防衛大臣記者会見

日時
令和2年8月7日(金)11:07~11:45
場所
防衛省A棟11階第1省議室
備考
河野防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

 昨日6日、パキスタンのバジュワ陸軍参謀長とテレビ会談を行いました。新型コロナウイルス感染症の現状を踏まえ、意見交換を行い、お互いに感染予防の取組みについて説明をいたしました。また、日本とパキスタンの防衛交流につきまして、コロナで今、中々進んでおりませんが、今後しっかり協力を続けていこうということで一致をしたところでございます。ドローン法に基づく防衛関係施設の指定の追加が行われました。防衛省として、昨年来、対象施設の指定を順次行っておりますが、これまでに27指定しております。今日、自衛隊施設につきまして、航空部隊が所在する14の施設の指定を行ったところでございます。また、米軍につきましても、司令部、飛行場、演習場等、15施設について指定を行いました。今日の閣議におきまして、8月25日付の将官人事15件について、内閣の承認が行われました。また、同日付で、将については23件、将補については63件の異動を行うことにしております。防衛省と環境省で、「災害廃棄物の撤去等に係る連携対応マニュアル」を共同で策定をいたしました。防衛省、環境省、自治体、ボランティア、NPO法人等々、関係者の役割分担、発災時の対応、それから自衛隊の活動終了に伴う対応等について整理をいたしました。2016年の熊本地震の時に、私、防災担当大臣を務めておりまして、当時、杉田副長官の部屋で、毎日、各省に来ていただいて会議をやっておりましたけれども、髙橋前次官がその時、防衛省を代表して来られておりまして、熊本の災害廃棄物の撤去を、自衛隊に私からお願いをするということがございました。その後、東日本台風15号、19号、それから今年の豪雨、結構、災害廃棄物が相当な量に上るということが続いておりまして、自衛隊も関係者と連携をしてこの撤去を行っておりますが、この協力体制等について、しっかり構築できるように、また、役割分担がしっかりできるように、マニュアルを作成したところでございます。このマニュアルにつきましては、今日の午後、統幕の方からブリーフィングをさせていただきたいと思っております。逐次公表しております新型コロナウイルスの感染でございますが、8月4日以降、13名が感染していることが確認されました。本日までに、これで合計68名が感染したことになります。8月4日以降、新たに確認された13名のうち、4名が北熊本で災害派遣に従事しておりました。今、感染経路、濃厚接触者等を調べておりますが、おそらく、災害派遣活動後に市中感染したのではないかと疑われております。8月1日からの感染数が17名となりました。7月に通達を出しましたが、7月1日から通達を出すまでの間、29名が感染をしており、8月1日から29名を超えた時点で少し態勢を厳しく見直さなければいけないということにしておりますが、今日既に29分の17ということになってしまっておりますので、少し注意をしていきたいと思っております。

2 質疑応答

Q:今、御説明のあったドローン法ですが、新たに今回、米軍基地が指定されました。特に、今回指定されているキャンプ・シュワブの辺野古沖周辺で、工事の様子を確認するために、報道機関や市民団体がドローンを頻繁に活用している状況があります。今回、指定によって取材活動への規制ですとか、国民の知る権利が侵害されるという懸念がこれまでも出ていますが、今回の指定というのは、こうした懸念を踏まえたものになっているかどうか、お考えをお願いします。

A:米軍施設につきましても、米軍がしっかり即応性を維持するための訓練ができるように配慮をしなければならないということから、指定を行っているものでございます。キャンプ・シュワブの米軍の専用区域、排他的な活用が認められている水域については、今回、指定をしたものであります。知る権利が大事だというのはもちろんでございますが、自衛隊、あるいは米軍の運用、訓練に支障がないように、また、このドローンというのが昨今、テロ等にも使われている、そういう懸念もございますので、そうしたことを考慮しながら、今回追加、あるいは指定をさせていただきました。

Q:冒頭にあった災害のマニュアルの件なのですが、大臣はこれまでも、自衛隊の派遣について、出口を明確にすることが必要だということを指摘されてきたかと思います。今回、役割分担を明確にしたということですが、自衛隊の活動ですとか、業務の負担ですとか、そういったところで期待するところ等あればお聞かせください。

A:マニュアルの必要性については、先ほど申し上げましたように、統幕から御説明をさせていただこうと思っておりますが、自衛隊として、雨等の災害が増える季節になりましたので、非常に緊張感を持って、日頃から態勢を維持していきたいと思っております。何度も申し上げたかと思いますが、最初の72時間が人命救助にとって極めてクリティカルな、重要な時間帯でございますので、この時間帯に、最大の態勢できちんと人命救助が行えるように、態勢を維持していきたいと思っております。また、その後、ニーズが変わってまいります。給食支援、給水支援、あるいは入浴支援等の生活支援にニーズが変わっていく中で、きちんと自治体、あるいは民間業者に役割を引き継いでいけるように、様々な支援の中で役割分担、あるいはこの移行のルールを決めていく必要があろうかと思っております。この災害廃棄物につきましては、今回の熊本でも、大規模な4品目について、自衛隊がお手伝いをして自治体ですとか民間業者、ボランティアの方々と連携をしてやらせていただきました。こうした役割分担、あるいは次のフェーズへの移行がきちんとできるように、こうしたマニュアルの整備は役立つのではないかと思っております。

Q:尖閣諸島に関してなのですが、一昨日、自民党の国防議連で、尖閣での日米共同訓練を実施するよう求める意見というのが出ていまして、大臣にも申し入れがあったとのことなのですが、この点、何か対応されるお考えはあるのかどうかお願いします。

A:衛藤征士郎代議士からお電話を頂戴して、議連で議論されたことについてお話を伺っております。自衛隊、わが国の領土、領海、領空を守るために、毅然と行動をいたしますが、この尖閣諸島については、不用意にエスカレーションをしないように、日中間、極めて注意深く外交当局も話し合いを続けているところと認識をしております。

Q:同じ議連で、沖縄の宮古島市にある下地島空港を自衛隊が活用できるようにするべきだという声も出ています。下地島空港については、民間の目的以外では使用しないという確認書が過去に交わされていて、今に至っているのですけれども、南西諸島の自衛隊配備を今、進めている中で、この下地島空港の活用の必要性ですとか、確認書を見直すような必要があるのか、その辺についてお願いします。

A:琉球政府と運輸大臣の間の確認書ではないかと思っておりますが、防衛省・自衛隊として、そのことについて何か申し上げる立場にはございませんが、現時点で、自衛隊が何か施設的なことに活用するという計画はございません。

Q:ミサイル防衛態勢を巡って、いわゆる敵基地攻撃能力についてなんですけれども、昨日、公明党の山口代表が広島市内で会見をしまして、慎重な姿勢を示していたというふうに報道が出ています。一方で、自民党の提言の中では、相手国領域内での阻止ということで、いわゆる敵基地攻撃能力の保有を求める意見・提言がまとめられていますけれども、公明党と自民党の間で温度差がある中で、政府として、どのように検討を進めていかれますでしょうか。

A:自民党の提言の中にも、敵基地攻撃能力という言葉はなかったのではないかと思います。公明党の山口代表が御発言をされておりますが、NSCの議論を踏まえ、防衛省として、憲法の枠内で与党の議論を受け止めながら、しっかり行動をしていきたいと思っております。

Q:関連しまして、大臣、この議論が始まった時に、いわゆる敵基地攻撃能力という言葉ですね、色んな定義が飛びかっていて、その議論が中々噛み合わないところがあるというふうにおっしゃっていたと思うんですけれども、そうした状況を踏まえて、今の議論はちゃんと進められているかどうか、どのようにお感じになっていますでしょうか。

A:さっき申し上げたとおり、敵基地攻撃能力という言葉は今回の自民党の提言にも入っておりませんので、今の議論の中にそうした言葉は使われていないと思います。

Q:先ほどのドローンの監視なのですけれども、先ほど大臣、知る権利も大事とおっしゃっていましたけれども、一方、ドローンを使ったテロ等の可能性もあるわけで、そういった知る権利と防衛施設を防護するという観点、どのようにバランスを取っていくべきだとお考えでしょうか。

A:ドローン法という法律がございますので、この法律に則って、粛々と行っていきたいと思います。

Q:中国に関して、改めて質問させていただきたいのですが、最近大臣、中国公船の尖閣へのことに関連して、自衛隊も必要あれば行動するという発言があったりとか、あと、防衛白書の、今年初めて「執拗に」という言葉を中国公船の尖閣接近部分に使ったりとかしてて、割とレトリック、中国に対して強めていると思うんですが、その一方で、北朝鮮に対しては脅威、中国に対して懸念という言葉を強めていますよね。その辺りで、今後、中国のことを、潜在的脅威というふうに位置付けるのか、あるいは、その今でも実際は位置付けているけれども、政治的ポリティックで、微妙な問題で言えないだけなのか、何かその辺がですね、アメリカ、オーストラリア、イギリスは割と中国に対して、きちっと対応を見せている一方で、日本はその辺が脅威か何なのか、潜在脅威なのか、懸念なのか、ちょっといまいち、日本のスタンスが外国メディアにクリアじゃないところがあるので、改めてその部分を、ちょっといやらしい質問ですけど、もし、できる範囲で教えてください。

A:これまでも、様々な国の評価をする際には、能力と意図ということを申し上げてまいりました。中国は、国防予算を日本の毎年4倍近い予算を使い、能力的にも、潜水艦にしろ、第4世代、第5世代戦闘機にしろ、自衛隊を凌駕する能力を備えているわけでございます。そういう中で、東シナ海、南シナ海あるいは香港の状況、インドとの国境、あるいはブータン東部への発言、そうしたことを考えると、中国が力を背景とした一方的な現状変更の試みをしようとしていると言わざるを得ないというのは、かねてから申し上げてきているところでございます。

Q:そうすると、段々意図を強めて、中国がそのようにしていくというところを踏まえると、意図かける能力で、段々中国の脅威が高まってきていて、潜在的脅威とか脅威とかという言葉までは、まだでも踏み込めないということなんですね。

A:防衛省としては、私が今申し上げた通りでございますが、政府全体として、それは議論して決めていく話だろうと思います。

Q:先ほど下地島に関して、大臣は、「現在そういう下地島を使用する計画はない」とおっしゃられましたが、それは防警を含めてでよろしいですか。防衛警備計画を含めてですか。

A:先ほど申し上げた通り、施設的な活用をする計画はないということです。

Q:かつて、防警の前の年防の段階で、航空自衛隊のある年防で、下地島の使用計画がありましたが、それは把握されていますか。

A:先ほど申し上げたとおり、施設として、施設的な活用をするという計画はございません。

Q:過去にあったかどうかはどうでしょうか。航空自衛隊のある年防に、そういう計画があったということについてはどうでしょうか。

A:今申し上げたとおり、現在そういう施設的な活用をする計画はないということです。

Q:現在のところ、防警を含めてないと。で、過去にあったかどうかというところを聞いているんです。

A:施設的な活用をする計画は、現在ないということです。

Q:現在のことではなくて過去のことを聞いているんです。

A:お答えしておりません。差し控えます。

Q:何でですか。なぜ差し控えるんですか。

A:差し控えたいと思います。

Q:知る権利もあると思うんですが、国民の。

A:知る権利と、防衛上の様々な懸念というのがございます。

Q:馬毛島へのFCLPの移転計画についてなんですけれども、今日、副大臣が地元の方に行って、配置案を説明するということでした。この地元の賛否というのは、まだ溝が深まったままで、具体的に計画が進んでいっているというところなんですけれども、この、地元の現状についてのご認識と、理解をどのように広げていくかというお考えをお聞かせください。

A:今日、副大臣が午後、ご説明を申し上げると思いますが、今後とも丁寧に説明をしてまいりたいと思います。

Q:地元への公式の説明というのは9年経っていて、ずっと丁寧に説明していくというふうに防衛省は言っているんですけれども、今回の配置案の設計業務の着手なんかも、地元には説明がないまま進んでいて、なかなか地元として不信感がぬぐえないところがあるんですけれども、それについてはいかがでしょうか。

A:丁寧に説明していくということに尽きると思います。

Q:これまでもずっと丁寧に説明してきていた、というふうに認識されているということなんですか。

A:今後とも丁寧に説明してまいります。

Q:野党議員の質問主意書だったんですけれども、土地取得前の設計業務の着手について、予め説明すべきだったというような釈明の部分もあったんですけれども、それについてもいかがでしょうか。

A:今後とも丁寧に説明していきたいと思います。

Q:基地ができることで、なし崩し的に訓練が拡大していくんじゃないかだとか、沖縄の負担軽減のためのオスプレイの訓練移転だとかという、一部報道もあったんですけれども、今後、そういうことがないかどうかというのは。

A:日本を守るために必要な訓練は、今後ともしっかりやってまいります。

Q:米軍の訓練はFCLPだけという。

A:日本の防衛のために必要なことは、日本全体としてしっかりやっていかなければいけないと思います。

Q:FCLP以外も、では検討の対象になると。

A:現時点では、FCLPを行わせていただきたい、そうしております。

Q:日韓GSOMIAについてお伺いします。毎年の協定の更新期限が8月末に近づいていますけれども、韓国の外務省はですね、いつでも終了できるということで、また破棄を辞さない考えを示しています。改めまして、現在の日本の置かれている安全保障環境の中で、日韓GSOMIAが持つ意義と、今後の韓国側の出方についてどのような見方、見通しをお持ちになっているか、お聞かせください。

A:韓国側については、韓国側にお尋ねいただきたいと思います。日米韓が連携して、この東アジアの平和と安定にあたることが重要だ、という状況に変わりはないと思います。

Q:第1空挺団のパワハラ問題について、一部週刊誌で報じられています。大臣、事実関係をどのように聞いているかということをまず聞かせてください。

A:報道があるのは承知しておりますけれども、報道を見ましたけれども、事実誤認が非常に多い記事だと思います。

Q:隊員からそういう告発なりあったら、大臣、常々パワハラには厳しくと言っていますが、そのように処する考えでしょうか。

A:報道がありましたので、詳しく調べろということは申し上げておりますが、報道の内容がかなり杜撰だと思っております。

Q:冒頭のパキスタンと日本の防衛協力なんですけれども、パキスタンというと、わりとインドと領土問題を抱えていて、パキスタンは中国とわりと良好な関係を抱いていて、その中で、このタイミングでパキスタンとの防衛交流っていうのは、どういう。もともと決まっていたのか、ちょっと邪推しちゃったりするんですけれども、パキスタンと中国を切り離しに日本が乗り出したんじゃないかとかっていう考えも、一部で持たれると思うんですが、その背景、もし答えられる範囲で、何でこのタイミングでパキスタンと防衛交流なのかって教えていただけないでしょうか。

A:パキスタンからは、日本の自衛隊に留学も、長い間来てくれておりますし、様々な交流がこれまでも続いております。そういう中で、コロナで残念ながら交流が止まってしまっている部分というのがありますが、コロナが終われば、しっかりこの交流を続けていきたい、という意思の確認をいたしました。今、各国の防衛大臣、国防大臣と電話会談をしているところでございますので、今回もその一環でございます。

Q:GSOMIAに関連してなんですけれども、東アジアの平和と安定に日米韓の連携が重要だということを述べられましたが、大臣としては、GSOMIAというもの自体の必要性について、今はどういう認識をお持ちなのか。また、その韓国側に対してはそのどういったメッセージを発したいというふうにお考えなんでしょうか。

A:GSOMIAが重要だというのは、これはもう日米韓防衛関係者共通の理解というふうに思っております。

Q:韓国に対しては。

A:韓国側も同じ認識だと思っております。

Q:最近、大臣、様々な雑誌のインタビュー等でですね、外務省からこっちに来て、予算増えたけれども使える金が少ないということを、いろんなところで、これまでもずっとおっしゃっておりますけれども、先のオークションである程度のお金入ってきてたとしても、結局、国庫に入って、使い道を財務と調整するということでしたが、その後どういうふうになっていますでしょうか。

A:元々このせり売りは、麻生財務大臣から、防衛省も予算をくれというだけでなく、売上げを上げることを考えろ、というお話があってスタートしたもので、とりあえず1回目、581万円という売上げになりました。これが国庫にいくのは、ルール上その通りでございますが、防衛省が頑張った分は防衛省の予算に何らかの反映がある、そういう相互理解でやってきていることでございますので、そういうことなんだろうと思っております。今年の夏はもう既に、かなり暑くなってきておりますので、自衛隊の隊舎の中の冷房の時間が限られているというようなことがございましたが、この暑さの中でやはり、必要な分はきちんと空調が使えるようにしていきたいというふうに思っておりますので、そうしたことにこのせり売りを始め、防衛省の上げた売上げが隊員の生活環境、勤務環境の改善に使えるように、しっかり財務省と話をしていきたいというふうに思っております。

Q:ドローンの話に戻るのですけれども、今回米軍の施設については、重要度に応じて15の施設を指定ということですけれども、これは、将来的に国内の米軍施設については全て網羅していく、全て指定していくという流れになっていくのでしょうか。

A:必要に応じて、必要なら指定をしていくということだと思います。

Q:冒頭ご発言のありましたコロナの関係でお尋ねします。北熊本駐屯地ですね、昨今公表されました4人のうちの、保健所の方で確認させていただくと、3人が駐屯地の同じ部屋で生活していたという状況が、保健所の方は重要視されていらっしゃいます。集団生活という自衛隊の特徴、密を避け難い面というのが、この事例で特に浮かび上がってきているのかなと思うのですが、新しい通達、これから厳しくされるということも、先ほど発言ありましたけれども、集団生活、密を避けがたいという面で、この予防対策、どのように今後進めていかれるのか、お聞かせ下さい。

A:これまでも感染者、出ておりましたけれども、散発的に市中感染を拾ってきてしまた、というケースが多かったと思いますが、隊舎内等で、横の感染の広がりというのは、自衛隊、特に気を付けなければならない状況にあるというふうに思っております。そういう意味で、まず、最初に拾ってこないというのが大事だと思って、以前は隊舎から出るなと、基地から外に食事等で出るな、ということをやっておりましたが、隊員のストレスというのもかなりのものがある中で、それぞれ部隊指揮官の判断というところで、会食、会合、気を付けて行け、という現状にございますが、8月1日から29名を超えるようになれば、少しそこについても踏み込まなければいけないかなというふうに思っております。なかなか今の隊舎の密な状況を今日明日に改善するのは、非常に難しい部分がございますので、まず、そこに持ち込まないというのが優先事項なんだろうと思っておりますので、岩手県から東京都まで、感染状況の広がりに差がございますので、現時点では、全国一律でというよりは、それぞれの部隊の指揮官の判断に委ねるということにしてございますが、7月並みの29人という、一応線を切ってですね、それを超えた場合には、少し対応を再検討しないといけないということは、それぞれ伝達をしておりますので、その場合には、少し対応を考えていかなければならないと思っております。こうした事態が起きましたので、隊舎の中でも、少し在りようを検討していかなければいかないかなというふうに考えております。

Q:関連して、厳しくされる面が、まずは会合の面で厳しくされていくかと思うのですけれども、かなり急速に広がる状況があれば、会食についても、更に踏み込んでいくお考えというのはあるのでしょうか。

A:今、とりあえず宴会は慎めと。それから、行って良い所もこういう所は厳に慎め、ということは申し上げております。会食についても、必要とあれば、そうしたことについても判断をせざるを得ない時期が来るかもしれません。

Q:先ほど、ちょっとパワハラの話が出ていたんですけれども、先日公表されました防衛監察等の結果の中で、今年度から結果の報告、具体的な数字を上げて報告されているんですけれども、そのパワハラについてですね、全体調査されている45機関ですかね、この内の25機関という半分を超えるような状況の中で、パワハラの状況が確認されたという、結構衝撃的な数字が出ているかと思うんですけれども、この点について、大臣の受け止めを教えて下さい。

A:こういう組織でございますから、いじめ、パワハラ、セクハラということには、やはり厳しくなければならないというふうに思っております。これまで、こうしたいじめ、パワハラに対する処分が、私の感覚では非常に甘い、というふうに思いましたので、これは統幕、陸海空各幕も入れた上で、少し議論をしてもらって、3月1日からこの処分を厳しくするということにさせていただきましたので、そこはきちんとやっていきたいというふうに思っております。あと今、視察に行って訓示をする場合は、このいじめ、パワハラ、セクハラは許さんということを、この訓示の中に盛り込むとともに、悩みを抱えている隊員は、一人で悩みを抱え込まずに相談をしろと、管理職は部下の心情把握に努めろということを、訓示の中できっちり言うようにしておりますので、このいじめ、パワハラ、セクハラは許さないという方針は徹底しつつあるというふうに思っております。ここについては、厳しく対応していきたいと思っております。

Q:パワハラに関する通達というのが、平成28年ですかね、人事院よりも先に、色んな問題があって出来ているわけですけれども、今回その調査対象とはいえ、半分の中で、こういった状況が見られたというのは、やはり先ほど御発言がありました、処分に対する甘さというのも一つの要因だというふうにお考えですか。

A:そこの要因分析まではしておりませんが、やはり、私の最初の感覚では、処分が甘いというふうに考えましたので、そこは議論してもらって、厳しくいたしました。そうしたことも、きちんとパワハラの根絶に繋がっていくように努力していきたいと思います。

Q:ネット上で、ニュージランドのアーダーン首相が、核兵器禁止条約は広島、長崎のレガシーになるとメッセージを出されて、すごい話題になっているのですが、それを大臣は外務大臣と防衛大臣を務められた、異色の両大臣を通られた方ということで質問したいのですが、今、核兵器禁止条約、50カ国の地域全部で批准をされると、今、43カ国まで行っているんですね。私も質問を受けてネットとかで話題になっていたのですけれど、今、43カ国から50カ国に到達した時に、国連安保理とかで強制力を持って、核五大国に少しやめなさいとか、その辺の強制力って、仮にというとまた仮定の話には答えられませんと言われちゃうのかもしれませんが、この条約というのは、どれほどの強制力があるものと大臣は認識されているのでしょうか。

A:外務省にお尋ねください。

Q:災害廃棄物の件で、大臣は長野に小泉さんと行った時もあったと思うのですけれども、このマニュアルを作るにあたって、小泉環境相とどのようなやり取りをして作られてきたのか、お願いします。

A:小泉大臣とは、災害廃棄物について、自衛隊として協力できるところはしっかり協力をする、しかし、自衛隊は国を守るという任務もございますし、昨年の台風に関する災害派遣で訓練・演習を中止、あるいは延期をしなければならないということもございましたので、やはり、きちんとフェーズを分けて移行していくということが大事なんだろうというふうに思っております。自衛隊として、この災害廃棄物の処理に役立つところもあれば、民間事業者にきちんと受け渡していく必要性というのもございますので、そうしたことをきちんとまとめてマニュアル化していくのが大事だという共通の認識を得ておりますので、今回、こうしたものがきちんとできたというのは良かったと思いますし、政府の基本計画にもマニュアルを作るということを入れてございますので、しっかりこれを運用できるように今後とも見ていきたいと思います。

Q:敵基地攻撃能力で、先ほど大臣は、今の議論の中で敵基地攻撃能力という言葉は使われていないとおっしゃられましたが、これは政府内の議論でもそうなのでしょうか。

A:自民党がまず提言を出されましたが、読んでいただくとそういう言葉はないというふうに思います。

以上