防衛大臣臨時記者会見

日時
令和2年6月21日(日)14:21~14:34
場所
秋田県庁正庁
備考
河野防衛大臣秋田県庁訪問(知事等との会談後臨時会見)

1 発表事項

 なし。

2 質疑応答


Q:今回の会談でイージス・アショアの配備計画が停止に至ったその理由について、県側の理解を得ることはできましたか。また、防衛省として今後、地元の理解をどのように求めていくお考えでしょうか。お聞かせください。

A:秋田の皆様には、このイージス・アショアの配備のお願いをしてから、色々と御迷惑をおかけし、また、本当に多くの皆様に御尽力をいただいたにも関わらず、この配備のプロセスを停止するという決定をせざる負えなくなりましたことを、心よりお詫びを申し上げたいと思います。防衛省としては、まず国家安全保障会議に報告をし、その議論を待った上で、また、地元とも御相談をして、しかるべく御説明をさせていただきたいというふうに思っております。こうして御説明とお詫びの機会を頂戴できましたことを御礼を申し上げたいと思います。

Q:今回のブースターの問題を計画停止の理由にされましたけれども、そもそも新屋に関しては、知事・市長が1月に訪問されましたけれども、新屋演習場そのものについて住宅地から近いという点も含めて、地元からも反対の声があって、なかなか地元の理解が進まないという状況があったと思うんですけれども、そのブースターの問題じゃなくてもですね、新屋演習場という所に対しての配備計画を進めるというのは、なかなか結局理解が難しかったのではないかと考えるのですが、その点は大臣いかがでしょうか。

A:今回、こうして配備のプロセスを停止をすることになりました。防衛省としては、再調査の上、ゼロベースで判断をしたい、そう申し上げ、再調査が終盤に来ていたところでございましたが、こういう状況になりましたので、我々として配備のプロセスを停止をさせていただくということになりました。色々、混乱を生じ、また、御迷惑をおかけしたことはお詫びを申し上げたいと思います。

Q:今回の経緯に関してですね、NSCに報告して今後の議論ということになると思うんですが、そもそも今回こういった経緯になったことについての、国内での検証や総括、あるいはその、こうした判断がですね、直前になったことに対する担当者に対する処分という言い方がいいのか分かりませんが、そういった責任の問題に関してはどのようにお考えでしょうか。

A:こういうことになった責任は、これは防衛大臣が負う、そういうことだと思います。2017年、北朝鮮のミサイルが日本の上空を飛び越えていく中で、いかに国土を守るか、そういう議論の中で、このイージス・アショアの配備の決定が下されました。ブースターの落下のコントロールが、ソフトウェアでできるかどうか、あるいは、ソフトウェアの改修が終わった時点で、配備のプロセスを始めるべきではなかったのか、そういう御意見もあろうかと思いますが、当時の状況に鑑みて、ソフトウェアの改修が終わってから、配備のプロセスを始めるのでは、時間がかかり過ぎるという判断であった、ソフトウェアの改修に関する様々な議論と配備のプロセスを並行して、やっていこうということになりました。その結果が、こういうことになりましたので、その判断が甘かったのではないか、そう言われれば、そのとおりでございますと申し上げるしかございません。ただ、現在もこの弾道ミサイルの脅威が残っているのは事実でございますので、防衛省として速やかに国家安全保障会議の議論の中で、しっかりと議論した上で、この弾道ミサイルから、どう国土を守っていくか、そういう議論をしっかりしてまいりたいと思います。

Q:防衛省が、これまで新屋演習場を最適地としてきたことに関して、大臣の評価はいかがですか。

A:防護範囲をみれば、この秋田県の一部、それと山口県の一部にイージス・アショアを配備して、弾道ミサイルから守るのが、もっとも効果的に日本の国土全域を守れるというのは、そのとおりでございます。ただ、その中にあって、やはり、住民の皆様、地元の皆様に、この安全性の件について、特にブースターの件については、新屋では海上に落下させる、むつみは演習場に確実に落下させる、そういう御説明をしてまいりましたが、ソフトウェアの改修だけでは、それが確実にできると言えないということになりました。ハードウェアの改修につきましては、先程申し上げたように、相当なコストと時間がかかる、そういうことになり、とても合理的と言えないという判断をせざるを得ませんでしたので、今回のこういう判断になりましたが、わが国をどう弾道ミサイルの脅威から守っていくかということについて、やはり国民の皆様の御理解をいただきながら、しっかり議論してまいりたいと思います。

Q:住宅地が近い新屋演習場を配備候補地とする判断は適切だったと考えますか。

A:防護範囲の観点から山口県の一部、そして秋田県の一部にイージス・アショアを配備するというのが、最も効果的に日本の国土全域を守ることができる、そういう中で、最適な範囲の中からイージス・アショアの配備先を検討していこう、そういうことであったと理解をしております。

Q:御自身で、目視なり航空写真なりで住宅地と新屋演習場の位置関係というのは確認されましたか。

A:確認してます。

Q:どのような感想を持たれましたか。

A:防護範囲の中でしっかりと国土を守るためにどこが良いか、そういう検討をしていたものと理解をしております。

Q:秋田、青森、山形で行った再調査の結果というのは。

A:ちょっと待ってください。1人ずつ、時間がないので。

Q:距離感についての大臣の評価をお聞かせください。

A:保安距離というものが、しっかり取れるかどうか、そこが一番大事だったというふうに理解をしておりますが、地元の皆様が様々不安に思われていた、そういうこともございます。もうこの配備のプロセスを止めましたから、あれでございますが、住宅地からの距離というのも重要な要素として、ゼロベースで考える時に考慮しなければならないというふうに考えておりました。

Q:現在、行っている再調査についてはどのように、再調査自身も止められるのでしょうか。

A:再調査については、7月の10日を期限というふうにしておりますので、そこは終えて報告をしていただきます。しかし、配備のプロセス自体を止めるということになったということでございます。

Q:これまで三役の方々は実際に演習場を見られてきました。大臣は今日これから見に行くとか、そういった御予定はありますか。

A:今日は残念ながら時間がありません。

Q:大臣、今回の停止に関して、ブースターの問題によるとおっしゃってます。去年夏の参議院選挙でですね、新屋演習場配備に反対する野党統一候補が勝利しました。自民現職が落ちました。この結果に関して、今回の判断に影響を与えたのか、それとも全くなかったのでしょうか。

A:今回の配備プロセスの停止は、お約束をした演習場の中、あるいは海上に確実に落下させるためには、ソフトウェアの改修だけで確実に落下させると言えなくなったということが、はっきりしたので、その必要なコストと期間に鑑みて、配備のプロセスを停止する、そういうことにいたしました。

Q:今回配備計画を停止したのは、ブースターの落下場所をコントロールできないことのみの理由ですか。住宅への距離というのは考慮されていないですか。

A:ブースターを確実に演習場内、あるいは海上、そうした場所に確実に落下させるためにハードウェアの改修が必要になってまいります。そこがはっきりし、おそらく、そのコスト、あるいは、それに要する時間、それを考えた時に、それはもう合理的とは言えない、そういう判断からでございます。

Q:ブースターを確実にコントロールできないというのは、秋田でもむつみ演習場と同じようなことが見えて、海上に落とせないというような判断でそうなったという理解でよろしいでしょうか。

A:秋田県につきましては、再調査の上、ゼロベースで配備先を考えるということを申し上げておりまして、まだ、そのプロセスまで至っておりませんでしたので、具体的にむつみのように調べたわけではありませんが、むつみでそういうことになったということは、当然に秋田でも同じことでございますので、それはお約束どおりのことができないということで、秋田のプロセスも停止せざるを得ない、そういう判断をいたしました。

Q:今日、新屋住民の代表の佐々木さんが出席されていまして、大臣に要望されていましたけれども、受け止めを改めてお願いします。

A:地元の皆様には、これまでも様々御心配をおかけをし、また我々の方も不適切な対応で御迷惑をかけた、そこはしっかりお詫びを申し上げたいと思います。また、今日、日曜日にもかかわらずに、わざわざお出かけをいただきまして、説明とお詫びを聞いていただいたことに感謝を申し上げたいと思います。NSC、国家安全保障会議の議論の上で、その結論について、また然るべく対応をしてまいりたいと思います。

Q:すみません。ブースターのみが理由かどうかという問いに対して、お答えいただいていないと思いますけれども、その点はいかがですか。

A:先程、申し上げたとおりです。

Q:それのみだということでよろしいですか。

A:先程の話を聞いてください。

Q:のみでということでよろしいですね。

A:話を聞いてください。

以上