防衛大臣記者会見

日時
令和2年5月1日(金)11:18~11:35
場所
防衛省A棟11階第1省議室
備考
河野防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

 2月26日から中東地域において情報収集活動を実施している護衛艦「たかなみ」と交代するために、護衛艦「きりさめ」が、5月10日に佐世保を出港する予定になっております。おそらく、6月前半に「たかなみ」から任務を引き継いで、情報収集活動を開始することになろうと思います。「きりさめ」の隊員、臨時に健康診断を行い、出港後においてもしっかりと感染予防策を実施する、そういうことでコロナに感染しないように徹底していきたいと思います。自衛隊の隊員の新型コロナウイルスに感染している13名のうち、8名、既に退院、残る5名のうち、4名入院中、1名自宅療養中に変わりはございません。新たな感染も特に前回からありません。コロナの感染防止のため、成田空港、羽田空港において、検疫支援、それから宿泊支援を続けております。輸送支援については、民間のバス事業者に全て移管がスムーズに終わったところでございます。自治体から防護教育の要請が引き続き来ておりますので、それに対してはしっかり当たっていきたいと思っております。また、輸送支援、宿泊支援、要請があるものにつきましては、期限を区切ってしっかりと対応していきたいと思っております。これまでのところ、26都道府県の知事からの要請を、市中感染に関してはいただいているところであります。

2 質疑応答

Q:今、おっしゃられました「きりさめ」の派遣についてですけれども、感染予防策をやっているということだったのですが、具体的にどのようなことをされているのか教えていただきたいというのと、中東地域の情勢、新型コロナウイルスで少し変化があったのかなと思うのですけれども、年明けでは緊張状態が続いているということだったと思うのですが、その認識にお変わりはないか、お聞かせいただけますでしょうか。

A:「きりさめ」、健康診断を行って、感染症にかかっている恐れのある者、あるいは、感染症にかかると危ない者、乗船しないようにいたしたいと思っております。「きりさめ」出港後、およそ2週間は日本近海で訓練を続け、いわば2週間の隔離を船上で行うことになります。その後、中東地域へ向かっていくということになります。中東の情勢につきましては、緊張関係があるという状況ではありますが、特に大きな変化はないというふうに見ております。コロナに関しては、ジブチあるいは湾岸諸国、それなりに感染者が増えてきております。そこは心配をしているところでございます。ジブチもとうとう1,000人を超えましたが、400人を超える方々が回復しているということで、回復率が結構高いなと。それとお亡くなりになった方は、まだ極めて少ないということでございます。その辺の状況をしっかりと見ていきたいと思っております。

Q:新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けてですね、防衛協力・交流が進まないという状況の中、大臣、各国と電話会談を続けています。先日の会見ではですね、こうした電話会談の中で、ポストコロナの国際秩序の枠組みがどう変化していくか意見交換を行っているということだったと思います。日本周辺ではですね、中国の空母が沖縄本島と宮古島の海峡を往復する等、活発な活動を続けていまして、こうした中でですね、各国とどのような意見交換を行い、認識を共有していきたいとお考えになっていますでしょうか。お願いいたします。

A:残念ながら、防衛交流に影響が出ていることは否めません。他方、自衛隊、「ダイヤモンド・プリンセス号」を始め、これだけ感染対応しながら、まだ感染者がでていない、また、自衛隊中央病院でも、様々感染者の治療に当たって、かなり必要な知見を得られているということで、そうした資料を英訳して防衛駐在官中心に各国と知見の共有していることでございます。非常に感謝されている部分もございます。他方、こういう状況の中でやれることはしっかりやっておきたいと思っておりますので、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツと電話会談を致しましたが、今後も電話会談続けていく予定になっております。ポストコロナ、どういう状況になるのか、色んな国が色んな見方をしているところでございますので、しっかり意見交換をしていきたいと思います。

Q:今日の閣議は、多分憲政史上初のテレビ閣議だったと思いますが、その感想と今後の閣僚間のコミュニケーションをいかに取っていくかについて、どのようにお考えでしょうか。

A:そう言われると憲政史上初めてというのに私も参加したんだなと思います。あまり普段と変わらない感じではありました。確かに閣議の度に顔を合わせていたところが、中々顔を見ない閣僚も結構いるものですから、閣僚間のコミュニケーションをどうやっていくのかというのは色々と考えていけないのかなと思いますが、コミュニケーション、電話で普通に喋ったりもしますから。

Q:先ほどの中国海軍の動き関連でですね、改めてになるんですけれども、現実問題、アメリカ、日米、欧州とも自国のコロナ対策に手一杯の状況だと、他方で、中国の工場ですとか、経済活動を再開させているのが報じられていますが、そうしたニュースも踏まえて、なぜこの時期に改めて活動を活発化させているのか、どのように見てらっしゃるでしょうか。

A:他国の意図を中々推し測るのは難しいものでございますが、こういうコロナウイルスの対応をお互いやっている中で、東シナ海での領海侵入、あるいは接続水域への入域、それから自衛隊がスクランブルをかけなければいけない状況というのが、変わらずに、あるいは、増えているという状況があります。これは、コロナウイルス対策をしっかりやっていきましょうという国際的な思いに添ったものだとは言い難いと思います。中国には自制を求めたいと思います。

Q:宇宙の関係で、米軍は4月に、ロシアが対衛星ミサイル発射実験を実施したという発表をしております。こうした宇宙領域での軍事利用、軍事展開についてどうお考えになるか。それから仮称「宇宙作戦隊」が近く発足しますけれども、どういった役割、どういった機能が発揮できるか、そこをお伺いできますでしょうか。

A:やはり、安全保障上、宇宙が果たしていく役割というのは、格段に大きくなってきたという現実があろうと思います。そういう意味で、仮称「宇宙作戦隊」、まだ仮称と言っていますが、宇宙状況監視からしっかりスタートして、様々任務を果たせるように、育てていきたいと思っております。安全保障だけでなく、気候変動とか様々な分野でも衛星の部分、宇宙からの状況、地球を見るというようなことも重要になってきますので、色んなことがあると思います。そこは、JAXAなりと連携して、やれるところはしっかりやれる、そういう仮称「宇宙作戦隊」としていきたいと思います。

Q:前回の閣議後会見で大臣は、UFOに遭遇したとき、万が一、遭遇したときの手順をしっかり定めたいとおっしゃいました。その後、具体的に何か指示をされたのか、このUFOを取り扱う部署、「宇宙作戦隊」なのか、どこなのか、新たに新設するのか、そういう扱う部署に関して、どこが担うのか教えてください。

A:手順について検討するように指示をしております。当面、「宇宙作戦隊」の任務には入っておりません。

Q:関連して、「宇宙作戦隊」ですね、今月中にも発足する見通しだと思いますけれども、現状どういう状況なのか。今月中と言ってもいつ頃を目処に発足させようとしているのか、具体的にもし分かれば教えてください。

A:準備が整ったら発足します。

Q:大臣、今日のマスクに関してですが、迷彩柄のマスクを着けていますが、ここ最近着けている自衛隊柄のマスクが、どういうものなのかというのを教えていただきたいのと、昨日着けていたようなマスクとか。あと、これからマスクを着けて生活するのが一般的になるかと思いますが、マスクもファッションの一部になるとお考えでしょうか。

A:今日のこれは、手作りの物を送っていただいたので、着けてみました。昨日やっていた2種類は、航空自衛隊の手ぬぐいから、航空自衛隊の広報室が作ってくれた物で、せっかくのものだったので、昨日着けてみました。マスクもずっと着けているわけですから、ファッション性を持たせたいという人がいても、全然不思議でもないですし、白いマスクだという方がいても、それも別に不思議ではないと思います。それは人それぞれだと思います。

Q:関連で、昨日、日の丸のマスクを着けていたと思いますが、電話会談とかでも着けていらっしゃったと思いますが、どういう評価というか、何か言われたりされましたか。相手から。電話会談でもマスク着けていらっしゃいましたよね、航空自衛隊の。

A:電話会談をやりました、というツイートの写真はマスクをしていました。あれが電話会談のそのままの姿ではございません。別にプーさんを並べて電話会談はやりません。

Q:ちなみに、今後、日本の漢字とかも書いているものもあったかと思うんでが、そういったものが他国に対してプレゼント的なものになるとお考えでしょうか。

A:そんなことをやるつもりはありません。

Q:「きりさめ」の出港を発表されたところだと思うんですけれども、P-3Cの交代要員が遅れていると思うんですけれども、その目処について教えていただけますでしょうか。

A:P-3C×2機で戻ってくる途中に、ベトナムで1機故障が発生して、そのまま留まっております。もう1機は戻ってまいりましたが、今、故障の状況を確認し、部品あるいは整備要員を送ることが必要なのかという状況を見ているところだと思います。P-3Cの要員についてはベトナムの検疫の手順、確か、入国すると海外からの入国者は2週間か、停留措置になると思いますが、それに従って、入国をすることになるだろうと思います。どれくらい日数がかかるのかというのは、まだ報告を受けておりません。

Q:ジブチの部隊の交代は、いつぐらいになりそうでしょうか。

A:今、ジブチと調整をしているところでございます。

以上