防衛大臣記者会見

日時
令和2年3月6日(金)09:44~09:57
場所
防衛記者会会見室
備考
河野防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

 新型コロナウイルスに関する災害派遣につきまして、今月1日で「ダイヤモンド・プリンセス号」に関する業務は全て終了しておりますが、引き続き、16名が一時宿泊施設において、宿泊者の生活支援を行っております。停留者を含めて、494名の隊員が停留、後方支援、あるいは交代要員として未だ関与しておりますので、今日現在510名の自衛隊員がこのコロナウイルスに関連をしております。また、その他に自衛隊病院がPCR検査陽性者を受け入れております。これまで自衛隊病院において、121名のPCR検査陽性者を受け入れております。そのうち109名が退院し、2名が転院、現在10名が入院をしております。今後、患者の小規模なクラスターが色んなところで発生するということも可能性も示唆されておりますので、防衛医大、あるいは各地の自衛隊病院において必要に応じて患者の受け入れができるような態勢を整えていきたいと思っております。また、それぞれの病院、入院されている方がいる病院もございますので、御配慮をお願いしたいと思います。もう一つ、自衛隊は今、155万枚のマスクを保有しております。これを一部放出したいと思っておりますが、今、1日あたり災害派遣3枚のマスクをそれぞれの隊員毎に使うということを想定しております。コロナウイルスの場合、先般私が「ダイヤモンド・プリンセス号」の関連で視察に行ったときもエリア毎にマスクを捨てて消毒し、ということをやりましたので、私の視察だけでも3枚使いました。私が防災担当大臣だったときの熊本地震では、自衛隊員26,000名、最大勢力で活動をしておりましたので、26,000が3枚使うと20日で156万枚ということになってしまいまして、実は、155万枚あっても、大規模な災害派遣、あるいは大規模なコロナウイルス関連の支援が起こるとそう長くはもたないとのことです。そういうことで、とりあえず、初動に必要な在庫として50万枚を確保した上で、今、マスクの増産をしておりますので、月間6億枚という話もありましたので、3週間後に全納の返納をしていただく前提で、とりあえず100万枚を自衛隊から拠出したいと思っております。返納が遅れた場合、災害派遣への対応に影響が出るということですので、そこは政府内でしっかりと調整をしていきたいと思っております。今日これから、統合幕僚学校を訪問して、自衛隊高級課程合同卒業式に出席をします。約1年にわたる高級課程を終えて、卒業を迎える幹部自衛官48名、うち1名がパキスタンからの海軍中佐の留学生であります。明日、3月7日、防衛医大の医学科、看護学科卒業式に参列をしたいと思っております。こういう新型コロナウイルスの状況でございますので、家族を含めた部外の来賓はお招きをしない形で行いますが、御父兄にその晴れ舞台を見ていただくために、インターネットでリアルタイムに動画を配信したいと思っております。明後日、3月8日、防衛装備庁陸上装備研究所、相模原を視察する予定です。安全保障上、重要な陸上装備に係る研究の現状について、しっかり見てまいりたいと思っております。パキスタンの留学生は空軍中佐でございました。訂正します。

2 質疑応答

Q:冒頭発言であった自衛隊の備蓄されているマスク、これの具体的な放出の目途とかはありますでしょうか。

A:これから政府部内で議論をしていきたいと思っております。

Q:辺野古の埋め立てについてですが、設計変更の申請を年度内に行わず、4月以降とする報道もありますが、今後の環境監視等委員会や技術検討会の開催予定も併せて教えてください。

A:色々な報道があることは理解しておりますが、技術検討会ですとか、環境監視等委員会を経た上でということになりますので、時期的にはまだ何も確定したものはございません。

Q:太平洋島嶼国との国防大臣級会談についてですが、4月5日開催の予定だったと思いますが、これもコロナウイルス感染拡大を受けて延期をするという報道がありますが、この調整状況はどうでしょうか。

A:まだ延期を決めたということはございませんが、こういう状況でございすので、様々検討する必要はあるかと思っております。ただ、国防大臣級の会合でございまして、先方からは大臣来日という話もいただいておりますので、そこについては、手順を踏んで決めないといけないと思っております。どうするか、早急に検討しなければいけないと思っておりますが、まだどちらかに決めたということではありません。

Q:先ほどの備蓄のマスクの放出についてですが、民間に放出するのか、とりあえず政府、厚労省に出してそこから先を選んでもらうのか、どういうイメージでしょうか。

A:そこについては、政府部内で色々検討もあろうかと思うので、自衛隊としてどうするというのを決めているわけではなくて、自衛隊として、とりあえず3週間後に返納していただくということで、100万枚をまず出せるということは、政府部内の検討でしっかり議論をしていきたいと思っております。返納が、戻ってこないとその分災害派遣に影響が出るということは、きちんと申し上げたいと思っております。

Q:マスクなんですが、それは今全国各地にあってそこからどんどん配っていくというかたちになるのか、一度まとめてどこかで。

A:ごめんなさい。150万枚持っていることは認識していますが、どこにどれだけというのは、必要なら事務方から答えさせます。

Q:今、審議中の2020年度予算案について質問ですが、今回の予算で研究開発費が1,676億円。自衛隊、防衛省のですね。1,676億円と今年度に比べて増えている幅が大きいのですが、日本の研究開発費、特に防衛分野の開発費は他国に比べて額が少ないと。防衛予算に占める割合がだいたい2パーセントくらいと言われています。この現状について、大臣どのようにお考えでしょうか。今回増えた理由、増やしていくというお考えがあるのか教えてください。

A:ゲーム・チェンジャー技術と言われているような、全く新しい技術で防衛の考え方がダイナミックに変わっているのだと思います。そういう中で日本も必要な技術の開発というのはやっていかなければならない、というふうに思います。そういう意味で、これは財政の制約がございますから、青天井というわけにはもちろんいきませんが、技術開発への投資というのは、やらなければいけないものだと思っております。ただ、例えばゲーム・チェンジャー技術の中で、AIのようにデュアルユースというのか、どちらともいえないものもございますので、全てを防衛予算でやらなければいけないかといえばそんなこともないと思います。ただ、必要な技術の開発について、優先順位をしっかりつけた上で、まんべんなくやれるという予算ではありませんので、やはり必要なものから優先順位を付けてしっかりやっていかなければならないと思います。

Q:デュアルユースという言葉が出ましたが、官民どちらでも使えるような技術、民間と組んで研究していくお考えはありますでしょうか。

A:民間と組むとか、民間の技術を採用するとかですね、そこは色んなやり方があるのだろうと思います。そういうことも含め、しっかり相模原を見てきたいと思います。

Q:山本副大臣のホテルの宿泊の問題ですが、今週月曜日に防衛省の方で発表がありまして、前回の副大臣のときも含めて146回宿泊をして、合計で118万円程度支出しているということで、ご本人の言い分ですと、適切であり、宿泊は問題ないという認識だったのですが、この件について、大臣はどうお考えでしょうか。

A:支出に関して手続きの瑕疵はないと思いますが、国会議員はそもそも議員宿舎を利用することができます。議員宿舎を利用すれば防衛省予算を使う必要がありませんので、防衛大臣として、私の副大臣はやはり議員宿舎に入るのが適切だというのが私の判断、いわばそこでルールを変更することになるんだろうと思います。そういう意味で私は、就任直後に副大臣に宿舎へ入れということでございました。適切に議員宿舎に移ったということでございますので、ほっとしております。

Q:御本人に公費の返還を求めるということはないですか。

A:支出に瑕疵はなかったと思います。私が就任するまで、防衛省のルールでそれを認めていたということでしょうから、特に瑕疵はなかったわけですから、その必要は、私はないと思っております。

Q:副大臣に、不適切な支出はないとおっしゃられる一方で、返金も含めて対応を検討する、という説明は矛盾しているように聞こえるのですが、大臣はこういった説明にはどう理解されていますか。

A:返金せよと命ずるつもりはありません。支出は、瑕疵はなかったと思います。ただ、私の方針として、国会議員は、衆議院議員は衆議院宿舎に入れるのだから、現に、私が就任した時点では、議員宿舎に空きがありましたから、そこは入れと命じましたので、それ以降にそういう支出があるならば、それは私は返金を命ずると思いますが、それ以前については返金を命ずるつもりはありません。それについてどうされるかというのは、副大臣には副大臣の御判断があろうかと思いますので、そこについて、私からとやかく申すつもりはありません。

Q:ルールを変更することになるということは、何か規約なり内規なりを作るとか、若しくは変えるとか、そういったことでしょうか。

A:というよりは、私の副大臣である以上、衆議院宿舎に入れということを口頭で命じました。内規を作る必要があるのかは考えますが、それまで適切として行われていたわけですから、私がルールを変えた。だからそれ以降は、宿舎から、在京当番をしっかりやれと、危機管理をやれと、そういうことでございます。

Q:河野大臣の間はということでしょうか。次の大臣になったらまた話は変わるのでしょうか。

A:私は、次の大臣になってもやるべきだと思いますが、それは次の大臣が近い方が良いんだ、とルールを変えられるのであれば、縛るものではありませんが、少なくとも私は宿舎に入って宿舎から在京当番、危機管理に当たれということでございます。

Q:近く医大の卒業式が行われますが、今回の新型コロナの感染拡大を受けて、医大であるとか自衛隊の教育内容を感染症に特化したものにしたり、強化したり、見直したりするお考えはありますでしょうか。

A:特に医大とはそういう話をしておりません。

以上