防衛大臣記者会見

日時
令和2年2月28日(金)13:53~14:21
場所
防衛記者会会見室
備考
河野防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

 新型コロナウイルスに関する災害派遣につきましては、本日も「ダイヤモンド・プリンセス号」において、60名の隊員が下船して宿泊施設に移る乗員の輸送等を実施しているところでございます。また、帰国された邦人の宿泊支援として、医官を含め25名の隊員が宿泊施設において、支援物資の配布、食事の配膳、健康状態の確認等の健康管理支援、宿泊支援を行っております。現場で85名が活動しておりますが、その他交代要員あるいは後方での支援要員、それから停留者、この他に673名おりますので今日時点で合計すると、758名がコロナウイルス関連で活動に当たっていることになります。「ダイヤモンド・プリンセス号」はクルーを含め、かなり下船が進んでおります。一定の目途が立ってきたかなと考えているところでございます。来週3月2日から学校の臨時休校の要請が行われているところでございまして、自衛隊としましても臨時休校に伴いまして、特に共働きの御家庭につきましては、自宅に残る子供の面倒を見る必要があるなど、普段の働き方を変える必要があると思います。少し柔軟に対応できるように早出遅出、テレワーク、フレックスタイムを積極的に活用できる環境を整備していきたいと思っております。また、自宅に残る子供の面倒をある程度見なければいけない小さいお子さんがいるところにつきましては、特別に休暇を取得できるような枠組みを作るよう今朝指示をしたところでございます。本日中に必要な措置が取れるように調整をしていきたいと思っております。高等工科学校につきましては、全寮制でございますので、むしろ休校にするというよりは外出をなるべく差し控える、不要不急の外出はしないようにということにしたいと思います。ただ、神奈川の県立高校の通信課程と重なっているという特殊な事情がありますので、そちら側との調整を今行わなければいけないので、どうなるかは最終的にはまだ調整が終わっていませんが、できれば不要不急の外出は控え、しっかり授業、訓練を続けるという方向でやるのが望ましいのではないかと思っております。2013年の1月に沖縄の県議会議長、市町村長、市町村議会議長等の連名で、安倍総理大臣宛てに「建白書」が提出されております。この「建白書」の原本の保存期間が今年3月31日に満了を迎えます。公文書等の管理に関する法令に照らして、この「建白書」を独立行政法人国立公文書館に移管をすることとしました。実際には、くん蒸をやったり、色んな手続き、作業がありますが、なるべく早く公文書館で公開できるようにお願いをしたいと思います。明日、29日から明後日3月1日にかけて、陸上自衛隊国分駐屯地及び海上自衛隊鹿屋基地を視察し、所在部隊の状況をそれぞれ確認する予定でございます。

2 質疑応答

Q:自衛隊でお子さんがいる方にテレワーク等を配慮と伺ったのですが、防衛省の検討。

A:もちろんです。

Q:先ほど、臨時の休校の要請を受けて様々な働き方に対応していくとあったのですが、何しろ急な要請であったこともあって、いろいろ準備等が大変だと思いますが、今のところ問題等は上がっているのでしょうか。

A:自衛隊は、他に預け先がなくて、子供を帯同して登庁をせざるを得ない隊員の子供を概ね5日間、一時的に預かる、災害派遣などの緊急登庁支援という枠組みが普段からあります。昨年の災害派遣でもこれは活用したと思いますが、現時点で、190の駐屯地でこうした枠組みが整備されているところですので、そういうところは、指定した保育士の資格を持っていたりする隊員が、集まってくる隊員の子供たちをしっかり面倒を見る、というようなことができるような体制がベースでありますので、それに足らないところを継ぎ足すということにはなるかと思いますし、特別休暇をなるべく柔軟に取れるようにして、そこは対応していきたいと思っております。

Q:今のところはそういった声、ニーズなどは聞こえてくるのでしょうか。

A:それは駐屯地、基地、その他各施設で対応、準備をしてくれていると思いますが、当然にあると思います。昨年の災害派遣の時の状況に鑑みても、そういうことは少なからずあるだろう。

Q:先ほどおっしゃった、特別に休暇を取れる枠組みというのは、今ある有給制度とは別の枠組みということでよろしいでしょうか。

A:これは特別に休暇が取れるように枠組みを作ろうということで、詳細は今、事務方で考えて対応中です。

Q:今、大臣の頭の中にある大体の日数、規模感みたいなものはどういったものがあるでしょうか。

A:3月2日から3月20日ぐらいですよね、春休みというと。だから、3週間ぐらいの中でどうしていくのかというのは、ちょっと考えていかなければならないと思っております。

Q:災害派遣の方で、先ほど「ダイヤモンド・プリンセス号」の支援については、一定の目途が立ってきたかなとおっしゃったのですが、今後の活動期間等、今後の活動の見通しが分かればお願いします。

A:「ダイヤモンド・プリンセス号」は、最速で3月1日に業務が終わる。とすると、そこから14日間の停留をやります。そうすると、3月15日で大体、業務に当たっていた隊員は、戻れるかなと思います。

Q:クルーズ船の方はそれで終わって、宿泊支援等はまだ続くのですか。

A:宿泊支援等は、もう少し続くことになるだろうと思います。そこは、どこまで必要かというのは今後相談します。

Q:先ほど柔軟な働き方の検討を、今朝、要請を受けたと思うのですが、小中学校、高等学校を含めた学校を休校にしてくださいとの要請を総理から発動しましたが、それ自身は大臣いつ頃御存知だったのでしょうか。

A:それは昨日の対策本部です。

Q:それより前に、事前に打診等はなかったのでしょうか。

A:官邸で髙橋次官が行ったりして会議をやったりしておりますから、防衛省・自衛隊としてはそれ以前から話はあると思いますが、国会対応、その他ありましたので、私は対策本部会議で知りました。

Q:アウトブレイクなどの対応についてお伺いしたいのですが、アウトブレイクなどが発生した場合にある特定地域にそこに自衛官が支援をするなりをしないといけないと思うのですが、実は、東日本大震災の時に、某陸自の航空隊、方面隊航空司令とお話をした際に、どの程度ヘリコプターの要員のNBCグッズがあるのですかと伺ったら、そんなもんがあるのですかというお話を伺ったことがあるのですが、結局、その時は福島第1に対する放水の時も、有り合わせの物を着けて処理をされたかと思うのですが、事実的に、3自衛隊ともに、アウトブレイクだったり、NBC環境における航空部隊の訓練とか装備が非常に貧弱ではないか。今現在、例えば、航空用のNBCスーツというのは自衛隊で持っているのでしょうか。

A:確認します。

Q:建白書の件ですが、今まで年度末に保存期間を延長する対応をしてきたかと思うのですが、今年はこのタイミングで移管を決めた理由は何でしょうか。

A:建白書の写しも当然ありますし、歴史的に意義のあるものであるならば、なるべく公文書館で一般に公開をするのが大事だと思います。節目で移管するのが良いのかなと思っております。

Q:廃棄ではなく移管をした、その理由をお聞かせください。

A:基本的に、こういう文章はやはり取っておく必要があると思っております。一応、私もかつて公文書担当大臣をやっておりましたので、しっかりとこういうものはやっておく必要があると思っております。

Q:歴代の防衛大臣が国会などで、沖縄の政策立案を知る上で重要な資料だと答弁されてきているのですが、河野大臣自身、この建白書はどういう意味を持っているものと捉えているのかお聞かせください。

A:照屋寛徳代議士がよく国会で質問をされておられます。そういう意味で沖縄の県議会ですとか、市町村の議会で一致して出されたというところには沖縄の歴史の中で重みのある文書なのだろうと思います。

Q:自衛隊のパワハラの処分についてですが、3月1日から内容が厳格化されると思います。その内容を変える主なポイントと、パワハラ、暴力の根絶あるいは職場環境を整えて、更なる隊員の確保を進めていく狙いもあると思いますが、大臣の思いを併せてお願いします。

A:詳細については、事務方から御説明をさせますが、少し「パワハラ」、「いじめ」の件数が増えているということがございます。それから、「パワハラ」、「いじめ」というよりは「傷害」だろうという事件もございました。そういうものに対する処分の基準が少し甘いのではないかという疑問がありましたので、昨年から、それぞれ陸海空、あるいは内局に少し基準を厳格にすべきだと申し上げ、何回かキャッチボールをさせていただきました。基本的に、「いじめ」、「パワハラ」は根絶をしなければならないという大前提の中で、やはりルールをきちっと決める。それによって若い人に安心して入隊をしてもらうということは大事だと思っております。いよいよ3月1日から適用ということになりますので、そうしたことがないように各部隊はしっかりやっていただきたいと思います。詳細については、事務方から御説明させます。

Q:富士学校での総火演ですが、今年は5月にオリンピックの関係で開催されると聞いておりますが、これは開催するのでしょうか。

A:現時点では開催の予定です。3月末までの主催行事については、一応、中止と決めておりますが、その後については、また時期がきた時に決断しようと思います。

Q:総火演ですが、毎年、これに対して大体3ヵ月くらい富士学校の人間が拘束されてしまうと。本来の業務を阻害しているのではないかと現場の隊員から話を聞くのですが、あとは、これに関して業者から色々お金を取って裏金に使われているという話があるんですね。業者から総火演で色々現金をもらってそれを裏金にしてプールをしているというようなことがあると。それが結局、業者との癒着があって中々富士学校辺りの駐屯地も売店なんかの新規参入ができないと聞いておりますが、この点に関して大臣何かお聞きしておりますでしょうか。

A:聞いたことはありませんが、重要な御指摘でございますので、きっちり調べます。

Q:中東派遣の新型コロナの関連についてですが、今、「たかなみ」が活動を開始しましたが、今後、補給等に当たって各国で日本からの入国を禁じている国がありますが、今後そういった補給活動に影響があるという懸念についてはいかがでしょうか。

A:「たかなみ」ですが、横須賀を出航してからシンガポールのチャンギ、スリランカのコロンボと寄港して情報収集の海域に達したところでございます。次の寄港地については問題なく受け入れと言われております。寄港地について公表の了解が取れておりませんので、どこと申し上げることができませんが、現時点で「たかなみ」の活動に影響がでていることはございません。それからジブチのP-3Cの基地につきましては、おそらく、あそこはフランスが病院を持っているであろうと思いますが、何かあったときに対応ができるように近隣の病院と話をしておいてくれと申し上げておきます。今のところ、航空・水上異常ないと思います。

Q:新型コロナウイルスについて4点質問です。現在、自衛隊と米軍は基地の共用として一体化が進んでいますが、日本国内で感染が広がった場合、集団生活を送る自衛隊や在日米軍で感染が広がるおそれがあると思います。これにとって、どのような対策をとっているのでしょうか。次です。国内で重症化しなければ検査を受けられない状況が続いていますが、自衛隊員や在日米軍人は自前で検査体制を整えているのでしょうか。3点目、また日本国内で感染が拡大した場合、在日米軍は日本から退去することもあるのでしょうか。最後ですけれども、自衛隊や在日米軍の感染が広がった場合、日本の安全保障が成り立つのかどうか、大臣の御考察をお聞きかせ下さい。

A:日本の平和と安全を守る自衛隊であり、今回の「ダイヤモンド・プリンセス号」のように災害派遣が出動する側でございますから、それが反対側になってはいかんということで、かなり厳格に「ダイヤモンド・プリンセス号」あるいは宿泊施設の支援でも防護措置を取って参りました。今、各駐屯地、各基地でもしっかりとした防護措置を取るように、うがい、手洗いの励行をはじめ、様々な指示を出しているところでございます。25万人隊員がおりますから、どこかでウイルスを持ってくるということがあるかもしれませんが、しっかり手洗い、うがいを励行する、それから集団生活の中で、それが広がらないように、今、各駐屯地、基地に、万が一、陽性者が出た場合のときのコンティンジェンシープランを作れ、という指示を出してございますので、そこはしっかり対応できるような準備を進めているところでございます。在日米軍もこうした状況はよく理解していると思いますので、在日米軍なりに準備をしているだろうと思います。特に在日米軍はこれによって、移動するということは聞いておりません。

Q:「ダイヤモンド・プリンセス」なんですけれども、最速3月1日というのは全員が下船する、いわば「ダイヤモンド・プリンセス」を巡る全ての業務が終わるという認識なのか、自衛隊の活動が全員下船して終わるというのか、どういう意味で3月1日に終わるということか。

A:私が聞いているのは、全てがうまくいけば3月1日にクルーが入れ替わるということで、それと同時に自衛隊も業務が終了すると聞いております。ただ、現地の調整所に本部要員がおりますので、それは厚労省がまずは本部を残していれば、連絡員として残ることになると思いますが、それ以外の隊員が一応そこで業務が終わる。ただ、下船のスケジュールがずれれば当然、一緒に後ろにずれるということになると思います。

Q:新型コロナを巡ってですね、先ほど「たかなみ」以外で何らかの形で交流や活動、演習訓練そういったものに、今、影響はあるのでしょうか。

A:訓練その他、訓練演習については、全く国内では影響ありません。今年の外洋航海でミクロネシアとマーシャルに寄らないというのがございましたが、これはコースを変えて、訓練そのものには影響がないと聞いております。また、ハワイの施設を使う海上自衛隊、これは共同訓練ではなくて、海上自衛隊の単独の訓練で施設をお借りすると聞いておりますが、それについても今、特段問題はなく訓練できると聞いております。

Q:先ほど、公文書館への移管を決めた理由についてお話をされていましたけれども、河野大臣の政治判断の結果という理解でよろしいでしょうか。

A:写しもありますし、色々ありましたが、原本は公文書館で見てもらうのがよろしいのではないかと思います。

Q:建白書のまとめている内容は、普天間代替施設の県内移設断念と、オスプレイ配備の撤回なんですけれども、いずれも政府の方針は、建白書の求めには応じていないです。その上で、大臣は、建白書の各考えを、どう防衛省の政策に反映していきたいとお考えなのかお伺いします。

A:普天間基地の危険性の除去というのは、これは沖縄県民の皆様も政府も、考えたところは同じでございますので、危険性の除去が一日も早くできるように、政府としては日米同盟の抑止力を維持しながらやらなくてはいけないということですので、建白書と考え方が少し違うかもしれませんが、その危険性の除去というところについては、考え方としては同じではないかと思っております。

Q:今回、建白書を公文書館に移管するということで、防衛省の中での位置付けといいますか、そういったものは政策を進めていく中で何か変化は生まれるものでしょうか。

A:それはないのではないかと思います。

Q:中東に派遣中の護衛艦「たかなみ」のコロナウイルス対策について、健康対策の面で大臣から何か指示されたことはありますでしょうか。

A:現時点では、乗員全員が健康ということでございます。寄港地で感染することがないように、寄港先の状況を見ながら、必要に応じた行動をとるようにするということでございます。

Q:記者会見についてお伺いしたいのですが、記者会見は防衛記者クラブの主催と聞いているのですが、防衛記者クラブの内部資料によると、2018年の4月の資料で、財政的に防衛記者会が破綻する可能性があると書いてあるんです。防衛記者会が破綻した場合に、記者会見を防衛省はやらないのか、若しくは防衛省の主催でやるんでしょうか。いかがでしょうか。

A:それは、記者クラブの中で聞いてください。

Q:ただ、実際問題、そういう危機感を内部で持っているということは、防衛省にもそれ相応に備えておくべきではないでしょうか。

A:広報課が相談をすると思います。

Q:記者会から、陸、海、空、統幕の記者懇談会で、ビール券を結構投げ込みしているんですけれども、これは各幕に差し上げているということなのでしょうか。もう一つ、大臣が外遊する際に記者クラブの皆さんが行かれる時に、報道室の職員が個人的にそれの費用を立て替えているという話があるのですが、この辺は大臣は御存知ですか。

A:知りません。

Q:例えば、報道室が役所として抱えるのであれば分かるのですが、担当個人に立替えさせるというのは、ちょっといかがなものかと思うのですが、どうでしょう。

A:それはいかがなものかと思います。それはちょっと調べます。最初の話については、記者会にお尋ねください。

Q:特別休暇の話に戻って恐縮なんですが、これは、防衛省・自衛隊独自の取組という理解でよろしいでしょうか。

A:大臣の指示というのか、命令でございます。

Q:各省庁対応があると思いますが、各省内でこういったやり取りが増えると思いますが、共有したりとか同じような取組や意見交換したりということは現時点で想定されていますでしょうか。

A:おそらく官邸の中で出てくる話だと思います。私の方から厚労大臣と文科大臣に、高等工科の話は二人の大臣に共有しております。特別休暇の話はどうだったか、今朝の閣議前だったものですから、ちょっと曖昧です。

Q:辺野古の件でお伺いしたいのですが、東京新聞の報道によるとかなり地盤が柔らかくて軟弱状態であると。追加の費用を含めると1兆円くらいかかるのではないかということですが、例えば、建設自体を見直すとか、昔、検討されたメガフロートという案を再検討するということはお考えなのでしょうか。

A:詳細については、東京新聞にお尋ねください。

Q:山本副大臣が、就任後から公費でグランドヒル市ヶ谷の部屋をキープされていると聞いておりますが、それは事実でしょうか。

A:知りません。承知しておりません。

Q:それは調べて、防衛省の公費でキープしていると聞いたので、事実かどうか確認をしていただけますでしょうか。

A:はい。

以上