保障環境、格段に今、厳しくなっています。また、不確実なものというふうになっていると思います。防衛省・自衛隊が対応すべき領域も、これまで陸・海・空ということに加えて、宇宙・サイバ―・電磁波といった新しい領域も広がっているところであります。冒頭にも申し上げましたとおり、私としては、総理からいただいた御指示も踏まえつつ、防衛大臣として世の中や時代の変化を敏感に感じ取りまして、常に柔軟な発想で25万人の隊員の先頭に立って、国民の皆様の負託に応えるため、わが国、また世界の平和と安定に全力を尽くしてまいりたいと考えております。

Q:中国についてお伺いいたします。今おっしゃったように、安保環境が格段に厳しいという中で、中国は軍拡も海洋進出も著しいわけですが、大臣は、中国の現状を日本に対する脅威と呼ぶべきというふうにお考えになりますでしょうか。

A:わが国を取り巻く安全保障環境は非常に厳しくなっている中で、中国の軍事力も大変強くなってきている。そういう中で、中国に対して、わが国を含む地域、国際社会の安全保障上の強い懸念となっていると言えると思います。今後とも、強い関心を持って注視していく必要があると考えています。いずれにいたしましても、中国との間では懸念が存在しているからこそ、話し合いが必要であると。引き続き中国との防衛交流を推進しながら、また、日中防衛当局間での相互理解・信頼醸成を進めると同時に、中国がインド太平洋地域の平和と安定に責任ある建設的な役割を果たして、国際的な行動規範を遵守するとともに、国防政策や軍事力に係る透明性を向上するように促していきたいと思っております。

Q:この地域における懸念としては、中国と台湾の問題があると思うので大臣のお考えをお伺いしたいのですが、中国と台湾の間で、紛争が起きた場合にですね、日本には在日米軍もあるわけですが、中国と台湾で紛争が起きた場合に日本はどういう状況に置かれて、どういう役割を果たすべきだとお考えでしょうか。

A:台湾も、わが国にとっては大変重要なパートナーであることは間違いないわけでございます。台湾を巡る問題に関しましては、当事者間の対話によりまして、平和的に解決されることが、また、地域の平和と安定に寄与していくということを期待したい、こういうふうに思っております。いずれにしても、中台間の平和と安定しているということは、わが国にも大変大きな意味があるというふうに感じております。

Q:日本が果たすべき役割については、何かお考えはありますでしょうか。

A:台湾とはですね、わが国も非常に実務的な、大変良好な関係を維持しているわけです。中国は、日本とも同じく近隣の国としてですね、様々な交流を進めております。そういう意味からも、台湾、そして中国との間でしっかり対話がなされていくことを、我々としても見守っていきたいというふうに思っております。

Q:冒頭にあった沖縄の基地負担軽減についてなのですが、大臣の御地元にも岩国基地がありますけれども、沖縄の基地負担軽減、これまでどう捉えてきたのかということと、大臣として今、特に辺野古の問題で沖縄側の理解が得られない状況で工事が進んでいる状況がありますけれども、どう取り組んでいくお考えなのかお願いします。

A:沖縄、戦後長らくですね、わが国の施政権の外に置かれまして、戦後70年以上経った現在でもなお、大きな基地負担を負っていただいております。この現状については、当然、是認できるものではないというふうに考えております。沖縄負担軽減自体は、これまでは安倍政権の最重要課題の一つとして、「できることは全て行う、目に見える形で実現する」という強い思いで、政府として取り組んできたところだと思います。菅新政権においても、沖縄の基地負担軽減が最重要課題であるということに何ら変わりはありません。総理からも沖縄の負担軽減を実現するように指示を受けておりまして、引き続き、全力で取り組んでまいりたいと思います。

Q:近いうち、早い段階で沖縄に行かれるようなお考えはありますでしょうか。

A:今後ですね、そういったことも考えてまいらねばならないかなというふうに思っています。

Q:イージス・アショアの代替策についてお伺いします。今年6月にですね、配備を断念したということで、代替策の検討をしているところだと思うんですけれども、報道等によると、中々、代替策が非常に決まるまでにですね、非常に難しい状況になっているということだと思いますが、今年6月に配備を断念したという前河野大臣の判断について適当だったかということと、今後は代替策をですね、どのように技術的な問題をクリアしながら決めていくお考えか、教えていただけますでしょうか。

A:わが国を取り巻く安全保障環境は非常に厳しさを増している中でですね、わが国のミサイル防衛能力の強化、弾道ミサイルの脅威からの国民の命と平和な暮らしを守り抜く態勢ということについて、更に議論していく必要があると考えてます。今後のミサイル防衛の在り方については、国家安全保障会議における議論を踏まえまして、防衛省においても鋭意検討を進めているところであります。今後のスケジュール等についてはですね、令和3年度の概算要求に係るスケジュールを考慮しつつ、国家安全保障会議における議論を踏まえながら、更に検討をしていきたいというふうに思っております。

Q:ブースターの落下の問題で配備を断念したということがありましてですね、改修すると10年、更にコストも時間もかかるということで断念されたと思うんですけれども、前大臣がですね、そういった御判断については、どのようにお考えになっていますでしょうか。

A:これにつきましては、配備に関しまして地元に約束していたことができなくなった。今年6月に配備のプロセスの停止、配備候補地の断念について判断がなされたわけでございます。こうした決定に至った経緯につきまして、河野大臣の指示の下で確認作業をしっかり行って、先般、9月4日にその結果が公表されたものでございます。また、これについてもですね、しっかり私としても説明を受けて考えてまいりたいと思います。

Q:辺野古の問題についてお伺いしたいんですけれども、今日、玉城知事が、「沖縄県としては司法ではなく対話による解決を求めたい」ということをコメントを発表されていました。今後ですね、沖縄県と話し合いの場を設けるお考え等はありますでしょうか。

A:沖縄の辺野古の移設についてはですね、元々、普天間基地の危険性の除去が根本にあるわけでございます。これを1日も早く除去していかなければいけない。そのために、普天間の固定化ということは絶対あってはならないわけであります。これについては、地元とそれから政府との間でも共通認識というものはあると考えております。日米同盟の抑止力の維持と、普天間飛行場の危険性の除去、これを考え合わせたときに、辺野古の移設が唯一の解決策だろうという、こういう方針に基づいて着実に工事を進めていくことこそが、この普天間飛行場の1日も早い返還に繋がってくると、その危険性を除去することに繋がるというふうに考えてきたところであります。総理からも、この沖縄の負担軽減を実現するよう指示を受けているところでございます。防衛省として、引き続き普天間飛行場の危険性の除去と、辺野古への移設に対する考え方、沖縄の負担軽減を目に見える形で実現するという政府の取組みについて丁寧に説明をし、地元の皆さんの御理解・御協力を得られるように努力をしてまいりたいと思います。

Q:ミサイル防衛の関連でお聞きします。首相談話では、ミサイル阻止に関する安全保障政策の新たな方針を検討するということですけれども、安倍総理御自身がかなり強い思いをもって議論をリードしてきた。その総理御自身が辞められたことで、議論が停滞するのではないかという指摘もありますけれども、大臣御自身、ミサイル阻止、また敵基地攻撃についてどのようにお考えでありますでしょうか。

A:安倍総理の9月11日の談話ですね、これは政府としての問題意識と検討の状況を改めて整理をした上で、今後、与党ともしっかり協議をさせていただいて、今年末までにあるべき方向、方策を示していく、厳しい安全保障環境に対応していくとの考えが述べられているところでございます。防衛省としては、この談話及び今般の菅総理の御指示ですね、これを踏まえまして、憲法の範囲内で、国際法を順守しつつ、また専守防衛の考えの下で、わが国の平和と安全を守り抜いていくということにつきまして、引き続き検討を重ねていきたいと思います。

Q:この敵基地攻撃能力の保有、阻止力の保有について、安倍総理と何かお話しされたことはありますでしょうか。

A:個人的には特にそういう問題について話したことではございません。

Q:中国について伺いします。中国外務省の汪報道官が16日の記者会見でですね、新政権発足に関連して、「日本が一つの中国原則を順守し、台湾とのいかなる公式な往来も避けるよう希望する」と会見で述べられました。岸さんは先月台湾を訪問されていると思いますが、この会見のコメントについての受け止めと、今後在任中、台湾を訪問するかについて伺いたいと思います。

A:台湾は、わが国にとりましても、基本的な価値観を共有する重要な、緊密な経済関係と人的往来を有する極めて重要なパートナーであり、大切なわが国の友人でもあります。そのうえで、日本の台湾に対する基本的な立場としては、1972年の日中共同声明のとおり、台湾との関係を非政府間の実務関係として維持していくということで、わが国の立場は一貫しているということであります。防衛省としても、台湾との関係については、こうした立場に基づいて対応していくということであります。

Q:そうしますと、在任中の訪問は、防衛大臣としての訪問は御検討されていないということなのでしょうか。

A:政府の一員として、適切に考えていきたいと思います。

Q:先ほど、総理官邸でも会見でお話された核武装について、先ほど総理官邸では、核兵器の製造や取得等は行わないと述べられました。一方、2012年の報道機関のアンケートでは、今後の国際情勢によっては検討すべきだ、との回答を選ばれていました。これは当時とお考えが変わられたのか、それとも閣内に入られたので持論を封じられたということになるのか、どちらでしょうか。

A:私、先ほど申しましたのは、内閣の一員としての防衛大臣として、わが国は唯一の被爆国でありますし、非核三原則が国是でございます。そうしたところで、NPTの締約国として、核兵器の製造や所持というものは行わないということを述べたわけでございます。わが国が核兵器を持つということはない、ということであります。

Q:大臣就任の会見の場でちょっと恐縮な質問ではありますが、先ほど、林芳正参議院議員が、次期衆院選において山口3区からのくら替えの出馬の意向を固めたと、一部報道でございましたが、県連会長として受け止めをお願いできますでしょうか。

A:私は報道に接していないところでございますので、この場でのコメントは差し控えさせていただきたいと思います。

Q:山口3区の問題はこれまでもたびたび取り沙汰されてきたと思うんですが、今回改めて報告を受けたりされたということはございますでしょうか。

A:特にございません。

Q:仮に出馬となればですね、これまでも党本部の意向と山口県連の意向は、必ずしも一致しないということもあったかと思うのですけれども、どういうふうに調整をされていきたいと思われますでしょうか。

A:これは選挙のことでもありますし、基本的には党本部で調整をするということになるのではないかなと思います。

Q:佐賀空港への自衛隊オスプレイ配備計画について質問します。このオスプレイ配備計画を、岸大臣は防衛上どのように重要だと認識していらっしゃるかということと、この配備要請をして6年が経っていますが、まだ計画に着手できていません。佐賀空港以外を最終配備地にすることを検討される可能性があるかどうか、お聞かせください。

A:今、お話がございましたオスプレイの佐賀空港配備について、平成30年8月に、佐賀県知事から受入れ表明を頂いて、これを受けて、佐賀県においては有明海との漁協との間で「佐賀空港を自衛隊と共用しない」との約束がある公害防止協定の見直しについて、知事が漁協に説明する等、漁協との協議を実施していただいているところでございます。防衛省としても、昨年8月の有明海の漁協全体に対する説明会に引き続きまして、9月からは、有明海漁協を構成する15の支所の方々へ、それぞれ佐賀空港配備計画及び漁業者の皆様の懸念事項について説明を実施させていただいたところでございます。これまでの防衛省からの説明を踏まえまして、今月10日に漁協内のオスプレイ等配備検討委員会が開催され、防衛省から地権者への説明を実施してほしい旨の要望が取りまとまったと承知をしていることころでございます。防衛省としては、有明海漁協の御理解・御協力をいただくために、引き続き誠心誠意をもって対処していきたいというふうに思います。早期にご要望に対応できるよう調整をしてまいりたいと思います。

Q:大臣は、抑止力を高める必要性についてどのようなお考えをお持ちなのか、あともう1点、より射程の長いミサイルを保有することについては、どのようなお考えをお持ちなのか、教えてください。

A:抑止力、様々な抑止力があると思いますが、わが国を取り巻く安全保障環境、非常に複雑化・不透明化しております。領域についても、陸・海・空のみならず、先ほども申しましたけれども、サイバーとか、宇宙・電磁波にも広がっているというところであると思います。そうしたところを総合的に、しっかり抑止力を働かせていかねばならない、こういうふうに考えております。

Q:射程の長いミサイルを保有することについてはいかがでしょうか。

A:全体的な整合性等ですね、そういうものを検討したうえでいかなければいけないものだと思います。

Q:大臣は、自民党内でも憲法改正問題について思いが強い先生のお一人だと思われるんですけれども、今は防衛大臣というお立場になられまして、憲法に自衛隊を明記するという自民党の改正案、叩き台について、どういうふうにお考えをお持ちでしょうか。

A:憲法9条の件については、自民党が提案している4項目の中の一つであるということは認識しているところでございますけれども、憲法議論自体は国会の憲法審査会で議論されるべきところでありますから、国民の中でしっかり議論を積み重ねていくべきものだと思っています。

以上