防衛大臣記者会見

日時
令和2年3月17日(火)16:03~16:21
場所
防衛記者会会見室
備考
河野防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

 今日の閣議におきまして、「防衛省の職員の給与等に関する法律施行令の一部を改正する政令案」が閣議決定されました。新型コロナウイルス感染防止のための災害派遣を命ぜられた職員の災害派遣手当の特例として、日額最高4,000円まで引き上げるというものです。二つ目、4月5日に予定しておりました、日・太平洋島嶼国国防大臣会合「JPIDD」ですが、残念ながらコロナウイルスの現在の状況に鑑み、この日程での開催を見送ることにいたしました。延期でございますので、然るべきときに開催したいと思っております。三つ目ですが、防衛省の政務三役の在京のルールにつきまして、配布してあると思いますが、そのとおりに文書で定めることにいたしました。今後、防衛省の政務三役が替わっても同様の考えで対応していただきたいと思っております。政務三役になった場合は、議員宿舎に入っていない人は入っていただくと、23区内であっても、例外的にまず院にお願いするということを考えたいと思います。議員宿舎がいっぱいで入れない場合には、何らかの処置を考えるわけですが、自衛隊の官舎等に家賃を払ってもらって、入ってもらうということも検討できるのではないかと思っております。どうしても宿舎がないという場合は、その間、他の政務三役で役割分担することもあるかと思いますが、なるべく速やかに入っていただきたいと思っております。

2 質疑応答

Q:13日に防衛省内で新型コロナウイルス感染者が確認されました。感染者の現状と大臣の受け止め、今後どのように感染対策を強化されていかれるか、お願いします。

A:自衛隊は、コロナウイルスの災害派遣に当たった自衛官からは感染者は出すなということを日頃から申し上げてまいりましたが、お陰様で、その業務に当たった自衛官は感染しなかったということですが、今回、フランスの会議に出席をした海上自衛官の1佐が、その会議の中で発症者が出たということで、会議そのものが中止になり、しばらくホテルで缶詰になっておりましたが、フランス側が発症、症状のない人にはPCR検査をやらないということでしたので、あまり今のフランスでホテルに缶詰になるくらいなら、指定された飛行機で帰ってきた方がいいだろうということで、帰国をさせました。そのままPCR検査をやりに自衛隊病院に行って、その日のうちに陽性ということだったものですから、自衛隊病院に送りこみまして、若干、症状が出ていると聞いています。詳細が必要なら事務方から説明させますが、25万人の組織ですから、どこかで誰かが拾ってくるということはあるだろうと思いますが、集団生活をしていますので、集団の中で感染が広がらないようにしっかりとした感染対策をそれぞれの基地、駐屯地ではやってもらわなければいけないと思っております。これ以上感染を広げたくないと思いますが、基地の外からウイルスを拾ってきた場合であっても、基地の中では広めないように、しっかりと対応をとらせたいと思います。

Q:出張された自衛官が感染したということなのですが、現在、在外の防衛駐在官に対して、どのような対応をされているのでしょうか。

A:防衛駐在官も感染防止には細心の注意を払ってもらいたいと思っております。それぞれの国の状況の中で、必要なら帰国させるということもあり得るのかもしれません。ただ、感染防止には細心の注意を払ってもらうようにしっかりやってもらいたいと思います。

Q:今、帰国もあり得るとおっしゃられましたけれども、通常の業務、いわゆる軍事情報の収集が駐在官の仕事だと思うんですけれども、そういった業務をどのようにカバーしていくのでしょうか。

A:状況によっては、そうした相手の政府なり各国の軍の組織なりと接触ができないという状況もあり得ると思いますので、そこはもうケース・バイ・ケースで判断するしかないと思います。

Q:1佐の他に海外出張を行っている人は他にいらっしゃらないのですか。

A:いたと思います。

Q:その方は大丈夫なんですか。

A:今のところ、この1名の報告を受けています。

Q:フランスやイタリアとかスペインの一部でも入国禁止措置が出ていますけれども、こういったことについて、防衛交流に影響があるのでしょうか。

A:東京ディフェンスフォーラムあるいはJPIDDの延期といったように、防衛協力、防衛交流に影響が出ているのは否めません。相手の国との関係もありますから、どの国等ということは申し上げませんが、例えば、硫黄島の式典が中止になったことで、そこに来られるはずだったアメリカの関係者も、これは直接コロナとは関係ないのですが、キャンセルになったり、色んな所で影響が出ておりますが、本当に必要ならば、テレビ会議なりということができると思いますので、なるべく影響が最小化するよう努力していきたいと思います。

Q:2点ほど質問です。現在、中東に海上自衛隊が派遣されていますけれども、もし海上自衛隊の船内で新型コロナウイルスの感染が発生した場合に、横浜に停泊していたクルーズ船のような感じで船内で感染が拡大する可能性があると思うんですけれども、そのような事態が発生した際の想定されている対処法をお聞かせください。もう1点、今後、日本国内で新型コロナウイルスが拡大した場合についてですが、自衛隊並びに在日米軍の活動がどうなるかという点について、2月28日の会見で質問をしたときに、集団生活の中でそれが広がらないように各駐屯地、基地に万が一、陽性者が出たときのコンティンジェンシープランを作れという指示を出しているという回答をいただきました。先ほどもありましたように、冒頭では、防衛省の統合幕僚監部に勤務する男性の幹部自衛官が既にコロナウイルス陽性だったということですが、このコンティンジェンシープランを既に運用されているのかどうか、もし運用されているのであれば、その運用状況を教えてください。あともう1点、もし米軍がコロナウイルスの感染から逃れるために日本国内から一時的にでも退去するというような事態が発生した場合、これも2月28日の会見で大臣から、特に在日米軍がこれによって移動するということは聞いていない、という回答をいただきました。現状、この事態が発生した場合の対応について、米軍側と何等かの協議が行われているのかどうか、わかる範囲でお願いします。

A:最後の質問からお答えをしますと、特に在日米軍にそのような動きはございません。日本からどこへ行くんだ、という話もあろうかと思います。コンティンジェンシープランは、各基地・駐屯地で作ってもらっております。万が一感染者が発生した場合には、それに従って粛々と対処が行われると思っております。「たかなみ」では、万が一感染が疑われる者を隔離するためのスペースが設けられておりますので、そこへ隔離することになります。更に必要な場合には、陸上の病院にヘリ等で輸送をすることになろうかと思います。現時点で特に問題は起きておりませんし、補給も順調に進んでおります。

Q:政務三役の在京待機の宿泊について、宿舎が取れない、議員宿舎に入居できない場合には、政務三役は自費により待機態勢を確保することとあるのですが、宿は防衛省が用意して、自分でお金を払うのか、政務三役自体が自分で、その時々で確保をするのか、どういうイメージでしょうか。

A:この周辺に自衛隊の官舎もありますので、そこの空き部屋を探すことになるのだろうと思います。その場合には、所要の家賃を払ってもらうということになると思います。

Q:あくまでも防衛省がここに入ってくれと言って、お金を払うということですか。

A:それは色々なケースがあると思います。政務三役がどうしてもホテルオークラに泊まると言えば、それは自費で払ってもらえばいいですし、どこか官舎が空いていないかと言われれば、防衛省の方で探してここが空いているよ、という話をするのだと思います。色々なケースがあると思います。

Q:今回の大臣決定というのは、山本副大臣のこれまでの宿泊を受けての対応だと思いますが、大臣は、今までの宿泊について、瑕疵はなかったとされていたわけですが、今回、運用を変える決定をされたわけですが、改めて、その理由を教えてください。

A:国会議員には議員宿舎がありますので、そこに入れば良いということであります。それを徹底させるということで、今回、文書にしたということです。

Q:辺野古の関連ですが、埋立てに関して係争中の裁判で、最高裁が今月の26日に判決を出すと決めたことについて、弁論が開かれないということで、沖縄県側が敗訴する見通しが出ておりますが、これについて受け止めをお願いいたします。

A:裁判でございますので、コメントは差し控えたいと思います。

Q:変更申請が控えておりますが、26日に出される判決内容というものが、申請を出す上で、防衛省としてはどういった意味を持つとお考えでしょうか。

A:判決前ですので、あまりそれを予断したようなコメントは、今の時点では差し控えたいと思います。

Q:在京当番の宿泊の関連で、先ほど冒頭のところで、今後、政務三役が変わっても同様の考えで対応をしてもらいたいとおっしゃいましたが、強制力はなくて、あくまでも自主的な取組ということになるのでしょうか。

A:これは、政務三役しか適用にならないものですから、今までの防衛省が出していた命令とか指示とかというものとは少し違うのだと思います。どういった種類といったらよいのか分かりませんが、政務三役ルールというのではないかと思いますが、大臣が「俺は別の考えでやる」とおっしゃるのであったら、その大臣がその責任で変えれば良いというところで、特に、あまりそこに気にしない場合には、このルールでやっていただくことになろうかと思います。

Q:衆参の議運の方と、この運用に関しての話というのは何かできているのでしょうか。

A:それは後で確認してみてください。

Q:私が議運の方にですか。

A:事務方の方に確認してください。

Q:米軍普天間飛行場で、2018年にオスプレイから燃料が流出する事故と、燃料貯蔵施設でも燃料が流出する事故が起きていたことが、米軍の事故報告書から分かりました。この事故について、日本政府への通報はなかったようなのですが、現在把握されている事実関係をお願いします。

A:今、資料の提供等、確認を求めているところでございます。

Q:資料を求めているところだと思うのですが、対応としては今後どのようなことをされるのでしょうか。

A:とりあえず、まず事実確認をした上で、対応を検討していきたいと思います。

Q:日米合意では、基地の外に影響を与えない事案であれば、通報しなくても良いとされているようなのですが、今回の事故については、基地の所在地である宜野湾であるとか、県も通報をすべきであったと見解を示されておりますが、こうした自治体の声にどのように向き合うのか、大臣のお考えをお聞かせください。

A:この件について、まだ事実確認ができていないので、どのようなことがあったのかということが分かりませんが、なるべく地元の御理解をいただくためには、地元と密接に情報提供というのは、やった方が良いと思います。

Q:通報統制は特段、今のところ、問題が発生しているとは。

A:とりあえず東京ルート、現地ルートしっかり機能しておりますので、それはそれで良いかと思います。

Q:新型コロナに関連してですが、在日米軍が感染した場合は、何かしら防衛省・自衛隊に連絡が入ってくる仕組みはあるのでしょうか。

A:すみません。聞いておりません。

Q:PFOS、PFASのことですが、国防省のタスクフォースが報告書を出していますが、何か結論付けるような内容になっていないのですが、大臣は、防衛省の対応として変わることがあるでしょうか。

A:エスパー長官のイニシアチブを受けての最初の一歩だと思います。日本側の自衛隊が今の泡消火薬剤を変更しようと思っておりますし、また、厚労省がPFOSに関しては、暫定値を決めるという動きもありますので、米側とは、そういうことを受けて、しっかり協議をしていきたいと思っております。

Q:何かいつまでに結論付けるというような連絡はあるのでしょうか。

A:まだそういう段階にはなっておりません。少なくとも在日米軍は、PFOSとかPFOAか、そうでないPFASなのでしょうが、そういうものに換えようと動いてくれておりますし、米側全体からすると、PFASそのものからそれ以外のものに変えたいけど物がないので日本企業も協力してくれ、ということで、日本企業の中でもいくつかにお願いをして、こういう研究開発をやってみないかということにしておりますので、新しい良い材料があれば、スピードは進むのだと思います。米側は、PFASから換えるという高い目標を掲げておりますので、我々としても、日本企業にも是非それに向けて参加してほしいと思います。

Q:本紙が入手した資料だと、オスプレイが1,000リットルで燃料貯蔵施設から9,500リットル出ているようなのですけれども、これが報告書どおりであった場合に、その内容であれば通報すべきだという認識でしょうか。

A:事実確認を先にさせていただきたいと思います。

以上