防衛大臣記者会見

日時
令和2年6月16日(火)13:57~14:46
場所
防衛省A棟11階第1省議室
備考
河野防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

 新型コロナウイルス感染症に対する水際対策、成田空港及び羽田空港における検疫支援に最後まで従事していた隊員8名、今月14日、この日曜日をもって停留措置が終了し、PCR検査の結果、全員陰性でした。この結果をもって、水際対策強化に係る災害派遣に従事した隊員全員の陰性が確定いたしました。

2 質疑応答

Q:イージス・アショアについて、3点お伺いします。まず、昨日、河野大臣は、イージス・アショア配備に関するプロセスを停止すると発表されました。改めて、昨日の発表に至った経緯をお聞かせください。

A:イージス・アショアについては、むつみの演習場内にブースターを落下させますという御説明をしてまいりました。当初、ソフトウェアの改修でこれが実現できるという認識でおりましたが、ソフトウェアの改修だけでは確実にむつみ演習場内に落下させると言えない、ということが判明いたしまして、ハードウェアの改修が必要になると。しかし、ハードウェアの改修おそらくSM-3ブロックⅡAの例を考えると、あの時が少なくとも2,200億、開発に12年ということですから、今回もそれと同様の期間、コストがかかるということを考えると、ミサイルの能力が向上するわけではありません。ブースターの落下地点をコントロールするということですので、この投資は合理的ではないと判断をいたしました。当面は、現在のイージス艦でミサイル防衛の体制を組むということにいたしまして、まず国家安全保障会議にその旨の報告をし、議論を経た上で今後の対応を考えていきたいと思います。

Q:昨日の会見と少し重なる部分もあるかと思いますが、昨年5月の山口県等の地元への説明でですね、ブースターを演習場内へ落下させるための措置を確実に講ずるという説明を行っております。当時このような説明を行った根拠について教えてください。また、昨日の発表で、昨年の説明が成り立たないということが明らかになったわけですが、当時の見通しが甘かった、あるいは、明確な根拠のないまま地元に説明をしていたとの誹りを受けても仕方がないかと思われますが、その点について大臣はどのようにお考えでしょうか。

A:当初、ソフトウェアの改修でむつみ演習場の中にブースターを落下させることができるという認識でありました。その認識の下、地元にも御説明をいたしましたし、日米間でも協議を行ってまいりましたが、確実にむつみ演習場内に落下させるというためには、ソフトウェアだけでなくハードウェアの改修も必要だということが判明し、そのコストと期間に鑑みてプロセスを停止せざるを得ないという判断をいたしました。地元の皆様にブースターを確実に落下させるという御説明をしてきた以上、配備するためにはそれを実現しなければならないと考えておりますし、残念ながらそれを実現するための時間とコストが合理的でないと判断をせざるを得ませんでした。地元には大変ご迷惑をおかけしましたので、なるべく早い段階で、お詫びにお伺いしたいと考えております。

Q:防衛省のこれまでのイージス・アショアの配備計画について、海上自衛隊のイージス艦による警戒体制の空白を埋め、日本全国を24時間365日、防護するために必要だと政府に説明をして来られました。今回の配備計画のプロセス停止により、当面の間、警戒体制の空白部分が埋まらない状況、あるいは、いつその空白部分が埋まるのかということが不透明な状況になるのですけれども、何らかの他の手段を講じて、その空白部分を埋めるというお考えはありますでしょうか。本日の衆議院安全保障委員会で、大臣はイージス艦を増やす選択肢もある旨、答弁されていましたが、実際にこの所、検討されているということでしょうか。

A:現時点で、日本のミサイル防衛は、イージス艦とPAC-3で防衛を、体制を敷いています。この体制、24時間365日、イージス艦で対応するというのは、海上自衛隊に人繰りの点でもストレスが掛かりますので、本来なら、陸上に配備するイージス・アショアでこれを置き換えたいというふうに考えておりましたが、今回のイージス・アショアの配備のプロセスを中止するという決定に伴い、当面の間、海上自衛隊にイージス艦でミサイル防衛をする体制をとってもらうということを続けて行かなければならないと思います。このイージス艦とPAC-3でミサイル防衛に空白は生まれませんが、将来的にどうするかというのは、今後のNSCの会議を経た上で、しっかり検討してまいりたいと思います。

Q:最後に北朝鮮情勢について、お伺いします。朝鮮人民軍参謀本部が、16日、韓国の脱北者団体による体制批判ビラ散布への報復として、南北合意により非武装化された地帯に軍隊を再進出させ、前戦を要塞化する措置を検討している旨、発表しました。また、北朝鮮外務省の高官は、非核化はたわごとなどと、改めて、核・ミサイルなどの軍事力を強化していく方針を示しています。このような南北関係を含め、最近の北朝鮮情勢をどのように見ておられるか、また、これに対して防衛省として、どのような警戒態勢をとっているのかについてお聞かせ下さい。

A:6月に入りまして、北朝鮮が、北朝鮮の外務省ですか、あるいは、金与正副部長というのですかね、かなり発言が強硬になってきているふうに私も認識をしております。その背景は様々なことが考えられるというふうに思っておりますが、一つは、この新型コロナウイルス感染症が、北朝鮮内で感染が拡大している、あるいは、北朝鮮のなかでも田植えが始まったと認識しておりますが、そうした食糧の自給のバランスが、近年あまり良い方向に動いていない、国内的にも厳しい状況がある、あるいは金正恩委員長の健康状態について、様々な噂が飛び交っていたという状況がございます。そういう中で、何がしか、国内の状況から目を背けさせるようなことが必要になっていることは、考え得ることなんだろうと思います。防衛省・自衛隊として、アメリカあるいは韓国などとも連携をしながら、あるいは、その他の国々とも情報交換をしながら、北朝鮮の国内で何が起きているのか、あるいは、北朝鮮政府の意図は何なのか、しっかり情報収集・分析をしてまいりたいと思っております。

Q:先ほどの答えでですね、2年前にイージス・アショアの導入を決めた時には、ソフトの改修で、演習場に落下できるという認識だというお答えでしたが、この認識そのものは甘かったという考えはないでしょうか。

A:今にしてみればですね、それが実現できないわけですから、その認識が甘かったと言われれば、もうお詫びをするしかないというふうに思いますが、日米間で様々な協議をする中で、そういう判断の下、ソフトウェアの改修でできる、そういう判断をしていたというのは事実でございます。振り返ってみれば、ソフトウェアの改修では実現できないということでございますから、認識が甘かったのではないかと言われれば、否定のしようがございません。

Q:その判断によってですね、地元の山口・秋田は2年間、振り回されたという形になっている、このことについてはどのように考えられていますでしょうか。

A:地元の皆様には、本当にご迷惑をお掛けをしたというふうに思っております。お詫びを申し上げたいと思いますし、きちんと私が出向いて、お詫びをしてまいりたいというふうに思っております。ただ、2017年の段階は、8月・9月でしたか、北朝鮮のミサイルが日本の上空を飛ぶという、そういう時期でございました。国民の皆様の平和な暮らし、あるいは、日本の領土・領海・領空を守る、そのためにこのイージス・アショアの導入が必要だという、決定を行ったわけでございますので、防衛省としては、国土を守る必要な装備の導入のために、全力を上げてきたというふうに認識をしております。ただ、この時点におきまして、このような判断をせざるをえなくなったということについては、地元の皆様もそうでございますし、日本の国民の皆様、納税者の皆様にお詫びを申し上げなければならないと思います。

Q:朝、今日の自民党の部会でですね、今回の決定に訂正をするという、プロセスを停止するという決定に至るプロセスについて、出席した議員の方からですね、閣議決定をするような重い決定を簡単にこういった形で覆すのは、やや早急なのではないかという意見も批判も出ていたのですけれども、その辺りについてはどのようにお考えでしょうか。

A:防衛省として、できる範囲のことをした上で、国家安全保障会議あるいは閣議にかけるということですので、防衛省として必要な判断をさせていただいたということでございます。

Q:説明が足らなかったという批判もあったのですけれども、その辺りについてはどうでしょうか。

A:今回、こういう配備のプロセスを止めるということでございまして、これは、私から両県の知事にご説明をさせていただきましたが、これまでイージス・アショアに関しては、様々な情報が漏れる、事前に漏れるということがございました。どこから漏れているかという特定ができなかったものですから、私から両県の知事にご説明をするまでは、関係者以外は一切他への説明をしないということで、情報漏れを防いでまいりましたので、その点については、幹事長を始めお詫びをしてまいりました。

Q:今回の決定がですね、プロセスの停止という決定が、日米関係に与える影響をどのようにお考えでしょうか。

A:アメリカとも随時協議をしてきたところでございます。そこはしっかり日米間で、必要な協議は続けてまいりたいと思っておりますが、日米同盟の重要性ということに何ら影響を及ぼすものではないというふうに考えております。

Q:イージス艦の建造にも関連するのですが、三井E&Sホールディングス、いわゆる三井造船が、先週、玉野艦船工場、これを三菱工場に、事実上、売却するということを発表しております。これに伴って、日本のいわゆる軍艦を手掛ける会社は、三菱重工それからジャパン・マリン・ユナイテッド、川崎重工、本来でしたら、三井があったわけですけれども、4社から3社に、1社減るわけですけれども、まず、このことについて、どのように受け止めていらっしゃるでしょうか。

A:それぞれの企業が、この造船事業について、どのような経営判断をされるのかについて、防衛省として、特にコメントはございませんが、玉野工場についてもですね、造船所についても、その基盤は、会社は引き継がれても、基盤は残るというふうに理解しておりますので、特に防衛省について、防衛省の関連事業について、影響が出るということは考えておりません。

Q:影響が出ないということはわかりました。あと、一応念のためなのですが、韓国や中国は、かなり政府が露骨に、変な言い方ですが経営が傾いているようなところに資金援助して、競争力を保つ、あるいはさらに技術を維持しているという現実があるわけです。日本の造船工業会なんかもWTOに提訴していますけれども、それはどこ吹く風で、政府として企業の補助をやっているわけですけれども、実際には経産省マターかもしれませんが、防衛省としていわゆる日本の造船技術の技能の伝承とか維持に対しての支援ということについては、どのようにお考えでしょうか。

A:それは経産省マターというふうに考えております。

Q:アショアの質問に戻りますが、今後、NSCでの協議を踏まえて今後の対応を判断ということですが、もし、大臣のおっしゃるように停止という手続きとなっているわけですが、もし、やめるということになれば、代わりの抑止力、ミサイル防衛をどのようにお考えでしょうか。

A:NSCの議論を経て検討してまいりたいと思います。

Q:NSCの議論を経て判断するということですが、代替案を出さずにやめるということだけは、防衛大臣がおっしゃるというのは、他国からどのようにみられるかということも含めて、無責任ではないかという声が、自民党の部会でも出されていました。この意見についてどのようにお考えでしょうか。

A:当面の間、イージス艦とPAC-3でミサイル防衛をやってまいります。

Q:大臣は、敵基地攻撃能力についてどのようにみていますか。というのも、最近、アメリカの軍の幹部も、ミサイル迎撃というのは割に合わないと、どうしても攻めてる方が強くて、受け身に回っているような、どうしてもイタチごっこで常にディフェンシブに回るということで、日本の財政事情が厳しいですし、周辺諸国の安全保障環境の脅威を考えると、敵基地攻撃能力を議論したほうが良いのではないかと思いますが、その点、大臣はどのように思うのかが1点。今月始めにアメリカのペンタゴンがF-35Aに次の2つの能力を搭載することを開始しました。その2つというのは、敵防空網破壊、DEADという能力と、敵防空網制圧、こういった割とオフェンシブの能力を日本もF-35Aに、先ほどの敵基地攻撃能力と関わってきますが、搭載する予定はあるのかどうか。大臣の見解を含めて教えてください。

A:敵基地攻撃能力については、与党内で様々議論が行われているというふうに聞いております。F-35の装備の追加については、後ほど事務方から答えさせます。

Q:アショアの話に戻りますが、今回ブースターの問題を理由にということですが、山口ですと阿武町、秋田だったら県と市、それぞれ地元交渉というはうまく進んでいるようには見えなかったのですが、このブースターのリスクだけを強調するようにみえるんですが、こうした地元交渉がうまく進展していなかったということは、今回の決定に関して、何かしら判断を与えなかったのかということについてお聞かせいただきたいのですが。

A:特にありません。

Q:アショアからミサイルが発射される、そういうような事態というのは、日本としてはかなり緊迫した状況にあるという中で、ブースターがうまく演習場内に落下しない、秋田だったら海に落下しないということ、そこだけ、落下リスクだけに鑑みて計画を停止するということが説明としてどうなのかと。今日の自民党の部会でも、それであればPAC-3も運用できないのではないかという指摘もあったのですが、この点はどのようにお考えでしょうか。

A:イージス・アショアの導入については、むつみの地元の皆様にそういう説明をしてまいりましたので、そうではないというわけにはいかないというふうに思います。そういう意味で、しっかりこれから様々な代替策の検討をしていかなければならないというふうに思うわけでございます。まずは、安全保障会議でしっかり議論いただいて、その後、防衛省として代替案を考えていきたいと思います。

Q:午前中の委員会で、大臣の答弁で、アショアに関する支出済の金額が、これまで120数億円というふうに答弁されていたかと思いますが、正確にはいくらかということと、何に支出したのかということを教えていただけますか。

A:後程、今資料がありませんので、事務方からお答えさせます。

Q:関連して、レーダーとか本体の部分の支出は、まだ行われてないという認識ですか。

A:そこもすみません。詳細は分かりませんが、契約した1,700数十億の中にレーダーとイージス・アショアが入っております。それが、120数億分の中に入っていたかどうかというのは、資料がございません。事務方からお答えします。

Q:もう一点、米国との契約しているわけですが、今後これを契約しないということで、違約金について発生するかどうか、今後焦点になってくるのかなと思います。違約金について、今まで米国と様々協議する中で、今後どのような方向にしましょうという話は出てきているのでしょうか。

A:今後どのようにするのかということを考えながら、日米でしっかり協議してまいりたいと思います。

Q:では、まだ違約金をどうするかというのは固まっていないという理解でよろしいですか。

A:違約金が出るかどうかについても、何も決まっておりません。

Q:今の質問に関連するのですが、大臣先ほど、安保委員会で、既に契約済の1,787億については、日米間で協議していきたいと、取扱いについてはどうするかということだと思いますが、まず、交渉の方針というのか、まだ執行済でないものは取り戻すのか、回収するという観点からの交渉なのでしょうか。

A:今後、日本がどのようなミサイル防衛体制を組むかということにも関係してまいりますので、そうしたことを議論しながら、日米で協議をしていくということになるかと思います。

Q:部品によっても違うと思うのですが、アメリカの窓口というのはどこになるのですか。

A:後で、お答えします。

Q:アショアについてお伺いしたいのですが、そもそもこれ、ロッキード・マーチンのレーダー、つまり海自のレーダーとは違うものを初めから採用ありきで、しかも官邸の方から降りてきたという話を聞いております。その中心は和泉首相補佐官だったという話もあちこちから聞いているのですが、これは事実なのでしょうか。

A:知りません。

Q:当時の小野寺大臣も、何でレイセオンではないのだというふうにおっしゃっていたと聞いているのですけれども、そういう経緯というのは御存知ないでしょうか。

A:知りません。

Q:つまり、技術的なことも、大臣、今回のソフトウェアの改修だけでは済まないとおっしゃったのですけども、通常、技術的な困難なものがある時に、何で、いきなり初めから山口と秋田という候補地を決めてしまって、それで交渉をしたのか、もちろん、大臣の就任前のことだとは思うのですけれども、それに対して違和感は感じられませんでしょうか。

A:日本全体を防護するために最適なのが、この2ヵ所ということでスタートしたわけであります。

Q:このアショアに関しては、その官邸から降ってきた話なのか、それとも防衛省の方で独自でお考えになって導入を決定したのでしょうか。

A:政府内で必要な議論が行われて、導入が決められたと承知しております。

Q:これアショアだけでなく、オスプレイもそうですし、グローバルホークもそうですし、防衛省の中で必要ないと声が大きいのにかかわらず、官邸の方から押し付けられたという話を取材すると聞くのですが、これは非常に民主主義として、危うい部分もあるのではないでしょうか。結局、ナチス・ドイツで、総統府が国防軍に装備を無茶ぶりするような話に似ているような気もするのですが、大臣はそういうふうにお考えならないでしょうか。

A:思いません。

Q:あともう一つ、既に本年度の予算で、アショアのランチャーを発注しているかと思うのですけれども、これは扱いはどうなるのでしょうか。

A:1,787億に入っているかどうか確認します。

Q:アショアの関連です。コストと時間を踏まえて計画の停止を決めたということなのですが、この件について沖縄では、辺野古移設だって同様にコストと期間の問題があるじゃないかということで、昨日の発表を受けて、改めて、計画の見直しや疑問視をする声が出ています。こうした声についてはどういうふうに説明されますでしょうか。

A:普天間飛行場の危険性の一日も早い除去ということを考えると、しっかり工事を進めてまいりたいと思っております。

Q:一日も早いという意味でも、コストと時間を考えると、合理的な判断とは言えないという大臣のお考えというのは、当てはまらないのでしょうか。

A:現時点で唯一の選択肢ということでございます。

Q:現行計画が合理的だというお考えでいらっしゃるということでしょうか。

A:そのように考えています。

Q:先ほど、敵基地攻撃能力についての質問が出たのですけれども、自民党内、与党内で議論されているという回答だったのですが、政府として、防衛省として、大臣としてのお考えはいかがでしょうか。

A:与党内で議論していると認識しております。

Q:与党内のことを聞いているわけではないのですが。

A:政府として認識しているということです。

Q:政府として、今後、敵基地攻撃能力を持つ可能性があるという含みを持たせているということでしょうか。

A:与党内で議論していると政府は承知していると、申し上げております。

Q:政府としては否定もしないということですか。

A:否定も何も政府としてそう認識しているということを申し上げています。

Q:一部報道で、防衛装備品の開発等の契約を交わした防衛関連産業に対して、罰則規定がなかった機密度の低い情報漏えいについて、違約金を科す方向で検討に入っているという報道が入っていますが、事実関係はいかがでしょうか。

A:調べてお答えします。

Q:アショアに戻りますが、昨日のぶら下がりで、アショアに導入予定だったSPY-7に関して、アショア以外にも使えるという趣旨の発言をしていましたが、これは例えばイージス艦とかに搭載することも可能性としてはあるという理解でよろしいでしょうか。

A:SPY-7というのは非常に高性能なレーダーでございますから、イージス・アショアにも使えますし、イージス艦あるいはレーダサイト、様々な使い道があると、論理的にそういうことでございます。どうするかは、今後の議論を経てということになります。

Q:先日もブルーインパルスが展示飛行を東京で行ったかと思いますが、使っている機体のT-4に関していうと、かなり可動率が落ちているという、この落ちている理由は何かということと、T-4はかなり採用されてから年数が経っていまして、後継機種に関して何かお考えはございますでしょうか。

A:可動率の件については、後ほど調べてお答えしたいと思います。T-4の後継について、まだ議論、確たる方向性はないと認識しています。

Q:現在、世界中でもそうですが、F-35もそうですが、複座の戦闘機を開発せずに、練習機とシミュレータで入ってくる、初等練習機でかなり高度なシステムを積んでということもあり得るので、そうなると空自の初等練習機のT-7の更新にも関わってくるかと思いますが、そういう御認識はございますでしょうか。

A:後継について、よく承知しておりません。

Q:防衛省の定期会見の中で、防衛装備庁長官の会見がないのですが、これは例えば防衛装備庁長官の会見を定例的に行うといった考えはございませんでしょうか。

A:ありません。

Q:アショアでいくつかお伺いさせてください。大臣、外務大臣時代にですね、「2+2」で、これはやるということを決めたことになると思いますが、そもそも「やりますよ」というところからこれをみてきて、自分のところで配備計画を止めるということについて、どのように感じていらっしゃるのか。また、これからこの代替案についてはですね、議論をしていくということですが、今回の配備計画が日本のミサイル防衛、あるいは、防衛戦略全体にですね、どの程度のインパクトを与えるというふうにお考えなんでしょうか。

A:地元の皆様にも大変御迷惑をお掛けしたということは、私としても忸怩たる思いがございます。そういう意味で、今後のことは、きちんと議論をしていきたいと思っております。今回、海上自衛隊のイージス艦に依存しないシステムということで、このアショアの導入を決めたわけでございますが、また、海上自衛隊のイージス艦に少し負担を重くなるという状況でありますので、そういうことを含め、今後どうするか、なるべく速やかに議論をしてまいりたいと思っております。

Q:このことについてですね、米側とは話をしたのか、エスパーさんとした、あるいは、これからする、その辺りはどういうふうにお考えなんでしょうか。

A:米側とは常に協議をしてきております。今回の発表についても、米側には伝えております。

Q:長官とは。

A:長官とは近々、日米韓を始め、様々話をすることがありますので、必要であれば、そこで御説明をしようかと思います。

Q:もう一点、今回、ブースターということを理由に、大臣、計画の停止ということを表明されました。これは、約束していたことができないからということなのか、あるいは、ブースターというものが、そもそもですね、コントロールが難しいので、ブースターを使って地上から撃つということ自体が難しいというふうに判断しているのか、要は他のものを陸から撃つとなると、PAC-3もかけらは当然他のところに落ちてくるわけであって、そういうリスクがあるから止めようという話なのか、また、どういう理由かは別にしても、最初に「できます」と言ったことが、できなくなってしまったから止めるのか、それはどちらでしょうか。

A:お約束したことを実現するために、コストと時間が掛かり過ぎるということで、やはり、プロセスを停止せざるを得ないということです。

Q:秋田・山口の方にお詫びに行かれると、再三、おっしゃっていますけれども、確認ですけれども、従前と説明に齟齬が生じてしまったというか、約束をまさに守れない状況になってしまったということについてのお詫びという解釈でよろしいのかということと、ざっくりで結構ですので、スケジュール感をいつ頃までに行きたいという思いでいらっしゃいますか。

A:一義的にはそういうことでございますが、秋田の場合、新屋演習場のことを含め、色々と地元に御心配をお掛けをし、御迷惑をお掛けしたということも併せて、お詫びを申し上げなければならないというふうに思っております。19日以降、日程調整が整えば、早急にお伺いしたいというふうに思っております。

Q:先ほども少しお話しが出たのですが、イージス・アショアなんですけれども、海上自衛隊の少し負担が重くなるという御発言があったと思うのですけれども、防衛白書にもですね、イージス・アショアの導入に当たっては、海自の勤務環境が非常に厳しいもの、その軽減に繋がる、という一般の国民が見る防衛白書に書かれているわけですけれども、もちろん、代替案をこれから議論を始めるということを何度もおっしゃられているのですが、その辺り、海上自衛隊の負担軽減についてどのようにお考えになっているか、もし、少しでもお聞かせください。

A:海上自衛隊の自衛官には、イージス艦勤務の自衛官には随分負担をかけてきたわけで、それが当面続くということは、自衛官諸君に申し訳ないと思いますが、国土の守りをしっかり穴をあけないように、やっていかなければなりませんので、そこはしっかり頑張ってもらいたいと思います。本来、イージス艦を東シナ海をはじめ、他の任務にまわしたいところでございますが、そこの船繰りについても、これからしっかり海上自衛隊と議論していきたいと思います。今後の対応策の中で、そうしたことについても、しっかり手が打てるように運用していかなければならいと思います。

Q:昨日ですね、イージス・アショアの装備品の一部について、イージス艦を増艦する場合があるのであれば転用できるのではないかという話をされていたかと思うのですが、なかなか実際、船乗り、更にイージスに習熟するような隊員の方を育てていくというのは、一朝一夕にできるものではないと思うのですけれども、ましてや海上自衛隊、今、定員割れをして慢性的に割れております。その辺り、人員の育成について、どのようにお考えですか。この厳しい環境を打開するためのという意味ですけれども。

A:おっしゃるとおりだと思います。今後、対応策を考えていく中で、この海上自衛隊の人員の問題というのは、しっかり考えていかないといけないと思っておりますし、イージス艦を増やすかどうかを含め、全てのカードをテーブルの上にのせて、しっかり議論をしていかないといけないと思いますので、それぞれの賛否について、考えていきたいと思います。

Q:仮にですけれども、イージス艦を増やす場合、その増やす場合というのは人員も考えるということでしたけれども、人員も増やすことも含まれるのでしょうか。検討対象には。

A:まだ、どうするかは白紙でございます。

Q:そうすると、海自の定員を増やさないまま、イージス艦を増やすという選択肢もあり得るということですか。

A:まだ何も決まっておりません。

Q:敵基地攻撃能力の関係でちょっと確認させていただきたいのですけれども、これまで国会の答弁等でですね、政府は法理論上、必ずしも否定されるものではないけれども、その現時点において保有に向けて具体的に検討する予定はないというような形の答弁をこれまでされてきたと思うのですけれども、この政府としての認識は今のところ変わりはないという理解でよろしいでしょうか。

A:NSCの議論を経た上で、今後については議論してまいりたいと思います。特に今の時点で、何かをがらっと変えると決めているわけではありません。

Q:アショアの関係ですが、アショア導入前に、防衛省としてイージス艦を8隻体制でブロックⅡAがあれば、常続的に日本を防護できるという説明だったと思うのですけれども、この点については大臣はどのように考えていますでしょうか。

A:ミサイル防衛の体制をしっかり組んでいく上で、やはりイージス艦8隻体制というのは重要なんだろうと思いますが、イージス艦の任務というのは、本来、その他にも様々使いたいものはあるわけで、そうしたことを考えた時に、今後どういうふうにしていくのが良いのかは、しっかり議論していきたいと思います。

Q:来年になりますと8隻体制になりますけれども、8隻体制になってもプラスアルファさらにイージス艦の能力が必要とお考えでしょうか。

A:それは今後の議論次第です。

Q:確認ですけれども、アショア、ソフトウェアの改修ですね、導入当初からこれで基本対処しようという考えだったということでよろしいでしょうか。

A:むつみの演習場にブースターを落下させるという御説明をしている時に、ソフトウェアの改修で、それが対応できるという認識だったと理解しております。

Q:導入当初ですね、そうした表向きの公表はされていなかったかと思うのですけれども、多額の税金を使うこうしたものについて、ソフトウェアの改修が必要だと説明されなかった理由は何かあるのでしょうか。

A:ブースターを演習場に落下させるという御説明をしているわけですから、当然それに必要な措置は取るというのが前提になっていると思います。

Q:昨日、大臣ぶら下がりでですね、そもそもソフトウェアの改修だけでは難しいと気付いたのは今年の前半、数カ月前だとおっしゃいました。今日、菅官房長官が、この大幅な改修が必要だとなったのは、5月下旬にシステム全体の大幅な改修が必要だと発言されました。数カ月前に疑問というか疑惑が湧いてきて、今年5月下旬に正式に改修が必要だと判断に至ったという認識でよろしいでしょうか。

A:そういう認識で結構です。確実に、これはハードウェアに改修が必要だという認識に至ったのが5月の下旬です。

Q:戦車の定数に関してお伺いします。現在の大綱ですと、陸自の戦車の定数が300両かと思うのですけれども、これ全部10式で置き換えるというお考えでよろしいでしょうか。

A:後程、お答えさせます。

Q:通常の国であれば、例えば10式戦車を何両、いつまでに買うということを、まず初めに議会に納税者に対して提示して、それで揉んでからそれに了承されるということなのですが、わが国の場合は、これ何両買うか分かりません、いくら買うか分かりませんで、国会を通してしまうのは、ちょっと問題ではないかと思うのですけれども、大臣はその辺いかがでしょう。

A:防衛予算の制約がございますから、なかなか先々の見通しができないというのは現実としてあるのだろうと思いますが、小銃から戦車、戦闘機まで、やはりどのタイミングで、どれくらいのコストのものを入れていくのか、というものを何らか提示しないと、この受注している企業もですね、生産ラインを効率的に動かすということは難しいのではないか。今のように、単年度で発注する数が上下に激しくぶれるとですね、それは受注する側も、なかなか最適な人員をそれに割り当てたり、ラインを組んだりということが難しくなるのだろうと思います。そういう意味で、財務省とも、しっかり御相談をしながら装備品の受注については、なるべくきっちりとした見通しを提示をしながら、装備を更新する際には、なるべく更新が短期間で終わるようにやはりしていくのがベストだと思いますが、日本の財政状況に鑑みて、これ以上なかなか防衛予算を増やすというわけにはいきませんので、防衛予算の中で必要なものを優先順位をしっかりつけた上で、そうした調達についても可能な限り合理的に行っていくというのが望ましいと思っております。

Q:戦車だけが新しく更新されているわけなんですけれども、それに随伴する、いわゆる歩兵戦闘車、日本の場合ですと89式装甲車があるのですけれども、これの更新とかですね、あと87式自走高射機関砲の更新とかですね、本来パッケージとして考える機甲戦力の近代化が全く示されていない。戦車だけ新しくすればいいんだというような、いびつな方向性になっているかと思うのですが、こういうことをちゃんと本来は装甲車のパッケージを考えて決めることだと思うのですけれども、それがなされていないと思うのですけれども、大臣はいかがお考えでしょうか。

A:申し上げましたように、なかなか財政の制約がございますから、一括で何かというが難しいという状況にはございますが、やはり、少し中長期的に調達を見た上で、合理的な調達をしていくということが必要だというふうに認識しております。

Q:アショアに関してなんですけれども、今回、演習場内に落下させるということが、ハードウェアの改修も必要となるということで、期間とコストがかかるということでプロセスの低止ということになったと思うのですけれども、何か例えばハードウェアの改修をしなくとも、とりあえず海上に落下させることができるような候補地を探すというような検討はされたのでしょうか。

A:申し上げましたように、一定の地域にブースターを落下させるということに関して言えば、なかなかソフトウェアで、一定の地域に確実にというのは難しいということでございますので、この投資はすべきではない、という判断に至ったということでございます。

Q:このままでは、どこに置いたとしても、そういう一定の地域に安全に落下させるということが難しいという結論になったということなのですか。

A:先ほど申し上げたとおりです。

Q:質問の中で、事前に情報がリークするのを防ぐために、今回与党への説明をしなかったということをおっしゃいましたけれども、今後も重要な防衛政策を決定する際に、与党への説明をしないという対応は、今後も取り得るのでしょうか。

A:今回は、まず山口、秋田を代表する知事に、私からお詫びと御説明を申し上げるのが非常に大事だと思いましたので、とにかく、お二人に説明をするまで、お二人によそから話が入るということがあってはいけないということで、今回事前に説明をいたしませんでしたが、防衛政策についてはですね、今後与党でも、しっかり議論をしていかなければならないわけですから、与党に対する情報提供というのは、自民党、公明党、しっかりやってまいります。

Q:一つ質問と一つ要望がありまして。一つ質問は、先月、アメリカの空軍が、パイロットになるための身長制限を撤廃したんですね。なので、小柄な女性も、これまでなれなかった人がパイロットになれる道を開いたんです。日本は、こういった身長制限なり何なり、撤廃するという考えはあるのかどうか、が一つ。要望として、昨日イージス・アショア、国際的にも非常に注目を浴びていて大きなニュースだったので、昨日、多分記者クラブの方、日本のメディアの方だけ声をかけていただいたと思いますが、私はオフィスから電話取材をしようとするのですが、なかなか繋がらなくて、事実確認もできなくて、非常に報道しづらかったんですね。ただ私は、日本のことは英語でどんどん発信したいと思っているタイプなので、昨日みたいな大きなニュースがあったときは、外国メディアも声をかけていただけないでしょうか。

A:自衛隊に入隊する条件を、視力をはじめ様々緩和をしてきている、そうせざるを得ない状況にございますので、様々な条件を緩和してきております。アメリカの空軍の緩和の状況についても、ちょっと調べた上で、日本でも同様のことができるのであるならば、していかなければいけないと思います。日本でも女性の戦闘機パイロット、複数出ておりますから、どの職種にも女性が入って活躍できる、というのは非常に重要だと思います。会見のことについては、これは広報課に任せしたいと思います。

以上

下線部:修正事項(強制力→競争力)