防衛大臣臨時記者会見

日時
令和2年4月17日(金)19:06~19:16
場所
防衛省A棟1階エントランス
備考
日仏防衛相電話会談後の河野防衛大臣臨時会見

1 発表事項

 フランスのパルリ軍事大臣と電話会談をしました。本来、「2+2」を日仏の間でやることになっていたのですが、こういう状況でしばらく先送りになってしまいます。私からフランス軍のヘリコプターの事故で亡くなったフランスの兵士にお悔やみを申し上げるとともに、フランスの空母「シャルル・ド・ゴール」でコロナウイルスが広がっておりますので、お見舞いを申し上げました。自衛隊が「ダイヤモンド・プリンセス号」でどういう防護態勢をとったか、あるいはどういうことをやったか、それから自衛隊の中央病院でコロナに感染した方々をかなりの件数を診察しましたので、そういう知見をフランス側と共有すると同時に、先方からフランスの最新の状況について御説明をいただきました。今、自衛隊が行っておりますジブチは、フランスも基地を持っておりますし、フランス軍はジブチに病院を持っておりますので、いざというときには、自衛隊がお世話になるという御相談をずっとさせていただいておりましたので、そうしたジブチでの協力、あるいはフランスが太平洋に持っているニューカレドニアですとか、あるいはフランス領ポリネシア、ここでも様々なコロナの拡大がありますので、いざとなったときに太平洋地域の日本として、支援ができることがあればしっかり支援をしていきたいとお互い意見交換をしました。また、こういう中ですが、状況が許せば、日仏の防衛交流をしっかり進めていきたいということで一致をしましたし、「自由で開かれたインド太平洋というビジョン」に向けて、この交流をしっかりと継続していくことの重要性を確認しました。防衛当局でこのコロナに関する様々な知見、教訓といったものを共有していこうということで一致をすると同時に、この現状を踏まえた様々な形での脅威認識、あるいは感染症の拡大が各国の防衛政策に与える影響をお互い認識し、共有していこうということで一致をしました。また、コロナの感染症拡大が終息すれば、なるべく早期に「2+2」を日本で開催することになると思いますが、開催すると同時に、日仏の防衛協力・防衛交流をしっかりと再開していこうということで一致をしました。

2 質疑応答

Q:ジブチの周辺でもコロナの状況が心配されている中、フランスからの医療的な協力は、全面的に日本の自衛隊に万が一のことがあれば、全面的な協力を得られるということでよろしいでしょうか。

A:協力を得られるということで理解をしております。どの病院も、病床数は限られている中で、コロナの拡大で病床が埋まってしまうということがどこでも起こり得ると思いますので、最新の状況を確認しながら、自衛隊としてもどのように対処していくかということは確認してやっていきたいと思います。

Q:今朝、大臣会見でおっしゃった普天間基地での泡消火剤を巡る昨日の立入りの件ですが、その後、報道官会見等で大臣がおっしゃっていた経過、特に地元自治体の立入りについては、防衛省側からは事前についても、じ後についても入るということはきちんと連絡はいっていなかった、ということのようですけれども、事実関係を改めてお聞きしたいと思います。

A:この立入りにつきまして、沖縄が17日以降ということだったと思います。昨日、調整をしている中で立入りができるということでしたので、防衛省、外務省、環境省で立入りをやりました。沖縄県については、来週にもまた一緒に立入りをしようというふうに、これはもう立入りができると思っておりますが、そういうことで調整をしていると思います。昨日の立入りの件が沖縄県にしっかり伝わっていなかったことは、我々のミスだと思います。そこは申し訳なく思います。

Q:今おっしゃった17日以降というのは、元々沖縄県は17日以降の立入りを想定していたという理解でよろしいでしょうか。

A:沖縄県は17日以降に立入りということでしたので、昨日、16日でしたから、これはまた沖縄県とは17日以降に一緒に立入るということで調整をしました。

Q:今の件ですが、沖縄県には今は立入り調査の結果はお伝えしたということでしょうか。

A:立ち入っているということは、伝えていると思います。本来なら昨日これから立ち入って来週一緒に行きましょうということをお伝えすべきだと思いますが、そこがきっちり伝わっていなかったということは、我々サイドのミスだと思います。

Q:地元と緊密に連携しながら、やっていくということを防衛省は繰り返していいましたが、今回、そういうミスが起きたことについて防衛省側の態度がちょっと不誠実ではないかと思いますが、この点はいかがでしょうか。

A:沖縄県は17日以降の立入りということで、昨日、調整の中で今からということでしたので、そこについて私は、なるべく早く立入れと指示をしておりましたので、そこについては問題ないと思います。

Q:沖縄の関係ですが、どうして申し訳ないと大臣が言わなければいけないような事案が起きてしまったと。それを今後防ぐために何をしていきたいとお考えですか。

A:きちんと連絡をする。「報・連・相」が大事だというのは、どの業務でもそうだと思いますので、そこはしっかりやっていただきたいと思いますが、私から担当部局に対してこれは非常に重大な事案だから、一刻も早く立入りやらなければいけないということで発破をかけていましたので、それはもう調整がつけば、その場で入るという判断を現地でしたのだと思います。

Q:フランスの方ですが、「シャルル・ド・ゴール」の中でもかなり多くの感染者が出ていて、知見を示したことに対して、先方からはどういった反応があったのか、また、今後こうした取組を他の国に対してはどういうふうにしていこうとお考えでしょうか。

A:やはり船の中での感染をいかに拡大するのを防ぐかというのは、どこの国も同じ悩みを抱えていると思います。そういう中で、「ダイヤモンド・プリンセス号」に延べで4,900人の自衛隊の隊員が入り、感染した人間が一人もいなかった、ということについては驚いていらっしゃいましたが、我々として、どういう防護態勢で行ったかということをきちんとシェアしていきたいと思います。我々の資料、それから中央病院の資料、今、防駐官のいる国あるいは在京の防駐官がいるところにシェアしているところで色々な国からかなり感謝と好意的な反応をいただいております。今後も相手の国の状況を見ながらですが、電話ですとか、テレビ会議というものをしっかりやっていきたいと思っております。

Q:先ほど、パルリ国防相との間で現状を踏まえた脅威認識を共有したいという御発言があったと思いますが、これはコロナの影響という意味の脅威認識とおっしゃっているのか、あるいはコロナで我が方あるいは各国の防衛体制が弱くなっているということによって、他の国からの何かアグレッシブな活動があるとか、そういうことについての脅威認識という理解なのか、そのあたりはどうでしょうか。

A:コロナの感染が拡大をしているという中での、様々な脅威認識ということでございます。

Q:沖縄の件ですが、昨日、立入り調査は午後3時半に終わっているということですが、発表になったのが今日の午前中の11時の大臣会見でした。3時半に終わって沖縄県に連絡する時間はあったと思いますが、あえて今日の大臣の会見での発表になったということで、防衛省全体として、大臣会見を優先したというような方向性が働いた可能性についてはいかがお考えでしょうか。

A:それはないと思います。

Q:今後、何か情報の上げ方について、省内に指示されるお考えはありますでしょうか。

A:当然のことを当然にやってもらうようにしたいと思います。

以上