防衛大臣記者会見

日時
令和2年5月12日(火)13:55~14:07
場所
防衛省A棟11階第1省議室
備考
河野防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

 本日、新型コロナウイルス感染症対策として、市中感染に関して隊員4名、水際対策に関して成田及び羽田で63名の隊員が従事しているところでございます。市中感染については、長崎県にCT車を持っていっておりますので、その関係でございます。自衛隊のコロナウイルス感染者は、4月22日を最後に感染者出ておりません。13名の内12名が既に退院いたしました。残り1名は入院治療中でございます。先週金曜日、インドのシン国防大臣と電話会談を行いました。私からは、「ダイヤモンド・プリンセス号」における自衛隊の活動あるいは感染予防策、自衛隊中央病院での症例の分析等について説明をいたしました。シン大臣からは、「ダイヤモンド・プリンセス号」における自衛隊の支援について感謝の意がございました。昨年11月の日印の2+2で調整を進めることを決定いたしました、日印の戦闘機の共同訓練に関しまして、こうした新型コロナウイルス感染症の現状に鑑みて、延期をすることで一致をいたしました。本来、これは日印での初めての戦闘機の共同訓練となる予定でございましたので、コロナウイルス感染症が落ち着き次第、速やかに調整を再開することとしたいと思います。最後に、アメリカの空母「ロナルド・レーガン」の艦載機による着陸訓練、いわゆるFCLPについて、5月14日から6月10日まで、硫黄島で実施をする予定である旨、アメリカ側から連絡がございました。あくまでこの日程は現時点での予定でございますので、変更する可能性はございますが、しっかりやっていただきたいと思います。

2 質疑応答

Q:護衛艦「きりさめ」が10日に佐世保基地を出港しました。日本近海で洋上隔離を行って、PCR検査も行うということでした。現在の乗組員の健康状態や、検査の状況について教えてください。

A:PCR検査の検体の採取は終わったと思います。現時点で、乗組員の健康状態に特に何か問題がある、という報告は受けておりません。PCRの検査は、近日中に結果が出るというふうに思います。

Q:緊急事態宣言の解除の後の訓練の在り方なのですが、政府は特定警戒都道府県以外のところで解除の検討もしている、今月末の期限を待たずに解除の検討をしているということなのですけれども、現在、自衛隊の部隊を含め、複数の駐屯地から集まる訓練等は見合わせているところだと思いますが、今後、宣言が解除された地域の訓練の在り方について、どのように検討していますでしょうか。

A:今のところ、31日までは、訓練に関して様々指示を出しておりますが、緊急事態宣言がそれより早期に解除された場合につきましては、やり方を変えることも十分あると思います。14日の状況次第でございますが、各幕としっかり相談の上、対応を決めていきたいというふうに思っております。現時点で、まだ何か方針を決めているというところまではいっておりません。

Q:明日、日米韓の防衛実務者協議が開催されますけれども、昨年の5月以来1年ぶりの開催ということで、今回の北朝鮮情勢等を踏まえ、どういったテーマで話されるか、どういった成果を期待されるかということを教えてください。

A:これまで持ち回りで、実際リアルにやっていたものが、今回こういう状況ですので、テレビ会議ということにせざるを得なかったということでございます。北朝鮮問題をはじめ、地域情勢、その他色々意見交換があるというふうに思いますが、相手もございますので、これ以上、今の時点で申し上げるのは差し控えさせていただきたいと思います。

Q:先ほどの国会で、辺野古の地盤について、77mという数字が出てきましたけれども、70m、74mという数字もありました。それぞれの数字について、改めて教えて下さい。

A:詳細は、事務方にお尋ねいただきたいと思います。

Q:軟弱地盤が77mまであるのではないかという質問だったかと思うのですけれども、77mまでが軟弱地盤の可能であるということなのですか。

A:詳細は事務方にお尋ね下さい。

Q:事務方はどこになるのでしょうか。沖縄防衛局ですか。地協局ですか。

A:あとで、お答えすると思います。

Q:昨日、普天間飛行場に、環境補足協定に基づく立入りをされました。土壌サンプリングもすることができたと思うのですけれども、以前から県と市が求めていた、米軍が除去した土壌サンプリングもできました。これに関しては、異例だと思うのか、もしくは異例だとしたらですね、どういう働きかけ、どういう意図があって米軍が応じることになったかというのを教えていただければと思います。

A:環境補足協定に基づいて立入り、それから水と土壌のサンプリングを行いました。沖縄県宜野湾市、あるいは日本政府が求めていたサンプリングがしっかりできたというふうに思っております。そういう意味で、環境補足協定の意義は非常に大きいというふうに思っております。日頃から、在日米軍の安定的な駐留のためには、地元のご理解が欠かせないということを常々申し上げてまいりましたし、米軍もそうしたことをしっかりと理解を頂いているというふうに思っております。

Q:マスクについて、伺いたいと思います。散々聞かれていらっしゃると思いますが、今日は、富士山・日の丸、航空自衛隊の作った布マスクだと思うのですけれども、改めてマスクを通じて自衛隊・防衛省をアピールする思いを伺えればと思います。

A:別にそういう意図ではなくて、航空自衛隊の広報室が作ってくれましたので、今日着けているところでございます。マスクいくつかを持ち使い回しています。

Q:先ほどの国会でも少し話題になったのですけれども、地上イージスに関して、ご自身でフェイクニュースというふうにおっしゃっていた件について、少しお聞きします。大臣ご自身は、フェイクニュースというものをどういう定義だというふうにお考えでいらっしゃるのでしょうか。

A:事実でないことを報道するのは、フェイクニュースですね。

Q:今回の新屋演習場へのイージス・アショアの配備を断念したという報道がありましたけれども、その報道のうち、具体的にどういった部分がフェイクだというふうにお考えなのでしょうか。

A:これまで申し上げているとおり、再調査に基づいてゼロ・ベースで検討するという方針に、何ら変わりはございません。

Q:フェイクニュースという指摘をされているのであれば、訂正等を各メディアへ求めればいいと思うのですけれども、どこが間違っていて、というふうに指摘して、訂正を要求されるおつもりはないのでしょうか。

A:フェイクニュースを流したところが自主的に訂正される、と期待をしております。

Q:先日、尖閣諸島の領海に中国の公船が侵入して、日本の漁船を追尾する事案がありましたが、一義的には海上保安庁の対処かとは思うのですけれども、この事案について、大臣はどのように受け止めていらっしゃいますでしょうか。

A:とても無害通航といえる状況ではない、というふうに思っております。既に外務省からは中国政府に対して抗議をしているはずでございます。防衛省は、海上保安庁に対して、こうした接続水域あるいは領海への侵入があったときに、それを速やかに公表するように、今依頼をしていることころでございます。こうした、東シナ海での一方的な現状変更の試みにつながりかねないような動きに対しては、国内・国外を問わず、しっかり情報発信をしていかなければいけないと思っております。

以上