防衛大臣記者会見

日時
令和2年4月21日(火)11:09~11:30
場所
防衛省A棟11階第1省議室
備考
河野防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

 本日、沖縄防衛局から、公有水面埋立法に基づきまして、公有水面埋立変更承認申請書を沖縄県に提出したと報告を受けました。今回提出した変更承認申請書は、キャンプ・シュワブ北側の大浦湾における地盤改良工事の追加等に伴うものであり、沖縄防衛局において、技術検討会と環境監視等委員会の有識者の方々にしっかりと御議論をいただき、十分に検討された内容になっていると承知しております。移設工事を着実に進め、普天間飛行場の一日も早い返還を実現し、その危険性を除去することに繋がるものと考えております。地元に丁寧な御説明を引き続き行っていきたいと思います。今年1月11日に海上自衛隊那覇基地において、私も見送りましたP-3C哨戒機2機、1月20日から3ヵ月にわたり、ソマリア沖・アデン湾において海賊対処行動及び日本関係船舶の安全確保に必要な情報収集活動に従事してきましたが、これらのP-3C哨戒機は、5月上旬に機体整備の期限がきます。これまで、海賊対処行動に従事する部隊とP-3C哨戒機は、同じタイミングで交代をしてまいりましたが、新型コロナウイルス感染症の流行を受け、ジブチ政府が入国に関して制限を課しているところで、隊員の交代について、ジブチ政府と調整を続けておりますが、新しい機体の派遣が必要となりますので、今月24日、海自八戸基地所属のP-3C哨戒機2機をジブチに向け先に出発させます。要員の交代については、ジブチ政府と調整をしているところでございます。また、今月26日には護衛艦「おおなみ」が、横須賀から海賊対処のため出港することになります。三つ目、防衛省・自衛隊においては、これまでも新型コロナウイルスの感染拡大防止を図る観点から、他者との接触を低減する取組を強力に推進してきたところでございます。4月16日に緊急事態宣言の対象区域が拡大されたことを踏まえまして、より一層の感染拡大防止対策を講じる必要があるとの判断から、17日に、私から、5月6日までの緊急事態宣言の期間中における、教育訓練と勤務態勢の方針に関する大臣指示を発出いたしました。部隊等における教育訓練については、複数の部隊等が集合して行う教育訓練については、当面の間、実施を控える。駐屯地・基地等の人員の半数を超える教育あるいは訓練は、原則として中止又は延期をするということといたしました。ただし、自衛隊の即応性を維持する観点から、同一の駐屯地あるいは基地等の同一部隊あるいは個々の艦艇による教育訓練、艦艇・航空機等を使用した教育訓練など、他の部隊等との隊員との接触がないものについては、各部隊長等の判断により、継続して実施するということにしております。四つ目、昨日より、現在、自衛隊が災害派遣活動として実施しております成田空港からの帰国者・入国者の輸送支援につきまして、厚生労働省と民間事業者との契約に基づきまして、民間バス事業者が実施することとなりました。段階的に実施規模を拡大して、今週中を目途として、自衛隊から完全に民間バス事業者に移行するということになっておりますが、民間バス事業者が業務を実施するにあたりまして、防護衣の着脱の要領、車内・荷物室の消毒要領、車内の養生の要領といった感染防護について、防衛省・自衛隊が有する知見や経験を提供してきたところでございます。五つ目、4月18日(土)、新たに、練馬駐屯地に所属する30代男性の陸上自衛官及びバーレーンにあるCTF151司令部に所属する20代男性の海上自衛官が新型コロナウイルスに感染していることが確認されました。この2名を加えると合計で12名の自衛隊員が感染していることになります。そのうち4名は退院しております。1名自宅療養中、7名が入院、治療中でございます。詳細については、事務方から必要に応じてブリーフィングをさせます。

2 質疑応答

Q:辺野古の設計変更の申請に関連してなのですが、現在の辺野古の工事で、コロナ感染者が出たことを踏まえて、一旦中断していると思います。また、沖縄県で独自のコロナの緊急事態宣言を出していますが、コロナの影響というのは特に考慮されなかったのでしょうか。併せて、工事再開の見通しをお聞かせ下さい。

A:一部の事業者から、工事中止の申し出もありました。コロナの陽性が出たということで、現地で様々状況の整理をしていたわけですが、そのまま中断を延ばすということにしたとの報告を受けております。今後どうようになるかというのは少し状況を見て、沖縄防衛局が判断すると思います。

Q:P-3Cの要員の交代の延期に関連してですが、先週の会見では、近々に交代を出すことは、ジブチの了解を得られているというふうに見通しを示されていたのですが、その後、何か状況の変化があったのでしょうか。また、大臣は常々、プランZは撤退だというふうにおっしゃってこられましたけれども、今回要員の交代ができないということで、撤収の可能性は高まっているのでしょうか。

A:P-3Cの整備期限が迫っておりますので、機体を入れ替えるということを先にやりたいと思います。ぎりぎりというよりは、少し余裕を持ってやりたいというふうに思っております。ジブチとは要員の交代について、今調整をしているところでございます。ジブチもかなり急速に感染者が増えていることもありますので、先方も色々心配をされているというところもありますので、まず安全を考えて、機体の交代を先にやりたいというふうに思います。

Q:撤収の可能性はいかがでしょうか。

A:特に今のところ考えておりません。

Q:辺野古の埋立申請の件ですが、このタイミングで申請になった理由をもう少し具体的にお聞かせいただければと思います。

A:沖縄防衛局の判断で、今朝ということになったということであります。技術検討会あるいは環境監視等委員会、それぞれしっかり御議論をいただいたということなのだろうと思います。

Q:沖縄県の玉城デニー知事が、新型コロナの現状を踏まえて、申請についても事業者に適切に判断をしてほしいと求めていたりですとか、緊急事態宣言を独自に出している現状もあるのですけれども、そういった事情も検討されたのでしょうか。

A:ちょっと意味がよく分かりませんが。

Q:申請するに当たって、新型コロナを巡る今の事情は何か検討されたのでしょうか。

A:沖縄防衛局で用意が整ったということで、申請書を提出したということでございます。特に書類の提出ですから、あまりコロナとは関係ないのではないかと思います。

Q:もう一点、改めて承認が得られる見通しについてどうお考えでしょうか。

A:普天間飛行場の危険性の除去を一日も早くということは、これは沖縄県も国も思いは同じだと思いますので、沖縄県が適切に御判断をいただけると思います。

Q:P-3Cの交代ですが、ジブチの国内での機体の入れ替えということでよろしいでしょうか。ジブチの空港で、第三国で入れ替えるのか。

A:行って帰ってくるということだと思います。

Q:ジブチの空港で、乗員が乗り換えて機体を替えると。

A:そういうふうに理解しております。

Q:CNNの報道で、金正恩委員長が手術のあと重篤な状態にあるという情報があるのですが、これについて防衛省として何かありますでしょうか。

A:報道は承知しております。今、申し上げるコメントは特にございません。

Q:辺野古に関して伺います。今日、変更承認申請を出されたということですが、玉城デニー知事は依然反対の立場をとっており、不許可とする可能性もあると思うのですが、そうした場合、防衛省として法的措置等は考えていますでしょうか。

A:先ほど申し上げたとおり、普天間飛行場の危険性の除去を一日も早くというのは共通した願いだと思いますので、沖縄県が適切に御対応いただけると思っております。

Q:辺野古の関係ですが、沖縄県に理解いただけると大臣おっしゃっていますが、一方で沖縄県は、基本的に申請を受けないという考えを示しています。どういった行動をとることによって理解を得ていこうとお考えでしょか。

A:普天間飛行場の危険性の除去というのは、これは共通の願いだと思っておりますので、我々としては、沖縄県が適切に対応していただけると思っております。

Q:P-3Cの関係ですが、今回、交代が延びることによって、オペレーションに影響が出るとお考えですか。出ないとすれば、その理由をお聞かせ願います。

A:ジブチ国内で、コロナウイルスの感染者が増えております。かなりのペースで増えていますので、基地としては感染防止策をとってもらっております。そういうことで、外出もできませんし、食事も色々制約がある中で、隊員にストレスが溜まっているというのは現実としてあると思いますが、そこは司令以下、様々ストレスを発散する方法を考えてもらって、今のところオペレーションに特に影響はないと報告を受けておりますが、これは無期限に続けられるものではありませんので、そこはしっかりジブチ政府と隊員の派遣についても調整を進めていきたいと思っています。

Q:先ほどの金正恩委員長の報道に関してですが、NBCは脳死も、という話もしています。大臣はどこの報道まで把握されていますでしょうか。

A:様々な報道情報がございますが、今、コメントするレベルではないというふうに思っております。

Q:P-3Cについてお伺いしますが、要員の交代の時期が延びているのは、ジブチ側が制限しているからというのが主な理由なのでしょうか。それとも、日本側としてコロナが流行しているのを警戒して要員交代を遅らせているのでしょうか。

A:交代の時期を特に決めているわけではございませんので、別に延びている、遅らせているということではございません。

Q:要員の交代が5月上旬になっている、機体だけ先に替えることになったのは、ジブチ側の制限が大きな要因ということなのでしょうか。

A:特にどちら側ということもなく、調整の結果でございます。

Q:もう一点お願いします。コロナの影響での訓練の見合せの件ですが、現時点で、もし影響が出る訓練の数など把握されていましたらお願いします。

A:必要なら事務方に数えさせます。別々な駐屯地から合同で訓練をやるような訓練については、駐屯地から駐屯地に万が一の感染を広げるリスクがありますので、それについては中止あるいは延期をせよということにしてございます。どれぐらいになるのか、数えられるか、事務方に聞いてみましょう。

Q:金委員長の関係なのですが、様々いろいろな情報があるということですけれども、大臣は報道以外でも情報に接していらっしゃるということでしょうか。

A:コメントを差し控えます。

Q:政府が先般閣議決定しました10万円の給付について、大臣は受け取るお考えでしょうか。いろいろな考え方があってですね、一律に受け取ったり受け取らなかったりするのが、人によって考え方色々あると思うのですが、大臣のお考えはいかがでしょうか。

A:特に申請するつもりはございません。

Q:申請に関してお考えもうかがえますか。

A:特に申請をするつもりはございません。それ以上でも、それ以下でもございません。

Q:北朝鮮の関係なのですが、こうした報道が出ることによって地域の安全保障にどういった影響が出るというふうにお考えなのか、また防衛省・自衛隊として警戒監視のどういった対策を立てていくかお聞かせ願います。

A:警戒監視、常に緩みなくやっております。

Q:先日、日仏防衛相会談の際に「ダイヤモンド・プリンセス号」での知見を提供して共有したというお話がありましたけれども、他国との共有等もやっているという話ですけれども、どういう意義を狙っているのでしょうか。

A:「ダイヤモンド・プリンセス号」の我々の知見、経験というものを、在京の防衛駐在官あるいは我々の防衛駐在官を通じて、様々な国と共有をしているところでございます。少しでもそうしたことが役に立てばいいなというふうに思っているところでございます。フランスは、空母「シャルル・ド・ゴール」でかなり多くの感染者を出しましたので、我々の方からも、そうした知見を共有することによって少でも役に立てればと思っております。電話会談の冒頭で、フランスのヘリコプターの事故で兵士2名が亡くなったことへのお悔やみと、「シャルル・ド・ゴール」のお見舞いを申し上げましたが、パルリ大臣からは、パリの国際会議で感染した自衛官については、その後どうだと、ずいぶん心配をいただきまして、もう退院して元気にしていますということを申し上げられたのが非常に良かったと思います。

Q:先ほど訓練の中止といいますか、実施を控えるとの話に関連してですけれども、シミュレーター装置ですとか、IT機器色々あると思いますけれども、今回を機会に、それの利用を拡大するとか、加速するとか、そういうお考えはありますでしょうか。

A:今回はいずれにしろ間に合いませんが、やはりシミュレーター、例えば航空機の訓練などで非常にシミュレーターのレベルも上がっておりますので、非常に有効だとは考えております。色んなところへ出向かなくても、シミュレーターを使って編隊飛行の訓練までできるようにレベルがアップしているわけでございますので、費用との兼ね合いもあるというふうには思いますが、いずれにせよシミュレーターを更に活用するということは、今後十分に考えられることだと思います。ただ、当面のコロナ対策という意味では残念ながら間に合いません。

以上