防衛大臣記者会見

日時
令和2年3月3日(火)08:41~08:47
場所
国会本館内閣議室前
備考
河野防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

 昨日の北朝鮮の発射事案でございますが、今のところ総合的に勘案すると、3月2日12時40分に、東部の元山(ウォンサン)付近から、北東方向に2発の短距離弾道ミサイルを発射したものと推定しております。2発の発射間隔は1分未満で、従来から北朝鮮が保有しているスカッドの軌道よりも低い高度を、約240km飛翔したものと推定しております。落下したのはわが国の排他的経済水域(EEZ)外と推定しております。この弾道ミサイルは、2019年8月24日、9月10日、10月31日、11月28日に発射されたものと同じ系統の固体燃料推進方式の短距離弾道ミサイルと考えております。国際社会並びにわが国の平和と安全を脅かすものであり、看過できません。瀬取り対応を強化する、あるいは国際社会としっかりと連携を呼びかけて、国連安保理決議をしっかり守る努力をしていきたいと思います。今日の閣議におきまして、「自衛隊法施行令及び防衛省の職員の給与等に関する法律施行令の一部を改正する政令」及び「防衛省設置法等の一部を改正する法律の施行期日を定める政令」が閣議決定されました。航空自衛隊の警戒航空団の新編を含む令和元年度の自衛隊の部隊改編を3月26日に行うことを決定しました。警戒航空団につきましては、地上の警戒管制レーダーで監視することが困難な空域の警戒監視を行っている警戒航空隊を格上げして新編するものであり、近年のわが国周辺国の活動が拡大・活発化していることを踏まえると、このような体制強化は大変重要であると考えております。時間がありませんので、詳細は事務方から。「ダイヤモンド・プリンセス号」の全ての乗員が下船したことから、自衛隊は3月1日に横浜の大黒ふ頭における全ての活動を終了いたしました。「ダイヤモンド・プリンセス号」における対応として、医官を含む延べ691名の隊員が乗客等に対する医療支援を実施したほか、延べ1,305名の隊員が生活物品の搬入、仕分けに加え、船内の消毒活動を実施いたしました。これらの活動により、自衛隊は、97名の陽性患者を自衛隊の救急車で搬送、PCR検査が陽性で無症状の方128名を医療施設に輸送、基礎疾患を有する方や高齢者等382名を一時宿泊施設まで輸送、各国政府がチャーターした航空機への搭乗を希望した1,345名を羽田空港まで輸送いたしました。隊員の活動拠点でありました、PFI船舶の「はくおう」は一時停留の場所として活用いたしております。

2 質疑応答

Q:今日付の朝鮮労働党の機関紙「労働新聞」は、金正恩委員長が砲兵訓練を視察したと報じております。写真を見るとですね、4発上がっているように見えますが、政府として、まだ2発の認識でしょうか。

A:短距離弾道ミサイルのほかに、多連装ロケット砲などを発射した可能性があると思っております。

Q:今回、高度がかなり低いということですが、迎撃が難しいなど脅威の度合いが上がったとお考えでしょうか。

A:北朝鮮はこれまでも、ミサイルの発射を繰り返して、様々な技術の取得を目指していると考えています。そういう意味で、総合的な防空能力を高めていく必要があると考えています。

Q:発表が、いつもより分析が遅かったような感じがするのですが、何かあったのでしょうか。

A:特にございません。

Q:多連装ロケット砲の可能性があると判断したのは、どういったことからでしょうか。また、それまで短距離弾道ミサイルのみで飛ばすことが多かったと思いますが、こうしたことをしたことについて、どのように受け止めていらっしゃいますでしょうか。

A:分析については、手の内を明かすことになりますので差し控えたいと思います。北朝鮮の意図について、引き続き、分析をしていきたいと思います。

Q:新型コロナの関係ですが、特別休暇の申請状況と現段階で隊員からどういった要望があるのか。

A:市ヶ谷で17名、昨日、それ以外は特別休暇か普通の休暇か、まだ区分けができていませんので、必要なら事務方から集計をさせたいと思います。それから、緊急登庁システムで、弘前、多賀城、三宿の3つの駐屯地で合計6名の子供を預かりました。

以上