防衛大臣記者会見

日時
令和2年9月15日(火)11:05~11:22
場所
防衛省A棟11階第1省議室
備考
河野防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

 前回の会見9月11日(金)以降、2名の隊員が新たに新型コロナウイルスに感染していることが確認され、合計127名になりました。この2名も災害派遣には従事しておりません。今日の閣議におきまして、「自衛隊法施行令及び防衛省の職員の給与等に関する法律施行令の一部を改正する政令」が閣議決定されました。海上自衛隊の「情報業務群」を廃止し、「艦隊情報群」を10月1日に新編することとなります。「艦隊情報群」の新編により、海上自衛隊の主力部隊であります、自衛艦隊に対する情報支援機能が強化されるものと考えております。艦隊情報群の新編は、電磁波情報を始めとする、情報収集・分析機能をこれまでよりも強化するもので、定員は約200名から約230名に増員する他、部隊の統合による業務の効率化も図ってまいりたいと思います。昨日、わが国の防衛、警備に影響を及ぼすおそれのある空中における識別不能の物体を確認した際の報告につきまして、防衛大臣指示を発出したところであります。わが国の安全保障の観点から、空中における識別不能の物体を確認した場合にも、防衛省・自衛隊としてしっかり対応する必要があり、そのような場合の手順について検討を進めてまいりました。従来から対領空侵犯措置や警戒監視・情報収集の任務中を含め、わが国の防衛、警備に影響を及ぼす恐れがある情報を得た場合には対応してきておりますが、今回、識別不能の物体を確認した場合には報告に万全を期すこと、可能な限り写真撮影等の記録をすることに努めること、そして分析を行うこと。対領空侵犯措置、警戒監視・情報収集以外の任務でそのような情報を得た場合にもしっかり分析を行うこと、という指示を出したところでございます。これは、空中における識別不能の物体といっておりますが、宇宙から来た物体云々ということではなく、識別不能な物体ということでございます。前回記者会見で申し上げたときに「UFOを信じておりません」と言いましたら、「UFOというのは未確認飛行物体のことを言うので、宇宙から来たかどうかをお前が信じているとは関係ない」というメールをたくさんいただきましたが、宇宙から来ているかどうかではなく、識別不能の物体をしっかり記録して分析をしていくということが大事だということでございます。なお、宇宙作戦隊とはこの件は関係ございません。

2 質疑応答

Q:先ほどの未確認飛行物体の大臣指示なのですが、撮影などにトライするということですけれども、これまでに既に撮影したものはないという認識でよろしいでしょうか。

A:これまでにそうした遭遇をした記録はないということでございます。

Q:また、スクランブルを行う時は英語で相手に話しかけたりすると思うのですけれども、今回そういうものを見つけた場合というのは、日本語なんでしょうか、英語なんでしょうか。また、日米での連携をどのように考えていらっしゃいますか。

A:呼びかけるところまでいくのかどうかというのはよく分かりませんが、まず、撮影などをしっかりやって、分析できるように記録をしようということでございます。先般のグアムでの日米防衛大臣会談の中でも、時間を取ってこの問題について意見交換はいたしました。

Q:今日の閣議についてなんですけれども、安倍総理最後の閣議だったと思うのですけれども、閣議の雰囲気はどうだったのか。7年8カ月安倍政権続いてきて最後の閣議ですけれども、大臣はどのようなお気持ちで臨まれたのでしょうか。

A:閣議後の閣僚懇談会で最後の閣議という話が閣僚から出たところ、明日もということでございましたので、もう1回あるのかなと思います。

Q:雰囲気はどうでしたか。

A:特に変わりはありません。

Q:菅総裁が誕生しました。昨日の会見で総裁は、デジタル庁の創設をおっしゃっていました。大臣はかねてからツイッター等のSNSを通じて、自衛隊の後方支援やご自身の政策等を幅広く伝えてきたと思うのですけれども、このデジタル庁について大臣はどのように感じていらっしゃいますか。

A:更に詳しい話が総裁からあると思いますので、まずそれを聞いてみたいと思います。

Q:閣議は明日もあるということですけれども、安倍政権としては7年8カ月、大臣も重要な閣僚を務めてこられまして、新たな菅総裁の下でやっていくと思うのですが、これまで7年8カ月振り返ってみまして、どのようなことに取り組んできたか、色んな感想を教えていただけますでしょうか。

A:安倍政権では、行革担当、防災担当大臣、国家公安委員長、その他諸々の大臣をやらしていただいた後、外務大臣、防衛大臣とやらせていただきました。日米同盟が非常に強化されてきたということ、それからファイブ・アイズをシックス・アイズにしようというような話がイギリスの外務委員長から出る等、外交面において日本の存在感というのがしっかり出せてきたのが、この7年8カ月だったのではないかなと思っております。私自身も国連でパレスチナの関連の会合の共同議長をやってくれと言われたり、あるいはミャンマー、あるいはカンボジアの問題でG7の共同宣言、あるいは国連の様々な決議案で欧米の提案と少し違う日本の提案というものが受け入れられたりということがございました。日本の立ち位置というのが少しずつ明確になってきたと思っております。また、安全保障ではやはりこの東アジアの安全保障環境が急速に厳しくなってきている中で、やはり領土、領海、領空、国民の皆さんの平和な暮らしを守るためにどうするか、真剣な議論が必要だと思いますし、国民の皆様の御理解をいただきながらやるべきことをしっかり進めていかなければいけないと思います。

Q:先ほどの識別不能物体の確認のときの指示の話なのですが、半年ぐらい前の話ですが、サウジアラビアの油田にフーシ派かどうかあれですけれどもドローンが攻撃をして、一時的にせよ製油能力の50%ぐらいダウンする事件がありました。あるいは中東のいろんな紛争の中でも、かなりドローンによる無人攻撃が行われていると伝えられていますけれども、こういうことも念頭にあるのでしょうか。

A:そういうことが念頭にないと言ったら嘘になると思います。様々な技術が進んでいる中で、これまでになかったような物が生み出される可能性というのは十分にあるのだろうと思います。そういう中で、我が国の国土の防衛に必要な情報というのは事前にしっかり集めたうえで分析をし、対処が必要なものについては対処を考えていかなければならないと思いますので、今回のは、ただ宇宙から来たかもしれない未確認飛行物体を探そうということではなく、もう少し地に足がついた情報収集と考えていただいてよろしいのではないかと思います。

Q:一般論として国籍不明機の方ですと、どこかの国からジェット機で飛んできますけれども、ドローンの場合ですと極端な場合、日本国内からカバンの中から取り出して飛行させる、飛行場付近を飛ばすとか、他にもいろんなあれが考えられると思いますけれども、特に原発の付近で飛ばすとか、リスクも念頭に置かれているのでしょうか。

A:ドローンについてはドローン法で様々規制が行われますので、ドローンについてはそれなりに警察をはじめ様々対応が行われると思います。

Q:自民党役員人事について伺いたいと思います。今日正式に決まるとは思うのですけれども、いわゆる党四役に関して、二階派から二階幹事長が続投、総務会長に麻生派の佐藤さん、政調会長に細田派の下村さん、選対委員長に竹下派の山口さんと、数多く報道されております。菅さんは派閥に関しては否定的な立場を取られておりました。一方で、人事に関しては支持を表明した派閥、均衡に処遇するという人事を充てる模様ですけれども、この人事、自民党役員人事についてお考えをお聞かせください。

A:様々報道が行われているのは承知をしておりますが、まだ正式な発表がありましたか。ないですよね。

Q:四役は別として、総裁はもう既に選出されました。菅新総裁、事実上今後総理になりますけれども、どういったことを期待したいのか。また、党なのか閣内か閣外かは別として、河野太郎としてどういうふうに支えていきたいとお考えでしょうか。

A:自由民主党というのは、活発に議論をして、決まれば一致団結していくというのがこれまでも自由民主党の良いところであったと思います。総裁選が終わりましたので、新総裁を中心にしっかりとまとまって、コロナ禍ではありますけれども、日本の経済をしっかりと再起動をしていく。また、先ほど申し上げましたように、外交面でも日本の存在感をこの安倍政権で出せるようになってまいりましたので、それをしっかりと継続していく。そういうことになろうかと思います。

Q:先週の金曜日に安倍首相が、ミサイル阻止に関する首相談話を出しました。これに対する受け止めと、その中で年末までにミサイル防衛、イージス・アショアの代替策とか、抑止力に関する方向性というのを出すと思うのですけれども、その議論の進捗状況いかがでしょうか。

A:周辺の国々が盛んに新たなミサイル技術を獲得している中で、今後わが国をどのように守っていったら良いのかという議論は、しっかりやらなければいけないということだと思います。安倍総理の気持ちというのは、新総理にも受け継がれていくのだろうというふうに思っております。防衛省としてまず、イージス・アショアの代替策について議論をしているところであります。また、抑止力をどのように強化するかということについても、NSCでかなり活発な議論が行われてきております。

Q:アショアの代替策については、今議論しているところだということですが、今回の9月の概算要求には間に合いそうなんでしょうか。その辺の具体的な進捗を教えてください。

A:様々議論しなければいけませんし、技術的な検討もしていかなければいけないと思っておりますので、年末の予算をめがけてさまざま検討してまいりたいと思います。

Q:大臣は6月に、アショアの配備計画を停止するということを発表されまして、その時から今に至るまで、就任中に道筋を付けられなかったということになってしまうと思いますが、そのことについて6月にあのような形で発表したことが正しかったか、お考えをお聞かせください。

A:そう思います。

Q:理由も併せてよろしいでしょうか。

A:それは地元にお約束したことができないわけですから、他に選択肢はなかったと思います。

Q:今日発売になるそうなんですが、アメリカのジャーナリストのボブ・ウッドワード氏が、トランプ政権がかつて、アメリカ軍が北朝鮮に対して核兵器を使用する可能性があったという計画をしていたという内容の著作が今日、日本でも発売されるそうなんですが、その事実関係、もし御存知でしたらということと、それが事実だった場合どのようにお考えになるか、教えていただけますでしょうか。

A:その本を読んでおりません。

Q:新総裁の下での新閣僚又は党役員人事、何か御自身に打診はあったのでしょうか。

A:ありません。

以上