防衛大臣記者会見

日時
令和2年7月10日(金)13:19~13:39
場所
防衛省A棟11階第1省議室
備考
河野防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

 まず、災害派遣の状況でございますが、本日も2万人態勢で災害に対応しているところでございます。昨日は、隊員4,200名、航空機10機により、引き続き人命救助を実施し、累計で約1,700名の方の救助を完了したところでございます。それ以外に物資輸送、あるいは道路の啓開といったものにも当たっております。昨日は、入浴支援、熊本県内6カ所、人吉、芦北、八代、多良木で実施をしたほか、給水支援が大分県由布市、熊本県相良村、八代市等で給水支援を実施しているところございます。災害廃棄物の除去についても、自治体、NPO、ボランティア等と連携しながら、人吉市を中心に災害廃棄物の運搬支援を始めております。即応予備自衛官150人、既に作業に当たってくれております。即応予備自衛官の招集人数を最大200名から400名に引き上げるとともに、予備自衛官100名の招集も決めたところでございます。2つ目、昨日の朝、エスパー国防長官、レイノルズ豪国防大臣とのテレビ電話会談を行いました。インド太平洋地域において、3カ国が緊密に連携をしていくことの重要性を確認したほか、新型コロナウイルス感染症への対応、あるいは東シナ海、南シナ海を始め、あと北朝鮮ですかね、地域情勢について意見交換をし、日米豪様々防衛協力についても話し合いをいたしました。力を背景とした一方的な現状変更の試みに強く反対することを確認すると同時に、北朝鮮の一連のミサイル発射に関して、強い懸念を共有し、瀬取りでの対応をしっかりやっていこうということでコミットメントを再確認いたしました。すみません、一昨日の朝です。今日は、ビーガン国務副長官の表敬を飯倉公館で受けました。主に北朝鮮に関する情勢について、意見交換をしたところでございます。その他、地域情勢云々もありました。スクランブル、令和2年度の第1四半期の緊急発進回数の合計は、昨年同時期と比べて52回減少となる194回でございました。中国機に対する緊急発進は、131回と前年比48回減、ロシアに関しては60回と前年比5回減になりますが、中国機、ロシア機が活発に活動している状況には変わりはないので、回数が減ったからと言って活動が低調になったとは言えないと思っております。最後、明日、海上自衛隊の南鳥島航空派遣隊を視察をし、部隊の状況を確認したいと思っております。隊員の声にしっかり耳を傾けていきたいというふうに思っております。中国の艦艇その他が、太平洋へ活発に進出をしているというような状況もございますので、少しこの太平洋地域の安全保障についても、しっかり目を向けていきたいというふうに考えております。

2 質疑応答

Q:先ほど、大臣おっしゃいましたように、ビーガン国務副長官の表敬を受けたということで北朝鮮の話題になったと。北朝鮮に関して、話し合いの中で認識が一致した部分などがございましたら、教えていただければと思います。

A:北朝鮮情勢について、今後の対応あるいは北朝鮮の国内の情勢の見方、周辺国と北朝鮮との関係などについて、意見交換をいたしました。おおむね、情勢認識が一致していると思っております。

Q:もう1問お伺います。昨日、参院外交防衛委員会で、大臣の答弁の中で、敵基地攻撃能力について問われてですね、すべてをテーブルに並べて、又はテーブルに載せて検討するというふうなことをおっしゃいました。一方で、一連の答弁の中で、槌道防衛政策局長が、中期防を検討する際に、敵基地攻撃能力の保有について検討してきた事実はないと明確に否定されています。そこで確認なのですが、これまで過去に、防衛省内で敵基地攻撃能力の保有について検討したことがあるのかどうか、ということについて教えていただければと思います。

A:ないということです。

Q:ビーガン副長官との会談の関係なんですけれども、北朝鮮情勢等話す中で、今回のイージス・アショアの配備計画の断念について、大臣から説明をされたり、ミサイル防衛について話題になったのでしょうか。

A:特にこちらから説明をいたしませんでしたが、ミサイル防衛、今後も日米でしっかり連携をしていこうということは話し合いました。

Q:アショアの計画断念については、説明をされていないということでよろしいでしょうか。

A:特にありません。

Q:今ありましたビーガン国務副長官の表敬のところなんですけれども、北朝鮮の核やミサイルについて、どのようなやり取りがあったのか、もう少し詳しく教えていただきたいのと、大臣、冒頭に地域情勢の云々についてもお話したということなんですけれども、地域情勢についてはどのようなお話をされたのでしょうか。

A:私の方から北朝鮮のミサイルの発射、これは短距離の弾道ミサイルであっても明確な安保理決議違反であり、これは国際社会として、しっかりメッセージを出していかなければいかんということを申し上げました。また、私の方から、最近の北朝鮮の行動について所感を述べました。

Q:地域情勢の云々のところではですね、香港の話だったり、中国の海洋進出の話、その辺りはされたのでしょうか。

A:主に中国のことについて、意見交換をいたしました。

Q:海洋進出の話、その辺りでしょうか。

A:様々です。

Q:今の話に関連するんですけれども、北朝鮮情勢について、大臣から所感を述べられたということなんですが、その中にですね、金与正氏がですね、米朝対話について、無益だと言っているようなことが伝えられているのですが、そういったことを含めてのやり取りだったということでしょうか。

A:特に、そうした発言について云々ということはございませんでした。それは私からもありません。

Q:大臣からは、どのような所感を述べられたのでしょうか。

A:様々申し上げました。

Q:アメリカ政府が、日本にF-35を105機、売却することを決めましたが、これについて、まず、大臣の所感がありましたらお願いします。

A:前々からの事でございます。

Q:将来的に、日本の戦闘機の定数上、F-35がほぼ半数を占めることとなりますが、大臣として、将来的に戦闘機の配分については、機種構成ですね、どのようなお考えをお持ちでしょうか。将来的に、戦闘機の機種の配分ですね、例えば、F-35がかなりの数占めますと、自ずと次期戦闘機の数がかなり限定されるかと思うんですけれども、それについて大臣はどのようにお考えでしょうか。

A:現時点で、F-35、F-15の能力向上型、それに次期戦闘機、これで将来的には構成していくということを考えている、そこに変わりはございません。

Q:F-35は防衛大綱の定数上、半分を占めるということについては特に御異論はないというお考えでしょうか。

A:防衛大綱で色々議論した結果でございます。

Q:ビーガンさんとの会談で、在日米軍駐留経費の特別協定の見直し、これについて何かやりとりは実際あったのでしょうか。

A:ありません。

Q:ビーガンさん、先ほど、大臣の方からですね、短距離の弾道ミサイルであっても、明確な安保理決議違反であるということですけれども、その上で両者の間であらゆる射程のミサイルについては、CVID必要であり、国連安保理決議の遵守を求めていくという認識が確認されたという理解でよろしいでしょうか。

A:あらゆる射程のミサイルの発射は、安保理決議違反ということは、これはエスパー長官も繰り返しそう述べてこられているということでございますので、アメリカ政府と日本政府の間に齟齬はございません。

Q:今日もそこはビーガンさんと確認されたということでよろしいでしょうか。

A:結構です。

Q:先程のF-35、アメリカ議会の話ですが、105機で日本円にすると2兆円を超えて、一度の売却額としてはおそらくサウジに次いで2番目に大きいと思うんですけれども、そうした大きなディールがアメリカが認めたということについては、一度で認めたということはどういうふうに受け止めていらっしゃるでしょうか。

A:一度に買い込むわけではありません。日米の間で議論してきていることでございます。

Q:敵基地反撃能力について伺いたいと思います。昨日の参院外交防衛委員会でも、自民党の佐藤議員がですね、自衛反撃能力と、言葉を、ワーディングを替えるべきではないかという指摘がありました。小野寺さんも敵基地反撃能力という言葉を使っていますが、このワーディングに関して、大臣はどうお考えか、教えていただければと思います。

A:それは御発言になっている方がきちんと定義していただきたいと思います。

Q:関連して、今日、自民党がですね、ミサイル防衛検討会議第2回目を開きました。敵基地反撃能力についても議論された模様です。一方、連立を組む公明党はまだ、外交安保調査会を開いていない状況です。この自公の温度差といいますか、違いについて、大臣はどうお考えでしょうか。

A:特にございません。

Q:米軍のパラシュート訓練について伺います。昨日、嘉手納基地でパラシュート訓練が実施されました。日米の合意で原則、伊江島で実施することになっているかと思いますが、今回の訓練が例外的な場合に当たるのかどうか、大臣の御認識をお願いします。

A:例外的に当たると思います。

Q:例外的に当たるとした根拠はどういうところにあるのでしょうか。

A:米軍の即応性の維持、これは我々としてもきちんと担保しなければなりません。伊江島の天候不順で、何度も延期になっておりますので、例外的に当たるとして判断して認めております。

Q:関連で、例外的に当たるかという判断ですが、地元自治体には、この訓練の後にしか知らされない中で、反発の声もあるんですが、例えば、事前に例外的に当たるかどうかの判断を示すとかですね、情報共有のあり方について、大臣はどのようにお考えでしょうか。

A:そこは検討の余地があるかもしれません。

Q:コロナの件なのですが、沖縄でここ数日、米軍関係者のコロナの感染者が相次いでいます。状況についてどう把握しているのか、また、対応などがあれば教えてください。

A:米軍は情報の共有を受けております。米軍の中でもコロナの感染症対策は非常に優先順位の高い事案でございますので、しっかりやってくれていると認識しております。

Q:米側として、公表を控えるということを言っているのですが、今回、基地の外のホテルを借りて隔離しているという話があったりですとか、ちょうど今の時期が人員の異動の時期に当たるということで、その実態が分からないということが周辺住民に不安を与えている面があるのですけれども、何か情報開示について働きかけするお考えなどありますでしょうか。

A:情報の共有はしっかりさせていただいておりますし、保健所にも都度、連絡がいっていると認識です。

Q:ビーガンさんとの関連ですね、東シナ海情勢で、特に尖閣諸島に関して具体的に挙げて言及とかされたのでしょうか。

A:様々東シナ海、南シナ海、様々な事象のやり取りがございました。

Q:沖縄県の辺野古移設に関して、具体的な進捗状況とかお話しになったりしたのでしょうか。

A:様々在日米軍に関連するやり取りはございました。

Q:災害派遣のマスクについてお伺いします。今150万枚持っていたと思うのですけれども、大雨とか被害が重なる中で、増やしていかなければいけないという意向を大臣示されていたと思うのですけれども、現在、こうやって災害がきている状況で、備蓄数というのは足りているのでしょうか。また、どれくらいあるのでしょうか。

A:7月1日現在で162万枚のマスクの備蓄がございました。当面は足りるだろうと考えておりますが、必要に応じて備蓄についてはしっかりと補充してまいりたいと思います。

Q:2万人規模で活動していく中で、どんどん使っていく数も増えていくと思うのですけれども、増やしていくというお考えは変わりないですか。

A:必要に応じて補充していくと考えております。

Q:昨日、山口県知事がいらっしゃいまして、地元に丁寧に説明してほしいとお話しあって、大臣も追加説明の御意向を示されましたけれども、確認ですが、秋田県についても同様だということでよろしいでしょうか。

A:秋田、山口の地元と相談しながらやってまいりたいと思っております。

Q:佐竹知事がですね、政務3役か若しくは事務方の幹部が来県してお詫びなり説明なりをしていただきたいとお話をされているのですが、それについて大臣はどうお考えでしょうか。

A:地元としっかり相談して、両県やってまいりたいと思います。

Q:東北で行っておりました再調査、今日で調査期限になりましたけれども、これの結果についてはどのようにお考えでしょうか。

A:大変申し訳ありません、受領はいたします。今朝方に終了しているという連絡があったそうでございます。そこはしっかり受領したいと思いますが、こういう事態になったことにお詫びを申し上げたいと思います。

Q:配備断念に関して大臣検証を御自身でなさっていると昨日の外交防衛委員会でも発言されたと思うのですけれども、配備候補地の選定の経緯についても検証するお考えというのはありますでしょうか。

A:なぜブースターのコントロールがソフトウェアの改修でできると認識をしたのか、また、どういう経緯で、やはりハードウェアの改修が必要になったのかという経緯について、今確認しているところでございます。

以上