防衛大臣記者会見

動画版

日時
令和2年9月8日(火) 14:40~15:03
場所
防衛省A棟11階第1省議室
備考
河野防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

 台風10号、通過直後から被害状況の把握に防衛省・自衛隊として努めてまいりましたが、昨日、北大東島に沖縄電力の社員12名、これは停電復旧に当たるため、それから宮崎県の椎葉村で発生した土砂崩れによる行方不明者の捜索に協力するために、国交省の土砂災害の専門家をヘリコプターで近傍に輸送いたしました。また、九州電力、四国電力の職員と共に、上空から電力施設の被害状況の確認を行っているところでございます。新型コロナウイルス、前回の会見が9月4日金曜日でしたが、それ以降、3名が新たに感染し、合計121名の感染をこれまでに確認したところです。この3名については、いずれも沖縄県の災派、あるいは、今回の災害派遣に従事した者ではなく、市中感染とみられます。

2 質疑応答


Q:台風の災害派遣ですが、今回このコロナ禍の中での課題というのは何かあったのでしょうか。

A:今回は非常に大きな台風ということで、鹿児島県の十島村から約200名、台風の通過前に移動していただくという災害派遣の要請を受けたオペレーションを行い、その他、2万2千人態勢で待機しておりました。当然にコロナの感染リスクというものがございますので、隊員には通常どおり感染予防のための様々な対応をするということで、待機し、また様々な業務に当たってくれているところです。今後ともしっかりと気を付けてまいりたいと思います。

Q:UFOについて、対処方針についてお伺いします。5月でしたか、この場で聞いたときに、検討していくというお考えでしたが、検討状況はいかがでしょうか。また、日米での連携、未確認飛行物体を見つけたときの日米の連携についてどのように考えていらっしゃいますか。

A:対処方針については、もう間もなくでございます。日米につきましては、先日のグアムでのエスパー長官との会談の中でも、話題に上りました。詳細についてつまびらかにすることは差し控えなければなりませんが、今後ともしっかり連携してまいりたいと思います。

Q:今後ともということは、これまでもUFOについて連携していたということでしょか。

A:詳細について、つまびらかに申し上げるのは差し控えたいと思います。

Q:今日、自民党総裁選が告示されました。かねてから大臣は、菅長官の支持を表明されていますけれども、3人の所信についてお聞きになりましたでしょうか。

A:3人とも、それぞれの個性を出された所見の表明だったと思います。自民党として、様々な有為のある方々が、こうして議論し、総裁選挙の後、しっかりと一つにまとまる、これが自民党の良いところだと思います。

Q:ミサイル防衛に関してですが、報道では、今週末にも安倍総理がミサイル防衛体制を含む、安全保障戦略についての談話を出すというような報道もありますけれども、今の検討状況はどのようになっていますでしょうか。

A:政府内で精力的に検討しております。具体的なスケジュールについて、まだ申し上げられるような段階ではないということです。

Q:関連しまして、NSCでは抑止力についての議論をしているところだと思うのですけれども、新たな抑止力についての検討状況はどのようになっていますでしょうか。

A:抑止力、拒否的抑止、懲罰的抑止がございますが、懲罰的抑止に関して言えば、日米同盟の中で行われるもので、特に役割を変更するということではございません。こうしたミサイルの脅威の中で、今後どのようにするか、NSCの中でもしっかり議論してまいりたいと思います。

Q:ミサイル防衛、新たな抑止力とか、そういう質問をすると、大臣は今のようにお答えいただけるのですけれども、敵基地攻撃については今どのような段階なのでしょうか。

A:特に敵基地攻撃という議論は、今、ないのではないでしょうか。

Q:そうすると、この前の自民党提言では、鳩山答弁が引用されていましたけれども、鳩山答弁というのは敵基地攻撃の議論をしていた中で出てきた答弁なのですけれども、あの提言と敵基地攻撃能力は関係がないということでしょうか。

A:鳩山答弁というのは、おそらく時期的にスプートニックが打ち上げられる更に前の時代で、要するに、当然、日本もミサイル能力を持っておりません、周辺国の中でそのような能力を持っている国も極めて限定される中で、おそらく、法理上の議論としてどうなのという議論が行われたのだと思います。近年、様々な国がミサイルの能力を獲得する中で、今度は現実的に、わが国をどのように、そうした脅威から防衛するのかという議論をせざるを得なくなっているということで、法理上の議論から現実の脅威にどう対処するかという、少なくともフェーズが変わっているのではないかというふうに思いますが、法理上の解釈という意味では、その頃の解釈というのが今も引き継がれているということなのではないでしょうか。

Q:そうしますと、抑止力、新たなミサイル防衛という言い方をしても、これまでの答弁であったり、見解であったりの積み重ねというのは維持された上で話をしていくということになるのでしょうか。

A:憲法を含めた法令の範囲内での議論というのが、このNSCの中でも行われていると思います。

Q:今、NSCや防衛省の中で、敵基地攻撃能力という言葉を使わないという合意があったり、指示とかはされているのでしょうか。

A:特にないと思います。

Q:先日お尋ねした陸自の富士の合同調査会同、これは取材OKとなりました。ありがとうございました。明日・明後日の開催で昨日の夜9時近くにメールで入ってきまして、それで下の記者室にもそういう掲示もなくて、僕だけにしか来ていなかったのではないかなと。あまりにも直前なので、実質的に取材の予定も組めないよねと。しかも、写真撮影を全面禁止だというお話だったので、これは行く人がいないんじゃないか、そういうことを狙ってこういうことをやったんじゃないかなと、邪推といえばそれまでなんですけれども、大臣いかがでしょうか。

A:邪推だと思います。

Q:これで普通だと思いますか。

A:普通かどうかは分かりませんけれども、努力をしていただいた。

Q:諸外国で言うと、はっきり言ってお子様レベルで全然開示している情報を、自衛隊は全部隠すんですよね。自衛隊は隠すことが生業になっているので、大臣に対する説明が遅れたりとか、日報隠しとか、そういう体質があるんじゃないですか。

A:関係ないと思います。

Q:大臣はじゃあ、諸外国で公開されているような情報は、自衛隊は隠しても構わない、隠しても是だとお考えですか。

A:そんなことは言っておりません。

Q:総裁選についてお伺いしますけれども、先ほど大臣、3人の方がそれぞれ所信を示して、そのあと一つにまとまるのが自民党のいいところだと思うというふうにおっしゃいましたけれども、まとまった自民党、新しい自民党の体制の中で、政治家河野太郎としてどういった役割を果たしていきたいというふうにお考えでしょうか。

A:こういうコロナ禍で、いかに日本経済を起動させていくか、また、ポストコロナの国際社会の中でいかに自由社会と強権社会が分断しないようにするか、国内・国外様々な課題があると思いますので、与えられた場でしっかり役割を果たしていきたいと思っております。

Q:日米同盟の今後の在り方について大臣のご見解をお尋ねいたします。トランプ政権は露骨な対中強硬姿勢もさることながら、イスラエルへの肩入れの一環として、ラジカルな対イラン強硬政策を打ち出しています。イランへの軍事行動を起こさないとも限りません。イランは旧来、資源に乏しい日本を支えてきた国ですが、今後もアメリカに追従してイランへの軍事行動に協力することは、自衛隊員を命の危険にさらすのみならず、経済的にも、倫理的にも、結果として日本を貶めるようなことになるのではないかと思われるのですが、そのあたりについて、大臣のご見解を具体的にお聞かせ願えれば、大変ありがたく存じ上げます。

A:現時点でアメリカがイランを攻撃する、軍事行動を起こすということについて、その可能性が高まっていると言えるような情報・材料はないのではないかと思います。

Q:防衛装備庁が近く発足から5年を迎えるのですけれども、この5年間の評価と、今後の課題について大臣のお考えをお願いします。

A:様々、防衛省・自衛隊、機構の改革というのをやってまいりました。つい先般、フィリピンへの国産レーダー、これが供給されるということも決まりました。さらに、FMSの改善に向けた努力というのが続いている、様々な今後自衛隊に必要な技術の研究・開発にも着手できてきているというようなプラス面はあると思います。引き続き、非常に限られた我が国の防衛予算の中で、今後の研究・開発にどういう優先順位をつけていくのか、あるいは装備品の開発や調達に関して、どのように優先順位をつけていくのか、あるいは正面装備だけでなく、部品あるいは弾薬といったものをどのように併せて調達をしていくのか、やらなければいけないことは山積みだと思いますが、今の現状の財政状況に鑑みて、大幅な防衛予算増というのはなかなか難しいということを考えると、やはり優先順位をしっかり付けるということが大事になってくるかと思いますので、そこは積極的な判断が求められるところだと思います。

Q:大臣の方からも触れられましたけれども、フィリピンへのレーダー供給が先般決まりまして、5年間で完成品の輸出はこれが初めてのケースということなのですけれども、5年間で1件という評価については、どのように考えていらっしゃいますか。

A:今後もう少し、様々な協力をできるような体制を築きつつあると思っておりますので、そうしたことを通じて、色々な国と防衛協力が進展していくような、そういう努力をしてまいりたいと思います。

Q:最後に一点なのですが、防衛装備庁は2兆円規模の調達を担っている役所になりますけれども、装備庁長官ご自身の記者会見というのは現状やっていなくて、透明性とか説明責任ということを考えるなら、長官の記者会見をやるべきではないかと思うのですけれども、大臣としていかがでしょうか。

A:それは大臣の記者会見の中で、どうぞ聞いてください。

Q:諸外国では、米国防総省を含めて、飛行機、例えば戦闘機や輸送機等、時間当たりの経費、「コスト・パー・フライトアワー」というのを明らかにしていることが多いのですけれども、自衛隊でも明らかにするべきじゃないですか。例えば、時間当たりの経費だけじゃなく、年間の経費であるとか、そういうことをやるべきではないでしょうか。例えば、F-35は、アメリカ空軍の場合、時間当たり約3万5千ドルという経費が掛かっています。財務省によると、C-2輸送機の経費がこれ以上だというふうに言われているんです。そうしますと、アメリカのC-2だと約6千ドル、ペイロードが3倍のC-17は1万5千ドル、そういうことを比べると、非常にC-2というのは維持コストが高いということがわかると思うのですけれども、こういうことが普通に国民、あるいは国会で議論されるべきだと思うのですけれども、いかがでしょうか。

A:検討します。

Q:新たな抑止力に関する議論に戻るのですけれども、先ほど大臣は、これまでの法理上の議論から現実の脅威に対処する方向へ、フェーズが変わっているというふうにおっしゃったのですけれども、これまで、過去の答弁では、敵基地攻撃能力を政策判断として持たないというふうにしてきたわけですけれども、現実の脅威に対処するために、この部分の、今までの政策判断を変える必要があるとお考えでしょうか。

A:抑止力をどうするかという議論が大事なので、あまり特定の言葉にこだわった議論というのは意味がないと思っております。

Q:言葉にこだわらずとも、具体的な対処する能力について政策判断を変える必要があるかという質問なのですけれども、いかがでしょうか。

A:抑止力をいかに高めていくかという議論が必要だ、そういう判断で議論を行っているということです。

Q:先日の記者会見で、イージス・アショアの検証の件で、どこまで報告が上がっていたかというところで、次官までどう上がっていたのかというところで、詳細については承知していないということだったのですけれども、その後の事務方の説明で、次官は最初から知っていたということだったのですけれども、このことについてどうお考えですか。次官は最初から知っていた、つまり、発覚した早い時期から知っていたと。その間、大臣に報告していなかったということになるのですけれども、このことについてどうお考えでしょう。

A:「ハードウェアの改修が必要なのではないか」ということであったと思いますので、それが実際どうなのかという判断に必要な情報が集まってから私のところへ報告があったということで、特に判断に変更があったということにはならないというふうに思っております。ただ、悪い情報は早めに上げろということを、やはり、もう少し私の方で徹底をすべきだったかなというところは、私の反省として、そこは徹底させておくべきだったと思います。

Q:陸上自衛隊の偵察ヘリOH-1に関する、エンジンの改修の試験がらみの計画が伸びに伸びて、最終的には中止の公告が出ているという話なのですけれども、防衛省としてOH-1は用途廃止にするのでしょうか。それからもう一つ、ヘリがらみでいうと、AH-64のD型のサポートが2025年で終了するのですけれども、そうなると鉄くずになるというわけです。これを用途廃止にするのか、あるいは近代化をするのかということは、大臣何かご存じなのでしょうか。

A:方針が決定したら公表します。

Q:抑止力の関係でお伺いします。先ほど大臣は、「拒否的抑止力」ということをおっしゃったのですが、それは、大臣としてはどういうイメージ、お考えをお持ちでしょうか。

A:「拒否的抑止」というのは、日本に向けて撃たれたミサイルを迎撃して撃ち落とすということです。

Q:例えばそれは、相手が打つことをためらう装備を日本が持つということも意味するのでしょうか。

A:拒否的抑止の考えには、そういうことは入りません。

Q:防衛省及び自衛隊の海外出張についてお尋ねしたいのですけれども、以前、約10年程前ですと、技本の1年間の出張費が92万円という非常に少ない額で、しかも大体偉い人の退職前のご褒美旅行だったのですが、今はかなり改善していると思うのですけれども、ただ、開発実験団であるとか、富士学校であるとか、そういう開発に関係するところが、ほとんど諸外国の見本市であるとかコンファレンスに参加できていない、海外のものとちゃんと比較ができない人たちが、本当に評価できるのだろうかということもあると思うのですけれども、大臣、もう少し全般的に、防衛省・自衛隊の人たちの、海外で出張して見聞を広げる、もしくは情報収集を強化するというお考えはございますか。

A:必要なことは適宜やってきております。ごめんなさい。最初に、九州・四国電力の職員と被害情報の収集をしたと申し上げたようでございますが、九州・中国電力の職員でした。失礼しました。訂正いたします。

以上