防衛大臣記者会見

日時
令和2年2月10日(月)17:39~17:53
場所
防衛記者会会見室
備考
河野防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

 先日申し上げました、太平洋島嶼国地域の国防大臣等を招待した、国防大臣級会合を東京で行うということでございますが、正式な名称は「Japan Pacific Islands Defense Dialogue 2020:Bridging the Blue Continent」とすることを決めました。略称は「JPIDD(ジェイピッド)」になります。会議そのものの日程は、4月5日(日)になろうかと思います。来日された国防大臣とは、前日バイ会談や夕食会をやれればと思っております。防衛省が主催する、大臣級のマルチの会合は初めてということですので、会議の名称も呼びやすく、親しみやすいかどうかは分かりませんが、一応そういうことで皆が知恵を絞ってくれました。「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて、重要な太平洋島嶼国及びパートナー国との会合ですから、こうしたものを通じて協力を深めていきたいと思っております。これに関連して、山本副大臣が今晩から、パプアニューギニア独立国及びトンガ王国を訪問します。防衛省の政務3役として、両国を訪問するのは初めてということでございます。副大臣から、フィジーの時と同じように、先方の国防大臣に招待状を直接手渡し、この会合の意義について説明をしてもらおうと思っております。これで、先般のフィジー、パプアニューギニア、トンガの3カ国全て終わったことになると思いますので、副大臣には気を付けて行ってきてもらいたいと思います。新型コロナウィルス関連では、「ダイヤモンド・プリンセス号」で自衛官62名、宿泊施設では69名、合わせて131名、自衛官が様々な業務支援に当たっております。これからも必要なことがあれば、要請に応じて、自衛隊でしっかり対応してまいりたいと思います。

2 質疑応答

Q:7日に旭川で発生した陸自ヘリの事故について、事故の状況や原因等、新たに判明した事実をお願いします。

A:ホバリング訓練中に、一度接地しながら横転したと聞いております。機体点検あるいは事故までの間に、機体に特に異常はなかったということ、また、ホバリングその他で、雪によって視界不良の状況だったということから、人的な要因が考えられるのではないかと思っております。現時点で、機長は軽傷でございますが、副操縦士は重傷で、頭蓋骨骨折、肺挫傷及び脳出血ということで、意識がない状況でございます。命には別状はないだろうということですが、今後、操縦士の意識の回復を待って、ヒアリングを行うと同時に、ボイスレコーダーの解析、機体、部品の状況の解析等を行って、事故の原因をしっかりと突き止め、再発防止に当たりたいと思います。

Q:先週も質問のあった、辺野古の調査の関係ですが、あの調査は、防衛省が直接発注したものではないという説明を聞いているのですけれども、簡易的な調査は業者がやったと。そういったことというのはあり得るのでしょうか。どういう経緯で調査がされたのか教えていただけないでしょうか。

A:沖縄防衛局として求めていたものではないのだそうでございます。私も詳細を存じ上げませんので、事務方から後程、説明をさせたいと思います。

Q:その辺の経緯がよくわからない中で、データの結果については、説明が直接国会や記者会見等ではなかったのですが、調査結果、報告書の内容が何か変えなければならないですとか、何かそのデータを撤回しなければならない等、そういったことをお考えでしょうか。

A:詳細を存じておりませんので、事務方から後で説明させます。

Q:一部報道で、防衛省が陸自の水陸機動団について、北海道の駐屯地での新設を検討していると報じられました。事実関係をお願いします。

A:3つ目の連隊を設置することにはなっておりますが、時期及び場所については全く未定でございます。

Q:北海道が検討対象に入っているということも、今現在、まだないということでしょうか。

A:どうしてそういう記事が出たのか、私も分かりません。

Q:昨年の10月に経団連の意見交換会に出席されて、防衛産業の基盤強化を継続してやっていこうとお話されましたけれども、その後も部長級で会合が持たれていると聞いています。防衛産業の競争力強化のために、どういう連携が必要だとお考えでしょうか。

A:防衛装備品については、産業基盤をしっかり確立することが大事だと思います。今後必要になってくる装備品を調達するということ、そして、コスト的にも良いものを作ってもらわなければいけません。研究開発のための基盤も必要となってきますので、今のように、「防衛省の発注が売り上げの1割以下というのが平均です」という、社長もあまりその部門をよく分かっていないというような状況は、我々としては改善をしていかなければいけないと思っておりますので、昨年の10月、経団連と朝食会をやらせていただきました。11月に装備庁長官と経団連と会合をもっております。その後、おそらく毎月のように会合を持っておりまして、一段落したところで報告を受けようと思っております。また、今年の7月にもう一度、私と経団連とで同じような会合をやれたらと思っているところですので、防衛産業の基盤を強くする、研究開発の基盤を強くする、そういう関係で防衛省と経済界が協力してやっていけたらと思っております。

Q:辺野古の移設建設に戻りますが、今回明らかになったのは70mより深い海底地盤が軟弱であることを示すデータだったと思います。防衛省は70mまで地盤改良すれば施工可能だと説明をしてきているのですが、それとの関係、整合性についてお聞かせください。

A:今回の試料は、そうしたものの検討に適する試料ではないと聞いておりますし、技術検討会でも今までの防衛省の方法で問題ないということでございますので、特に心配することはないと思っています。

Q:国会で答弁された内容になるのですが、先日、海上自衛隊の1等海佐が派遣型風俗店の営業にかかわっていたという疑いもあって異動をさせられておりますが、現在の内部調査の状況等を可能な範囲でお願いします。

A:本人の供述によれば、この1等海佐は、平成22年2月頃から本件発覚までの間、妻の名義を利用して、無店舗型性風俗特殊営業の届出を提出した上で、インターネット上にホームページを開設し、兼業の申請を行うことなく、自ら女性に性的サービスを提供する等、実質的な経営を行い、収入を得ていた。また、勤務時間中にブログへの書き込み等の営業活動を行っていたということでございます。刑事上の責任につきましては、警務隊が捜査をしておりまして、現在考えられる刑事上の責任としては、自衛隊法第59条「秘密を守る義務」、自衛隊法第62条第1項「兼業・兼職違反」、売春防止法第3条「売春の禁止」、第5条「勧誘等の禁止」、こうしたことにあたるおそれがあるのではないか、ということでございます。こうしたことがないよう、綱紀粛正にしっかり努めてまいりたいと思います。

Q:イージス・アショアについてお伺いします。明後日12日に、自民党の秋田県連が新屋演習場への配備は難しいということで、また申入れに来るということでしたけれども、防衛大臣としては、自民党内からそういった意見が出ていることについて、受け止めをお願いします。

A:申入れについては、まだ調整を事務的にしているそうでございます。いずれにしろ、再調査をしっかりやった上で、ゼロベースで検討するという方針に何ら変わりはございません。

Q:昨年の10月23日から25日、先程国会でも穀田議員の質問がありましたが、自衛隊の「ぶんご」と「たかしま」が、訓練でホルムズ海峡に入った際に、イラン革命防衛隊に追尾されたという報道があったのですが、それについての事実関係を改めてお願いします。

A:報道は承知をしておりますが、自衛隊の部隊の運用について詳らかすることは差し控えたいと思います。

Q:防衛省から受け取った資料だと、航泊日誌が黒塗りになっていたと。黒塗りにした理由と、また今後一般市民等から情報公開請求があれば、その部分を公開するお考えがあるかどうかお願いします。

A:ホルムズ海峡に限らず、航行の安全のために自衛隊の艦艇が必要な処置をとるということはございます。いわば手の内でございますから、それを対外的に、今の時点で公開をするのは差し控えるべきだと思います。

以上