防衛大臣記者会見

日時
令和2年2月25日(火)17:16~17:32
場所
防衛記者会会見室
備考
河野防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

 冒頭3件ございます。東京オリンピック・パラリンピックの支援本部を、私を長として設置します。東京オリンピック・パラリンピックに関しましては、競技大会期間中、防衛省・自衛隊は、セキュリティの安全・安心の確保、式典等大会運営への協力、それから自衛官アスリートの支援、大きく3つ行います。こうした取組を円滑に行うために、本日付でオリンピック・パラリンピック支援本部を立ち上げました。オリンピック・パラリンピックの成功に向けて、最大限の協力体制でいきたいと思っております。また、オリンピックの成功につながる話でもございますが、新型コロナウイルスの感染の最新状況を踏まえ、感染拡大が大きなテーマになっております。感染拡大を防止するという観点から、本日、私から通達を出しまして、3月末までの防衛省・自衛隊が主催する行事のうち、部外者の参加を前提とした行事については、原則として中止、又は延期いたします。また、防衛省・自衛隊主体の行事であって通常、来賓、部外の方をお招きしているようなものについては、改めて、開催の必要を十分検討の上、真に開催が必要なものについては、御来賓、部外の方をお招きしない形で行いたい、そのように指示をしました。また、部内者のみの行事につきましても、例えば全国各地から多くの参加者を招集する、そのようなものについては、改めて、開催の必要性を十分検討の上、真に開催が必要だと認められるものに限り行うことにします。来月、防衛医科大学校、高等工科学校、防衛大学校の卒業式がそれぞれ行われますが、卒業式自体は開催をするものの、御家族を含め、部外の方、御来賓の参列は御遠慮いただくことにいたします。また、この市ヶ谷で開催しております市ヶ谷台ツアーにつきましても、明日から、3月末までは中止させていただきます。行事を開催する場合でも、参加者の手洗い、マスク着用の推奨、体調の優れない者は、自発的に参加を取りやめる、といったことを徹底するよう、改めて、指示を出したいと思っております。それから、「ダイヤモンド・プリンセス号」の支援に当たった自衛隊員、PCR検査後、停留を行っておりますが、1週間の停留という報道を見ましたので、14日間の停留でございます。誤解があったら申し訳ございません。14日間、停留をさせることにしたいと思います。3点目、中東地域における情報収集活動のために2月2日に横須賀を出港しました海上自衛隊艦艇「たかなみ」は明日、おそらく明日の午後早い時間に情報収集活動を開始する見込みであります。1月20日からP-3Cが情報収集活動を始めておりますが、先ほど、水上部隊司令「たかなみ」艦長、航空隊司令及び米中央海軍司令部に派遣されている連絡要員とテレビ会議を行いまして、状況を聞くと同時に、隊員の激励をしました。各部隊ともに士気高く、訓練の成果を生かして、確実に任務の遂行ができると思っております。

2 質疑応答

Q:今日ですね、政府がコロナウイルスの基本方針を決定したと。つまりイベントについては御説明ありましたけれども、自衛隊は巨大な組織でして、集団行為も多いと、船は動いていますが、そういった一般に感染防止の対策ですとか、起きた場合の対策ですとか、こういった検討状況はいかがですか。

A:行事については、先ほど申し上げましたが、25万人の組織でございますので、どこかで隊員が濃厚接触をして、ウイルス感染するということは十分に考えられると思います。手洗い・うがいの励行といったことは、しっかり部隊にも指示をしたいと思っておりますし、体調が悪い者あるいは、発熱した者は速やかに隔離する、必要なら停留した上で、しっかり検査をして対策をとる、そうしたことをやって参りたいと思います。

Q:コロナウイルス対策に関連して色んな行事を中止、又は延期、縮小ということなんですけれども、こういった決定に至った経緯と大臣の感想をいただきたいのと、もっと具体的にどれくらいのイベントとか訓練が3月末までにあるかわかるでしょうか。

A:自衛隊はどちらかと言うと、こういう場合に支援に出る方でございますので、支援に出る側の自衛隊が感染をして、される側になってはいけないことから、他省庁よりもしっかりと防護をする必要があろうかと思っております。そういう意味で、この1~2週間が山という話もございましたので、まず3月末まで行事を中止し、感染拡大を防止する、そこに全力を挙げていきたいと思っております。今のところ、行事を対象としておりまして、どんなものがあるかは、後で事務方から必要なら説明をさせますが、訓練その他については、部内のものでございますので、しっかりやっていきたいと思っておりますが、万が一、部隊で感染者が出た場合は感染拡大しないように、速やかな対応をそれぞれ取ることにしていきたいと思います。また、防衛省はテレワークもやれることになっておりますので、必要な端末を、今のところは足りているということですが、もう少し増やした方が良いのだろうと思いますし、時差出勤もしっかり、国会対応もありますので、なかなか全員がというわけにはいきませんが、できる限り時差出勤、テレワークといったものも取り入れてやっていきたいと思っております。

Q:「たかなみ」について伺います。P-3Cの司令とも話をされたとのことですが、P-3Cの方は活動を開始して1カ月ですが、実際に活動をしてみてどのような状況なのか。また、「たかなみ」が出港してから3週間が経ちまして、実際に現地に着いてどのような状況だったのか。差し障りのない範囲で結構ですので、どのようなやり取りがあったのか教えてください。

A:P-3Cにつきましては、海賊対処行動も行っている、その中で情報収集を行っています。現時点で特に申し上げるような平常と違ったことは起きていないと申し上げてよろしいかと思います。「たかなみ」につきましても、航海中に様々な訓練を行っているところでありますので、海域に入り次第、情報収集活動がスムーズに開始できるのではないかと思います。

Q:活動開始は、日本時間の明日の午後ということですか。

A:日本時間の午後の早い時間と申し上げてよろしいかと思います。これは海峡その他で若干ずれがありますが、今想定ではそういうことです。

Q:「たかなみ」の活動につきまして、現時点で、日本の船舶ということで入港を拒絶されたりとかという情報があるか、あるいは、実績があるか教えてください。

A:特に聞いておりません。

Q:関連で、中東情勢が年明けから緊迫したということだと思いますが、明日2月26日から開始するということで、今の中東情勢はどのようなご認識でしょうか

A:少なくとも自衛隊の活動には、大きく情勢の変化はないと思っております。

Q:基本的に活動の海域はオマーン湾とアラビア海北部を中心にということだったと思いますが、明日の活動は具体的にオマーン湾なのかどうか。

A:運用に関することは差し控えたいと思います。

Q:先ほど大臣は平常と違ったことは起きていないと述べられたのですが、それは不審船との遭遇だったり、そういったことも含めて。

A:そういうことです。

Q:イランの総選挙に反米・保守勢力が大勝いたしました。これがアメリカとの対立を更に悪化させるのではという懸念が出ていますが、安全保障上の観点から、どのようにお考えでしょうか。

A:他国の選挙のことですから、他国の内政についてコメントするのは差し控えたいと思いますが、自衛隊の活動に影響が出るような事態にはなっていないと認識をしております。

Q:その今の事態、イランの今の国内情勢を招いた引き金は、直接的にはアメリカが核合意を破棄するとか、あるいは革命防衛隊の司令官を殺害するとかが直接的に影響していると思いますが、その点についてはどのようにお考えでしょうか。

A:他国の内政ですから、コメントするのは差し控えたいと思います。

Q:今日のテレビ電話で大臣がどういったことを言われたのか、また、各司令官からどのような報告があったのか、可能な範囲でお願いします。

A:各部隊の現状について報告をしてもらいました。非常にそれぞれ水上部隊、あるいは航空部隊、あるいはバーレーン、非常に準備よく、士気高く行っていると思います。

Q:大臣からどういった言葉を激励されたのでしょうか。

A:コロナウイルスもはやっていることだから、バーレーンでも出たという話もありますから、それに限らず隊員の体調管理には十分気を付けてほしいと申し上げました。

Q:コロナウイルスについて、防衛大学校の卒業式についてなのですが、例年総理が訓示をされておりますが、これは今年も行われるのでしょうか。

A:それは式典の一部と考えておりますので、総理には御出席をいただこうと思っております。

Q:名護市辺野古の米軍基地建設について、現場の地質を調べている研究者の方が、昨年、防衛省がまとめた軟弱地盤の報告書から一部データを除外して、その後、辺野古の技術検討会で除外したものを提示したということで、恣意的な判断ではないかということがあるのですが、事実関係等ありましたらお願いします。

A:前回も私の知っている限りのことをお答えしましたので、事実関係は後ほど、事務方からしっかりと説明させます。

Q:軟弱地盤の件で、B-27地点について、地盤の強度を示すデータがまた国会でもあったみたいでして、これも土の種類を調べる試験なのですが、事実関係と、また強度を示すデータが相次いで出ているのではないかという指摘について、どのようにお考えでしょうか。

A:力学試験はしっかりと行われて、技術検討会でも確認はしていただいていると思います。その他、様々な試験がございますが、その内容については、事務方なり詳しいものから説明させます。

Q:力学試験で、強度は出しているという従来の姿勢はそのままという理解でよろしいでしょうか。

A:そのとおりです。

Q:辺野古の工事について伺います。コーン貫入試験から求めた非排水せん断強さというのは、一般的に設計にも使うことがあるという信頼性の高い強度データだと思います。防衛省は採取した試料から、室内試験で確認した強度を採用したと言っておりますが、なぜ信頼性の高いコーン貫入試験から求めた非排水せん断データを無視するのでしょうか。

A:技術検討会で、既にその辺のことについては、御確認をいただいおりますので、必要なら事務方から、詳しい人間から御説明させます。

Q:別の3地点の試験結果から強度を推測できるとして、B-27地点でも試験結果について全て軟弱をうかがわせているデータがあるのに、なぜB-27地点で強度試験を実際に行わないのでしょうか。

A:技術検討会で既に必要ないということで、確認をいただいておりますので必要ないということでございます。

Q:辺野古の工事では、計画どおりに今後工事が進んでいかないというリスクもあると思いますが、そういったリスクについては想定されないのでしょうか。

A:普天間基地の危険性の除去と日米同盟の抑止力を両立させる唯一の選択肢でございますので、沖縄の県民の皆さんの危険性除去という願いを一日も早く実現するためにしっかりとこの工事を進めていきたいと思います。

Q:オリンピック・パラリンピック支援本部の件ですが、人数はどれくらいの規模になるのかというのと、職員の方というかメンバーは防衛省中心の方になるのか、各幕からも参加されるのでしょうか。

A:人数の詳細については、後ほど説明をさせますが、一つは運営のための本部が下につきます。もう一つはセキュリティの安全・安心の確保のための本部が下につきます。それから、自衛官のアスリートがおりますので、彼らの支援という3つに大きく分かれて、それぞれやっていきたいと思います。

以上