防衛大臣記者会見

日時
令和2年1月21日(火)11:22~11:36
場所
防衛記者会会見室
備考
河野防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

 国際平和協力に関しまして御報告です。防衛省・自衛隊は、2月10日から3月13日まで、ベトナムにおいて実施される国連PKO支援部隊早期展開プロジェクト、RDECの重機操作訓練に、教官として、陸上自衛官28名を派遣いたします。防衛省・自衛隊がこれまでのPKOの活動等を通じて培ってきた経験・知見を積極的に活用できるものでありますし、近年の国連PKOの大きな課題となっています工兵部隊の早期展開能力の向上、これに日本としてもしっかり協力していきたいと思っているところであります。今日の夕刻、出国報告を受けますので、しっかりと激励をしたいと思います。

2 質疑応答

Q:一昨日の日米レセプションで総理が、宇宙・サイバーの分野においても安全、平和を守る柱として、日米同盟を充実させると発言されましたが、大臣として、宇宙・サイバーにおいてどのような日米の連携、取組を進めていかれるお考えでしょうか。

A:宇宙につきましては、宇宙状況監視、SSAにおいて、スペースデブリの状況であったり、不審な動きをする衛星だったり、ということを日米共同で監視をするというところから、まずしっかり進めていきたいと思っております。サイバー分野では、様々情報共有ですとか、あるいは人材育成、更には共同訓練、そうしたことを日米でしっかり進めていきたいと思います。

Q:レセプションの関連ですが、今年、米軍駐留経費の交渉が始まると思いますが、大臣が乾杯の御挨拶で、日米同盟の価値は「プライスレス」とおっしゃいましたが、その意図するところを教えてください。

A:駐留経費は、来年の3月が現行協定の期限でございますので、おそらく今年の秋口くらいから交渉が始まることになろうかと思います。60周年のレセプションとは特に関係はございません。この日米同盟、日米安保は、日本を防衛するというだけでなく、アメリカの前方展開能力をしっかりと支え、地域の平和と繁栄に大きく貢献をしてきたという意味で、アメリカを含む世界にとって金銭に代え難い、そういう意味で「プライスレス」と申し上げました。

Q:馬毛島ですが、今日から環境調査が始まったと思いますが、先日地元の市長もいらっしゃって賛否は明らかにしないものの、慎重な発言をされたかと思いますが、地元の理解をどのように得ながら進めていくお考えでしょうか。

A:しっかり調査をした上で、まだ所有権の移転が終わっていない部分がございますので、しっかりとそうしたことを進めていきたいと思っております。南西諸島防衛の自衛隊施設の一つとして、また米軍のFCLPの拠点として、非常に重要だと思っておりますので、地元説明をしっかりやっていきたいと思います。

Q:駐留経費関係ですが、アメリカの国防長官、国務長官ともに新聞に寄稿して、韓国に対する駐留経費の負担を公然と求めているような形なのですが、日本側にも同様に再三求めてくると思いますが、日本側負担についての現状認識をどのようにお考えになっていて、アメリカ側とはどういった形で交渉に臨まれるのでしょうか。

A:今の駐留経費の負担割合、非常に適切に行われていると思いますし、アメリカもそのように認識をしていると思っております。

Q:馬毛島に関連してですが、あの地域に、改めて、自衛隊あるいは米軍に使える施設が今後完成していった場合、日本あるいは地域の安定にどのように寄与するとお考えでしょうか。

A:南西諸島の防衛というのは、しっかり考えていかなければならない大きな課題と認識しております。また、FCLP、硫黄島からの移転ということは、米軍の即応能力の維持・向上につながる非常に重要なことだと思っております。

Q:中国、特に海洋進出を強めていますが、そこへの影響はどのようにお考えでしょうか。

A:現在、尖閣周辺の海空域で、非常に中国軍が活発な活動をしている、そういう状況にありますので、習近平主席の国賓来日を前に、中国側に環境の改善というのを我々として求めているところでございますが、今後もこうしたことが続くようであれば、この南西諸島防衛ということに、日本としても少ししっかり力を更に入れていかなければいけないと思います。

Q:首相の施政方針演説ですが、これまで演説に盛り込んでいた普天間飛行場返還の移設先としての辺野古について、今回は触れませんでした。代わりに海兵隊のグアム移転が入ってきましたが、このような表現になったことについて、大臣のお考えをお願いします。

A:おそらくグアム移転は、沖縄の負担軽減に非常に大きく貢献をすることになると思います。いよいよグアム移転が本格的に始まることで、演説の中に盛り込まれたと思っております。

Q:辺野古の工期が12年かかる見通しで、2030年以降の完了となる見通しとなっており、政府のこれまでの「1日も早い普天間の危険性除去」という表現が言いづらくなっているのではないかという見方もあるのですが、この指摘について、いかがお考えでしょうか。

A:いよいよ辺野古への移転についても工期が明確になりましたので、しっかりと努力をして、それを1日も早くできるように、工期を1日でも短くできるように、政府としては努めていきたいと思います。

Q:「1日も早い普天間の危険性の除去」が言いづらくなっているという指摘はいかがでしょうか。

A:工期が明確になったことで、1日でも短縮していこうという目標が明確になったと思っております。

Q:従来の方針は変わっていないということでしょうか。

A:はい。

Q:昨日、辺野古の工事に関する環境監視等委員会が開かれ、その中で環境への影響について、これまでと同程度若しくはそれ以下という予測が想定されたのですが、環境影響が色々と出てきており、今後、県への変更申請のスケジュール等が近づいてきていると思いますが、これに関するスケジュール感と、昨日の委員会の予測に関する受け止めを教えてください。

A:準備が整い次第、速やかに、申請をしたいと思っております。まだ、今の段階でいつと申し上げる状況にはありません。

Q:本日、アメリカの国防安全保障協力庁長官が大臣に表敬しますが、どのような意見交換をされる予定でしょうか。

A:米軍からのFMS調達について、未納入あるいは未請求その他色々と問題がありますので、それをどのように解決するかということは、今までのような通り一遍ではなく、少し、両方で腰を入れて問題解決に向かっていきたいと思っております。もちろん、米側でやってもらわないといけないところも多々ありますが、我々サイドとしても、もう少し本腰を入れてやっていかなければいけないと思いますので、今日、そして明日、かなり長時間をかけて議論をすることになろうかと思いますので、しっかりと課題解決に向けて双方、道筋をつけるようにしていきたいと思います。

Q:秋田県の佐竹知事がイージス・アショアについて、来週にも防衛省に申し入れをできるのではないかという見通しを示しておりますが、お会いになる考えはあるのかということと、改めて、どのように秋田県側に理解を求めていくかということをお聞かせください。

A:再調査の上、ゼロベースで判断をするということに変わりはございません。予算委員会をやっているのだろうと思いますが、そこは調整をしたいと思います。

Q:米軍駐留経費についてですが、前回の交渉は夏から秋にかけて始まったと思います。大臣は先ほど、秋頃から交渉をするのだろうということですが、米軍が強く増額を求めている中で、交渉の前倒しということは必要だとお考えでしょうか。

A:米軍は今の段階で強く求めておりません。

Q:前倒しについてはどうでしょうか。

A:そのような話は聞いておりません。

Q:アメリカ側は、国務省のクーパー次官補ほか、シュナイダー在日米軍司令官等が、記者会見あるいは各種インタビューに応じて、駐留経費のことを、交渉に当たっては金銭的負担だけではなくて、幅広い防衛協力の在り方についても議論をしたいという意向を示されておりますけれども、大臣としては、今現時点で、日米安保条約5条、6条の関係や、そのバランスに関してどのような御認識を持たれているのか。また、金銭的なことだけではなくて、防衛協力全般のあり方についても議論をしていくことに関しては、どのようなお考えをお持ちでしょうか。

A:もちろん、防衛協力全般についての議論というのは、日々安全保障環境が変わっていく中で、日々やっていかなければいけないと思いますので、米軍との話合いというのはお金の話だけではなく、様々な色んなことが議題にならなければいけないと思います。

Q:イージス・アショアについて、昨日、佐竹知事は、会見の中で、新屋演習場への配備は無理だということを伝える、というふうにおっしゃったのですが、それについては大臣の受け止めはいかがでしょうか。

A:再調査の上、ゼロベースで検討するという方針に変わりはございません。

Q:ハワイの施設を視察した際に、あまり具体的な詳細については聞けなかったと佐竹知事はおっしゃっていたのですが、例えばレーダーの稼働状況だとか、照射方向、出力などの情報について、知事と話し合う意向はあるのでしょうか。

A:時間も限られるでしょうから、どういう話になるのか分かりませんが、まず再調査をしっかりやった上で、ゼロベースで判断をするということだと思います。

Q:中東派遣の関係で、海上警備行動が発令された場合に、日本が関係する外国商船を守る場合には、武器使用はできないという解釈ですけれども、実際にそういう事態に遭遇した場合に、限定的な防護で済むのかという指摘もありますが、その辺について大臣の御認識はいかがでしょうか。

A:自衛隊の行動は、常に憲法並びに法令の枠内で行う、それに何の変わりもございません。

Q:オーストラリアの森林火災で、自衛隊が活動を始めていますが、どういったことが期待されているのかということと、活動期間はどれくらいを予定されているのでしょうか。

A:オーストラリア側から、輸送機による支援を言われております。もうすでに活動は始まっているところです。特にまだ、期間はいつまでというのは決まっておりません。

以上