防衛大臣記者会見

日時
令和2年7月3日(金)10:54~11:18
場所
防衛省A棟11階第1省議室
備考
河野防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

 6月30日、防衛医科大学病院に勤務する30代男性の陸上自衛官が、新型コロナウイルスに感染していることが確認されました。医官です。隊員は、新型コロナウイルス対応に関係する業務にはこれまで就いたことはございません。また、防衛医科大学病院において、新型コロナウイルス感染症に係る患者の診療にも当たったことはございません。市中感染と思われます。6月29日に発熱及び咳の症状があったため、6月30日に防衛医科大学病院において、ランプ法及び抗原検査を実施した結果、陽性反応が確認されたため、そのまま入院し、治療を受けているところでございます。保健所と濃厚接触者については協議をし、同僚の医療従事者12名を特定して、全員検査で陰性ということであります。また、この隊員が診療した患者、19名についてもランプ法にて検査を行い、全員が陰性であることを確認しておりますので、現時点で院内感染は確認されておりません。この隊員で合計14人の自衛隊員がこれまで感染したということになります。2つ目、明日7月4日(土)、防衛装備庁先進技術推進センターを視察する予定です。安全保障上の重要な先端技術を発掘・育成するための防衛省の取組について、しっかり理解を深めてまいりたいと思っております。また、技術職・研究職の皆さんとしっかり意見交換をしてまいりたいと思います。5日から6日にかけまして、航空自衛隊春日基地及び新田原基地を視察し、所在部隊の状況をそれぞれ確認してまいりたいと思っております。4つ目、わが国の置かれた厳しい財政状況の下、防衛力を着実に強化していくために、実質的な財源の確保を図ることが必要で、中期防にも収入の確保を図ることとされております。その取組の一環として、不用となりました自衛隊の物品につきまして、「せり売り」、いわゆるオークションを、7月26日に、防衛省において実施することといたしました。具体的には、退役しました練習艦「やまゆき」の操舵輪、あるいは、空自パイロットのヘルメット、あるいは、輸送機の操縦桿、ラダーペダルなど、約30品目をせり売りに付して、売り払う予定にしております。一般の方々からのせり売りの参加募集を本日から開始します。本日午後、防衛装備庁のホームページに詳細掲載をしますので、御覧をいただきたいと思います。おそらく400人前後、講堂で密にならないように入っていただくには、400人前後かなと思います。ただコロナの感染状況拡大によっては、更に制限を厳しくしなければならないことも想定されますので、その場合には残念ながら100名くらいになってしまうかなと思います。とりあえず1回目やってみて、どんな感じか手応えを知りたいと思いますし、世の中的にも防衛省・自衛隊、こういうことを始めました、ということをこれで広く知っていただきたいと思います。財務大臣からも収入の確保ということは言われておりますので、色んなことをやってF-35、1機分の収入を上げられたらいいなと思っております。

2 質疑応答

Q:大臣、冒頭でおっしゃいましたが、先日、防衛医大病院で男性医官が新型コロナに感染したと発表されました。現時点において、院内感染の疑いがないということだったのですが、感染経路についてはどこまで追えているのか、お聞かせください。

A:保健所と一緒に今、感染経路を追う、辿っているところでございます。

Q:関連して、緊急事態宣言が解除された後、防衛医大病院なり全国の自衛隊病院があると思うのですが、そこの医官や看護官等医療従事者について、町に出られるようになったということで、市中感染のリスクが高まっていると思います。このリスクを今後どのように逓減していくお考えでしょうか。

A:今回もそうですが、医療従事者が市中感染をするリスクというのが、特に東京は特定の場所で増えていると思います。市中感染リスクの高い場所への立ち入りはなるべくそうした医療従事者は控えてもらいたいと思いますし、手洗い、消毒等今まで以上にきっちりやって院内感染に繋がらないようにやっていただきたいと思っております。都内で100人超えということを非常に重く見ておりまして、推移をしばらく見守りたいと思っておりますが、必要に応じて、自衛隊も対応策を取っていかなければいかんと思っております。

Q:その対応策についてですが、昨日100人都内で超えまして、今後、都道府県からも、もしかしたら災害派遣の要請があるかもしれない。その場合の対応をどうされるのかということと、自衛隊内、防衛省内部での対応策は改めてどのようにしていこうとお考えでしょうか。

A:災害派遣の可能性はだんだん強くなってきているというのが、最近の雨の降り方を見ても予測できます。災害派遣に出た際に、隊員が感染しないような準備はそれぞれの部隊で進めていただいておりますし、避難所その他での感染症の拡大防止対策に、自衛隊としてもしっかり寄与できるようにしていきたいと考えているところでございます。その前に自衛隊が市中感染しないようにどうするか、場合によったら元のような感染防止の厳しい態勢に戻る必要もあり得るとは思っておりますので、この感染の拡大、特に、東京始めいくつかの場所ではしっかり見ていきたいというふうに思っております。

Q:アメリカが海兵隊の岩国基地に、自衛隊の、陸上自衛隊の導入するオスプレイ2機が置いてあります。6日から9日の間に千葉県木更津市にそのうちの1機を持ってくるというふうに、防衛局から通知しているとのことですが、そのうち1機を持ってくる具体的な日程が、もし固まっていれば教えていただければと思います。

A:岩国において、今、米側でオスプレイ、点検・整備を実施しております。この陸自のオスプレイ2機につきましては、1機目は7月6日(月)の午後、2機目は7月10日(金)の午後、木更津駐屯地に輸送することとなります。天候によって若干、日程変わる可能性はございますが、今のところ、そういう日程でございます。

Q:大臣から冒頭発表があった自衛隊物品のオークションについてなんですが、これを売って得たお金はそのまま防衛省の収入になるのか、それとも国庫に入ってしまうのか、そのあたり教えてもらいたいのと、F-35、1機分の収入を目指したいということなんですが、26日のオークションでは大体どれくらいの収入が得られればいいかという見通しがあれば教えていただけますでしょうか。

A:全部まとめたらF-35、1機分ぐらいになったら将来的にはいいなというぐらいで、26日はとりあえずやってみようということでございますから、これはよくわかりません。一応、こういう手引書を作ってですね、皆さんに色々御理解をしていただこうと思っております。せりをいくらから開始したいという金額は書いてありますが、それに拘らずにどんどん競っていただきたいと思います。売り上げがどうなるかというと、それは一義的には国庫に入りますけれども、当然、防衛省が努力している分はですね、予算的にしっかりと考えていただく、そういうことになろうかと思っております。

Q:30品目とおっしゃったかと思うのですけれども、これは売る前の下限の値段を足すといくらぐらいになるのでしょうか。

A:それを言ってしまうとならないので、そこは差し控えたいと思いますが、30品目、水筒と飯盒をまとめていたり、航空ヘルメットと酸素マスクとヘルメットバッグをまとめて売ったりというのがありますので、たぶんせりとしては21回ぐらいに。すぐ終わっちゃいますね。とりあえず1回目ということで、防衛省もこんなことやったことないので、とりあえず試しにまずやってみようということでございます。いずれネットとかもっと幅広く、大勢の人が参加してくださるようなこともやりたいと思っております。

Q:26日には大臣も御参加されて、ということでよろしいでしょうか。

A:一応。

Q:オークションなんですけれども、参加するのに制限とかはあるのですか。先着順なんですか。

A:手引書で募集のあれが書いてありますので、それを見ていただきたいと思います。色んな条件もございますが、大勢の方が参加をしていただいたらいいなと思っております。詳細は、もう近々出します。

Q:先ほどおっしゃったように、今回はネットでの参加はない。

A:はい、ありません。

Q:将来的にはやりたいという。

A:やりたいなと思っております。まだ、目途が立っているわけではありません。

Q:将来的なネットですが、イメージ的にはメルカリみたいなものを使うとか、そういう感じでしょうか。

A:いくつか差し押さえの形態みたいなのでネットでやっているのがあったのですが、どうも色々話をしていると、使えないとのことのようで、今どうやるか考えています。どこかそういうことをやってくれるところがあれば一緒にやりたいと思っております。

Q:防衛省への収入増加というもう一つの観点から見ますと、今、例えば女性隊員の萌えキャラだとか、関連するグッズとかですね、艦娘とか、タイアップした漫画だとか、あるいは映画ですか、いわゆる版権ビジネスになるのでしょうか。そういったものがどれぐらいあるのか分からないのですが、かなり、特定のファン層にはそうとう定着していると思うのですけれども、実際、現実問題ですけれども、カップラーメンの日清食品、あそこがカップヌードルと、ちょっと秋葉原系になっちゃいますが、ガールズパンツァ―というアニメ漫画がありまして、そこと連携でキャンペーンをやったりしているのですが、そういった版権ビジネスというか、キャラクター活用とか、ゆるキャラじゃないですが、アニメキャラと言いますか、それで防衛省全体でアピールしていく、そういう考えについてはどのようにお考えでしょうか。

A:いい御提案だと思います。今、省内にいかに収入を確保するかという特命の委員会がございますので、そこで様々検討をしているところであります。いかにも現実離れしている提案もございますし、今回のような現実的なものもありますので、その中でしっかり検討してもらいたいと思います。

Q:このオークションに関してなんですけれども、これは初めてでよろしいのかということと、これは大臣の発案で決まったものなんでしょうか。

A:初めてだそうです。

Q:大臣の発案でよろしいでしょうか。

A:これは省内で収入をいかに確保するかというチームがやっていますから。

Q:関連して、購入者が転売して市場に出回るというおそれがあると思いますが、そうした悪用的な例に対して、どうやって対応していくのでしょうか。

A:例えば、海外へ転売するような場合には、様々輸出規制に引っかかる可能性もありますから、経産省に御確認くださいという注意書きはこの手引書の中に書いてありますし、あまりに転売が激しいような場合にはですね、何か対応は取らなければいけないとは思っておりますが、おそらく、転売も何らかの規制に引っかかるので、経産省にあらかじめ確認しろよ、ということになろうかと思います。

Q:オークションとかで収入を得るという意義について、現在の防衛省の予算の状況等を踏まえて教えて下さい。

A:防衛関係費1.1%増という縛りがある中ではありますが、様々新領域への投資もやっていかなければいけませんし、ゲームチェンジャー技術というようなものに各国が非常に大きなお金をつぎ込んでいる中で、防衛省としてもやれることは最大限やらなければいかんと思っております。これをずっとやっていって、いつF-35、1機買えるのかというそういう御質問も当然あろうかと思いますが、とりあえず、財務省に向けて、しっかり収入上げてるぞ、という姿勢も見せて概算要求に臨みたいと思っております。

Q:オスプレイの件ですが、先ほど1機目と2機目の到着日がわかっておりましたが、今後、実際の訓練飛行の開始時期等についてはどういうスケジュール感でしょうか。

A:木更津で点検・整備をやらなければいけませんので、まだ具体的な日程というのは出ていないと思います。

Q:1機目が到着した後から、暫定配備の5年間の時計が回り始めるわけですが、改めて、佐賀への配備の手続き等どういう姿勢で臨んでいかれるか、教えてください。

A:5年を目途ということで、お約束させていただいておりますので、しっかりそれに向けて努力していきたいと思います。

Q:オスプレイの方ですけども、今回これで木更津に行って、事実上、自衛隊の中で動き始めるということについての意義を、大臣、どのようにお考えでしょうか。

A:水陸機動団が創設されて様々訓練をしているところでございますので、このオスプレイと合わせてですね、しっかり機動性のある、そういう取組にしていきたいと思います。

Q:オークションの方ですけども、オークション初めてですけども、そもそも払い下げが初めてなのか、オークションが初めてなのかを確認したいのと。

A:詳細調べてお答えします。

Q:麻生さんには話をされたかと思うのですが、そのときどういうやり取りがあったのか、もし差し支えなければ教えてください。

A:一度、春先にやろうと考えておりまして、そのときは麻生さんに「カンカン」というのをやってもらおうとお願いをして、日程まで押さえてくださっていたのではないかと思いますが、コロナで延期になってしまいました。今回は財務大臣、御日程が先約があるということですから、来てはいただけないのかもしれませんが、収入上げろよ、と言われておりますのでしっかりやります、そういう感じです。

Q:オークションの関係で、人気の高いファントムの関係部品というのは今回あるのかというのと、もしなければ、今後、人気が高いのでそこら辺はどうされていくお考えでしょうか。

A:今回は試しということですので、最大で400人くらいかなと思っております。コロナの感染症拡大でもっと距離を取らなければいかんということになると講堂で100人ということに、最悪は中止ということもあり得るかもしれませんが、とりあえず試しですので、あんまりネットオークションみたいに価格がダーッと全国から札が入って上がるということでもないと思いますので、とりあえず手元にあるやつを使っております、ということでございます。中身については後程発表しますので、楽しみにしていただければと思います。

Q:辺野古の問題について伺います。昨日、自民党の石破議員の方が辺野古の現行計画を検証する必要性について言及されました。最近、中谷議員も辺野古の軍民共用案等に言及されていますが、こうした自民党内の動き、大臣どのように御覧になっていますでしょうか。

A:議員が意見を述べるのは御自由でございますので、特にコメントもするあれもないと思います。

Q:昨日、軟弱地盤について独自に調査している専門家チームが、震度1以上の地震が発生すれば護岸崩壊の危険性がある、との解析結果を公表しました。防衛省として同様の解析を行い、その結果を公表するよう求めていますが、防衛省として、どのように対応していくのか教えてください。

A:技術検討会で専門家からも既に御意見をいただいて計画を作っておりますので、そのとおりやってまいります。

Q:昨日、立川市の方で米軍のパラシュートが町の中に落下する事案が発生しました。このことについて、今後、米軍にどのように対応、申し入れされるのでしょうか、教えてください。

A:降下していた米軍の隊員は、無事に予備のパラシュートで安全に落下したと聞いております。パラシュートであまりそういう事故があってはならないんでしょうけども、これまでも何回か予備のパラシュートで降りてくるということがあったようでございます。隊員に怪我、隊員が無事に降りてこれたということで、ほっとしているところではございますが、やはり何かあれば、周りの住民の皆さんには、やはり不安をもたらすということもありますので、しっかりとパラシュートの整備をしていただいて、きっちりとした降下訓練をやっていただきたいと思っております。

以上