防衛大臣記者会見

日時
令和2年9月1日(火)11:08~11:31
場所
防衛省A棟11階第1省議室
備考
河野防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

 先程、「防災の日」に政府が実施する「政府本部運営訓練」と連動して「防衛省災害対策本部運営訓練」を行いました。今年は新型コロナウイルスの関係もありますので、私から官邸での会議結果を踏まえ、副大臣を始め省内関係幹部には、テレビ会議システムを通じて指示を出すという形で実施をいたしました。こうした訓練をしっかりやった上で、万が一という時に備えていきたいと思います。また、自衛隊、沖縄県から看護師の派遣の要請を受けまして、陸上の西部方面隊第15旅団及び自衛隊の那覇病院から看護官・准看護師15名、後方支援16名、合計31名を災害派遣実施しておりましたが、沖縄県からの撤収要請を受けまして、昨日、活動を終了いたしました。前回の会見8月28日以降、5名新たなコロナウイルス感染が確認をされ、今日までに、これで112名の感染を確認いたしました。この5名も沖縄県の市中感染対応の災害派遣には従事しておりませんので、市中感染と考えております。7月中旬から8月初旬にかけまして、自衛隊で70名が感染をし、以前と比べて、感染者の増加が急激でございましたので、少しこの感染予防に資するために、どういう経路で感染をしたのかという分析をさせました。7月以降の感染者陸・海・空78名、この行動歴を分析したところ、市中から感染したと思われるものが34名、その濃厚接触と思われる者が、やはり34名、残り10名は、家族からの感染と思われるということでございます。市中感染34名の内、お酒を提供する飲食の利用並びに宴会への参加が18例ございました。また、同一の執務室、あるいは、同一の隊舎の居室で複数感染したケースが12例、合計40名でございます。具体的にはマスクをしていたけれども、閉め切ったところで長時間打ち合わせをしていた、あるいは、出張へ向かう車中に長時間いた、という中で感染したというケースが確認されております。これを含め、本日9月1日以降の新たな方針として、市中感染を防止するために、引き続き接待を伴う飲食店への立ち入り、これは接待する者がいる飲食店への立ち入りを慎む、並びに宴会及び会合への参加も慎む。宴会は参加者が大声を出すことがある、喧噪を伴うような飲酒・食事、会合は主に業務遂行のために行われる飲食や食事を伴う集まりの中で、喧噪を伴わないもの、これは部内外を含めということでございます。執務室と居室内での感染の防止を徹底するための3密の回避、手洗いの徹底、マスクの適切な着用、こうしたことを徹底していきたいと思っております。また、複数人による食事、乾杯などの若干の飲食を伴うもので喧噪を伴わないものについては、感染防止に気を付けて認める、そういうことには今の段階ではしているところでございます。これは私からも直接全隊員に向けて、感染防止を訴えなければならないということで、ビデオメッセージを作成いたしました。アカデミー賞は取れないと思いますが、近日公開するということになろうかと思います。本日から、防衛省職員を対象とした弁護士さんによるハラスメントの相談窓口を新たに設置いたしました。ハラスメントに関する悩みを抱えている隊員・職員の中に、部内の相談窓口には相談しにくいと感じている者が多いということでございますので、悩みが深刻になる前に未然に防止をするように、第三者である弁護士の相談窓口を新たに設置いたしました。詳細は後ほど事務方からピンナップをさせたいと思います。次期戦闘機F-Xの開発における戦闘機全体のインテグレーションを担う機体担当企業につきまして、契約を希望する企業の有無を広く確認すべく、公募を実施し、8月31日締め切りました。公募の結果、三菱重工株式会社1社から応募がございましたので、当該企業が公募で求めている要件を満たしているかの確認を行った上で、必要な手続きを進め、早ければ10月には契約ができるのではないかと思っております。また、F-X、次期戦闘機全体のインテグレーションを支援する、そういう情報提供の意思のある外国企業の募集も昨日締め切りました。募集の結果、7社から応募がありましたので、募集要件の確認を行った上で、情報収集に必要な手続きを進めていこうと思います。情報提供を受ける前の段階でございますので、企業名等は今の段階では明らかにするのは差し控えたいと思っております。

2 質疑応答

Q:先ほどお話がありましたハラスメントの弁護士相談なんですけれども、今までも省内でセクハラ相談する窓口があって、上長に報告するということだったと思うのですけれども、今回、このタイミングで窓口を作った意図というのは何かあるのかということと、今後、今まであるものと併用して使用していくのかについてお聞かせください。

A:今までセクハラ、パワハラ、マタハラのホットラインがありましたけれども、部内での相談ということで、やはり中々相談しにくいという声もありましたので、完全な第三者である弁護士さんにお願いをしようということでございます。今年の初めに、パワハラ、セクハラの処分を厳しくいたしました。その流れの一環で、こうしたいざという時に、自分の背中を預ける仲間に対するパワハラだのセクハラだのというのは許さない、ということを徹底したいと思っておりますので、他にも必要だということがあれば、しっかりやっていきたいと思っております。

Q:自民党総裁選に菅官房長官が出馬するという情報があります。7年8カ月官房長官をやってきて、大臣は防災担当大臣、外務大臣、防衛大臣、そして神奈川選出の同期として近くにいたと思うのですが、これまでの閣内の仕事ぶりをどう評価されているのか、また、安倍政権の継続性という観点から、菅官房長官の出馬についてどう捉えているのかお聞かせください。

A:まだ正式にどなたも名乗りを上げていないと思いますので、その段階で何かコメントをするのは差し控えたいと思います。

Q:最後に、大臣御自身の出馬についてなんですけれども、週末ですね、仲間と相談したいとお話していましたが、相談した結果いかがでしょうか。

A:まだ相談しています。

Q:記者クラブについてお尋ねします。なぜ防衛省は記者クラブを報道の代表として認めているのだろうかと。それに対して何か法的な裏付けはあるのでしょうか。

A:法的な裏付けは特にないと思います。

Q:いってみれば、一民間任意団体ですよね。それこそ、町内会とかマンションの管理組合と同じような組織なんですけれども、その人たちが自分たちは報道の代表といっているだけで、ほかの人たちを排除していると。これは民主主義の報道として適切だと大臣はお考えですか。

A:報道に関して、クラブの中の話はクラブにお聞きください。

Q:クラブの中じゃなくて、報道をクラブの人たちだけが独占しているわけですよ。はっきり言うと、白人は自分達がえらいけど、黒人や黄色人種はお前らは下だといっているようなもので、僕らフリーとか、外国メディアからみると思うんですけれども。ですから、海外のメディアも、今、日本をどんどん離れているということもあるんじゃないでしょうか。いかがでしょうか。

A:記者クラブというのは、これまでもいろいろ存在をしてきたわけですから、この時代のSNSがこれだけ盛んな時に、どういう形にするのかというのは、記者クラブでも当然お考えになっていることだと思いますし、防衛省・自衛隊も広報のあり方として、SNS等、メディアを通じない情報発信もやってきているわけでございますから、今後、こうした流れに沿っていろんなことがあり得るだろうと思います。

Q:以前もお尋ねして、回答させますといった話があるんですけれども、記者クラブとか各幕僚監部との懇談会でビール券を使ってらっしゃると。これがどういう使われ方をされているのか、単にビール券を記者会が幕僚監部に配っているのか。それに関して、これが大体、2017年度の34万円の支出があるんですけれども、これに対して、事務方から回答をまだ伺っておりません。それから、フリーランスが会見参加が認められてから1年8ヵ月経つんですけれども、その間、3人広報課長が変わってですね、未だに実現しておりません。大臣の任期中にこれは実現するんでしょうか。

A:広報課からお答えさせます。

Q:自民党総裁選について伺います。先ほど大臣、まだ仲間と相談されているということで、おっしゃっていたんですけども、態度はいつまでに決めたいとお考えでしょうか。

A:相談して決めます。

Q:時期について聞いているんですけど。

A:相談して決めます。

Q:いわゆる敵基地攻撃能力につきまして、週末の報道で、固定の目標に限ってそうした能力を持つことを防衛省・政府が検討しているということがあったんですけれども、事実関係いかがでしょうか。

A:敵基地攻撃能力というのは、与党を含め、今、議論のテーブルには載っていないんだと思います。

Q:いわゆるミサイルを阻止する能力ということだと思うんですが、相手の領域内でミサイルを阻止する能力だということだと思うんですけれども、この能力についての政府内の検討状況はいかがでしょうか。

A:議論しているところです。

Q:自民党総裁選挙、先ほど大臣「仲間と相談して決める」というふうにおっしゃいましたけれども、決める際に重視したいポイントというのはどういったものなのでしょう。また、派閥のほうではですね、菅さんをというふうになっていますが、そのあたりを含めてどういうお考えをお持ちでしょうか。

A:特にまだ派閥で何かということではないと認識しております。どういうふうにするか、今、仲間と相談をしているところです。

Q:相談をして決める際のポイントはどこにあるとお考えでしょうか。

A:それはもう、仲間と相談して決めます。

Q:自民党総務会で、総裁選の持ち方について議論していますけれども、改めて大臣としては、今回の総裁選挙、どういった形で開くのが望ましいとお考えでしょうか。

A:7年8カ月総理がやってこられた後継者を決めるわけですから、これはなるべく広く意見が反映されるようにすべきだろうというふうに考えを申し上げております。

Q:それは党員投票を含めた、フルスペックな総裁選挙が望ましいというような理解でよろしいですか。

A:自民党には様々な党則もありますが、その中でもなるべく広く意見を聞くというのが望ましいと思います。

Q:グローバルホークについてお尋ねします。グローバルホークは、実際にどういう空域で使うというのがあるのでしょうか。例えば、北朝鮮であるとか中国の上空を飛ぶ、それとも国内の領土の上空だけを飛ぶのでしょうか。

A:運用に関わることでございますので、お答えするのは差し控えます。

Q:例えば、北朝鮮上空を飛んでいて、撃墜されてということになると、かなり法的にも色んな問題にもなると思うんですが、そういうことは省内では検討されたのでしょうか。

A:運用に関わることですので、お答えは差し控えます。

Q:先月8月号の「防衛技術ジャーナル」という専門誌があるんですが、その中で陸自開発実験団の田川信好評価科長がですね、防衛品で海外から輸入するものがぼったくりであると。国内企業が損をしてでも尽くしてくれるという発言をされていたんですけれども、当然ながら輸入品、ライセンス品、国産品、色々それぞれ一長一短あるかと思うんですが、こういう立場の人が始めから差別をしますみたいな発言は、雑誌で書くことにどう思われますでしょうか。

A:すみません。読んでおりません。

Q:自民党総裁選に戻ります。仲間と相談されてからということですけれども、告示8日となった場合、それまでに大臣が出馬されるとなった場合、推薦人20人のメドというのは立っているのでしょうか。

A:仲間と相談しているところです。

Q:コロナの関係でお尋ねします。前回の会見の時に、大臣、隊員に向けてメッセージを出されるという話されていて、ビデオを近日中に公開するということだったのですが、具体的にはどんな内容になるのでしょうか。

A:こういう感染症対策を私はやっていますと、ぜひ参考にして皆さんやってください、という内容です。驚くような話ではございません。

Q:前回もお尋ねしたときにおっしゃられたのが、解除に向けて今の厳しい防護策の解除に向けて、一定の数字的な目標を示して、それをクリアできればこうしようとか、あーしてみようとか、というのも提示したい、できるのではないかとお話をされていたのですが、今回は9月1日以降については、その辺りは固まったものというのはあるのでしょうか。

A:9月1日以降のものについては、まだそこまでいっておりません。もう少し感染者が減ってくればですね、何らかの目標を作って、みんなでそれに向けて頑張ろうということにしていきたいと思っておりますけれども。今の段階ではそこまでいっておりません。

Q:以前にも聞いたかと思うんですけれども、防衛省ではオフィシャルな防衛用語の辞書みたいなものは無いんですね。例えば、日本語と英語であるとか。それで日本の場合、特に、自衛隊用語と軍事用語も違ったりするんですけれども、こういったものを、例えば我々書くときに、どれを使ったらいいのだろうかとか、後は定訳があるのだろうかと。これは自衛隊とか防衛省に聞いても中の内部の資料は公開できませんって言うんですよ。これは世の中のメディアであるとか、研究者にとって非常に不便だと思うんですけれども、これを、例えばwebサイトとかでも良いんですけども、公開するというようなことができないのでしょうか。例えば、新しい部署ができたときに、そこの部署の日本名はあるんだけど英語名が無かったりとかということも多々あるので、非常に情報発信という面でも非常に不便だと思うんですけれども、いかがでしょう。

A:外国特派員協会で講演したときに、結構いい加減に巷の日本語を英語に訳している例がありましたので、ちょっと私も問題だなと思っておりました。自衛隊の組織を英語でどう言うのかというのは、同じ言葉に英訳が2つ3つあっても困るわけですから、そういうことについては、こういう英訳にしようというのが、少なくとも英語に関しては決まっていた方がいいのだろうと思いますので、それは御指摘のとおりだと思いますので、何らからの形で。今もネットに出ているものもあります。この間見たのは組織名か何かが、一覧表になってネットに出ていましたので、そういうものをもう少し色んな分野で充実をするということだろうと思います。今、何が公開されているのか見た上で、必要ならばもう少しそれを手厚くしていきたいと思っておりますし、例えば、記者クラブの方でこういう用語の英訳は何が定訳なんだという御質問があれば、それにきちんとお答えができるようにすべきだろうと思いますので。クラブの方の御協力も頂いて、そこはきちんとしたものを出していきたいと思っております。

Q:これまでに同じ質問があったら恐縮ですが、先日、同じ神奈川県の小泉進次郎環境大臣が、河野さんを応援したいと、自民党総裁選ですね。応援したいと表明されましたけれども、そのことについての御見解をお伺いできますでしょうか。

A:先日も申し上げましたが、総裁候補足り得る方からそういう言葉を頂いたのは、非常にありがたいと思っております。

Q:総裁選について、総理7年8カ月任期を務めて、その後にくる総理総裁、どういう人物が相応しい、どういう能力、また継続性とか、そういったもの、どういったものが求められるか、お考えはいかがでしょうか。

A:色んな人が色んなことを考えていらっしゃるだろうと思います。

以上