防衛大臣記者会見

日時
令和2年6月9日(火)17:01~17:19
場所
防衛省A棟11階第1省議室
備考
河野防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

冒頭3件ございます。今年の1月からジブチを拠点として海賊対処行動に従事してきました第38次派遣海賊対処行動航空隊要員の交代につきまして、ジブチ政府との調整が整いました。今月18日に第39次隊及び第14次の支援隊の一部がジブチに向けて出国をいたします。出国前6月4日から、今回出国する隊員は停留に入っております。14日間の停留を日本でした上にPCR検査を実施し、ジブチ到着後、更に、向こうでも2週間停留をすることになります。任務開始は、7月の上旬ということになろうかと思います。中東地域における情報集活動のために、5月10日に佐世保を出港しました「きりさめ」、本日午後3時過ぎに護衛艦「たかなみ」と交代をし、活動を開始したところでございます。「きりさめ」は、PCR検査で全員の陰性を確認した後、日本近海で14日間健康状態を観察し、その後、海域に向かいました。しっかりやってもらいたいと思います。先日、「RE100」及び「再エネ100宣言」アンバサダーに就任し、最終的に電力、再生可能エネルギー100%に転換することを目指すということを申し上げましたが、同じようにこの再生可能エネルギーの導入をより一層進めようとしている環境省と、これまで以上に連携を深めていこうということで、環境大臣と合意をいたしました。硫黄島ですとか南鳥島、あるいは様々な離島その他色んなところにあります自衛隊の施設で、再生可能エネルギーの導入が進むということは、エネルギー面での強靭化に繋がってまいりますのでしっかりやりたいと思いますし、環境省がやろうとしている災害に強い再エネ導入のモデルということにも繋がってまいりますので、お互い協力して、具体的なケースを進めていきたいと思っております。

2 質疑応答

Q:7日の沖縄県議選で、玉城知事を支える県政与党が過半数を維持するという結果になりました。この結果の受け止め、そして辺野古の埋立工事に与える影響について、大臣のお考えをお聞かせください。

A:以前も申し上げましたように、地方選挙について防衛大臣としてコメントするのは差し控えたいと思います。地方選挙と工事とは別物でございますので、沖縄防衛局の方で、受注者及び米軍と調整をして、工事再開のスケジュールを決めるものと思います。

Q:今の質問に関連しまして、幹事社が言ったとおり、沖縄県議選ではオール沖縄陣営が僅差で与党を維持して、一方で、自民党の議席を増やして公明とか保守系無所属を合わせると過半数まで2議席と迫っています。今回の結果を受けて、地元の沖縄の辺野古移設に対する理解が進んでいるというふうに捉えているのかどうか教えてください。

A:申し上げましたように、地方選挙についてコメントするのは差し控えたいと思います。

Q:もう1点、辺野古の工事再開について、河野大臣、これまで業者であるとか米軍との調整を進めているとおっしゃったかと思いますが、具体的に地元業者であったり米軍は、この工事再開について、どのように防衛省に言ってきているのかを教えてください。

A:沖縄防衛局にお尋ねください。

Q:防衛技術で、重要な防衛技術ですとか、重要部品を手掛けている中小企業ですね、それの今、コロナで疲弊している関係で、中国などに買収されるリスクが高まっていると。これを何とか防げないかということで、自民党の議員連盟の中でも対策を協議、始まっているかと思いますけれども、防衛省として、実際にそれを手掛けるのは内閣府であったり経済産業省であったりすると思うのですけれども、今後、上場企業ではなくて中小企業の買収防衛策ということで、防衛省が経産省や内閣府なんかとどういう共同行動というか、連携を取っていくかについて、考えをお聞かせいただけますでしょうか。

A:非常に重要な問題だというふうには認識をしておりますが、防衛省単独で何かできるということではございませんが、少なくとも防衛省として、状況の把握はしなければならないというふうに思っております。その上で、与党、あるいはNSC、その他と相談しながら、できることを進めていきたいと思います。現時点で特にこれを、ということではございませんが、考えなければいけない、認識しておかなければいけない問題だというふうに思います。

Q:状況の把握というのは平たく言うと、例えばですけれども、三菱重工とかNEC等を通じて取引業者にヒアリングしていくというような意味なのでしょうか。また、大手の方ですと、既に重要機密に直接タッチする担当者を限定するとか、必要な情報をやり取りするときに国家安全保障局に必ず報告するようにするとかルールがあると思いますけれども、それを例えば、中堅・中小企業にも拡大するとか、その辺のイメージはいかがでしょうか。

A:コロナで様々な影響が色々なところに出ていると思いますので、どういうところにどんな影響があるのかということを、しっかり把握することに努めていきたいと思います。

Q:冒頭で、再エネの導入について、環境大臣と合意をしたということなんですけれども、具体的に、離島での再エネ導入以外で、どんなことをしていくことで合意したのかを教えてください。

A:合意をしたというか、意気投合したというのか、一緒にやりましょうということです。特に、今、離島に、例えば自衛隊が重油を持って行って発電機で、というようなことをやっておりますけれども、風力発電ですとか、太陽光ですとか、まだ波力というところまではいかないのかもしれませんが、そういうことを考えられると思いますし、あるいはレーダーサイトのように、山へ一本道で行っているようなところで災害が発生した場合に、やはり基地の中で自前で発電ができるような再生可能エネルギーの施設があれば、強靭化に繋がっていくと思いますので、まず再生可能エネルギーをしっかり入れていく、そういうプロジェクトを環境省と相談しながら進めていきたいと思います。

Q:具体的にいつまでにというスケジュール感はどうでしょうか。

A:こういうコロナの状況がありますので、なかなか今、スケジュールを具体的に申し上げるのは困難でございますけれども、硫黄島ですとか、南鳥島ですとか、いくつか候補地は出てくるだろうと思います。

Q:再エネに関してなんですけれども、そもそもこれはどちら側からの呼びかけで環境省とのこれ実現したのか、並びに、今後の進め方はどちらが主体になるのか、若しくは対等の関係でやっていくのか、教えていただければと思います。

A:正直、どっちだったか、あまり覚えておりません。お互いやろうよということですから、これから少し色んなプランを具体化していきたいと思います。

Q:主体性はどちらになるのでしょうか。

A:どっちでもいいと思います。

Q:今の件で、中々コロナの状況で進めにくいということで、たぶん何もまだ固まったものはないんでしょうけど、であるなら、今発表した理由というか、それはなぜなんでしょう。

A:先日、防衛省もRE100のアンバサダーに就任しましたので、環境省と一緒にそういうことなら色んなことをやりましょうということで、今朝、環境大臣も記者会見でおっしゃっていると思いますので、それじゃこっちもということです。

Q:意気投合したというのは、何か別に今日の朝したとかそういうのではなくて、それは前々から色々そういう話はされていたと思うのですが、意気投合というのはいつ何かあったのですか。

A:防衛省もアンバサダーやりますよというところで、それでは少し具体的に号令掛けましょうということで。

Q:冒頭の中東派遣についてですが、現在は那覇基地の部隊が現地にいると思うのですが、代わりにこちらから向かう部隊は八戸という認識でよろしかったでしょうか。また部隊の規模等が分かれば教えて欲しいのですが。何人くらい派遣するのか。

A:八戸の第2航空群から行動航空隊を派遣をいたします。それから支援隊の方は宇都宮の中央即応連隊を基幹として、陸上、海上で構成をすることになろうかと思います。八戸は67人だそうです。あと詳細必要であれば事務方にお尋ねください。

Q:併せてですが、主力の部隊の方が八戸からという理由というのは何かあるのでしょうか。

A:P-3Cですので、P-3Cを持っている部隊がローテーションで出しています。今回は八戸ということです。

Q:現地の方と調整が整ったという説明だったかと思うのですが、これは現地の方でコロナが終息しているという理由からでしょうか。

A:現地の方と調整をしていたのは、こちらで2週間隔離をすれば、あるいはこちらで2週間、向こうで2週間隔離をすれば、一応コロナにかかっていないということが確認できると。今、多くの各国の軍と話をしていますと、PCRは陽性の確認には使えるけども、陰性の確認には使えないねと。やはり陰性の確認をするにはPCRをやる、やらないにかかわらず、14日間の停留が必要だというのが、どうも基本になっているようです。こちらも送り出す以上、隊員の健康を確認しなければいけませんので、こちら側で停留をしっかりやりますが、ジブチ側はジブチに来てから2週間停留せいということですので、合計4週間になりますけども、それはやりましょうということで、こっちも向こうも2週間停留をするということで、実際の交代は7月になります。

Q:今のジブチの交代に関係してなんですが、日本国内での14日間、ジブチに行ってからの14日間に加えて日本国内での14日間というのは、ジブチ側が求めていて、日本側としても受け入れたということでよろしいでしょうか。

A:ジブチはジブチ入ってから2週間ということですけども、こっちは送り出すときに自分の隊員の健康の確認をしなければいけませんので、まず2週間やるよということでございます。合計すると4週間になりますが、二重の意味で確認していいのではないかと思います。

Q:現在は、八戸の方で隔離というか、そういう状況になっているということでしょうか。

A:6月4日から停留に入っていると報告を受けております。

Q:ジブチでの停留は、ジブチでの自衛隊の基地の中でということになるのでしょうか。

A:そういうことになります。今、特に基地から外へは出ませんので、ジブチの国内、コロナがやはり感染者が増えているようですので、中々基地から出るというのも今は難しい状況に正直なっています。

Q:環境省との話ですが、大臣、この間、台風19号のごみとか環境省と色んなことをやっていこうとおっしゃっていますが、これは、大臣が環境省のやっていることに共感を覚えているからなのか、それとも進次郎さんと馬が合うから一緒にやっていこうという話なのか、そこはどうなのかというのと、これ関連する費用を概算要求とどういうふうにしていこうとお考えでしょうか。

A:概算要求については、これからまだ詰めないといかんと思っていますし、今年、再エネ最低で30%の電力の調達をやりまして、今、自衛隊の調達電力量の7%か9%までいっております。今回を少し、これくらいのことができるんだと分かりましたので、来年度は色んな意味でもう少し頑張ってやりたいと思っております。環境省とは災害廃棄物でこれまで自衛隊が協力をしておりましたが、しっかりマニュアルを作る必要があるということで、環境省と合意をしてマニュアル作りをやっているところです。再生可能エネルギーについては、環境省も小泉大臣が旗振っていますので、自衛隊も同じ方向を向いていますので、それじゃ一緒に協力できるところはやりましょうというふうになりました。

Q:それはあくまでも政策ベースであって、進次郎さんと連携している分野があるからやってみようということではないという理解でよろしいですか。

A:政策ありきですよね。

Q:ジブチの方ですが、中々要員交代できずに、負担も掛かっていたと思うんですが、そうした状況があった中で今回交代できることについて、どう受け止めてらっしゃるのか、また、行く隊員も当然不安があると思いますけれども、どういうふうに送り出していこうとお考えでしょうか。

A:ジブチもそうですし、南スーダンのUNMISS、それからMFO、これから色々交代させなければいけないという状況にきていますので、それぞれ国連、MFO、あるいは、相手国南スーダン、エジプトとしっかり調整をしていきたいと思います。どこの国もコロナの状況が非常に厳しいものですから、隊員の生活環境、勤務環境、結構厳しい中にあります。そういう中で、しっかり勤務できるように我々としてもバックアップしていきたいと思っておりますし、今度の更にその次の交代をどうするかということについても、なるべく早手回しに詰めて、動けるようにしたいというふうに思っております。

以上