防衛大臣記者会見

日時
令和2年7月21日(火)11:08~11:30
場所
防衛省A棟11階第1省議室
備考
河野防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

 まず、在日米軍のコロナ感染症拡大防止対策であります。米国出国前に、停留と併せてPCR検査が重要だという認識はアメリカ側とも共有できておりますが、アメリカを出国する側となると、かなりの人数になりますので、米側とはまだ、そちらについては、一定の時間が必要だということのようでありますが、一方、日本に入ってきて停留し、PCR検査というのは、これはもう実行する方向で調整がされております。陽性でないということが、その上で確定した者については、移動制限が解除されるということになるというふうに思っております。それから在日米軍が、在日米軍の方から施設・区域毎の感染者数等を公表する、そういう方向で調整がまとまりました。在日米軍の司令部の方で総括し、また、それぞれの地域でもSNSその他で発表する、そういう方向で動くということになります。沖縄の日本人の基地従業員につきまして、基地内のお店、あるいはドライバーのような基地の中で不特定多数と接触をする可能性の高い従業員を優先して、また、それ以外の方でも不安に思う方については、PCRの検査を受けられるように調整をしております。また、それ以外の方についてもPCR検査の機会というのも設けていくように調整をしているところでございます。不安のないように、地元の皆さん、あるいは基地の従業員の皆さん、不安に思われることのないようにしっかり対応していきたいと思います。災害派遣でございますが、昨日20日、熊本県では2,134名及び8機の航空機により、行方不明の方の捜索、物資の輸送、生活支援を行いました。行方不明者の捜索につきましては、八代市及び芦北町で人員570名、航空機6機、艦艇1隻により、警察、消防、海上保安庁等と合同で捜索を実施したところでございます。本日も合同捜索、継続されると承知をしております。熊本県内、給水支援1ヵ所、入浴支援5ヵ所です。それから球磨村の一勝地という場所で、大型災害廃棄物の運搬支援を自治体、ボランティア、トラック協会の方々等と一緒にやるということでございます。昨日、マレーシア及びベトナムの国防大臣と電話会談を行いました。ベトナムの国防大臣にはP-3Cで色々お世話になったものですから、お礼を申し上げるということだけでございます。マレーシアの国防大臣につきましては、政権交代によって代わられましたので、初めて電話会談を行ったわけでございますが、自衛隊のコロナの感染対応、あるいはその他について知見を共有したということへの感謝の言葉をいただきました。また地域情勢についても意見交換をし、東シナ海、南シナ海における一方的な現状変更の試み、あるいは緊張を高めるいかなる行為にも反対をする、法の支配に基づく自由で開かれた海洋秩序が重要だということを、私の方から申し上げました。基本的価値、あるいは戦略的利益を共有する国でございますので、今、コロナ禍で防衛交流、中々満足にいきませんが、事態が終結次第、また防衛協力・交流を引き続きしっかりやってまいりたいというふうに思っております。もうひとつ、7月26日に、不用品のせり売りを行うということで、先週、参加募集を締め切ったところ、定員を超えましたので、抽選のうえ、450名の方に参加通知書をお送りいたしました。ところがその後、東京における新型コロナウイルス感染症の発生状況を踏まえまして、東京都外にお住いの当選された方々には、こういう状況ですから、無理をしないで自粛を呼びかける、そういうことをしております。せっかく楽しみに、当選された方には申し訳ありませんけれども、こういう状況を見て自粛をしていただけたらと思っておりますが、これで別にせり売り、最後ではございません。とりあえず試しにやってみようということでしたので、そうしたことを考えて御判断をいただきたいと思います。この後は、インターネット等を活用したせりの形態というものを開発しないといけないなと思っているところでございます。

2 質疑応答

Q:在日米軍の感染についてなのですけれども、今いくつか調整中のもの、区域ごとの感染者数の公表とかですね、従業員の方の検査とかありますけれども、そういったもの、調整中ということでしたら、逆にいつ頃からできるようになる見通しとお考えなのか。それと、今回の米軍のこういった対応について、大臣としてはどう評価されているか、お願いします。

A:司令部での総括表は公開をされておりますが、私としてはもう少しタイムリーに、アップデートしていただきたいというふうに思っております。初めてですから、しかも週末跨いでますので、いきなりフルスピードで、というわけにはいかないのかもしれませんけども、非常に頑張って、地元の皆さんの不安を払拭するということで、在日米軍も色々頑張ってくれているというふうに思います。PCRについては、一部の基地でスタートしておりますので、これはもう順次広がっていくものというふうに受け止めております。米軍にとっても、即応性を維持していく上で、この感染症の拡大防止は非常に重要ですので、しっかりやってくれると思っております。

Q:最近、沖ノ鳥島周辺で中国の活動が活発化しているというふうに報道されていますし、国としても把握していると思うのですけれども、そういった中国の対応について、どういう狙いがあると分析されているか、自衛隊としてはどう対応していくか、教えてください。

A:沖ノ鳥島での調査行動については、これはもう国際ルールにも反することですから、極めて遺憾に思っておりますが、海上保安庁が対応するということでございます。我々としても、必要なバックアップはしていきたいというふうに思っております。第1列島線を越えて、第2列島線まで様々、活動が活発化されているこということは、重要視していかなければならないと思いますし、我々としても、日米同盟の対応力を高めていく必要があるというふうに思っております。

Q:冒頭ありました米軍のコロナの対策の関係なのですけれども、若干ちょっと細かくなってしまうのですけれど、いくつかお伺いしたいのですけれども、まず施設・区域ごとの公表ということなのですが、これは米軍がSNS、どういった形で発表するのかということと、代わってやっぱり防衛省が情報を発信したほうが、若干分かり易いかなというところもあるんですけれども、防衛省が米軍から情報を受け取って発信するというようなことは、お考えはありますでしょうか。

A:既に、基地ごとの感染者の数を、司令部の方で総括するような形で公開をしてくれております。地域ごとの発信は、それを補完するものになるだろうというふうに思っております、我々が情報をもらって何かするよりは、米軍がそのままタイムリーに出してくれたほうが、タイムラグもありませんから。そこは米軍がしっかりやってくれると思っております。

Q:沖縄の基地従業員のPCR検査について、これは米軍の方で実施するという理解でよろしいですか。

A:どっちがやるのか、しっかりやっていきたいと思って、今、調整をしております。沖縄県と沖縄防衛局で協力してやっていけたらと思います。

Q:日本に入ってきてから、停留してからのPCR検査は実施する方向で調整しているということなんですけれども、このPCR検査については、今月中であるとかですね、来月であるとかですね、どの辺から始まるか教えていただければと思います。

A:嘉手納基地などでは、もうスタートしていると、先週から嘉手納は始まっているそうです。順次、それを広げていくことになろうかと思います。そんなに遠からず。

Q:関連してですね、日本人従業員のPCR検査なんですけれども、これは沖縄に限ったことなのか、それとも全国の米軍基地に勤める日本人従業員も今後検討していくということなのか、どちらでしょうか。

A:とりあえず、沖縄で感染数が増えております。普天間、ハンセンを合わせると100人を超えています。横須賀、厚木、座間、三沢、そういったところは一桁台ですから、そこは様子を見ながら必要に応じてやっていこうかなと思います。まずは、沖縄でしっかりやっていきたいと思います。

Q:先週の大臣会見で、在韓米軍が韓国でのコロナの感染状況について、ホームページ等で発表しているということで、それに関して大臣が、在日米軍と在韓米軍でどのような違いがあるか、ちょっと確認したいということをおっしゃっていたと思いますが、そこら辺は確認されて、どういう違いがあって、今後どう改善していくというふうに認識されていますか。

A:多分、今、在日米軍の方が状況公開をしっかりやるようになったと思います。

Q:それは今回、発表するということで、逆転するというか。

A:どっちがいいかとか、悪かというのはあれですが、少なくとも司令部と総括表を出し、それぞれの地域で様々な情報を出してくれるということですから、特に問題ないだろうと思います。

Q:今回、在日米軍が、姿勢というか、対応を変えていくというのは、外務省、防衛省の要請に基づいて、変えていくのか、それとも自発的に変えていくのか、どちらでしょうか。

A:常に地元の御支援が安定した駐留にとって必要だということは、在日米軍も我々も、常に日頃言っていることですから、その一貫というふうに考えていただいていいと思います。

Q:関連です。基地従業員のPCR検査の費用負担については何か決まっていることですか。どちらが持つですとか。そういったことっていうのは。

A:ごめんなさい。後で事務方から説明させます。

Q:今回、相次いでいる基地内での感染なんですが、感染源については色々調査進んでいる段階だと思うのですが、7月に入って特に沖縄で急増した要因ですとか背景について、大臣はどういうふうに捉えていますでしょうか。

A:陽性で無症状の方というのが、感染を広げているのかなと思います。そういう意味でPCR検査というのも大事だと思います。今まではPCR100パーセント陽性の人をおさえるわけではないということから、14日間の停留にどちらかというと重きを米軍置いておりましたけれども、無症状で14日間通り過ぎちゃう人がいるんだろうなということで、PCR検査しっかりやるというのは大事だと思います。

Q:特に沖縄で増えているというのは、例えば部隊の移動が結構多く行われているですとか、あるいは基地外の可能性もあるわけですけれども、感染源が、その辺りについては、特に沖縄でということについてはいかがですか。

A:すみません。そこの情報はまだわかりません。

Q:先ほど大臣冒頭で、出国側のPCRについては一定の時間がちょっとかかりそうだということだったのですが、これは全員PCR検査を米本国でやるのは難しいという理解でよろしいでしょうか。

A:米国を出国する軍人、米軍人はかなりの数に上るので、そこの調整が、時間がかかっているということです。日本向けだけというわけにはおそらくいかないでしょうから、かなりの数が送り出されている中でどうするかという調整は、ワシントンでやっているんだろうと思います。

Q:今回、在日米軍の方が基地別の感染者数を公表するということなんですけど、当初、米国防総省の指針で感染しないということになっていて、防衛省も同じような説明されていたと思うのですが、これ何か対応変化された理由というのは何か把握されていますでしょうか。

A:地域の御理解が重要だということです。

Q:オークションの話なんですけども、450人中、都外の人たちは何人くらいいるんでしょうか。割合でもいいんですけれども。

A:全くわかりません。私。

Q:自粛をお願いすると言っていても、買いたい人がいれば来ても仕様がいないという認識ですか。

A:自粛ということでございますので、どうしても来ちゃうというのは、それはあるのかなと思いますが、大事なものは取ってありますから、今回はあくまで試行ということでございますので、その辺とコロナの感染拡大の危険性を考慮して御判断をいただきたいと思っておりますが、我々としては自粛をお勧めしているところです。

Q:関連で、今後、感染者がまた莫大に増えた場合というのは、延期とかもあり得るという。

A:それはあります。

Q:自衛隊オスプレイについてお尋ねなのですが、佐賀空港への配備要請を政府がしてから6年が経過しますが、その6年かかっている現状の認識と佐賀空港への配備に対する大臣の思いというのをお聞かせください。

A:これだけ尖閣諸島をはじめ、中国の活動が南西諸島付近で活発化している中で、やはり水陸機動団というものを我々しっかりと養成をしてまいりました。その運用にとってこのオスプレイというのは非常に重要ですので、なるべく早く御地元の御了解をいただいて、しっかり配備を進めていきたいと思っております。

Q:6年かかっている今の現状は、どのように考えてらっしゃいますか。

A:色んな事があるんだろうと思いますが、そこはしっかりやっていきたいと思います。

Q:オークションの関係で、450名抽選で発送したということですけれども、そもそも応募がどれくらいあったのかというのを教えていただけますでしょうか。

A:せりが終わったら公表することにしております。

Q:そのポリシーは変わらないということで。

A:はい。

Q:イージス・アショアの代替案について伺います。一部報道でですね、購入したレーダーに関しては陸地に置いて、発射装置をイージス艦に搭載するという報道がありました。この案を有力案として今進めているのか否かについて伺います。

A:色んな案がありますから、色んな案を検討しております。

Q:今朝の閣議で署名のミスがあった旨をツイートされていますが、何があったのでしょうか。

A:私の署名欄に誰かが署名してしまっておりました。

Q:具体的にどなたかが署名されていたのでしょうか。

A:内緒です。

Q:先ほど会見中に形状記憶の眼鏡拭きを使っていたやにお見受けしたのですが、何か意味があるのでしょうか。

A:眼鏡拭きです。眼鏡を拭いた後、こうやっていると鶴の形に戻る。それだけのことです。

Q:在日米軍の新型コロナの関係でお尋ねします。昨日ですね、私も司令部のホームページの中で基地別の感染者数の公表リストを見つけたのですけれども、中々見つかり難い場所に、中々辿り着けない場所にあるように思うのですが、その辺り大臣はどのように御覧になられていますか。

A:なるべく見やすいところに出してもらった方が良いと思います。

Q:米軍の方からは、1週間に2回更新するという方針を確認しているのですが、先ほどはもっとタイムリーにアップデートしてほしいとお話があったかと思いますが、これは具体的にはどんな頻度を想定されているのでしょうか。

A:そこは米軍と調整していきたいと思います。中々5分ごととか、毎時とかは無理だと思いますが、それは適正なスピードで更新してもらいたい思います。

Q:1日置きぐらいのイメージですか。

A:それは調整をしたいと思っております。

以上